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仮面ライダーW 第3話【Kの誘惑? > 世界の違い】

仮面ライダーW 第3話【Kの誘惑?/世界の違い】

サーシス…アイアンドーパントとの戦いの後、シンはサイトとメイドを、保健室に連れていった。
途中、場所が分からない事に気づき、ルイズに教えてもらいながらではあるが。
「よっと、これでよし」
サイトをベッドに寝かせ、メイドを座らせる。
「おぉ、サンキュー、シン」
「あ、ありがとうございます…えっと」
「…あぁ、シンだ。シン=アスカ」
「あ、シエスタと申します。そちらの方は…」
「平賀才人だ。よろしく」
一通りの自己紹介を済ませた後、シエスタがシンに礼を言う。
「ありがとうございます、シンさん。あの時、私を救ってくださって」
「いや、当然の事をしただけだから。別に礼なんて」
「そんな事ありません。私、感謝してるんです。だから…、ありがとうございます」
「…ありがとう」
シエスタの感謝の言葉にシンも感謝の言葉をかける。
「それに、あの時のシンさん、すごくカッコ良かったです」
「あの時?」
「はい…」
シエスタが思い浮かべるのは、シンがシエスタに言った時の言葉。
脅える自分に優しい声で言ってくれた言葉。
『――君は俺が守るから――』
…思い出した瞬間、顔に熱が集まる。
「なぁ、シン。さっきのアレは何なんだ?」
ぶんぶんと顔を振るシエスタを疑問に思うが、サイトの声にシンは振り返る。
「アレってのは、コレの事か?」
シンはダブルドライバーを取り出す。
「それと、…あの怪物やお前がなったあの姿」
シンはサイトの質問に悩むが、答える。
「俺も詳しくは知らないんだ。コイツはこの世界の物じゃない。科学に進歩した世界でも最新の技術が
コレには詰まってるってぐらいだ。その後の質問にはある程度返答できる」
シンの話にサイト・ルイズ・シエスタは耳を傾ける。
「まずあの怪人、ドーパントについてだ」
「「「ドーパント?」」」

シンは内ポケットからガイアメモリを取り出す。
「このガイアメモリを身体に注入する事で、そのメモリの『記憶』を身体に組み込み、超人化する。
しかし、その力は非常に強力で、精神までもが支配されて、怪人化するらしい」
「でも、あんたあの怪人って奴には程遠い姿だったわよ?」
ルイズは思った疑問をシンに問う。
「それはコイツのおかげかもな。コイツで俺はあの姿になれるからな」
シンはダブルドライバーを掲げる。
すると、シンはサイトに疑問をぶつける。
「サイト、お前此処に来る前は普通の学生だったか?」
「へっ?あ、あぁ。ただの高校生だ」
「じゃあ、何であんな風にゴーレムを倒せた?」
あの時の、ギーシュのワルキューレとの闘いの時に見せたサイトの戦い。
アレは軍人にもできないほどの素早さと瞬発力を魅せていた。
ただの高校生に出来るはずがない。
「俺もよくは…。剣を握った瞬間、すげぇ身体が軽くなったんだ。それに、剣の使い方も頭の中に流れ込んで
きたんだ。何か、こう扱えばよく切れるって感じに」
シンはサイトの言葉を聞き、考える。
(剣を握った瞬間から身体が急激に変化したのか?いや、そんな事があるはずは…。もしくは…)
「サイト、コレを左手で持ってみてくれ」
「へっ?あ、あぁ」
シンは思考を中断してサイトにダブルドライバーを渡す。
左手に持った瞬間、サイトの脳へと『情報』が流れる。
「【ダブルドライバー】:所有者の肉体を強化変身させ、ソウルを召喚し、取り込む事によってWのボディを生成
するガイアメモリの制御管理デバイス」
サイトの呟いた言葉によって、シンの感じた疑問が解決する。
「大体分かった。サイトの左手に刻まれたルーンによって、武器の名前、用途、戦闘方法が分かり、さらに身体能力
が飛躍的に上昇するらしいな」
シンはポケットからガイアメモリを取り出し、サイトに渡す。
「【ジョーカーメモリ】:「切り札の記憶」を内包したガイアメモリであり、人間の肉体の運動能力を極限にまで高める
ことができる」
「【メタルメモリ】:「闘士の記憶」を内包したガイアメモリであり、最大の腕力と防御力を持つボディを生成する」
「【トリガーメモリ】:「銃撃手の記憶」を内包したガイアメモリであり、射撃攻撃に特化したメモリ」
「それが俺の持つメモリの『記憶』らしいな」
シンはサイトに渡したダブルドライバーとガイアメモリを返してもらう。
「…もしかして俺、利用された?」
「イヤ、ケッシテソンナコトハナイゾ」
サイトの問いに明らかな棒読みの返答をするシン。

