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酔っ払いのなのは小ネタ-14

シン「さぁてと……ヴィヴィオをガッカリさせ無い為にも、スーパーバイクテクニックを
   身に着けなくちゃな」
ティアナ「シンじゃない? なにしてんのよ、こんなとこで」
シン「あぁティアか、実はこんなことがあってな……かくかくしかじか」
ティアナ「ふぅ~ん、まぁ自業自得ね、練習頑張って」

シン「あぁ、これは俺がやらなきゃいけないことだからな、って!!」←ガシャーン

ティアナ「シン! ちょっと大丈夫!!」
シン「っててててて、わりぃな」
ティアナ「もう……諦めたら? ヴィヴィオにはちゃんと謝ってさ」
シン「いや、ここで投げたら俺は……俺はやらなきゃいけないんだ!!」」
ティアナ「シン……わかったわ、もう……止めない……」

シン「わりぃな、ティア……」
ティアナ「そうね、私じゃ止められないよね……頑張って、シン」

一週間後、そこには駐車場で元気にトリックを決めるシンの姿が!!

ヴィヴィオ「パパすごぉ~い!!」
シン「なに、こんなの大したことないさ」
ヴィヴィオ「私、大人になったらパパと結婚する~」
シン「ははは、嬉しいこと言ってくれんなぁ、そうだな、ヴィヴィオをお嫁さんにしてあげるからな」

ボゥン!!!

ヴィヴィオ(大)「じゃあ今から結婚式で」
シン「おぉい!! 設定はどうなった!?!? レリックないだろが!!」
ヴィヴィオ(大)「大丈夫だよパパ、うぅん、もう……あなた……」
シン「ご都合主義にも程があるだろが……そろそろいつもの皆が乱入してくるパターンか……」

バラライカ「おい腐れウサギ、貴様はいつまでそうしているんだ?」
シン「!!!!」
ヴィヴィオ(大)「誰なの!!」
バラライカ「五月蝿いぞクソガキ、私はいまこいつと話をしているんだ」
ヴィヴィオ(大)「…………(大人バージョンの私がなにも出来ない!)」
バラライカ「さて同士シン? このざまはなんだ? 前回の矯正キャンプではまだ足りなかったか、
      この際だ、風通し良く穴を空けてあろう」

この日、六課で銃弾の雨が降った……

シン「で、この修理費は俺持ちですか、そうですか……」

糞ったれ! まったく持って糞ったれだ。 引鉄を引いた自分が呪わしい。
いっその事、この憎たらしい指を、懺悔の意味を込めて切り取ってしまおうか?
けれども自分が一番憎いのは、そんな事をする度胸なんて無く、ただただ結果から逃げまわってる自分だ。
いつだったか、誰かに言った事がある。

狙撃手に必要なのは化け物みたいな魔力量じゃねぇ、薙ぎ払う様な砲撃魔法なんか戦艦の艦砲射撃に任せとけばいい。
目にも留まらないような神速なんか敵じゃあない、スピードと移動量を計算して打ち込めば後は勝手に、相手が当たりに
来てくれる。 鬼みたいに固いシルードなんか気にしたこと無い。 何時間でも何日でも標的を狙い続けて、必ず出来る綻びに
ターゲットサイトを合わせれば、後は引鉄を引くだけさ。

んじゃあ狙撃手に必要なものはなんなんだい?

簡単さ、何時間でも同じ姿勢で居られる忍耐力。
ちっと汚い話だけど、小便も大便も、ズボンを履いたままで出来る根性。
サイトを覗いてる間は、自分が銃そのものになれる訓練。
んでもっていっとう大事なのは、一発で打ち抜くって心意気さ

そしてあの時、俺は銃そのものになれなかった。 勿論、チャンスが訪れるまでなら、何時間でも、何日でも俺は配置から
移動なんかしない。特にあの時なんかは……
ただ覗いたサイトには俺の妹が写っていた。 引鉄を引く指に感情が這入り込んだ。 標的に狙いを付けて、一発で打ち抜く。

――狙撃手の、俺の心意気は妹の目を打ち抜いた……

「ヴァイスさん、ラチェット取って貰っていいですか?」
「あいよ、んで? 後どれくらいで終わりそうなんだ?」
片手で部品を支えているせいで、欲しい工具に手が届いていない。 必死に伸ばした手に、工具を渡してやった。
この赤目で生意気と有名な小僧は、なぜだか俺の慕ってくれていて、俺も別段悪い気はしないのでよくツルんで一緒に居る。
こうして個人的なバイクの整備を手伝ってやったり、懐が暖かい時は、外でメシを奢ってやったり、その足で呑みに連れていったりな。
まぁ何回かキャバクラに連れて行こうとしたら、やたらと五月蝿い乙女達に、肉体言語で注意されたから、その手の店は御法度だがね。
しっかし糞! おねーちゃんの居る店なら、怒られてもまぁ多少は仕方ないとは思う。 

