1
豪雨の中その少年はある走ってやってきた。ある女性(ヒト)に会うために。
ウーノ「あら?どうしたのシン君、ずぶ濡れじゃない!」
シン「・・・・。」
出迎えたのはエプロン姿が初々しい、その少年の想いを知ってて知らないふりをし続ける婦人ウーノ・スカリエッティ。だが彼女には愛すべき夫がいる。
ウーノ「待ってて、今タオルを(ガシッ)きゃっ!」
シンの手が毒蛇の牙のようにウーノの腕を掴んで迫り玄関で押し倒した。
シン「・・ウーノさん、俺、俺は!」
ウーノはシンがいつものシンでないことに気づく。
ウーノ「嫌ッ!嫌ッ!シン君離して!!」
シンから離れようとするが、シンの力は万力のように増していき。いつの間にかウーノの腰に回されたシンの腕が荒縄のようにウーノの肢体を縛る。
ウーノ「あッ」
漏れる嬌声。自覚してしまう、自分が主婦ではなく“女”に戻りつつあることを。最後の抵抗として、ウーノは自分の立場をシンに確認させようとする。
ウーノ「シン君離して!!私にはンーンンンンン」
だがそれもシンの唇によってあっさりと妨害され、シンの舌と唾液によって塗り替えられていく。頭の中が真っ白になっていき、白目になり始める。
息が苦しくなり、ウーノがシンの背中をか弱い力で精一杯パンパンと叩いた。
シン・ウーノ「「ぷはッ!はぁはぁ・・・」」
一旦離れる2人の顔。シンの目つきが鋭くなり、真剣みを増す。
シン「ウーノさん!お、俺はウーノさんが好きです!俺だけのものにしたい!」
シンは叫んだ。欲望の限り。だがシンは気づいた、ウーノの涙を。
シン「す、すいません。俺(ソッ)え!?」
ウーノがシンの後頭部に手を沿えて撫でた。シンの髪の毛の感触は雨の中捨てられた小犬を思わせた。
ウーノ「・・・・今はウーノさんじゃなくて“ウーノ”って呼んで・・・。」
そして、2人は獣のように・・・・
クアットロ「そして、2人は獣のように・・・・(パコンッ!!)ッッッッいったー!!何すんのよ!シンちゃん!!」
クアットロの後ろには『ツッコミ魂』と書かれたスリッパを片手に立っているシンがいた。
シン「こらメガネ!!テメー、一体なに書いてんだッ!!」
クアットロ「あ、あーこれね。実はお年玉をもう使い切っちゃったから~、小説で賞金をねっ(ハート)」
クアットロはこの時に逃げるべきだった。だがそれは自身のISを過信していたゆえのミスだった。
シン「じゃあ俺のお年玉を分けてやらないとなあ」
クアットロ「え~!?本当~!!」
シン「もちろん。デスティニー、“アレ”を出せ。」
デスティニー「イエス・サー」
光ながら構成されていく灰色の鉤爪のある悪魔の右腕のようなもの。シンがそれを腕にはめるとそれは一瞬で赤のラインの入った深緑のカラーになり掌から砲口が出てきた。
シン「議長からのテスト兼お年玉“トリケロスヘル”、盾に大型魔力刃発生器とケロベロスを仕込んだ試作品らしい。」
馬鹿でかいバナナマガジンをセットしすると2発の空の薬きょうが飛び出る。赤い筒型魔方陣が出現する。
クアットロの頭のなかで、トラウマが蘇る。白い魔王のトラウマが。
トリケロス「ね、ねえ!やめてよ。新年早々これはないんじゃないの~!!・・・・ISシルバーカーテン!・・・あら?」
スカリエッティ「いいや。有りだな。」
風がないのに不気味に白衣をはためかせ、スカリエッティがいた。クアットロはいつのまにか赤く光る紐でがんじがらめになっている。
シン「撃ってもいいよね?」
クアットロ「ダメ、ダメェェェ!!」
シン「答えは聞いてない!!」
後部屋に残ったのは、伸びたクアットロと吹き飛ばされた拍子に出た書きかけの小説の入ったメモリーだった。
ウーノ「クアットロ、晩御飯よ。ん・・・・なにかしらこのメモリー?」
2
父さん・・・母さん・・・・マユ・・レイ・・・ステラ・・・みんな!俺をおいて逝くな!・・・俺を一人にするな・・・
シン「わあああッ!!はあはあ・・・はあ・・・・」
深夜、バッとシンは起きる。悪夢はずっと続いたままだった。
フェイト「シン・・・どうしたの?また怖い夢でも見た?」
シン「フェイトさん!!どこにも行かないでください!・・・俺を独りにしないで下さい!」
シンは子供のようにフェイトに抱きついた。体は夢の恐怖で震え、危うい瞳をしていた。フェイトはシンの頭を優しく撫でて。
フェイト「私はどこにも行かないよ、ずっとシンのそばにいる。はい、これでシンは私のもの」
そう言うと、フェイトはシンのクビにあるものを取り付けた。それは、犬の首輪。
シンは無邪気に笑い。
