<美希のバースデイ2~例えばこんな世界~>

<美希のバースデイ2~例えばこんな世界~>

シン 「さて、あとは戻って報告を……ってみんな何してるんですか事務所の前で」
春香 「もう! 遅いですよシン君」
千早 「美希が待ってるわ、早く行ってあげて」
シン 「え? なんで美希が俺を待ってるんだ? 大体美希は事務所移って……あれ? 違ったっけ?」
律子 「はいはい、訳の分からないこと言ってないで早く入りなさい。私たちはみんな揃ってから事務所に
    入るから」
シン 「はぁ……よくわかんないですけど、わかりました」
律子 「それと、くれぐれも変な気を起こさないようにね。止める人いないんだから」
シン 「なっ、なんですかそれ!? 釘刺されなくても美希に手を出したりしませんって!」
律子 「……そうね、どっちかっていえば『手を出される』ほうに気をつけないといけないわね」
シン 「え……?」
律子 「なんでもないわ。さ、早く行ってきなさい」


シン (……なんなんだよいったい。大体美希がなんで俺に用があるんだ?)

 ――ガチャリ。

シン 「美希? いるのか……」
美希 「ハニー!」
シン 「はに? ってうわっ!?」

 ――ガバッ!

美希 「むー、帰ってくるの遅すぎなの。ミキ、待ちくたびれて寝ちゃうとこだったんだよ?」
シン 「ま、まて! 腕に抱きつくな! なんだよいきなり!?」
美希 「? 何って、ミキはいつも通りだけど?」
シン 「いつも通りなわけあるかっ! っていうかなんで髪切って染めてるんだ!?
    いつの間にそんな風、に……」
美希 「……ハニー、ひょっとして疲れてる? ミキはちょっと前からこの髪だよ」
シン 「あ、うん。そう、だよな……?」
シン (見覚えはある……けど俺の知ってる美希じゃない? 変な感覚だ……)
美希 「本当に覚えてないの……? ミキ、あのときのことがあったから変われたんだよ?」
シン 「…………」
美希 「あーあ、なんか悲しくなってきちゃった。今日はもう帰ろっかなー」
シン 「って待て待て! もうすぐみんなパーティーの時間に合わせて帰ってくるし俺もせっかく
    さびしい懐事情と相談して買ってきたプレゼントが無駄になるのはいろいろ凹むんだがっ!」
美希 「え? プレゼント買ってきたの?」
シン 「あぁ」
美希 「……ミキのために?」
シン 「他に今日誕生日の奴がいるか?」
美希 「あはっ! それじゃあさっきのことは水に流してあげるの」
シン (……プロデューサー、アンタずっとこんな感じだったのか)
 

美希 「……(むすー)」
シン 「なんでそこで不機嫌になる!?」
美希 「だってハ二ーのプレゼントがおデコちゃんのと被ってるんだもん」
シン 「う……(さすがにぬいぐるみは安直すぎたか)」
美希 「反省してる?」
シン 「……わりと」
美希 「それじゃあ、もうひとつのプレゼントで我慢してもいいかな」
シン 「もうひとつの?」
美希 「ん」 ←口唇を突き出している
シン 「…………はぁ!?」
美希 「む、なんかとってもイヤってカンジの声が聞こえたの」
シン 「イヤとかそういうのじゃなくて! それはマズイだろいろいろと!」
美希 「なんで?」
シン 「なんでって、その……」
美希 「むー! 今日のハニーやっぱりおかしいの! 今日のハニーはなんかヤ!」
シン 「痛っ!? そんなに叩くな! っていうかよりかかってくるとバランスが……うわっ!?」
美希 「きゃっ……!?」

 ――ガタンッ!!

シン 「っ、痛~……美希、大丈夫か?」
美希 「う、うん」
シン 「そうか、よかっ……」
美希 「…………」 ←マウント取ってる
シン 「…………」 ←マウント取られてる
美希 「…………」
シン 「あの、美希? 早くそこからどいてほしいんだけど」
美希 「ハ二―……」
シン 「ってなんでそこで顔を近づけてくる!? だから危ないってそれ以上は!」
美希 「ハニーは、ミキのことキライ?」
シン 「今はそんな話をしてる場合じゃ」
美希 「答えて」
シン 「…………」
美希 「…………」
シン 「少なくとも、嫌いなわけじゃない」
美希 「……そうなんだ」
シン 「あぁ……」
美希 「ミキはね、ハ二ーのこと大好きなの」
シン 「…………」
美希 「だからね……いいよ、ハ二―になら何をされても」
シン 「……美希」
美希 「――ん」
シン (いいのか? こんな成り行きみたいな形で……俺は、俺は!)
 

シン 「美希、やっぱりこれは……!」
美希 「あ」
シン 「あ?」
美希 「ちょっと、鼻がムズムズする……」
シン 「え、何?」
美希 「へ、へくちっ!」

 ――ボフン!

シン 「ぶわっ、煙!? おい美希! 大丈夫か!?」
美希 「――あふぅ」
シン 「って元に戻ってるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」
美希 「んー……何? 美希の下でなにやってるのマネージャーさん」
シン 「いや何をやってるって押し倒したのは美希の方で……っていうか今のはなんだ!?
    なんでいきなり金髪に戻ってるんだよ美希!?」
美希 「……ヘンタイさんごっこ?」
シン 「断じて違う! っていうか人の話を聞けーーーー!!」

 ――ガチャリ

春香 「おっまたせー! ひょっとしてお邪魔しちゃったかなー? なんちゃってー」
千早 「春香、あまりそういうからかうみたいな言い方は……」
真  「まぁまぁ、いいじゃない。どうせいつもとおんなじだろうしさ」
伊織 「まったく、いくら事務所の中でもやっていいことと悪いことがあるじゃない」
亜美 「いおりん機嫌悪いねー?」
真美 「シン兄(c)取られちゃったもんねー」
律子 「二人とも、それ以上伊織を煽らない」
雪歩 「で、でも……本当にお邪魔だったら申し訳ないですぅ」
やよい「えぇっ!? わたしたちいないほうがいいんですか!?」
あずさ「うふふ、大丈夫よ。パーティーを始める時間は伝えてあるし」
高木 「うむ、むしろ少し遅れてしまったくらいだからね」
小鳥 「それじゃあ、美希ちゃんの誕生日を盛大にお祝いしましょう……って」

美希 「…………」 ←未だマウントしている
シン 「…………」 ←未だマウントされている

全員 『…………』
シン 「……あのですね、話せば長くなるんですが」
美希 「あのね、マネージャーさんヘンタイさんごっこしてるんだって」
シン 「ちょっ……!?」

 ――その後、シンがいろんな意味でボコボコにされたのは言うまでもない。


……という、夢を見た。

シン 「小鳥さん、夢でよかったって心の底から思う時ってありますよね」
小鳥 「そうねぇ、私も人類滅亡の夢を見たときはさすがに……」
シン 「……それ妄想じゃないですか」

 だが彼は知らない。その夢が、限りなく遠く限りなく近い世界の自分であるということを……
 

※彼女は14歳です

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2011年10月24日 04:15
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。