「貴方の未来に神はいる、あなたの過去に神はいない」
目の前の女はそう語った。
教会の礼拝堂。
椅子が整然と並び、夕焼けがステンドクラスを通して差し込み彼女の髪を照らしている。
彼女の顔は夕日に照らされている。
「貴方はこれから死地に赴きます」
「私にできることは多くありません」
「貴方がなぜ死地を望むのか、なぜ遠く中東の地を踏もうとしているのか」
「私にその意味は分かりません」
「運命を祈ることしかできません」
「語っていただけませんか、なぜあなたが地の果てに行くのか、何をしに行くのか」
私は語った。
最終更新:2015年07月13日 04:16