シン「はい、俺はずっとフェイトさんのものです。」
喜んでいた。
フェイト「シン、これで私を縛って。」
取り出したのは縄。
シン「え、でも・・・」
フェイト「いいから」
シン「・・・わかりました。」
フェイトを縛っていくシン、その顔には涙を流し罪悪感で染まっていた。
シン「・・・フェイトさん。ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」
フェイトの肢体に食い込んでいく縄。縛り方は俗に言う亀甲縛り。
フェイト「んん・・・シン、もっと。もっときつく!」
フェイトは肢体を赤らめ、嬌声を上げる。
フェイト「はあはあ・・・シン最後にそれをつけて。」
シン「はい」
フェイトが指したのは、シンに着けた首輪に鎖でつながったもう一つの首輪。
フェイト「ほら分かるかな。これでシンはずっと私のもの。私はずっとシンから離れないし、動けない。」
シン「フェイトさん・・・」
フェイト「シン・・抱いて、強く私を抱いて・ずっとずっと私のそばにいて・・・・そして約束して、私を“守って”。」
“守る”その言葉にシンの何かが切れた。
シン「はい、守ります。俺がフェイトさんを守ります。」
シンはフェイトに抱きついた。
フェイト「嬉しい。シン、ずっと一緒だよ・・・」
そう、二人はずっと一緒。ずっと・・・ずっと・・・・
3
闇の欠片事件――闇の書事件から一週間後に起きた騒動は、なのは達の活躍で無事終結した。
闇も、闇の欠片から生まれた者達も、今度こそ、完全に消滅した――筈だった。
「何なんだよこれは……」
「すみません、騒がしくて」
「あれー? もうお菓子ないよシーン。僕もっと食べたい」
「さっさと茶を注がんか、下郎」
この部屋の主――シン・アスカ・高町はがっくしと肩を落とし、溜め息を吐いた。原因は、目の前にいる三人の女の子。
謝罪しつつも、のほほんとお茶を飲んでいる星光の殲滅者。
中身が空になったスナック菓子の袋を逆さに振っている雷刃の襲撃者。ちなみに、袋の底に溜まっていたカスが床にブチまけられたのは言
うまでもない。
罵倒しつつお茶のおかわりを要求している闇統べる王。
彼女達三人は、闇の欠片から生まれ、闇の欠片事件で消える筈だったもの。どういう訳か、事件終了後もこうして現界している。
以前と違うところは、彼女達は闇の書の闇の復活を目論んでいる訳でもなく、外見年齢相応の女の子になっていた。
デバイスも所持しているし、魔法も使えるようだが、何か行動を起こす事もなく、今もこうしてシンの部屋で寛いでいる。
何故こんな事になったのかは不明だが、彼女達は通常の思念体とは違い、防衛プログラムの構築素体の一部で、独自の意識を持っている所
為ではないか、とクロノとユーノが結論づけた。
当面は様子見で――時空管理局提督、リンディ・ハラオウンの鶴の一声とも言うべき発言で、この小さな騒動も幕を閉じた。
嘗てのフェイトやヴォルケンリッター達と同じく、保護観察として処分されている。
(何も皆押し付ける事はないよなぁ)
そして、保護監察官に選ばれた――白羽の矢が立ったのがシンだった。
シンは新暦六十四年、第九十七管理外世界の地球と呼ばれる惑星に次元漂流してきた。
シンは今住んでいる地球生まれではなく、異世界――遺伝子工学が発達している、コズミック・イラという世界から事故で流されてきた次
元漂流者だ。
戦争によって家族を亡くし、軍に入隊、争いのない世界を実現する為に戦い、その果てに嘗て上司だった男に敗北し、乗っていた機体が爆
発する寸前で意識を失い、彼が次に目覚めたのは、どういう訳か異世界だった。
文字通り右も左も分からず途方に暮れていたところに声を掛けてくれたのは、喫茶店『翠屋』を経営する高町夫妻だった。
高町家の人々はシンを優しく受け入れてくれた。時には衝突し、涙を流した事もあったが、本当の家族のように接してくれた事に、シンは
自分の正体を明かす。
異世界やロボット等、この地球の常識では漫画やアニメのような話でも、彼等は笑う事なく「シンの言う事だから」と信じてくれた。
そうして高町家の、真の家族として過ごしてきたシンの運命は、後にPT事件と呼ばれるものに、高町家の末っ子、なのはと共に巻き込ま
れる事で、再び動き出す。
魔法――ジュエルシードと呼ばれる物を巡る戦いは、ある意味ファンタジーな世界からやって来たシンも、ファンタジーと感じられずには
いられなかった。
魔法? 変身して戦う? おいおい、こっちの世界じゃテレビアニメでやってたぞ――と、当時のシンは開いた口が塞がらなかった。おま
