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仮面ライダーW 第二話 『二つの鼓動』

仮面ライダーW 第二話 『二つの鼓動』

二年生への進級試験であった使い魔の召喚を終え、二年生へと進級を果たしたトリステイン魔法学院の生徒達の
一日が始まろうとしていた。
シン「……んっ、もう朝か?」
シンはベッドから起き上がると、その横にいるシャルロットを起こさないようにベッドから降りると、上着を脱ぎ、部屋を
後にした。
何故、シンがベッドにいたかといえば、シャルロットが提案した事であり、
「シンは私のパートナーだから、一緒に寝る」
と言ったのである。
別段、引っかかるような事は決してしていない。
若干、シャルロットの顔が赤みがかっていたが、何もなかったのだからいいのだろう。
シン「ふぅ、…いい風だ」
シンは広場で吹き付ける風を受けながら、
シン「ハッ!そりゃ!」
稽古を始める。二年の間、戦いを意識しながらの稽古。
その脳裏にC.Eの思い出を浮かべて。




一通りの稽古が終わり、シャルロットの部屋に戻ると、既にシャルロットは着替えを終え、本を読んでいた。
シャルロット「まだ、続けているの?」
シン「あぁ、続けないと体が鈍るからな」
シャルロット「…そう」
シャルロットは思う。

何故、こんなにも彼は強くあろうとするのか?
彼は弱いものを守ろうとその腕を振るう。
その腕が壊れようとも、彼は腕を振るい続ける。
自分が壊れても彼は弱い人を助ける。
それは鞘の無い『剣』
しかし、支える『鞘』が無ければ、その『剣』は休めない
だから…私は彼の『鞘』でいたい。

シャルロットは立ち上がると、シンの裾を引く。
シンは怪訝そうな顔でシャルロットを見ると、
シャルロット「そろそろご飯の時間」
そういえばそんな時間かと、シンは思う。
シャルロット「(今はこんな関係でもいい。いつか、私がシンを支えてあげたい)」
シンが立ち上がり、シャルロットが部屋を空けると、
???「あら、シャルロット。おはよう」
そこには褐色の肌、グラマラスな赤い髪の少女がいた。
シャルロットの友人、キュルケ=フォン=ツェルプストーである。
シャルロット「おはよう、キュルケ」
キュルケ「ねぇ、シャルロット。その後ろにいる男って、貴方が召喚したの?」
シャルロット「そう、私のパートナー」
キュルケ「へぇ、貴方、名前は?」
シン「俺か?シン=アスカ。『探偵屋』ってのをしてる」
キュルケ「そう、よろしくね。それにしても、シャルが平民と竜を召喚するなんてね。ルイズも平民を召喚したし、
      まぁ、私も納得できるのを使い魔にしたわ。おいで、フレイム」
キュルケが呼ぶ声を聞いて、やってきたのは、赤い鱗を光らせた巨体のトカゲ。
シン「たしかそいつって、火山地帯にいる『サラマンダー』ってやつだったか?」
キュルケ「あら、博識なのね。そうよ、しかもこの尻尾の大きな炎。間違いなく火山山脈のサラマンダーよ」
シン「そうなのか?でもこいつなんか可愛げがあるな」
そう言い、シンはフレイムの頭を撫でる。フレイムは気持ちよさそうな鳴き声を上げる。
キュルケ「(サラマンダーを見て驚くどころか、その頭を撫でるなんて、変わった男ね)」
キュルケはシンを見て、微笑む。
その微笑を見たシャルロットは頬を膨らませる。
キュルケ「あら、どうしたのシャルロット?」
シャルロット「…なんでもない」
キュルケ「あらぁ~、もしかして、かまってもらえなくて拗ねてるの?」
シャルロット「…違う」
キュルケ「またまた、ねぇシン。貴方シャルロットと知り合いなの?」
シン「ん、あぁ、俺の恩人って所だな」
キュルケ「へぇ~、…ねぇ、シン。私の二つ名は知ってる?」
シン「二つ名?…確かメイジが使う魔法の属性を表す名前だったか?」
キュルケ「そう。そして、私の二つ名は『微熱』。時には小さな火でもあり、時には灼熱の炎でもある。
      今、私の中の『火』が『炎』になるかもねっ!』
そう言うと、キュルケはフレイムを連れて、食堂の方へ向かう。
シン「何だったんだ?」
シャルロット「……」
さっきの言葉をシンは疑問に思い、シャルロットはさらに頬を膨らます。
そうこうしているうちに、食堂に移動していると、今度はピンクブロンドの小柄な少女ルイズとそのルイズに召喚された
黒髪の少年サイトがいた。
ルイズ「あら、シャルロットじゃない?」
シャルロット「…おはよう」
サイト「なぁルイズ。この子は?」
ルイズ「シャルロットよ。私より1個下だけど、飛び級で進学した子よ」
サイト「そうなのか。で、貴方は?」
サイトはシンに尋ねる。
シン「俺はシン=アスカ。シャルロットの使い魔だ」
シャルロット「違う。貴方は私のパートナー」
シンの言葉をシャルロットは訂正する。しかし、サイトは別のことで驚く。
サイト「シン=アスカって、あのシン=アスカか?」
シン「…アンタ、俺を知っているのか?」
シンの言葉が重くなる。
その重い声にシャルロットとルイズとサイトは臆す。
サイト「あ、あぁ。ZAFTのエースで最新艦『ミネルバ』に乗るも、最後に敗れるってアニメだった気が」
シン「敗れた…そうか、レイが、ZAFTは負けたのか。」
シンは苦痛に耐えるかのように言葉を吐く。

