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Crimson × Innocent Blue エピローグ~SAY “HELLO!!”~

「――お」

 仕事も一区切りつき、暇潰しに事務所のテレビをつけると絵理が映っていた。
 ちょうど歌が始まったばかりのようで思わずじっくりと見入ってしまう。

 ――さあ笑顔になろう もっと 明日を好きになれるように
 ――さあ涙になろう きっと 前より強くなれるように

「……これは、すごいな」

 たしかこの番組はDランクあたりで出演できるかどうかというものだったはずだが、
 十分にその水準に達しているように見える。
 ネットで動画を上げていた経験があったというのもあるのだろう、
 ダンスは新人にしてはかなり洗練されている。
 カメラの位置もしっかりチェックしているのか、どのアングルからでも良い映り方をしていた。

 そして歌は……

「ただいま戻りました」
「たっだいまー! へへっ、今日は調子良かったなー」

 千早と真が帰ってきた。そういえば今日は二人ともレッスンだったか。

「二人ともおつかれ」
「おつかれー! あ、絵理この番組のオーディション受けてたんだ」
「あれ、真は絵理のこと知ってるのか?」
「うん。レッスンのときにたまに会ったりするし」
「私もこの前会ったわ。かなり上達していると思ったけど、ここまで歌が上手くなっていたのね」

 どうやら二人とも何度か会ったことがあるらしい。この業界もずいぶん狭いものだ。

「で、なんでシンは絵理のこと知ってるわけ?」
「そういえば、どうして水谷さんのことを名前で……?」
「ん? あぁ、この間さ……」

 先日の話を一通り話し終えると、千早と真は顔を見合わせて溜息をついた。

「……どうしたんだ二人とも」
「「別に何も」」

 何やら冷めた反応に首を傾げながら、テレビへと視線を戻す。

 ――目指してく 私だけのストーリー
 ――BRAND NEW TOUCH 始めよう
 ――SAY “HELLO!!”

 流れてくる絵理の歌声は、その表情と同様にとても楽しそうだった。

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最終更新:2010年08月10日 00:29
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