けに、自分自身も魔法少年に変身! という訳ではないが、魔法が扱えるなんて事に。
人の言葉を理解し、喋るフェレット――ユーノと、魔法少女として覚醒したなのはと共に、シンは魔法のステッキよろしく身の丈程もある
大剣で魔導士としてのデビューを果たした。
「……ン! シンってば、ねぇ!」
「!」
ハッとして顔を上げると、眉を吊り上げ、薄い紫の瞳でこちらを睨み、頬を膨らませている雷刃の襲撃者。後ろでは、闇統べる王が腕を組
んで「我は憤慨している」とアピールしていた。
「何ボーっとしてるんだ、暇だから僕と遊ぼーよ!」
「えっあぁ……悪い、ちょっと考えてた」
「いいから茶を注げ下郎。遅れた罰で茶請けも出せよ」
「お茶請けといえば、サトートーカドーのデパ地下で売っていたお饅頭がまた食べたいものですね」
過去を振り返っている暇なんかない。今はこのお嬢様方を満足させねば、とシンは気持ちを切り替え、ゆっくりと立ち上がる。
(敵だの何だの、言葉を交わして分かり合えるなら、それがいいもんな)
コズミック・イラで悲惨な人生を歩んできたシンの心の傷は、この世界の住人達が優しく癒してくれた。
高町家の人々やなのはの親友、すずか達月村家、アリサ達バニングス家の人々。フェイト、アルフ、ユーノ達スクライア一族、クロノやリ
ンディ、エイミィ達艦船アースラの乗組員。そして、はやてやヴォルケンリッターの皆。
自分の事を家族や友達、仲間と言ってくれた皆に、シンは心の中で何度も感謝した。そして、そんな皆の為に何かをしてあげたいとも。
人は分かり合える。それは幻想かもしれないが、その努力もしないのなら、人は滅んでも仕方のない生き物なのかもしれない。
人は言葉で分かり合える事を、シンはなのはから教わった。そしてシンは闇の書事件、闇の欠片事件で、敵であったヴォルケンリッターや
構築素体の彼女等に、何度も呼びかけた。
その結果が今のこの状況なのかは分からないが、もしかしたら……。
話せてよかった、と。分かり合えてよかったと、シンは思わずにはいられなかった。
まぁ、
「だから無視するなよシンのバカー!」
「いい加減にしろよぉ塵芥の分際でぇ……! 我を無視するとはいい度胸だなぁ文字通り塵にしてくれようかぁ!?」
「シンさん、このプリン頂きます」
本当に分かり合えたかどうかは、首を傾げざるを得ないシンだった。
4
「そういえばシンの髪、結構伸びてきてるね」
「ここいらでイメチェンがてら、染めてみるのもええかも?」
「そうだね、という事もあろうかと私とおそろいの金色に染めてみたよ」
「抜け駆けは自重しようか…」
ディバインバスター
「金髪のシンも中々ええなぁ」
「うん、悔しいけど本当に似合ってるよね…ってシン」
「フハハハハァ!」
「!?」
「ど、どないしたんやシン!」
「南斗孤鷲拳奥義! 南斗翔鷲屠脚!!」
「なのはちゃーん!?」
ふに
ぷにっ
ふにょん
「これが南斗聖拳の処…」
スターライト・ブレイカー!
テーレッテー
サラダバー
Fatal K.O
「…という事があったので、シンの金髪禁止!」
「でも脱色したら何故か赤毛になってもうたなぁ、まぁこれはこれで似合ってるんやけど」
「お前達、オレは美しいか?」
「う、美しい…ハッ?!」
「ってまた変な人格が目覚めとるー」
「そう オレはこの世で誰よりも強く…そして美しい!!」
「あーもうどないしたらこうなるんよー!」
「もう一回荒療治よ! ディバインディバスター!!」
炸裂する魔法が直撃する
だがシンは傷一つ無く・・・
「妖星が告げておるわ! 神がオレを選んだと!」
褌一丁でポーズを決めているシンがいた
5
シンが大体このスレにおいて面倒見の良い兄ちゃんと化しているが、終戦後で歪んだ性格になってたらそれはそれで面白そうだ。
キャロ「……」
シン「あぁ?何だよガキ。何見てんだよ。そんなにパン食ってるのが珍しいのかァ?」
キャロ「……」
シン「…口利けないのかよクソガキ、さっさと失せろって言ってるんだよ此処はガキの来るとこじゃねぇよ。さっさと家に帰ってママのおっぱいでも吸ってろってんだ」
キャロ「 ――― ない…」
シン「あァ?」
キャロ「帰る場所なんて、ない…」
きゅるるるる
キャロ「////////」
シン「………チッ…」
ぽい
キャロ「??」
シン「食う気失せた。チビガキは残飯でも食ってろ」
キャロ「………ありがとう」
シン「うるせぇ。礼なんか言うな。俺に礼なんかよ」
最終更新:2010年09月15日 22:47