「…あ、もう大丈夫そうです。仕事がありますから、失礼します」
シエスタはベッドから降りて、保健室を後にする。
「俺も少し用事があるから、失礼するぜ。サイト、早く怪我治せよ」
「あぁ、一日あれば十分だと思う」
「それと、ルイズ」
扉を開けた後、シンはルイズに忠告する。
「ちゃんと調べとけよ、魔法」
「う、うるさい。言われなくても絶対に調べあげてやるわよ」
その言葉を聞いた後、シンは保健室を後にする。
「…ありがとな、あの時」
サイトはルイズに礼の言葉をかける。
ルイズは一瞬、サイトが言った意味が分からなかったが、サーシスの呪文から身を守ってくれた事を感謝
しているのだろうと気づいた。
「べ、別に感謝される事でもないからね、貴族として当然の事よ」
照れ隠しなのか、少しぶっきらぼうな返事にサイトは苦笑する。
その和やかな空気の中、ルイズは立ち上がる。
「ルイズ…?」
「図書館に行って、虚無がどんな魔法か調べてくるわ。数冊持ってきて、また此処に来るから」
そう言うと、ルイズは保健室から図書館へと歩を進める。
それは以前よりも少し歩幅が大きく、堂々としていた。




シンはシャルロットの部屋へと戻っていく。
その途中でギーシュと出会った。
「ん、君はシャルロットの…」
「アンタはさっきの…、もうケガはいいのか?」
「あ、あぁ、治癒魔法で今はもう問題ないよ。…彼はどこに?」
ギーシュの問いにシンは答えようとするが、最初に疑問を投げかける。
「サイトにあって、どうする?」
「…謝りたい。メイドの事、ルイズへの暴言、そして、彼に対した事を」
ギーシュはシンへと顔を向ける。
その目は真剣そのものであり、その目を見て、シンはギーシュにサイトのいる場所を教える。
「保健室にいる。許してもらえるかは分からないがな」
「それでも良いさ。僕は彼に謝りたいのだから」
そう言いきった後、ギーシュは保健室へと歩いていく。
「…頑張れよ」
「…ありがとう」
そう小声で言葉を交わし、二人は再び歩き始めた。

シャルロットの自室に着き、ドアを開く。
本を読んでいた目を上げて、シャルロットは少し微笑むような顔をする。
「おかえり」
「ただいま」
その言葉にシンも微笑み、返事を返す。
既に夕暮れの時間帯。窓の先には赤い太陽が沈んでいく。
「メモリが此処にまで出回っている…」
「あぁ、欲や悲しみ、憎しみに囚われた心に、奴らは入り込み、そしてメモリを売る」
窓を見つめるシンの瞳は、その中で静かに炎が揺れている。
「守らなきゃな、俺達が」
その言葉にシャルロットは小さく肯く。



―とある館―
「ねぇ、お兄様。いつも部屋の中にいていいんですか?不衛生はだめですよ?アッハハハ」
「うるさい!年上の僕にそんな態度をとっていいと思ってるのか!?」
ホールらしき場所で声が響く。
一方は幼いながらも棘のある台詞を吐く少女。
もう一方は少し太い声で、迫力が感じられない青年。
「年上ねぇ~、精神年齢はお兄様の方がよっぽど年下ですわよ、オホホ」
「何だと、シェリカ!?その言葉を取り消せ!!」
「お止めなさい、ノヴァール」
ノヴァール、という青年を止める声が、屋敷に響く。
「ア、アイシャ姉さん、だってシェリカが」
「いい加減にしなさい。貴方達二人に責任があるわ。ちゃんと反省なさい」
「「…はい」」
「ホッホッホ、随分にぎやかじゃの~」
ホールの階段に温厚そうな4~50代の男性が現れる。
「あら、お父様。お久しぶりです」
「お久しぶりです、父上」
「お父様~!」
お父様という人物に、三人はそれぞれ挨拶と抱擁を交わす。
「おぉ、元気じゃなー、シェリカは」
「お父様、メモリの売れ筋をどう思いますか?」
「ふむ、この頃若手の中で、デキル者がいたの~。どうしたんじゃ?」
腹部にある『モノ』をつけるアイシャ。
「お父様、私…」