ZAFTの敗北

二年前ココに飛ばされ、あのメサイア攻防戦の勝敗が分からなかったが、レイが、ZAFTが敗れ
『歌姫の騎士団』に軍配が上がったことに、シンは言葉を失う。
平賀才人はロボットアニメは比較的に視聴するほうであった。
しかし、それはキャラに感情移入するよりも、その作品を見て楽しむという広く、浅い考え方である。
サイトが思っているシン=アスカは『家族を失い、ZAFTのエースで、奮闘するも、最後は敗れるというキャラ』というモノだった。
ルイズ「ほらっ、何やってんのよ、早く行くわよ!」
ルイズの激が飛ぶと、サイトはシンに名前を教えると面倒そうにその後を追った。
シン「シャル、あのピンクの髪の子は?」
シャルロット「ルイズ=フランソワーズ=ル=ブラン=ド=ラ=ヴァリエール。ヴァリエール家の三女で、魔法が使えない」
シン「使えない?」
シンは疑問に思う。彼女は確かにサイトを使い魔にしていた。そのルーンが左手にあったのをシンは見逃さなかった。
シャルロット「そう。彼女はなんの呪文を唱えても、爆発が起こる。だから彼女の二つ名は『ゼロ』。絶対に成功しないという事」
シン「でも、できないわけじゃないんだろ?」
シャルロット「そう、魔力はある。だから魔法の素質がないわけじゃない」
シャルロットはそう言うと、食堂に行くため、歩を進める。シンもそれに付いていった。





食堂には、生徒が集まっており、がやがやとしていた。
食卓には朝からとは思えないはど豪勢な食事が並んでいた。
シン「朝から金懸けすぎだろ?消化に悪すぎるし」
シャルロットは席に着くと、シンをその隣の席に座らせる。
それを見た生徒はシンに軽蔑の視線を向ける。
シン「すんげー視線が痛いんだが?」
シャルロット「そのままにしておいていい」
その後、生徒全員が「偉大なる始祖ブリミルと女王陛下よ。今朝もささやかな糧を我に与えたもうたことを感謝いたします」と言う。
シン「(これでささやかねぇ?一般人の腹が一週間以上は持つぞ?)」
この食堂全域の料理を合わせれば平民は一、二週間以上は空腹に困らないだろう。
そしてこれらの半分以上が残飯となるのだから頭が痛くなる話である。
シンはナイフを持ち、パン、レタス、トマト、肉を切って、サンドイッチを作る。
それを数個程作り、いくつかをシャルロットに手渡す。
シン「消化に幾分かましだから、それ食べろ」
シャルロット「…(コクリ)」
サンドイッチを皿に盛ると、シンはサイトの場所に向かう。
貴族っていうのは大体が平民を粗暴に扱う奴らというのをシンはこの二年で理解していた。
案の定サイトは貴族が食しているのとは程遠い飯の寄せあつめを食べていた。
シン「サイト、要るか?」
サイト「へっ?いいのか?じゃあ…」
ルイズ「ちょっと、勝手に人の使い魔に餌を与えないでよ!」
シンがサンドイッチを渡そうとすると、ルイズが怒り声を上げる。
シン「おい、サイトはお前の使い魔なんだろ?だったら、それなりの食事を提供しろよ」
ルイズ「うるさい!大体、あんた貴族に向かってその口の聞き方は何よ!」
シン「あいにく、貴族とは喧嘩腰の生活を送った事もあるからな。それに、平民だからって理由で、貴族が偉ぶるのはお門違いだと
   思うぞ。貴族は杖が無くなれば、平民と同じ、いや、それ以下と言ってもいいからな」
ルイズ「貴族が平民に劣るですって!?」
シン「あぁ、断言できる。貴族は比較的に魔法やゴーレムを駆使し、自分は肉弾戦を行わない。つまり、体が出来上がらないって事だ。
   対して平民は基本、自身の体を鍛え、体を作っていく。純粋な筋力は圧倒的に平民の勝ちだ。それに、魔法と違い、人の編み出した
   技術は魔法を越える事ができる。俺も、そんな世界から来た」
サイト「……」
サイトは考える。
シンの世界とはおそらくC.E。そして、そこはサイトの世界とも違う世界。
そこには魔法以上の兵器、引き金を引くだけで人を殺めることができる凶器が転がる世界。
そこを生き抜いてきたシンのその言葉には確かな重みを感じる。
シン「もともと貴族ってのは、平民にはできない事をして、お互いに助け合いながら生きていくのが筋じゃないのか?
   今、食べている豪勢な食事は誰が作ってる?今、お前が見に着けてる服は誰が洗っている?誰が作った?」
ルイズ「うぐっ」
ルイズはシンに圧倒されている。シンの言った言葉に言い返せないからである。
シン「それぐらい、考えて分かるだろ」
シンはそういい終わると、シャルロットの所へ戻る。
ルイズ「……」
サイト「ル、ルイズ…」
ルイズ「…食べて…いいわよ」
サイト「えっ、あ…あぁ」
サイトはルイズの意気消沈した声に驚きながら、サンドイッチを食す。
おいしいと頭は感じているはずなのに、サイトはそれを他人事のように感じた。

