ちょっとした妄想
アルカナハート2ED
「ああ……素敵、このまま感じていたい……」
パラセ・ルシアは幸福の頂点にいた。
運命を、魅せられて。生命の運命を。抗う汚くて、それでも真珠のように美しい様を。
「でも、お別れの時間、残念ですけれど……」
だが、彼女はずっとこのままいれない。彼女には、夢があるから。
生命を、生命たらしめる理由を――
「あなたなら、いや、シン・アスカという人間なら――ふふ、楽しみです」
閃光が、貫いた。
――
「あんたは……いや、いうまでもないだろうけど」
富士山上空。非常にやばい状態である。
このままでは結界が壊れ、落ちてしまう。
シンは、聖霊の力も男性なので弱く、だからといって千年守やなずなみたいな知識はない。
――後は、このまま滅されるままだ。
「さて、後はっと」
心残りは――ある。
彼には思い人がいる。そう、それは。
1:神依
2:ゼニア
3:あかね
2の場合
ゼニア。彼女は、結局最後まで淡々と任務を過ごしていたが、
その時折見せる女性らしさや、少しの優しさ。それがシンが彼女に惹かれた理由。
それもあって、彼女の探していた妹、リーゼロッテを探し当てたりした。
でも結局。シンには好意の少しすら出してくれなかった。
彼女と初めて会った時。
彼女と初めて買い物に付き合った時。
彼女と初めて対立し、たたかった時。
彼女が泣いた顔、リーゼとあった時だが、その顔はひどくきれいに見えた。
「ああ、俺はここで朽ち果てるんだろうけど――せめて、最後に」
最後に、彼女に会いたかった。
「馬鹿、何をやってるんだ」
無機質な声――いや、今はそうじゃないが、声が聞こえた。
最初、シンは幻聴かと思ったが。
「なっ、ゼニア!?」
「――ようやく、名前で呼んでくれたか」
ちなみに、これが初めて名前で呼んだ時である。
「なんで、なんであんたが――!?」
「黙れ」
シンはばちん、とぶたれる。
シンは、ぶたれてても横は見えないわけじゃなかったが。彼が横目で見たものは。
ゼニアが、泣いている顔だった。
「馬鹿、馬鹿馬鹿馬鹿ぁ!」
なぜ馬鹿と言われたのかは、シンも解った。
一人で勝手に敵の本拠地に突っ込み、死にかけて、そして、最後には。
「なぜ、なぜ私を置いていこうとしたんだ!私は、消えたりしないって約束しておいて――お前が消えたら、私は、私は――!」
ああ、確かゼニアを巻き込みたくなくて、したのだったろうか。危険な目に合わせたくなくて、一人で。
そんな彼女は、ひどくあわてふためいていて、いつもの冷静さは失っている。
「馬鹿っ、馬鹿――!」
そんな彼女を見て、シンは、もう迷い、いや、自分は何も守れないという幻想を。
ステラを殺させてしまった時の抱いた幻想を。
その幻想を殺したのだ。
彼女がここまで思ってくれている。それが、シンを。
口づけにまでさせた。
ゼニアは、拒まなかった。
―――
「リーゼ、そんな不機嫌にならなくてもいい」
「お姉ちゃんとお兄ちゃんがキスお姉ちゃんとお兄ちゃんがキス」
あれから、現場を見たリーゼロッテは非常に不愉快だ。
いや、それだけじゃない、そのいちゃいちゃぷりが非常に不愉快だ。
あれから2ヶ月後、ゼニアとシンは同棲生活を過ごしている。
そして、今度には挙式まであげるというのだ。非常に速い。
だが、それだけ短い間には濃い、恋の時間を過ごしていた。濃いなだけに。
「ゼニアー、今日、何作るんだ」
「ああ、材料を買ってきてくれたのか。今日はカレーだ」
それにもかかわらずゼニアの態度は非常にドライだ。
だがしかし、そのドライの中にも、温かみが感じられる。
シンもシンとて暖かさ全開だらだらながしている。
それが、リーゼは不愉快の要因の一つになっている。
「あっ、アスカゼニアさん!お邪魔しています!」
「あーららぁ、結構アツアツなようで?」
「ですね、仲づましいことは良きことですよ」
その後ろには、学園仲良し5人組こと、はぁと、頼子、リリカ、冴姫、舞織の5人がいた。
「なんだ、今日は5人と多いな」
ゼニアは、いつものようにと受け止めているあたり、たまに客を呼んで一緒に晩食を共にしているらしい。
「まあ、たまたま帰り道で捕まっちゃって」
帰り道、というのは学園からの帰り道だ、あれからシンは、学園の教師をしている。
とても評判がいい教師だ、とははぁとからリーゼは聞いている。
しかし、女性だけの学園で、浮ついた話はないあたり、相当な愛の入れっぷりだろう。
そのあたりを少し嫉妬するリーゼであった。多分はぁとにも解らない。
でも、その不愉快さも幸せだ、とリーゼは感じていたりもした。
「はい、あーん」
「あ、ああ。あーん」
ごめんやっぱなし。
―――
おまけ
「なあ、ゼニア、なんで俺リーゼからお兄ちゃん、じゃなくてシンとランクダウンしてるんだ……?」
と、ゼニアはリーゼに聞くように頼まれたので聞くと。
「だって、お兄ちゃんだと相手にならないじゃない、やっぱり他人の女が一番……」
まさかの姉妹丼でした。
最終更新:2010年04月22日 13:05