1
<アホ毛>
――うたた寝から目覚めてみると、自分の頭に些細な変化が起こったことに気が付いた。
シン「……なんなんだこれ。ナ○キのロゴを上下反転させたみたいな寝癖ができてる」
シン「くそ、手だけじゃ直らないな……仕方ない」
シン「すいません、小鳥さん。少し外します」
小鳥「はーい……あら? 可愛い寝癖ね。まるでナ○キのロゴを上下反転させたみたい」
シン「すぐに戻りますん、でっ!?」
――ゴガンッ!
小鳥「し、シン君!? なんで急に右に倒れるの?」
シン「く、ぉぉぉぉぉぉぉ」
小鳥「大丈夫なの? 凄い音がしたけど」
シン「な、なんとか……ってふぉっ!?」
――ゴン!
シン「なんだっていうん、だっ!?」
――ガン!
シン「いい加減にしろよっ!?」
――バガンッ!
シン「うおぁぁぁぁぁぁ! 奮い立て俺の三半規かぁんっ!?」
――ゴシカァン!!
この一人コントのようなシンの奇行は、実に三分間も続いたのだった……
シン「あ~、なんかい~感じで脳みそがシェイクされて変な気分に」
小鳥「絶対に動いちゃ駄目よ、傍から見るとこれ以上やったら死ぬかもって顔になってるから」
シン「分かってます……でもいったいなんでこんなことに」
小鳥「……ねぇ、ひょっとしてその髪がはねてる方向にバランスが傾いているんじゃないかしら?」
シン「え? あぁ、そういえばこのアホ毛右にはねてるような」
小鳥「それにその癖毛、どこかで見たような……」
――ガチャリ
美希「お、おはようございますなの……」
シン「美希? ってなんでそんなにボロボロなんだ!?」
美希「分からないの……なんかまっすぐ歩けなくてひゃあっ!!」
小鳥「あぁっ、美希ちゃんが左にくるくる回って壁に激突してる!?」
シン「左って……俺と逆の方にバランスが傾いてるのか?」
小鳥「見てシン君! 美希ちゃんの頭にいつもの癖毛がないわ!」
シン「はぁ!? ひょっとしてこのアホ毛バランサー!? なんで俺の頭に!? っていうかこれどうやって収拾
つければいいんだよ、あぁもうワケが分からないーーー!!」
小鳥「……うん、なかなかにシュールね」
シン「小鳥さん、妄想が日本国内で収まってるうちにこっちの会計チェックお願いします」
小鳥「あら、シン君。でももう少し待って、今どうやってオチをつけるか考えるから」
シン「駄目です。というか、ここ数日ずっと隣で妄想を聞かされている俺の身にもなってください。何故か俺が
メインだし」
小鳥「……ぴよ~ん」
シン「無害な瞳で訴えてきても駄目です」
2
<スーパー偶像大戦>
――765プロに激震、奔る。
小鳥 「大変です、社長!」
社長 「何? キサラギ重工がボーカロイドに着手した? いったい何を考えてるんだ」
人型兵器開発を生業とする軍需企業が行った電撃発表。その不可解な動きに戸惑いを隠せない765プロの
一同だったが、それが驚愕へと変化するのにそう時間はかからなかった。
シン 「おい、なんの冗談だよあれ……」
千早 「あ、あれは……私!?」
BST-72-CHIHAYA、如月千早をベースとして開発された量産試作型ボーカロイド。その独特な歌唱力は世間
を騒がせ、生身のアイドルたちは次々に活躍の場を奪われていく……
春香 「そんな……こんなのってないよ!」
伊織 「そうよ! 私たちが必死に積み上げてきたものを出てきて一週間も経たないヘンテコな連中に盗られて
たまるもんですか!」
あずさ「まぁ、どうしましょう~」
千早 「歌は生きた人間の手で極めてこそです。それをあんな風に……そんなところまで(胸)再現して、くっ」
憤り、奮起するアイドルたち。そんな中、少年は敵状視察を行う最中メカ千早と出逢う。
メカ千早「――アナタハ?」
シン 「俺? 俺は……シン・アスカ」
偶然か、運命か、感情制御用として未完成のままメカ千早に組み込まれた乙女回路が作動し、シンを連れ去っ
てしまう。
ついに量産型がロールアウトされ、日本中で活動を開始するボーカロイド軍団。
連れ去られたシンは、そして窮地に立たされた765プロのアイドルたちはどうなってしまうのか!?
そして、誰も予想していなかった最強のタッグが結成される!
?? 「――大変そうですね。手を貸しましょうか?」
春香 「あ、あなたたちは……!?」
律子 「初音ミク!? それに鏡音リン・レン!?」
リン 「いぇーい!」
亜美 「いぇーい! なんか他人の気がしないね、真美」
真美 「うんうん! 双海三姉妹とかできそーだね!」
レン (……あれ? オレは?)
……メカと人間、真に世界の偶像(アイドル)となるのはどちらなのか?
『スーパー偶像大戦 ~激突! iDOLM@STER VS VOC@LOID軍団~』
――Coming soon
シン 「あ~ハイハイ、そろそろ小鳥さんの『っていう妄想をしてみたんだけど~』とかなるんだろ?」
シン 「……え? ないのか?」
シン 「嘘だろ!? マジでやるのかよ! というか俺ってどうなるんだ!? 誰か教えてくれーーー!!」
シン 「……う~ん、誰か~」
雪歩 「あ、あの……シンさんうなされてるみたいなんですけど」
千早 「疲れてるだけよ、今はゆっくり休んでもらいましょう。さぁ、もう一度『おはよう!朝ご飯』の歌合わせをやり
ましょう」
~続く?~
最終更新:2010年06月15日 21:30