シン「…くそっ」
シンはシャルロットの所に戻ると、自信に悪態をつける。
何故、あそこまで言い放ったのか?
もっと言い方があったのではないか?
シャルロット「…シンは頑張った」
シン「えっ?」
シンが振り向くと、シャルロットが続ける。
シャルロット「貴方が言ったのは、全ての平民が思っている事。それに彼女は気づくと思う」
シン「…あぁ、ありがとな、シャル」
食事が終わり、授業が始まる。
使い魔も出なければいけないらしく、シンもサイトも小さくため息を吐く。
教室には、生徒の他にも、蛇やモグラ、鳥などの使い魔として召喚された動物たちがいた。
ルイズ「あんたは私の隣に座りなさい」
サイト「あ、あぁ」
ルイズの迫力の無い声に戸惑い、サイトはルイズの隣に座る。
その隣にシャルロットとシンが座る。
???「皆さん、使い魔の召喚、お疲れ様です」
すると、教師である中年の女性、シュヴルーズが教室に入り、生徒に労いの言葉をかける。
シュブルーズ「あら、ミス・ヴァリエールとミス・オルレアン、個性的な使い魔を召喚しましたね」
使い魔の中で、シンとサイトを見て、シュブルーズはそう言う。
???「『ゼロ』のルイズ!召喚できないからって、その辺歩いていた平民を連れてくるなよ!」
からかいの声が教室に響く。その声の主は、金髪のぽっちゃり体系の男だった。
ルイズ「何よ、かぜっぴきのマルコリヌ。侮辱もいいかげんにしなさいよ」
マルコリヌ「僕はかぜっぴきじゃない!『風上』だ!」
ルイズはあしらおうとするが、マルコリヌは身を乗り出し、反論を続ける。
口論が激しくなるところで、シュヴルーズが杖を振るい、それを抑え、双方に注意を促す。
ルイズは、おとなしく、マルコリヌはしぶしぶと返事をする。
その後、『錬金』の授業が始まり、シュヴルーズが石ころを鉄や青銅に変える。
サイトはそれを珍しい物を見た子供のように目を輝かせる。
シンも感心しながらそれを見る。
シュヴルーズ「それでは、実際に錬金をしてもらいましょう。では・・・ミス・ヴァリエール。お願いできますか?」
その一言に、教室の空気が、音を立てて凍りつく。
キュルケ「ミセス・シュブルーズ、それは止めたほうが…」
シュヴルーズ「何故です?ミス・ツェルプストー」
キュルケ「危険です」
キュルケはシュヴルーズにそう言うと、その教室内の生徒は首を縦に振る。
ルイズは口を噛み締め、悔しそうに拳を握り締める。
シンはその様子を見て、考えを広げる。
シン「(キュルケの言う危険ってのは、魔法がなんらかによって変化して爆発するのか?そうなると魔法が起こり
   その中の過程において、魔法が変わり、爆発を起こす。変わるのか?呪文が)」
そう考えていると、ルイズは呪文を唱える。
ルイズが呪文を唱えた瞬間、生徒たちは机の下に避難する。
その中に、キュルケとシャルロットの姿もあった。
シャルロット「貴方たちも隠れたほうがいい」
その言葉にサイトは少し呆けた後、言葉どおりに従い、シンは即座に避難した。
そして、ルイズの杖に魔力が集まり、振り下ろされる。
シン「(魔力は集まっているから、何の問題もないはずだ。爆発なんて起きないはずは…)」
そうシンが考えていた瞬間、教室は一瞬の光に包まれた。
ガタンッ
机を置く乾いた音が響く。
シンとサイトは、乱雑に吹っ飛ばされた机や椅子、硝子等の新調された物を新しく配置している。
その間、ルイズは雑巾で机などを拭き、シャルロットは窓際で本を読んでいた。
あの後、ルイズによって起きた爆発により、教室内にいた使い魔が暴れたり、シュヴルーズが気絶したりなどのハプニング
があり、ルイズとその使い魔のサイトに、教室の後処理が押し付けられた。
シンとシャルロットがいるのは、困っている人には少し甘いシンが手伝う事に協力し、シャルロットがそれを了承したという
理由である。
ルイズ「これが私の二つ名の理由」
ふと、ルイズがそう呟く。
シンもサイトもシャルロットも、動きを止めて、その声を聞く。
ルイズ「魔法が絶対に成功しない。どんなに簡単でも、どんなに初歩でも、絶対に成功しない。だから『ゼロ』』
消え入りそうな声で、しかしはっきりと話す。
サイト「なぁ、何で魔法が使いたいんだ?」
ルイズ「そんなの当たり前じゃない!メイジは魔法が使えなきゃいけないのよ!」
サイトの疑問にルイズは大声で噛み付く。
サイト「いや、メイジとか無しにして、何で魔法が使いたいんだ?」
しかしサイトの質問に、ルイズは豆鉄砲を食らったような顔をする。
サイト「たしかに魔法は便利だけど、人を傷つける事だってあるんじゃないか?人を傷つける力を使って、何をしたいんだ?」
ルイズ「それは…」
サイトの疑問にルイズは口ごもる。

