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通りすがりの名無し氏の作品-01

(第11スレの)>>430を見て、書いた。設定は、グダグダだ!!

それでもいいなら、どうぞ。



「ふっ、…はふ……ちゅうっ…んんっ、…ふぅ……」

とある部屋の一室で、音がする。
その音は、淫らにも聞こえるが、行われているのは悪魔の儀式。
少女と呼ぶべき外見のシルエットは、一人の人間の首元に顔を埋めている。

「ぷはっ、う~ん…また失敗かぁ」

少女が人間の肩を放すと、人間は糸が切れたかのように、倒れ付す。
その首元には、歯を衝きたてられた痕が残っていた。

「もうちょっとなのにな~」

少女だけあって、首を傾げれるその様は可愛らしいが、この部屋にその仕草は似合わなかった。
そこには、倒れ付す人間が何人もいた。

「もうちょっとで成功させるから、それまで待っててね、シン♪」

地獄のような絵図のこの部屋に、とても楽しげな、嬉しそうな声が響いた。


「ふ~、やっとこれで一区切りだな」

自分の仕事である草毟りを終わらせ、伸びをする。
彼の名前はシン=アスカ。
C.E.(コズミック・イラ)という世界から外れた人間。
そう、『外れた』。
彼は、自身がいた世界から飛ばされ、全てを受け入れるこの世界、『幻想卿』へと流れ着いた。
そして、幻想卿でも強者と呼ばれる吸血鬼、レミリア・スカーレットに拾われ、彼女の家である紅魔館に執事として雇われた。(拾われた理由はメイドである咲夜の負担を減らすため)
当初はわけも分からず、この世界に飛ばされ、執事にされてと、ごたごたしていたが、命を救ってくれた恩義に、今では仕事に精を出している。
そして、様々な出会いや出来事もあり、幻想卿に順応を果たしていた。


「さて、次の仕事は…」
「あっ、シン。今日も頑張ってるね」
「美鈴さん。こんにちは」

紅魔館の番人である、紅・美鈴が話しかけてくる。
話しかけやすく、それでいて優しい故に、シンは彼女を保母さんのようだなと思っている。
尚、ここ紅魔館では、彼女を中国と呼ぶ人が多すぎるため、名前で読んでくれるシンは、彼女にとって常識人というまとも過ぎる部類に入っている。

「頑張りすぎるのも、体には毒ですよ」
「それは美鈴さんの働かなさ過ぎでは?」
「いいんですよ、私は『気』を察知できるんですから」

この幻想卿には、『~する程度の能力』といった、その人自身が使える力がある。
空を飛んだり、魔法を撃てたりと、様々な能力がある。
美鈴には『気を扱う』程度の能力があり、気による自身の身体の強化、誰かが無意識に放っている気配を察知したりできる能力である。

「それにしても、最近物騒ね。また人里で一人行方不明になったって新聞に書いてあったわ」
「まだ、誰も見つかってないんですか?」
「そうね、これで6人目。何にもなければいいんだけど」
「そうですね……」
「…あっ、ごめんね、暗い話に、仕事の邪魔もしちゃって」
「いえ、美鈴さんが気にしなくても大丈夫です。それじゃあ、これで」
「お待ち、シン」

また、別の声が聞こえる。
誰もいなかった筈の場所には、いつの間にか、一人の女性が立っていた。
彼女の名は、十六夜 咲夜。
この紅魔館のメイド長として、レミリアに仕えている。
彼女にも能力があり、それは、『時間を操る』程度の能力。
時を早めることも、遅らせることも、止めることも自由自在。
反則的な能力だが、実際に多く使われているのは、メイドとして働くことに多用している。

「咲夜さん、どうしたんですか?」
「急な用事だけど、妹様が貴方にお会いしたいらしいの。仕事はいいから、早く行ってきなさい」
「はぁ、分かりました」

そう言い、シンは走っていく。

妹様とは、レミリアの妹、フランドール・スカーレットの呼び名である。
彼女は無邪気な性格なのだが、その無邪気さが時と場合によっては危ない。
彼女は戦闘、弾幕合戦において、最強といっても過言ではないのだ。
さらに、彼女が持つ能力は、『全てを破壊する』程度の能力。
その言葉通り、何でもかんでも破壊できるのだ。
だからこそ、彼女に勝てる者は一握り、否…指で数えられる程度である。
だが、シンはそんな彼女に最初はビクビクとしていたが、彼女と話す内に親しくなり、今では本当の妹のように思っている。
予断だが、シンは彼女の遊び相手も仕事の内に入っている。

「っと、ここだな」

フランドールがいる一室へとたどり着く。
ドアをノック。

「妹様、来ましたよ」

返事はない。

「妹様?…失礼します」

扉を開ける。
部屋に入るとそこには、

「待ってたよ、シン♪」

ベッドの上に座り、嬉しそうに微笑むフランドール。
そして、数人の人間が倒れ付していた。

「なっ、妹様!?これは、いったい!?」
「これはね、練習してたの」
「練…習?」

意味ありげな答えにシンは聞く。

「うん、練習。シンの血を吸うために」
「妹様、練習って、それにこの人達はまさか…」
「血を吸うための練習だよ」

シンは理解した。
人里の行方不明者の犯人がフランドールだと。
そして、彼女が人を攫った目的は自分の血を吸う為だと。

「何故、こんなことをしたんですか、妹様?」

足の力が抜けたのか、膝が地面に付いたシンは呆然とフランドールを見る。

フランドールは立ち上がる。

「シンがいけないんだよ」

フランドールがシンに向かって歩く。

「シンと始めて会ったときはね、どうせコイツも私を見捨てるんだ、って思ったの。でも、違った。シンは私を見捨てないで、どんな時も私を見てくれた。シンの優しさがね、私にはとても暖かくて、シンとのお話は、どんな遊びよりも心が弾むんだ。私の中でね、シンを思うたびに胸が温かくなるんだ」
「妹…様……」

フランドールがシンの前に立つ。

「でもね、最近それだけじゃ足りなくなるの。シンと一緒にいたい、シンに抱きつきたい、シンが欲しい、って気持ちが出てくるの。だから、シンの血を吸えば、シンはずっと私と一緒にいられるって思ったら、思っただけで…」

フランドールがシンと同じ姿勢になる。

「ねぇ、シン。私、シンが欲しい。ダメ?」

フランドールの問いに、シンは彼女を抱きしめて答える。
答えは出ている。

「妹様、もうこれ以上、人を攫わないで下さい。私が欲しいのなら、差し上げます」
「うん、ありがとう…シン」

その言葉を聞き、フランドールはシンの首元に顔を埋めて……



「シン~、どうしたの?」

思い出に耽っていたシンが、フランドールの言葉でハッ、となる。

「ごめんな、フラン。少し、昔を思い出してて…」
「もぉ~、シンってたまに上の空になるよね」
「嫌いになったか?」
「それは無いよ。私はシンが大好きだもん♪」

シンにじゃれつくフランドール。
その様子は傍から見れば、大好きな主人に甘える子犬だろう。
シンがフランドールによって刻まれた首元の痕。

永遠に下僕として生きる証。
そして、
何よりも甘い日常。

今日も、紅魔館のある一室は、暖かい時間が過ぎていった。

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最終更新:2010年05月18日 02:31
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