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Destination01

 シン・アスカ、民間協力者である彼は「時空管理局 本局古代遺失物管理部 機動六課」の中での前線部隊スターズ・ライトニング分隊のセンターガードを担当している。
 但し、彼のこの前線での役割は同部隊に所属し、同じくセンターガードを担当している「ティアナ・ランスター二等陸士」との役割は大きく異なっている。
 では、どの部分で異なっているのか、それは育成方針から異なっている。
 ティアナ・ランスター二等陸士に関しては、情報分析・戦術立案・戦闘行為の並行処理(マルチタスク)に秀でた「チームの核」として育成する方針がある、
 それに対してシン・アスカの育成方針とは、近距離から遠距離までのあらゆるレンジに対応可能な魔道師として育成することに重点を置いている。

 本来のセンターガードの役割から大きく逸脱しているが、シン・アスカにこのような育成方針を採る事になった経緯としては彼自身が所有するデバイス「デスティニー」、そして彼自身の出生にある。
 元々シン・アスカ自身は時空管理局が管轄・把握していない世界「コズミック・イラ」という世界の出身である、この世界では、時空管理局によって根絶・開発・所持が禁止された「質量兵器」が扱われている。
 シン・アスカではその世界にて「質量兵器」を扱う軍隊に所属しており、部隊においては「MS(モビルスーツ)」と呼ばれる人型兵器の扱いに長けた「エース」であった。
 現在シン・アスカが所有するデバイス「デスティニー」は彼が「コズミック・イラ」で使用した最後のMS「デスティニー」と同様の名前を持ち、武装もMSの時に使用していたものを魔力によって再現されている(質量兵器として再現されず、魔力兵器として再現されており非殺傷設定も
行える)
 MS「デスティニー」の開発された意図は、「コズミック・イラ」で行われていた戦争を終結するために開発された機体ということ。
 また、開発のコンセプトが「高出力によって多数の兵装を装備し、単機であらゆる戦況に対応する」ことを目的とされており、全距離に対応することを要求されている。

 そして本人にこのデバイスの存在を説明したところ、機動六課への協力を申し出たのである。
 本人にその詳細を問い質したところ、現段階では自力で元の世界へ帰還するのは不可能に近く、ロストロギア(レリックの回収を専任)関連の任務を扱う部隊に在籍することで元の世界へ帰還する手段を探すためである。
 更に本人自身に確認したところ、ミッドチルダに時空転移した前後の記憶が不鮮明であり、彼が使用していたMSが転移されている可能性もある。
 そのため、機動六課だけでなく時空管理局としても看過できる事態ではないため、本人を交えた調査を行うためにも独断ではあるがシン・アスカ自身を機動六課の民間協力者として受理したのである。
以上の経緯によって、シン・アスカを機動六課の一員として迎え入れたのであるが、肝心なのは部隊のどのような役割を持たせるかにあった。

 何にしろ魔法の存在が判らず、どのような戦力として機能させるかという問題点があったからである。
 しかし、この問題点に関して、一つの光明が見えたのである。シン・アスカの所有するデバイスに高性能AI「ティニー」が搭載されており、シン・アスカの魔力保有量を始めとした詳細データを余すことなく提供し、シン・アスカに必要とされる戦術パターンまで割り出したのである。
 そして現在では機動六課のバックアップ、「ティニー」の情報分析の元にシン・アスカの育成が成されている。

 次に現段階で判明している、デバイス「デスティニー」の性能を明記する。
 普段は携帯電話が待機状態となっており、カラーリングは黒と赤で装飾しバリアジャケットの装飾と統一されている。前回提出したレポートのとおり詳しい術式は不明である(魔力を使用する際に足元に魔方陣が確認出来ないため)
 研究するうちに判明したが、バリアジャケットそのものがデバイスである可能性が高く、必要な武装は状況に応じ魔力を消費して精製する方式をとっている。   
    以下、バリアジャケット展開時の初期武装
     ・Dライフル(直射型小規模射撃魔法)
     ・パルマフィオキーナ(近距離:魔力付与攻撃/中距離:直射型小規模射撃魔法)
     ・ソリドゥス・フルゴール(シールドタイプ防御魔法)
     ・フラッシュエッジⅡ(セカンド)(魔力斬撃魔法)
    次に魔力を消費して展開される武装を明記
     ・長射程ビーム砲-ケルベロスⅡ(セカンド)(直射型大規模砲撃魔法)
     ・【アロンダイト】(魔力斬撃魔法)
     ・【ヴォワチューレ・リュミエール】(移動魔法)
     ・【ミラージュコロイド】(幻術魔法:虚像発生)
       補足:【】内武装の連続使用不可 
 現状でシン・アスカが使用可能となる武装は5点で限界を迎えている、問題点としては以下のとおりとなる。
  ・アロンダイト、ヴォワチューレ・リュミエール・ウィングユニット、この2点の武装は精製に必要な魔力消費が膨大であること。
  ・ヴォワチューレ・リュミエール、ミラージュコロイドは別々に使用が可能であるが、単独使用でも10分間程度で魔力が底を尽いてしまう。 
  ・魔力量、レベルの変動を確認しているが通常時のシン・アスカの魔道師ランクがかろうじてB級レベルであること
 以上の問題点から、シン・アスカは使用可能な5点の武装の使用が機動六課部隊長・八神はやてより許可されている。
 次に魔力量、レベルの変動について…
               -   -   -   -   -   -   -  