自分は確かに魔法を使いたい。
しかし、何故私は魔法を使いたいのか?
バカにしてきた相手に、自分の力を証明したい。
それもある
貴族として、ラ・ヴァリエール家三女だから魔法は使えて当たり前だから。
それもある
でも、私は何のために本当に魔法を使いたいのか。

サイト「別に、今答えなくてもいいけど、考えていてもいいんじゃないか。本当に魔法が使いたいか」
ルイズ「…っ、ふん!へ、平民の言う事なんて貴族は普通聞かないけど、今回は特別に聞いてあげるわ!感謝しなさいよ」
サイトはルイズの返答に微笑を浮かべる。
普通に感謝すればいいと思うが、それは彼女なりの照れ隠しなのかもしれない。
シン「ルイズっ、だったか、魔法の属性はたしか4つだったか?」
ルイズ「えぇ。『火』『水』『風』『土』の4種類よ」
シン「そのどれも使えないのか?」
ルイズ「えぇそうよ。…あんたも私を『ゼロ』って言いたいのかしら?」
シン「いや、違うから、そんな怖い目で見るな。」
ルイズは軍人だったシンでもびびる目をする。竜でも臆すくらいドスのきいた目だった。
シン「その4種類以外の属性って可能性はないのか?」
シンの言葉にルイズは驚愕する。
ルイズ「4つの属性以外って言っても、後あるのは…」
シャルロット「…虚無の魔法」
今まで、本を読んでいたシャルロットがシンの隣に立ち、そう呟く。
ルイズ「虚無って言っても、それは神祖ブリミルしか使い手が…」
シン「消去法だともうそれぐらいしかないだろ。一応、賭けてみても良いんじゃないか?」
サイト「ルイズ、頑張ろうぜ。お前なら絶対やれるって」
シンとサイトの励ましに、ルイズはさっきまでの暗い表情が消え、彼女らしい強気な顔に戻る。
ルイズ「っ、ふん!やってやるわよ!絶対にね!」
シン「うしっ、じゃあ早いとこ、片付けるとするか」
ルイズ・サイト「うぐっ」


その後、片づけが終わり、時間は昼。食堂は生徒の自身の召喚した使い魔の自慢などの話題で持ちきりだった。
シン「貴族ってのは、本当に自慢が好きだな」
シャルロット「…優越感に浸りたいから」
シン「それが一番あるな。相手に無いモノはとことん見せ付けるような奴等だからな」
ルイズとサイトとは食堂に入った時に別れている。
キュルケ「あら、シャルロットにシンじゃない」
ふと声が聞こえ、声の主を探すと、そこにはキュルケが椅子に座っていた。
キュルケ「貴方たち、いったいどこにいたの?」
シン「あぁー、少し用事があってな」
キュルケ「そう、まぁ詳しくは聞かないわ。それに、今おもしろい事になっているからね」
シャルロット「…おもしろい?」
キュルケの言葉にシャルロットとシンは疑問を浮かべる。
???「嘘つき!!!」
その直後、怒号が食堂内に響く。
見ると、金髪の少女がグラスに注がれたワインをこれまた金髪の少年に頭上からかけ、その場から立ち去っていた。
シン「どんな状況だ?」
シンの言葉にシャルロットも説明を求める。
キュルケ「あの男、ギーシュって言うんだけど、二股がばれて、一方には頬を引っ叩いて、もう一方には見てのとおりね」
シン「…どう考えても」
シャルロット「…自業自得」
キュルケの説明に二人の見解はまったく同じであった。
ギーシュ「はぁ、彼女たちは薔薇の存在理由を理解していないみたいだ」
しかし、ギーシュの態度に二人は呆れてモノも言えない。
???「も、申し訳ありません!!」
そこに、給仕服を身に纏った黒髪の少女が青い形相で謝罪を述べる。
ギーシュ「いくら君が謝ったところで、彼女の名誉が傷ついた事は無くならないのだよ。どうしてくれるのかね」
???「そ、それは…」
あまりの自分勝手なギーシュの物言いに、シンは立ち上がろうとするが、その前に、声が先に聞こえた。
サイト「それはお前の自業自得であって、その娘の所為じゃないだろ」
サイトが呆れながら言うと、ギーシュの周りの生徒がどっと笑った。
「そうだぞ、ギーシュ!お前が悪い!」
「二股なんてしてるからだぞ!」
その言葉にギーシュの顔に赤みが差す。
ギーシュ「う、うるさい。そこの給仕君に僕は香水が置かれても知らないふりをした。それに話を合わせる機転ぐらい
      あるだろ」
サイト「それ、自分の主観を相手に押し付けてるだけだろ?勝手にも限度があるぞ?」
ギーシュ「ふん…ああ、君は確か、あのゼロのルイズが呼び出した平民だったな。もう言いたいことはないだろ?
      行きたまえ」
ギーシュは鼻を鳴らし、煙たがるように言う。
サイト「そこで勝手に一人芝居でも続けたらどうだ。色男さん」
サイトは小馬鹿にするような態度をとる。
そのサイトの言葉にギーシュの目が光る。
ギーシュ「どうやら君には貴族に対する礼儀を教えなければいけないね」
サイト「何だ、教育でもすんのか?」
ギーシュ「ふん、そんなのよりもっと有意義な時間さ。ヴェストリの広場で待ってるよ。怖気づいたりしないようにね」
ギーシュはそう言って、体を翻すと食堂から出て行った。
ギーシュの友人たちがワクワクした顔で立ち上がり、ギーシュの後を追った。
一人はサイトを見張るために残っている。
???「こ、殺されちゃいます!貴族を相手にするなんて、もし本気になったら…」
そう言うと少女はその場から逃げるように走り出す。
ルイズ「あんた、いったい何してんのよ!」
サイト「ルイズ…」
ルイズ「謝っちゃいなさいよ!平民じゃメイジには勝てないのよ!今ならまだ許してくれるかもしれないわよ」
サイト「嫌だね」
ルイズ「あんたまだ分からないの!?怪我じゃすまないかもしれないのよ!」
ルイズはサイトを説得しようとするが、サイトは聞かない。
シン「(まるで昔の俺みたいだな、今のサイト)」
シンは今のサイトの姿を昔の自分に似ていると感じる。
意地を張って、喧嘩になって、ケガをする。
そして、そんな時の人間は絶対に止まらない。
それをシンはよく理解している。
シン「サイト、俺も行こうか?」
ルイズ「あんたも何言ってんのよ!?」
ルイズが叫ぶが、シンは聞かず、サイトに目を向ける。
サイト「…いや、あいつは俺の手でぶん殴りたい」
サイトはシンにそう言うと、出口にいる見張りをしている生徒に広場が何処か尋ね、見張りの生徒が歩くと、それに着いていく。
それを見てルイズは悪態を付けながら走っていく。
シン「ホント、昔の俺みたいだな」
シャルロット「…それで、シンはどうするの?」
シン「悪いな、俺は今も昔も変わってない。そして、これからもな」
そう言うと、シンは食堂の出口へと向かい、広場へと向かう。
シャルロットはそれを見た後、自分の部屋に戻る。
キュルケ「あの二人、召喚される前に何処かであってるのかしら?」
キュルケはそんな疑問を浮かべながら、広場に向かう。



