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とある魔術の禁書目録

1

夜の街を駆け抜けるハードボイルドな車体……
そう、今まさに俺はブラックウルフ……

「シン、何言ってんですか。一人ぶつぶつと。超キモいです。具体的に言えば浜面一歩手前ぐらい」
「うっせー!ポエムでも垂れ流さないとやってられないんだよ!何で俺が手伝わされてんだ!後浜面は俺の恩人なんだからそんな風に言うな!」
「浜面とシン、類友って奴ですね。どうせ暇でしょう?良いじゃ無いですか。それとも滝壺さんと浜面の自宅デートの中ですごすつもりだったんですか?とんだマゾ野郎ですね、超KYです。流石超鈍感チャンピオン王者です」
「言い過ぎだ!いくら俺でも心が折れる!」
「反論なんて超却下です。いいから仕事行きますよ」
「くそ!ヒエラルキーが憎い!!」

シン・アスカが暮らしている場所、それがこの学園都市である
ひょんなことから流れ着いたこの街、ジャッジメントに追いかけ回されている時に助けの手を差し延べた人物、それが浜面と滝壺の二人であった
何か思うところがあったのか、身元不明のシンを無条件で匿ってくれた二人は恩人という言葉では語り尽くせない
せめて金ぐらいは何とかと思ったが、身元の無いシンが出来る仕事は限りなくダークな仕事ぐらいであって一人宛てなく探しても見つかりっこ無い
結局仕事に関しても浜面に頼んでしまった
結果紹介されたのが絹旗最愛である
出会った当初、シンは大層驚いた
見た目中学生、下手すれば小学生に見えないことも無い少女が紹介されたのだ
シンはその疑問を隠すことなく『中学生のお守りでも?』と浜面に伝えた所、返ってきたのは絹旗の鉄拳と『浜面よりは頑丈そうですね、超不本意ですが使ってやります』と言う少女の言葉
思い返せば衝撃的な出会いだ
宙を舞うほどの鉄拳から始まる友情

「いや、鉄拳は要らないけどな?」
「ホントどうしたんですか?気を抜くのは超勘弁してほしい所ですけど、超つまんなくても仕事ですから」
「あぁ、大丈夫さ。やってみせる」
「ならいいんですけどね。下手うって怪我でもしたらこっちも困りますし」

何のかんのと心配して来る辺り、根は優しいんだろうとシンは思う。……毒舌は勘弁だが

「全く。この前だって心理定規ごときに鼻の下を伸ばして……」
「ちょっ!あれは能力の所為何だろ!?」
「どうだか。シンは超スケベっぽいですし、滝壺さんの超ボディタッチして浜面に追いかけ回された事、忘れたとは言わせませんよ」
「……本当に不可抗力なんだって……」

ブチコロシ確定とか言いながら追い掛けてくる浜面は、本当に怖かった

「…………何で私にはして来ないんですかね」
「ん?何か言ったか?」
「いえ、何も」
「心配しなくてももうあんな事故起こさないさ。……それに中学生に興味無いしな!やっぱ巨乳……っは!」
「シン超アッパー!!(訳、シン超ぶち殺すアッパー)」
「ぎゃあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

車の天井を軽々と突き破るシン
彼の明日はどっちだ

2

「あったたた……」

ある晴れた日、シンは頬を摩り道を行く
年を経て大人びた端正な顔立ちも、お多福のように腫れ上がった頬の所為で台なしである

「くっそ……、絹旗のやつ……」

口から出るのは恨み節、自身の仕事場の同僚というか、先輩というか……
ともかくそういう少女に対しての
直接は言わない
ひどい目に遭わされるのは間違いないからだ

此処は学園都市
ひょんなことから此処で暮らしていく羽目になったシンは、これまたなぜだか学園の暗部で働く事になってしまったのだ

とにかく学園都市はシンの知る世界とは勝手が違った
その抜きん出た技術力はCEと比べても見劣りしない
そして能力者の存在
シン自身は元軍人という経験上学生程度に負けはしないと若干甘く見ていたのだが、能力者は人として強い程度では話しにならないのだ
一応異能力、強能力ぐらいまでなら相手になるが、それ以上となると地の利と運が重要になる
それこそ相手の性格やらを理解していて、そこを上手く突くような戦いになる

そんなわけで結局運転手のポジションに納まっているシンであったが……

「何で俺が殴られたんだ……」

先輩とも言うべき小さな少女に、今日も鉄拳制裁を喰らっていた
何の事はない
毎度毎度の女難、ドレスの少女に絡まれ、それに腹を立てた絹旗に殴られるというパターンである
因みに今回はドレスの少女にやたらと密着され鼻の下を伸ばしていた所に、ロングフックを喰らった

うだつの上がらないという言葉が良く似合う雰囲気を出しながら、シンはいつものように公園へと足を向ける

「ふぃ~…………、おっ、おーす」
「おーす」

シンの視線の先
髪をツンツンにたてた、多少はお洒落を気にしている感があるシンと同年代の少年

「しかし今日も歯型付けてんだな、お前」
「嫌々、シンさん程じゃないと無いと上条さんは思いますよーっと。……冗談抜きですげぇな、拳の後」
「言うなよ……」

シンが上条と友人のような関係になったのは、シンが学園都市に来た頃であった
何となく上条に似たにおいを感じたシンは、そのまま何となく知り合いになったのである
そのシンパシーが何かはわからないまま、二人してたまにあっては愚痴を吐くようになっている

「何か急に殴られて……」
「こっちは急に噛み付かれて……」

当然二人とも自身の鈍感さがその現状になっているなど、夢にも思っていない

「全く……俺が何かすると噛み付いてくるんだよなぁ……、上条さんは食べ物じゃ無いんですよーって言いたいね」
「俺だって……、何かあると直ぐにパンチが飛んでくるんだよなぁ」

「「はぁ…………、不幸だ……」」

半ば自業自得に近い不幸に溜息をつく二人
鈍感が治らない以上、二人に幸せが訪れる事はない…………

3

木山「ただいま……」

シン「お帰り、先生。晩御飯できてるよ。それとも先にお風呂に入る?」

木山「お風呂にしよう……今日も暑かったから汗をかいてしまった」

シン「分かった、お湯はもう入れてあるから、着替えの服とバスタオル持っていって。着替えた服は置いてくれてたら洗濯するか……ってここで脱ぐなよ!?」

木山「しかし君は着替えを置けと……」

シン「なんで俺がここで脱げって言うと思うんだよアンタって人は!? ていうかこのやりとり何回目だよ!?」

木山「ん? ……シン、左頬に手の跡がくっきり残っているが、またか?」

シン「え? う、まあ…………」

木山「君の保護者として言わせてもらうが、やはり街中で女性の胸を触るような風紀を乱す事をしてはいけないと思うのだが」

シン「なんか、すっっっっごい釈然としないんだけど……」

木山「せめて私が君の欲求を解消させてやれれば良いのだが、起伏に乏しい私の身体では……」

シン「何の話をしてんだよアンタって人はああああ!?」



残念美人な木山先生が好きです。

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最終更新:2010年05月24日 02:13
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