――だけどよ? ちょっとぐらいエッチなビデオのレンタルぐらいで、ガタガタ言うなっての!
おかげ様で、エロ魔人、六課の下半身代表、エロを運ぶヘリパイロットなんて歓迎したく無いあだ名まで頂戴するハメになったじゃねぇか!
しかも忌々しい事に、彼女らは俺の上司の上に滅茶苦茶強いと来てる! 面と向かって言ったらどんなことになるやら……

「このボルト締めれば終わりですね、っと、終わりました」
おぉっと、話を戻そうか。 この小僧の名前はシン、シン・アスカ。 なんでも前の世界じゃエース級の凄腕だったそうだ。
こっちに来て間もない頃、軽く聞いてみたら、もう何十年も生きたじいさんみたい、何もかもどうでもいいって風に、そんでもって
自分が嫌いで仕方無いってのを滲ませながら
「別にどうでもいいでしょう? そんなこと…… エースだなんて言ったって、守りたい人も守れないなんて、どこがエースなんだか……」
正直、刺さった。 そうだな、守りたい人を守れないエースなんてお笑い種だ。
「家族か…… はやてさん、でしたっけ? ここの隊長。 ここのみんなを家族だって思えばいい、だってさ。
 けど、俺みたいな戦争屋なんってぇ-!」

ムカついた、それも飛びっきりにな。 ちょっと前の自分もこんな風にウジウジと、深刻な顔をしながら、似たような情けないセリフを
周囲に吐いて、ターゲットサイトを覗き込むの辞めた。 そんな追憶が電光石火で甦り、目の前で自虐的にくちゃべってる小僧の脳天に
俺の黄金の右手を叩き込んだ。
「いきない何すんだよあんたぁ!」
やかましい! 俺の右手がいてぇ方がよっぽど重要だ!! 第一に気に食わねぇ、んなシケた顔して、何もかもどうでもいいって顔が
いっとう気に食わねぇ。
「あんたに俺の何が解かるって言うんだよ!」
知るか、お前の事なんか。 今日始めて会ったんだから、知る訳無いだろうが。 ただ、ムカついたんだよ。
だからそのつまらないシケた顔が消えるまで、俺に付き合って貰うぞ。

その後の話は長くなるから、辞めて置こうか。 まぁそんなこんなで、今ではこいつとよくツルんでるって訳だ。
今はヘリの格納庫の隅で、シンの愛車整備を手伝ってる。 それにこいつ、ウチのエースオブエース、
押しも押されぬアイドル並みの有名人、高町なのは一等空尉の里帰りに同行し、―この時点で彼女の両親に挨拶したばかりか
なんと一緒に寝泊りまでしたってことだ。 ―しばらくおっかなくて部隊長に近づけなかったしな―その際に、街中を走る自分の
バイクと同型でやけにチューンしてあるのを見たらしく、触発されてか取り寄せたマフラーとキャブレータを、いまこうして取り付けてる。

整備技術に関しては、
「やろうと思えばなんとかなりますよ、魔法が使われてない分、やりやすいですしね」
だ、そうだ。
俺はとっくに簡易整備が終わった、自分の愛車に跨って、手洗い場に歩いていったシンについて考えた。
鈍いのか鋭いのか、とにかく頑丈な奴だと思う。 いやもう……あれだけの攻撃魔法を、非殺傷とは言っても
あれだけ食らえば30回死んでるどころか、どっさりお釣りが来る。 本当に人間か?
まぁ俺の妹には、絶対に会わせん! あいつのことだ、
「大丈夫、君は俺が守る!」
なんて言い出しかねない。 それも悪意なんてこれぽっちも無くな。 俺の大事なラグナが、あのシンに関しては理性ってものが吹っ飛ぶ
戦乙女が跳梁跋扈するキリングフィールドに。 なんて考えただけで寒気がする……

さてと、これからちょいと二台で走りに出るか。 時間が時間なんで随分と冷え込むがなんでも今回は冬のボーナスを突っ込んだらしいしな。
一刻も早く走りたいだろうし。
そんな事を考えて居ると、シャッターがちょっとだけ開いて、我らが誇る戦乙女の一角、金の閃光の異名が入ってきた。
こんな油臭くて薄暗い格納庫の照明の下ですら、きらきら眩しい位だ。 まったく美人ってのはつくづく得だな。
んで? こんなトコになんのようですか、ライトニング分隊隊長?
目的なんか解かり切ってるけど、わざとらしく聞いてみた。

「あ、あの…… シンはどこに?」
へいへい、愛しのシン君はお手洗いですよ。 んでもこの後は自分と走りに出ますけど?
愛しの、のくだりで赤くなったライトニング分隊隊長殿は、あわあわと狼狽して、随分と面白い顔を見せてくれた。
あんまり年下をからかうのも、悪趣味かな。
「あの、そのぉ……」
車で付いて着ます? まぁ俺もシンも結構飛ばす方なんで。
わざと意地悪く言ってみる。 さてと、どんな反応かな。
「そ、それなんだけど……」
恐る恐る、でも上気した頬で免許証を見せてくれた。 へぇ~、免許証の写真写りまで立派な美人だこと。
これってだいたい不細工に写るモンなんだけどな。 で、これが何か? ――待て……
あの、もしかして、偽造?