ギーシュ「諸君、決闘だ!!」
ヴェストリの広場。トリステイン魔法学院の火の塔、風の塔の中央にあるこの広場で、貴族と平民の決闘が行われようとしている。
ギーシュは自らの薔薇の造花を掲げ、もったいぶる様にして言う。
周りから歓声が沸き起こり、ギーシュが腕を振ってその歓声に答える。
歓声に答えた後、サイトの方を向いた。
ギーシュ「とりあえず、逃げなかった事は褒めてやろう」
サイト「へっ、その顔に絶対一発いれてやる」
ギーシュ「ふっ、では、始めようか」
その瞬間、サイトはギーシュに向かって走る。
サイト「(先手必勝!)」
ギーシュまでの距離はわずか数m。
しかし、ギーシュは余裕の笑みをサイトに向け、薔薇の造花を振るう。
花びらが一枚、宙に舞ったかと思うと、それは、甲冑を着た女戦士の形をした人形になった。
人の形をしているが、金属でできていた
サイト「な、何だ!?」
ギーシュ「僕はメイジだ。だから魔法で戦う。よもや文句はあるまいね?」
サイト「て、てめぇ…」
ギーシュ「言い忘れたな。僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュだ。したがって、青銅のゴーレム、『ワルキューレ』が君の相手をするよ」
サイト「え?」
ワルキューレはサイトに接近すると、その右拳をサイトの腹にめり込む。
サイト「げふっ!」
サイトは呻き、腹を抱えるように地面に転がる。
ギーシュ「なんだい、威勢がいいのは最初だけかい?」
呆れたような声でギーシュは言った。
ルイズ「サイト!?」
人ごみの中からルイズが飛び出し、サイトに駆け寄る。
ギーシュ「あぁ、ルイズ。君の使い魔を少々借りているよ」
ルイズ「いい加減にしなさいよ!大体、決闘は禁止されてる筈でしょ!?」
ギーシュ「それは貴族同士の決闘であって、平民との決闘とは誰も禁止していない筈だよ?」
ルイズ「そんなのへ理屈よ!とにかく、早く止めなさいよ!」
その時、腹を抱えて、サイトが立ち上がる。
サイト「何言ってんだ、まだ平気だっつうの。それより、やっと名前呼んだな、ルイズ」
ルイズ「あんたももう止めなさいよ!平民じゃ、メイジに勝てないのよ!?」
サイト「少し油断しただけだ。いいからどいてろ」
サイトはルイズを押しやると、ギーシュを見据える。
ギーシュ「ほう、立ち上がるか。少し手加減がすぎたかな?」
ギーシュの挑発した態度に、サイトは前に出るが、ルイズがその肩を掴んだ。
ルイズ「寝てなさいよ!バカ!どうして立つのよ!」
サイトはルイズの手を振り払う。
サイト「ムカつくから」
ルイズ「ムカつくって、メイジに負けても恥じゃないのよ!」
サイトはルイズの言葉に耳をかさず、よろよろと前に歩く。
サイト「うるせぇ」
ルイズ「え?」
サイト「いい加減、ムカつくんだよな。メイジとか貴族とか、それだけで威張れるのかよ、お前らは」
そう言うと、サイトは再び、ワルキューレに向かっていく。
サイトの拳をかわし、ワルキューレは再度、腹に目掛けて、その拳を振るう。
サイト「ゲホッ!」
再び呻き、地面に転がる。
サイト「(やべぇ、あと一発食らったらアウトだ。畜生、どうすれば…)」
サイトは朦朧としている意識で、対抗できる手段を探す。
その途中で、自分に向かってくる気配を感じる。
シン「ずいぶんと、ボロボロになってるな」
サイト「シン…」
シンはサイトの腕を取ると、勢いよく引き、サイトを立たせる。
サイトはフラフラとよろめきながらも、ワルキューレを見据えながら立つ。
サイト「シン、俺はあいつを俺の手でぶっ飛ばしたい。これは…俺の戦いだ」
シン「あぁ、俺は手を出さない。その代わり、少し口を挟むぞ」
シンはギーシュの方を向く。
シン「おいアンタ」
ギーシュ「何だね君は?正当な決闘に水をさすのかね?それとも、その男の代わりに君が戦うのかね?」
