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3.5日目 55・56・57・88

言葉「シンくん・・・私はあなたを愛しています。誰にも渡したくないんです。だから・・・」

 どこからか鋸を持ち出す言葉。瞳は輝きを失い、その顔には不気味な微笑みが浮かんでいた。

シン「あっ、いたいた。どうしたんだよ言葉。今朝から様子がおかしいけど、何かあったのか?」

言葉「ふふ、なんでもありませんよ、シンくん。それより・・・」

シン「ん、その鋸はどうしたんだ? ああ、そういえば暖炉にくべる薪が少なくなってきてたっけ」

言葉「あの、そうじゃなくて・・・」

シン「鋸まで取ってきてもらって悪かったな。ひとっ走り森まで行って木を切ってくるよ」

それだけ言い残すと、シンは言葉の鋸を持って森へと出かけてしまった。

言葉「・・・・・・あれ?」

その日の夕食時

シン「ごめんな、なかなか太い木が見つからなくて・・・。明日はちゃんと取ってくるからな!」

言葉「いえ、もう薪はいいんです。それより、食後のデザートを用意してきますね」

シン「あ、うん。ありがとう」

言葉「・・・・・・」

シン(う~ん、どうも今朝から様子がおかしいな。何かあったのか?は! ま、まさか・・・)

  • 台所

言葉(この世界から出ることになったら、きっとシン君は私のこと忘れて、ほかの女と一緒になっちゃうはず。
   誰かに・・・奪われるくらいなら・・・)

りんごを切りながら、言葉は自分の手に握られた果物ナイフを見つめていた。

シン「言葉!」

言葉「どうしたんですか、大声を出して。りんごはまだ・・・きゃっ!!」

言葉を力いっぱい抱きしめるシン。

シン「ごめん言葉、気づいてやれなくて・・・・一人で抱え込んで怖かっただろ。でも、そのことで言葉を追い詰めてるなんて知らなかったんだ」

言葉「シ・・シン・・・くん? 私のこと気づいてたんですか!」

シン「ああ、悪かったと思ってる。つらい思いをさせて本当にすまなかった」

言葉「ちが・・・違うんです。・・・・悪いのは・・・私が勝手に・・・」

シン「いいや、悪いのは俺だ。こんなことなら最初から全部話しておくべきだったって後悔してるんだ」

言葉「・・・・うう、シン君・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい!」

シン「大丈夫だ、俺は絶対に言葉を裏切らない。この世界から出た後も、ずっと隣にいて君を守ってみせる!」

言葉「シン君っ!!!」

シン「言葉っ!!!」

言葉の手から果物ナイフが滑り落ちる。
その刀身には、すすり泣く言葉を抱きしめたシンの姿が映りこんでいた。

言葉「いけないってわかってたのに・・・自分を抑えられなくなって・・・・本当にゴメンナサイ。・・・私のこと、嫌いになりましたよね?」

シン「嫌いになるわけないじゃないか。ゴキOリが嫌いな女の子なんて、別に珍しくないよ。俺だって嫌いだし」

言葉「・・・・・はい? ゴキOリ??」

シン「昨日の夜中に、台所で俺が逃したゴキOリを怖がってたんだろ?ごめん、言葉。
   黙っていたのは、下手に知らせたら怖がられると思ったからで、言葉をないがしろにしたわけじゃなくて・・・」

言葉「・・・・・・・(唖然)」

シン「深夜だったから、言葉を起こさないように手加減して叩いたのが逃した原因だな、うん。
   でも、罠を仕掛けておいたから明日には捕まってるよ」

言葉「だ、だけど、さっき気づいてたって・・・」

シン「ああ、言葉の様子がおかしいことには朝から気付いてたよ。
   それなのに、俺は話も聞かずに、昼間は言葉とゴキOリを二人っきりに・・・」

言葉「そうじゃなくて! さっき一人で抱え込ませて悪かったって!」

シン「言葉は俺に迷惑をかけないように、自分ひとりで退治しようとしてたんだよな。でも、今度からは相談ぐらいはして欲し・・・」

言葉「だから、そうじゃなくて!!!・・・はぁ、もういいです」

シン「???」

言葉「・・・それより、さっきの約束・・・信じていいんですよね?」

シン「当たり前だろ。言葉は俺が・・・その・・・・ずっと守ってやるから(///////)」

言葉「・・・はい、私もシン君を守ります(///////)」

言葉(この人ならきっと私を裏切らない。なら、私もあなたを裏切りません。・・・ごめんなさい。そして、ありがとう)

結局元の鞘に収まった二人は相変わらずのバカップルに戻っていった。


次の日、何故か「死亡フラグもバッキボキ♪」「天然フラグブレイカーGJ!」と書かれた紙切れがベットの上にばら撒かれていたそうな。







言葉「ところでこの『フラグ』ってなんでしょう?」

シン「そういえば前に歴史の授業でこういう人名を聞いた気が・・・」

カタカタ・・・

シン「おっ、わかった。チンギス・ハンの子のトゥルイの3子でイル=ハン国の礎を築いた人物のようだ」

言葉「へえ、すごい。歴史、得意なの?」

シン「いや、ちょっとした注釈をちょっとうる憶えていたくらいだよ」

言葉「でもすごいです・・・。もっといろいろ教えてくれませんか」

シン「オレが知らないこともいろいろあるけど・・・一緒に学びながらがんばろう

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最終更新:2009年02月27日 02:51
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