アットウィキロゴ
旅人「こんにちは」


魔王「まおー」


旅人「こんばんは、ですかね」


魔王「まおー」


旅人「おつきさまが綺麗ですね」


魔王「うん」


旅人「私はあそこに飛びたいのです」


魔王「つれてってー」


旅人「二人だと心強いです」


魔王「おー」


旅人「さてさて準備をしましょう」


魔王「りょーかい」


旅人「月という所では時間が無いそうです」


魔王「ほー」


旅人「どっちの時計がいいでしょうか」


魔王「ゆっくりすすむほーがいいー」


旅人「私はあまり賢くありませんのでどちらかは分かりません」


魔王「わーうわーう!」


旅人「大きい方がきっとゆっくり進むでしょう」


魔王「まおー」


旅人「あなたは何を持っていきますか」


魔王「みんなー」


旅人「お優しいですね」


魔王「まおー」


旅人「私は望遠鏡も持って行きますよ」


魔王「なんでー」


旅人「恋人を探すのです」


魔王「まおー」


旅人「友人も探すのです」


魔王「ひとりはこわい」


旅人「今は二人ですので」


魔王「そっかー」


旅人「向こうは食べ物ありますかね」


魔王「きっと、こんぺいと」


旅人「コーヒーも用意しておきますか」


魔王「みるくもー」


旅人「どうぞ帽子です」


魔王「まおー?」


旅人「その角は向こうの人が怖がるかもしれません」


魔王「そっかー、あーとー」


旅人「ハンカチです」


魔王「あーとー」


旅人「使うことのありませぬように」


魔王「まおー」


旅人「これも」


魔王「なにー」


旅人「ラジオです」


魔王「くろいのこわい」


旅人「あなたの服も黒ですよ」


魔王「じぶんもこわい」


旅人「どうぞ白ですよ」


魔王「わーうわーう!」


旅人「ラジオも白く塗りましたよ」


魔王「まおー」


旅人「一緒に聴けますね」


魔王「わーうわーう!」


旅人「あ、」


魔王「んー?」


旅人「朝になっちゃいました」


魔王「まおー」


旅人「朝ご飯にしますか」


魔王「うん」


旅人「何にしましょう」


魔王「ゆめ」


旅人「どんな夢が美味しいのですか」


魔王「とおいのー」


旅人「全ては叶わないので一つさし上げましょう」


魔王「まおー」


旅人「美味しいですか?」


魔王「うん」


旅人「ほっぺについてますよ」


魔王「あーとー」


旅人「優柔不断なので、悲しみは無いです」


魔王「まおー」


旅人「ここに喜びが生まれました」


魔王「わーうわーう!」


旅人「そうだ、ラジオを聴きましょう」


魔王「うん」


旅人「わーうわーう!」


魔王「わーうわーう!」


旅人「…あれ、おかしいな」


魔王「なんでだろー」


旅人「どの局も繋がらないです」


魔王「ざんねん」


旅人「空気が穴だらけで寂しいですね」


魔王「まおー」


旅人「音で埋めたかったなぁ」


魔王「む・・・」


旅人「コンパスコンパス」


魔王「まおー?」


旅人「まわってますね」


魔王「くるくるー」


旅人「歩いてみますか」


魔王「さんせー」


旅人「足元に気をつけて」


魔王「いたたた」


旅人「お花です」


魔王「きれー」


旅人「私も花に生まれたかったなぁ」


魔王「もったいないよー」


旅人「雨…」


魔王「!」


旅人「ここは私が守ります、下がって」


魔王「まおー」


旅人「彼らも本気で落ちてくるので」


魔王「・・・?」


旅人「私も本気で接するべきだと思うのです」


魔王「わーうわーう!」


旅人「やみました」


魔王「おつかれさまー」


旅人「彼らのおかげで草花が潤いました」


魔王「ここによろこびがうまれました!」


旅人「私が花なら育つのでしょうが・・・」


魔王「ふぃ」


旅人「実に惜しいですね」


魔王「いろいろあるの」


旅人「タオルタオル・・・白にしましょう」


魔王「いいよねーしろー」


旅人「あなたもどうぞ」


魔王「わーうわーう!」


旅人「本、読みますか」


魔王「うん!」


旅人「難しいかもしれません」


魔王「じはめがねにならったよー」


旅人「どうです」


魔王「わっかんない!」


旅人「読みましょうか?」


魔王「おことばにあまえて」


旅人「『キートは老衰しきった体をよろめかせながら、足元の』」


魔王「ねむいー」


旅人「おひるねにしますか」


魔王「すーすー」


旅人「おやすみなさい」


魔王「すーすー」


旅人「私はいつもこう無防備だったのですね・・・」


魔王「すーすー」


旅人「おはようございます」


魔王「おはよ」


旅人「リボン似合ってますよ」


魔王「!、あーとー」


旅人「夜ですね」


魔王「うん」


旅人「こんばんは」


魔王「こんばんわ」


旅人「おつきさま、綺麗ですね」


魔王「きょうこそいこうねー、つき」


旅人「月へですか?あはは、無理ですよ」


魔王「まおー?」


旅人「行くとしても、空気の層が邪魔するそうです」


魔王「どーしたの?」


旅人「?」


魔王「かがやいてためはどこ?」


旅人「・・・?」


魔王「にせもの!にせものなんでしょ!」


旅人「ど、どうしたのですか!」


魔王「おやすみちゅうにどこにやったの!」


旅人「私は私ですよ、落ち着いてください」


魔王「つきにいくのゆめだったんでしょ!」


旅人「ゆめ・・・?」


魔王「・・・!」


旅人「ど・・・どうしたのですか」


魔王「・・・ごめんなさい」


旅人「こちらこそ、何故か怒らせちゃって」


魔王「・・・」




白い魔王はハンカチで涙をぬぐいました。
一番尊い夢を食したことを悔やみながら。
旅人は魔王を慰めるためにオカリナを吹きました。
『私は人の心を癒すことの出来る演奏家になりたいのです』
白い魔王は声が出なかったので、満面の笑みで旅人に答えました。





 
最終更新:2008年04月24日 17:36