シン「冗談、サイトはまだ戦う意志を持っている。ただ、俺はアンタに言いたいだけさ」
ギーシュ「何だね?」
シン「アンタも自分の拳を振るうか、サイトに武器を持たせろ」
ギーシュ「何だと!?」
ギーシュが驚くが、シンは続ける。
シン「アンタは魔法って『武器』があるが、サイトは丸腰だ。決闘というのならお互いにフェアじゃないとな。
   それとも、丸腰の平民とでしか戦えない臆病者か、アンタ?」
シンの一言に、ギーシュは少し考える素振りをする。
ギーシュ「ふん、確かに、君の言う事にも一理ある。…でも僕は貴族だ。拳を振るうという野蛮な行為はしない」
そう言うと、ギーシュは薔薇の造花を振るい、花びらが一枚、サイトの前に舞うと、一つの剣となる。
シン「(クソっ、失敗した。あいつを挑発して素手の勝負に持ち込みたかったが、裏目に出たか)」
素手の勝負なら、まだ可能性があったかもしれない。
しかし、ギーシュは剣を、サイトが使う武器を作ってしまった。
サイトは別段、特別な世界から来たわけではないだろう。それこそまさに、普通の学生、一般市民であるかもしれない。
それが剣を持ったところで、あのゴーレムには到底勝てない。
ギーシュ「さぁ、平民が作った貴族に対抗する武器だ。それを取って、また僕のワルキューレに立ち向かってきたまえ
      でも、今ならその頭を下げれば、許してやってもいいよ」
ルイズ「あんた、それを取ったらギーシュは容赦しないわ!もうやめなさいよ!」
サイト「…俺はもう俺の世界に帰れない。この世界で暮らすしかないんだろ?」
独り言のようにサイトは呟くように言う。
ルイズ「そんなの今は関係ないじゃない!何でそこまで頑張るのよ!?」
サイト「お前だって頑張ったんじゃないのか?」
ルイズ「え?」
サイト「『ゼロ』じゃないってことを証明させたくて、今まで頑張ってきたんじゃねーのかよ?お前が頑張ってんなら、俺
    だって頑張んなきゃいけねぇじゃねーか」
サイトの左手が剣に伸びる。
サイト「使い魔になってやる。飯も不味くてもいい。床ででも眠ってやる。雑用もしてやるよ。生きるためだ。でも…」
ルイズ「でも、何よ」
サイト「下げたくねぇ頭は、下げられねぇ!!」
サイトの左手が地面に突き刺さった剣を引き抜く。
その時、サイトの左手に刻まれたルーンが光りだす。
サイト「(何だ?痛みが消えて、体が羽毛のように軽い!まるで飛べそうだ!)」
ギーシュは剣を握ったサイトを見て、冷たく微笑む。
ギーシュ「まずは貴族にここまで向かってくることを誉めよう。そして、メイジに楯突くことに素直に感激しよう」
薔薇の造花を振るうと、ワルキューレが先ほどと同じ速度で襲い掛かる。
しかし、
サイト「トロいんだよ!」
それよりも早い剣の一閃によって、ワルキューレの上半身と下半身が分断される。
ギーシュ「何っ!?」
ギーシュは驚くが、サイトはその隙に、ギーシュへと疾駆する。
ギーシュ「で、出て来い!僕のワルキューレ!」
慌てて杖を振るい、計6体のワルキューレがサイトの前に立ち塞がる。
だが、その内の5体がサイトの剣閃によって、バラバラになる。
ギーシュは残った1体を自分の前に配置する。
その1体も切り裂くとサイトはギーシュに向かって右拳をその顔に当てる。
ギーシュ「ぶはっ!」
ギーシュが吹っ飛び、その直後、サイトはギーシュのそばに跳躍し、その横に剣を突き立てる。
サイト「降参か?」
今のギーシュに勝てる要素は残されてなかった。
ギーシュ「ま、参った」
降参した瞬間、辺りの生徒たちがざわめいた。
「ギーシュが負けた!?」
「へ、平民がギーシュに勝ったぞ!?」
ざわめきが収まらない中、ギーシュはサイトに聞く。
ギーシュ「き、君はいったい何者なんだい?僕のワルキューレを倒すなんて…」
サイトは少し考えると、剣を肩に担ぐような仕草をする。