           【TABOO】

「結婚したい方がいらっしゃるの」
アイシャ、タブードーパントはそう言うと、お父様と笑いあう。




(何故?)
それが率直なシンの今の感想だった。
状況を把握しようとする。
ただいま夜中。双月というシンの世界には無かった光景が今は当たり前になってきている。
場所はシャルロットの友人、キュルケの自室。部屋の中は少し暗い。
そして目の前には、
「……」
「……」
青と赤という正反対の色の髪をした少女二人が無言で睨み合っていた。
(さっぱり分からねぇ)
やはり考えても原因が分からず、シンは傍にいるフレイムの頭を撫でる。
ほんのり暖かく、撫で心地がいい頭を撫でてやると、フレイムは嬉しそうに鳴く。
そして、シンは回想する。

ことの始まりは、フレイムに付いていった事である。
身体を洗おうと、貴族がいない時間にシンは風呂場へと向かっていた。
風呂場とは言っても、サウナのようなものである。
「あぁ、せめてシャワーがあればなぁ」
愚痴りながらも風呂から出て、いざ帰ろうとすると、そこへフレイムが現れる。
「んっ、どうしたフレイム?」
頭を撫でながら聞くと、フレイムはシンの服の袖を銜えて、そのまま歩いていく。
「お、おい、どこに行くんだ?」
以外にも引っ張る力が強いため、服が破れないようにフレイムに付いていく。
そして生徒寮のとある部屋に付くと、その中へと連れ去られる。
部屋の中は暗く、蝋燭がほんの少し部屋を照らしている程度である。
「ドアを閉めてくれない?」
声が聞こえた。
声の主は今朝に会ったシャルロットの友人、キュルケであった。
「何のために呼び出したんだ?」
ドアは閉めるが、気を緩めるつもりは無い。
何時でも逃げられるような体勢でシンは声の主に問いかける。
「こっちに来てもらえないかしら?」
「だったら姿ぐらい見せたらどうだ?」
その瞬間、蝋燭が微弱ながらも強く燃える。
声がする場所、寝台まで火の明かりが届く。
「ッ!?」
声の主の姿を見た瞬間、シンは顔を横にそらす。
声の主であるキュルケの姿は下着だけというあまりにも扇情的な姿だった。
「す、すまなッ!?」
謝ると同時に部屋から出ようとしたが、何故かドアは開かない。
「あら、そんな態度は少し不謹慎だと思うけど?」
「…そんな姿でいるほうが不謹慎だと思うが?」
シンの言い分をスルーして、キュルケは話し始める。
「私の二つ名は覚えているかしら、シャルロットの相棒さん」
「えぇーと、『微熱』だったか?」
なるべくキュルケの姿を直視しないように、シンは目線をそらせながら答える。
「そう、ある時は小さな火のように、またある時は全てを焼き尽くす炎のように、それが私の二つ名」
「で、それが此処に俺を呼び出した事と何の関係があるんだ?」
シンがそう言った瞬間、キュルケはほんのりと顔を赤くしながら、呟くように喋る。
「あぁ、今思い出すだけでも火照ってくるわ。あなたが仮面の戦士になったあの光景が脳裏から離れないの」
いきなりキュルケは立ち上がると、シンの方へと歩く。
ナニかを感じ取ったのか、シンは後ずさろうとするが、背中がドアにあたり、後ろに下がれない。
「そして私の魔法でも出来ないほどの陽炎が揺らめくほどの高熱、そして最後に繰り出したあの怪人を一撃で倒した圧倒的な力」
キュルケはシンの目の前にまで歩み寄ると、横に向けているシンの顔を両手できっちりホールドした後、真っ直ぐに向ける。
目と目が合い、シンは逸らそうとするが、
「だめよ、相手の目はしっかり見なきゃ」
キュルケはそれを良しとはしない。
「あなたに抱いていた小さな『火』が、大きな『炎』となって私を焦がしているの。何とかしてくれないかしら?」
キュルケはそう言うと、身体を前に倒して、シンにしな垂れかかる。
しかし、シンはキュルケの肩を掴むと、引き剥がすように離す。
「俺なんかより、もっといい奴がいるはずだ。安易な考えで決めるもんじゃない」
キュルケはシンの目を見る。
そこには真っ赤なルビーを思わせる瞳がどこか寂しげに輝いていた。
何故そんな目をするのか、キュルケは不思議に思った。