さっきよりあわあわとしているライトニング分隊隊長、もとい執務官、ってこのさいどっちでもいいや。
彼女の立場と気性を考えれば、偽造なんてことは無いな。 ってことは……
はぁ、多分、一刻も早く教えたくてここに来たんだろう。 まったく健気だね。
前回は小さい美少女狸の後押しをしたことだし、今回はこっちの後押しでもしてみるか。
そっちのほうが、俺も見ていて楽しいしな。
ほら、キー。 なぁ~にボケっとしてるんだ? 行って来いよ、悩める乙女は行動あるのみだ。
あぁそれと、コカすなよ。 んでもって首尾はどうだったか後で聞かせてくれ、それから今の俺に階級持ち込むなよ?

風の無い、穏やかな夜だった。
隊舎を後にした私は、逸る気持ちを抑えて歩く。 気持ちの原因は財布の中に入った、免許証。
仕事の合間を縫って取った自動二輪。 一緒に走ったらどれ程気持ちいいことか? そんな思いを抱きながら取った。
肝心のバイクはまだ無いけれど、いまは免許が取れた事を伝えたくて堪らない。
先ほど当直に、今は格納庫に居ると聞いている。 馬が合うのだろうか、彼は頻繁に格納庫に出入りしているらしい。
プライベートでも仲がいいのだろう。 よく二人で外食やお風呂屋さんにも行っていると聞く。

羨ましい。 嫉妬混じりにそう思う。
先輩後輩という雰囲気ではなく、どこか仲の良い兄弟を思わせる二人の付き合いは、異性には入り込めない何かを感じさせる。
この二人が格納庫で一緒に居るときは、友人であるはやても、なのはも気後れするのかあまり声を掛けない。
ティアナもバイクは乗るが、二人が楽しそうに笑いながら機械いじりをしている時は、シャッターの前で回れ右をする。
グリフィスにそれとなく聞いて見れば、ちょっと笑ってこう言った。

「あぁ、あれは男の秘密基地のようなものだからですよ」
分かったような分からないような、ひどく曖昧な説明だったけれど、私は妙に納得できた。
そんな場所に足を運ぶのは、少し気後れするけれど、ただ会いに行くんじゃない。 ちょっと報告に行くだけ。
シャッターをくぐれる分だけ開けて、するりと入り込んだ格納庫では、ヘリコプターが惰眠を貪っていた。
無骨な鉄色のエンジンを晒して、ライトの下で佇むシンのバイク。
その横に鮮やかなツートンカラーで彩られた、流麗なカウルを持つバイク。

シートに軽く腰掛けていた、ヴァイス陸曹がちょっと驚いた様な顔をして、それから少し意地悪い顔になった。
姿が見えない彼がどこに居るのか聞くと少し、から大分、にグレードアップした表情で回答してくれた。

「!!!11!あqgftr:;@!!」
……どうやら私の沸点は低いらしい。
クスクスと、薄く笑う陸曹が憎らしい。 ボーナス査定は下げてやろうかな?
さらにニヤニヤと笑いながら、からかうように。 いや、もう絶対にからかいながら意地悪を言ってきた。
うん、もう絶対に査定は下げてやる。
仕事と私情は別物だけど、私の感情が理屈を凌駕し、彼の夏のボーナスは前年度比マイナスに決定した。南無三……


とにかく! 今はそんな場合じゃない。 用件を伝えなきゃ。
おずおずと差し出したそれを見て、疑るように目を細めた後、これでもかと見開きながら視線を往復させた。
それから少し溜息をついた後、ポンッとキーを投げてよこす。
キョトンとしている私を横目に、スタスタと歩きながら、溜息混じりに呟いた。
よし、彼のボーナスは大幅アップだね。 10分に満たない時間の間で、ここまで急変化する査定もそうそうないだろうな。
私が開けたシャッターから出て行った背中に、ちょっとだけ感謝しよう。

「あれ? ヴァイスさんはどこに行ったんです?」
不意に声を掛けられて、ようやく下がった熱い血はまたしても、一瞬で沸点に到達する。
ギギギ、と音がするように振り返れば、ちょっと戸惑った顔のシンがいた。
ろくに回らない舌で、我ながら要領を得ない説明をまくし立てる私に、ポリポリと頭を掻いた後、
年齢に見合った笑顔で答えてくれた。

「いいですね、たまには。 一緒に行きましょうか」
沸点に到達していた頭は、すっとその位置を下げたあとで再度急上昇。
暖気のために、エンジンに火を入れる後姿を見て、私は自分の目尻と頬がゆるくなったの自覚した。
ガランと広い格納庫に、二台分のエキゾーストノートが静かに響く。
今夜は………… 想い出の一日になりそうだ。

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最終更新:2010年11月09日 13:57
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