サイト「俺は、誰よりも努力して頑張っている、ゼロのルイズの使い魔、平賀才人だ。覚えておけ」
そう言うと、サイトはシンとルイズがいる場所へ向かうが、数歩歩くと、
サイト「ぐっ、い、いてぇ…」
腹に受けた痛みでその場に留まる。
ルイズ「サイト…ッ、危ない!!」
ルイズはサイトに向かう時、サイトに向かって鉄の槍が降ってくるのを見た。
ルイズはサイトに向かって飛び込み、サイトをその場から離れさせる。
次の瞬間、槍はサイトがいた場所に刺さる。
サイト「な、何だ!?」
???「やれやれ、もう少しでその平民を始末できたものを」
傍観者であった生徒の中から、一人が前に出てくる。
ギーシュ「サーシス、何をするんだ!?」
サーシス「何を、とは愚問だなギーシュ。お前の汚点を無くそうとしたまでだ」
サーシスはさも同然のごとくという風に言う。
ギーシュ「彼を殺しても僕の負けた事には変わらない!これ以上僕の顔に泥を塗るのはやめてくれ!」
サーシス「平民に負けたと知られたら君の地位が危ないんじゃないのか?まぁ、あの平民を始末すれば
      いい。見ておきたまえ」
そう言うと、サーシスはポケットから異様な物体を取り出す。
手のひらぐらいの長さの細長い板状の『モノ』。その先は何かに指しこむような形状である。
そして、左の袖をめくると、左腕にタトゥーのような模様が記されている。
サーシス「見るがいい。神になれる魔法を。」
そのタトゥーのような模様の中心に板状の『モノ』…ガイアメモリを挿入する。
【IRON】
電子音のような声が聞こえた後、サーシスの体が変体する。
高さは約2m。
全身が鉄に変わり、甲冑を身にまとっているかのようである。
その名はアイアンドーパント。
その人間からかけ離れたその姿にサイトやルイズ、ギーシュ、生徒も驚愕する。
サーシス『素晴らしい。この力、平民どころか、メイジですらひれ伏せそうだ。さぁ、まずは…」
サーシスはサイトとルイズを交互に見るが、
サーシス「…うん?」
その目線の先には、この決闘の発端だったメイドがいた。そのメイドは泣き顔でこちらを見ていた。
サーシス「あぁ、そうだな。彼女がいなければギーシュ、君がこんな事にはならなかったかも、ね!」
そう言うと、サーシスの体から、鉄の針が飛んでいく。
誰もが間に合わないと思った。狙われた彼女も。
???「(い、嫌!誰か、助けて!!)」
無常にも針が刺さる。……石の壁に。
シン「危なかった。大丈夫か?」
彼女はシンに抱えられ、助かった。
シンは自分の腕にいる彼女の安否を確認する。
???「えっ…は、はい。大丈夫です」
シン「そうか」
シンは安堵し、彼女を下ろす。
サーシス「ふん、運が良かったようだが、次は外さん」
シン「あんた、今一人の人間を殺そうとしたんだぞ?それを、何とも思わないのか?」
サーシス「ふっ、戯言を、平民がどうなろうが知った事ではない。所詮、この世で平民は貴族には勝てない
      のだから!」
サーシスの言葉にメイドの顔が恐怖に歪む。
シン「大丈夫、君は俺が守るから」
???「えっ、…あっ」
シンは彼女を安心させるように呟きかける。
彼女はぽかんとしたが、シンはサーシスに視線を向け、見据える。
サーシス「まずは君か、死にたいのは。まぁいい、すぐにそのメイドと一緒に逝かせてあげるよ」
シン「止めてやるよ、俺が。嫌、俺たちが」
シンは赤と銀を主体色としたガジェット、【ダブルドライバー】を取り出す。
それを腰の位置に当てた瞬間、帯が腰へと巻きつき、ベルトへと変貌する。
そして、服の内ポケットから、サーシスが使ったモノとは違い、シャープなフォルムのガイアメモリを取り出す。
???「それは、さっきの…」
彼女の言葉を気にも掛けず、スタートアップスイッチを叩く。
【JOKER】
ガイアウィスパーが切り札の記憶を示す。
シン「タバサ」

