2016-07-05
最近、保育園設立に地元住民が反対し、13か所が中止・延期しているという。毎日新聞調査では、住民反対で断念11件、開設遅れ15件だそうだ。保育所建設が引き起こす波紋は思わぬところに広がり、地域住民とのトラブルが続出している。いったいどうして? ブログなどを見ると、「子供の声がうるさい」などの理由で反対するなんて全く心が狭いと地域住民を批判する声が殺到していた。私も最初は短絡的に全くそうだと思ったが、しかしよく調べていくと、ことは単純ではないことが見えてくる。NHKクローズアップ現代2014年10月29日(水)放送「子どもって迷惑? ~急増する保育園と住民のトラブル~」はその真相に迫ったものであり、真実の問題点をまさにクローズアップしていた。「保育園建設に反対する声を「心が狭い!」と責める前にぼくたちが考えるべきこと」では、地域の社会構造の変化に対応した街づくりを提唱し、「千葉県市川市の保育園の反対運動による開園中止はしょうがない」という小さな子を持つ親の意見も出ている。短絡的に地域の反対運動を悪いことと決めつけてはいけないことがわかる。では、いったい何が問題なのであろうか? 見え隠れするのは、地域住民に何の相談もなしに一方的に工事を行おうとする法人や行政の姿勢である。当然ながら地域住民は保育所建設予定地近辺の環境を熟知していることから、子供たちの安全面を心配する声もある。もちろん、閑静な住宅街への突然の変化に対する「不安」もある。住民たちの声を無視した突然の工事計画は、反発が大きいのである。地域住民の強い反発を押しのけて設置された保育園側も、地域住民の十分な理解が得られないまま仕事を続けることに問題があると感じているようである。子供は大声を出すのは当たり前であるが、それを騒音と感じるか、心地よいと感じるかは、地域との十分なコミュニケーションがあるかないかで変わるのではないであろうか?地域に溶け込んだ保育園づくりは必要不可欠であろう。