  「取り敢えず、ここまでで保存しといて一息つこうかな」
  そう自分に言い聞かせ、八神はやてはデスクから立ち上がる。

  「機動六課が設立されてから2週間…、シンと会ってからは2ヶ月になるんか…」
  数ヶ月前までの記憶を思い返し、ふと干渉に浸っていた自分自身に頭を振る。

  「まだまだ干渉に浸っている場合やない…まだ設立したばかりなんやから、気を引き締めんと」
  そう思い立ったとき通信が入る。

  「誰やろ?こんな時間に…」
  そう思案し、通信に応える。

  「はい、こちら本局古代遺失物管理部、機動六課部隊長、八神はやて二等陸佐です」
  「はやて、御免なさいね、こんな遅い時間に…」
  「カリム?一体どないしたん?」
  「実は…急で申し訳ないのだけど、明日の午後1時に聖王教会に来てくれないかしら」
  「…レリック絡みで何か進展があったん?」
  「ええ…でも直接会って話しがしたいの、それと例の遭難者にも」
  「シンに?」
  「少し気になる事があって…お願い出来るかしら?」
  「うん、ええよ。シンにも会わせたいとは思うとったし、明日の午後1時に向かいます」
  「ふふ…宜しくね」
  ここでカリム・グラシアとの通信を切り、はやては明日の予定について思案する。

  「聖王教会か…ここからやと少し時間掛かるし、フェイトちゃんに車を出して貰おうかな…
   いや、フェイトちゃんの車二人乗りやったからシンを連れて行くとなると、私が運転するしかないなぁ…」
  その予定で明日行動する事に決め、はやては部屋を出る。

  (今の時間は午後10時か…シンは自室で休んどるかな…)
  そう考えつつシンの部屋に通信を入れるが……応答は無かった。

  (まさか、自主訓練しとるんかな?そうやったら無理せんように注意せんと)
  そう思い立った時、はやては窓の外が魔力光で輝くのに気づいた。
                 -   -   -   -   -   -   -   -

  「はああああああ!!!」「おおおおおおお!!!」
  二つの魔力が交互にぶつかり会う、一方は青白い魔力光を放ち、もう一方は白い魔力光を放つ。
  両者とも拳に魔力を付与し打撃を繰出す。拮抗は数秒保ったが青白い光が次第に押され始め体勢を変え、距離を取った。


  「畜生!!いけると思ったのに…」
  青白い魔力光を放つ少年-シン・アスカは毒づいた。

  「そう簡単に突破されるようでは盾の守護獣の名折れだ、こちらにも意地はある」 
  白い魔力光を放つ青年-ザフィーラ(人型)は言い放った。
  「だが、お前は僅か2ヶ月ではあるが確実に力を増して来ている。悲観はしなくても良いだろう」


  ここ2ヶ月のシン・アスカはヴォルケンリッターのシグナムとザフィーラから近接戦闘の手解きを受けていた。
  何故なら「ティニー」からの指摘では中距離、遠距離戦闘においてはザフト軍に居た頃から変わらず、射撃や砲撃の戦闘は優秀であるのに対し、
  近接戦闘ではフラッシュエッジⅡに偏った戦闘形式であり、魔力不足に伴うアロンダイト不使用を補う手段が無かった。
  そこで八神部隊長からの命令もあって近接戦闘の「攻め」に特化したシグナムに剣術の指導、「守り」に特化したザフィーラから体術の指導を請う事になったのである。
  人にものを教えることに不慣れな二人(もしくは一人と一匹)からは実戦形式で当初から叩き込まれ、最初のうちは成す術も無かったが回数を重ねる毎に対処出来る様になったのである。


  「まだまだだ…こんな事じゃまだ守れない…俺はもっと強くなって六課に恩を返したいんだ!!」
  シンの語気が強くなる、それに呼応するかのように右の手甲に魔力が収束する。
  「俺を助けてくれた八神部隊長や、俺をサポートしてくれる六課の人達を守りたい…!」
  シンは手甲に近距離魔力付与攻撃-パルマフィオキーナを発動する。

  「………そうか」
  シンの攻撃を迎撃するために構えるザフィーラ。 
  「だから…!こんなものじゃ……足りない!!」
  言い放つと共に背部、腰部、脚部の全スラスターを噴出し、青白い弾丸となりザフィーラに急速に迫るシン。
  シンが繰出すパルマフィオキーナとザフィーラの拳が衝突した…。




   しかし、ほとんどの魔力を使い切ったためか数秒の拮抗の後に、シンの右手甲が砕け散った…。 

  「何?」
  シンは驚きの声を挙げたが、その隙をザフィーラが逃す筈も無く、そのまま繰出した右手でシンを押し返したのだった  
  倒れこむシン、直ぐに立ち上がろうとするが…
  「…終わりだ」

  ザフィーラの握り拳が寸前で止まっていた。

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最終更新:2009年10月05日 22:40
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