場所は変わり、シャルロットの自室。
シャルロットが本を読んでいると、シンが装着したのと同じ【ダブルドライバー】が現れる。
この時は、自分の名前は変わる。
彼の半身、相棒の名。
シャルロット…、タバサは本を閉じると、ガイアメモリを取り出し、スタートアップスイッチを押す。
【CYCRONE】
ガイアウィスパーが風の記憶を示す。


「「変身」」


二つの場所で二人の声が重なる。
タバサがダブルドライバーの右側にサイクロンメモリをインサートする。
すると、メモリが一瞬で、消失する。
そして、タバサの目が閉じられ、ベッドへと倒れこんだ。

シンのダブルドライバーの右側にサイクロンメモリが出現する。
それを躊躇いなく押し込み、持っていたジョーカーメモリを左側にインサートする。
二つのメモリが差し込まれたスロットに交差した手を掛け、左右に勢いよく展開する。
【CYCRONE/JOKER】
二つの記憶が一つになると、光がシンの体に纏いつくかのように、変質する。
それも数瞬で終わると、今度は暴風が吹き荒れる。
靡く木々、揺れる草と生徒たちの髪。
其処に立つモノ。
その姿、半身は黒、半身は緑。
赤い両眼。
右側のマフラーが風に靡かれて揺れる。
風と切り札の記憶を持つ戦士、サイクロンジョーカー。
シン・タバサ「『さぁ、お前の罪を数えろ』」
右腕を一振りし、左手でアイアンドーパントを指差す。
シン「うううおらあああーー!!」
二色の超人、Wはアイアンドーパントに一気に加速。
ジャンプし、蹴り。叩き込まれ、打撃音が響き、次に拳。
繰り出されるキックと拳の連撃。姿勢を崩され、防ぐしかできないアイアンドーパント。
シン「っだあありゃあああ!!」
一際強い蹴りをお見舞いすると、アイアンドーパントの身体が吹っ飛ぶ。
数m近くまで宙を舞い、地面に転がる。
しかし、距離が開いた。
アイアンドーパントが雄たけびをあげると、鉄球がWに降り注ぐ。
数発はかわしたり、蹴りで防ぐが、それでは限界がある。次第に腕で防ぐ。
シン「くそっ、どうすりゃあいいんだ!?」
タバサ『…こういう時は』
ダブルドライバーを展開前の状態に戻し、サイクロンメモリを抜く。
タバサは右手に黄色のガイアメモリを持ち、スイッチを叩く。
【LUNA】
右のスロットにインサートして、展開する。
【LUNA/JOKER】
右半身が変色し、黄色と黒のルナジョーカーへと姿を変える。
アイアンドーパントは再び鉄球をWに浴びせようとするが、
シン「ふっ、はっ!!」
突如、右半身の手が伸び、鉄球を弾いていく。
その奇怪な能力にアイアンドーパントは驚愕する。
その一瞬をつき、Wは右腕を伸ばし、アイアンドーパントの頭を掴み、伸ばした腕の伸縮性
を利用し、一気に近づく。
近づきざまに蹴りを食らわせる。
少し距離が開いたが、そこはルナジョーカーとなっているWの射程圏内。
その場で跳躍。すると、右足が伸び、アイアンドーパントに蹴撃をあたえる。
カポエラーのようなトリッキーな技を駆使し、攻め続ける。
しかし、アイアンドーパントの身体が変化を始める。
変体し、鎧のような部分が一層厚くなる。
シン「防御体制か。でも、コレに耐えられるか?」
右手に赤いガイアメモリを持ち、スイッチを叩く。
【HEAT】
右のスロットにインサートして、展開。
【HEAT/JOKER】
赤と黒のヒートジョーカーになる。
変身した瞬間、Wの周りが陽炎のように揺らめく。
拳を握り締め、アイアンドーパントに拳撃を浴びせる。
殴った部分が溶け、アイアンドーパントは苦痛の雄たけびを上げる。
【HEAT】のガイアメモリは『熱き記憶』が内包されている。
最大出力が3,000℃を超えるヒートメモリの前に、鉄のガイアメモリは相性最悪であった。
一際力強い拳撃をあたえると、アイアンドーパントは吹っ飛び、ふらふらと立ち上がる。
【CYCRONE/JOKER】
再びサイクロンジョーカーへと姿を変える。
シン「タバサ、メモリブレイクだ!」
タバサ『分かった』
左のスロットのジョーカーメモリを取り出し、右腰にあるマキシマムスロットへインサートする。
【JOKER――MAXIMUM DRIVE】
周囲に再び暴風が吹き荒れる。
その暴風にアイアンドーパントは身体の自由を奪われる。
その暴風の中心にいるWは身体を宙に浮遊するように飛翔し、一定の高さで停滞する。
マキシマムスロットを叩く。
シン・タバサ「『ジョーカーエクストリーム!!』」
Wがアイアンドーパントに向かって一直線に加速する。
すると、左右の身体が分かれ、さらに加速。
左右の蹴りが数瞬のタイムラグを起こして、アイアンドーパントに直撃。
巨大な爆発音を響かせた後、アイアンドーパントの身体が砕け、サーシスへと姿を変える。
その後ガイアメモリが砕けて、サーシスの傍に落ちる。
シン「さて、とりあえずは一段落だな」
ダブルドライバーを戻し、メモリを抜くと、Wからシンの姿へと戻る。
???「あ、あの…」
シン「大丈夫?」
???「は、はい。…あれ?」
あの時の恐怖からか、膝が笑い、立てない彼女をシンは優しく抱きかかえる。
???「えっ、あ、あの!?」
シン「とりあえず、休める場所まで行かないと」
シンはそう言うと、サイトの所に向かう。
シン「サイト、いい拳だったな」
サイト「し、シン。さっきのは…」
シン「とりあえず、怪我が治ってから話す。お前も保健室に行かないとな」
そう言うと、サイトの腕を首に担ぎ、歩く。
ルイズ「こ、こらー、人の使い魔を勝手に持っていくなー!」
ルイズもその後に早歩きで付いていった。



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最終更新:2009年10月08日 20:58
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