その時、
「キュルケ、今日こそこの僕と生涯のパートナーに」
なぜか窓から侵入してきた男子生徒が、キュルケの繰り出した火球によって吹っ飛ばされる。
「あぁやってアプローチ掛けてくる奴のほうが俺よりもうまくいくぞ?後、殺してないよな?」
「大丈夫よ。それに、今の私にはあなたしか見えていないの。そう自分を過小評価するものじゃないわ」
キュルケの言うとおり、シンのルックスは極めて高い。
あの日から2年が経ち、少年だった顔立ちは大人に近づいた青年の顔立ちに変わり始めていた。
黒い髪と赤い瞳、そして白い肌のアンバランス差が逆に色気を醸し出している。
それは絵本に出てくる王子様というよりも、女性の血を吸い己の虜にする吸血鬼のようである。
しかし、シンが思う美少年とは、
まさに絵本から飛び出してきたと思える王子様のような親友である。
痺れを切らしたのか、シンはキュルケに言う。
「もう帰りたいからドアを開けてほしいんだが?」
「だめよ、まだ何にもやってないわ。それに『ロック』の魔法を掛けてるから開かないわよ」
そう言うと、再びシンの両頬に手を当て、固定する。
「な、何をするんだ?」
「ここまでやっといて、そんなのを聞くのは野暮じゃないかしら?」
キュルケが顔を近づける。
女性相手にケガをさせるわけにはいかず、流されるがままのシン。
もう少しで唇と唇が触れ合うという瞬間で、
「……何をしているの?キュルケ」
ロックされていたドアの前にシャルロットが極寒の眼差しを向けていた。
「あら、シャルロット。何って、この人を好きになったからキスするのはいけないこと?」
さも当然のように、キュルケは話す。
「今日会った初対面の人と貴方はキスをするの?」
「あら、一目ぼれってこともあるのよ?恋する乙女はいつでもうら若き乙女よ」
「…乙女はそんな羞恥な姿は見せない」
そして口論はどんどん熱くなり、そして冒頭までに至る。
「…そろそろ就寝の時間、シン」
シャルロットは小さく、しかし有無を言わせぬ声でシンを呼ぶ。
フレイムを撫でる手を止めて、シンはドアの外へと出ようとする。
「もう行ってしまうの?せっかくだからここに居ても良いのに」
キュルケは残念そうに呟く。
シンは振り向くと、
「俺なんかよりもアンタを見てくれる奴がいるはずだ。それに…」
何かを言いかけるが、そこで口ごもる。
その時に、キュルケはまたシンの瞳に寂しさを感じた。
「なんでもない。じゃ、また明日な」
ドアを閉める音が部屋に響く。
それを他人事のように、キュルケは聞いた。

部屋に戻ると、シンは小さな欠伸をする。
「…眠いの?」
「あ、あぁ。朝も早いし、日頃の疲れのせいかもな」
「そう…」
ベッドの上で横になると、シンはすぐに目を閉じ、小さな寝息を立てる。
シャルロットはシンが寝たのを確認した後、寝返りをうち、シンの方へと顔を向ける。

彼はずるい。
シャルロットはそう思う。
彼は人を守るためなら、自分がどんなに傷ついても、汚れても守り抜く。
それが彼、シン=アスカだ。
しかし、同時に彼は大切な人と距離を置く。
物理的な間隔ではなく、『心』、精神的な間隔である。
それ以上はこちらに踏み入ろうとしない、踏み入らせてくれない。
まるで自分がそこにいてはいけない。
でも、目の前の誰かが傷つけば、悲しんだら、彼はその人を助けるために傷つく。
その矛盾したような存在がシン=アスカであり、その矛盾が彼を動かす。
そして、彼は一人を特別扱いしない。
簡単に言えば、彼は誰か一人を『好き』にならない。
彼にとっての好きとは友達や仲間に対しての好意である。
だからこそ、彼はずるい。
彼は『相棒』であり、大切な人でもある自分を好いている。
でも、『女』に対しての特別な『好き』という感情を彼は持たない。

シャルロットは寝ているシンに近づき、抱きつく。
暖かい。
シンの暖かさを感じながら、シャルロットも目を閉じ、夢の中へと潜っていく。



―同時刻―
「な、何てことだ……」
膝を地面に付き、呆然と目の前を見つめる4~50代の男性貴族。
彼の目の先にあったのは、彼の家だった『場所』。
そこに今あるのは、地震でもあったと思えるぐらいに全壊した家であった。
その家は今は彼一人だったため、ケガ人はいなかったことが唯一の彼の安心できることだった。
その全壊した家にあった小さな紙。
それにはこう書かれていた。

 お宝は確かに頂いた。/土くれのフーケ

その場所から離れたとある泉。
そこにいるのは異形の『怪人』。
怪人の姿が消え、人に戻る。
その手にはガイアメモリが握られていた。

to be countinued.

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最終更新:2009年12月20日 06:57
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