<今日の春香さん~選ばれなくて……~>
(のヮの)「あ゛う゛う゛~……」
シン (……すっごい泣いてる)
(のヮの)「あ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛~……!」
シン (……しかしいつ聞いても、その、すごい泣き声だな)
(のヮの)「オロロ~~~ン!!」
シン 「はぁ、いい加減落ち着けよ春香」
(のヮの)「だって、だってぇ」
シン 「そりゃあんなことがあったんだから仕方ないけどさ」
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P 「え~っと、ラジオのゲスト出演のオファーが来てるんだけど……この日空いてるのは美希と春香か」
(のヮの)「はいっ! はいっ! はーーーーーーい!」
P 「お、やる気満々だな春香」
(のヮの)「当たり前じゃないですか! 私はいつだってヤル気マンマンです!」
P 「そ、そうか。でもなぁ……」
(のヮの)「? どうしたんですか?」
P 「……うん、そうだな。やっぱり今回は美希に行ってもらうよ」
(のヮの)「え……?」
P 「ゴメンな、春香。やる気に水差しちゃって。おーい、美希ー?」
美希 「なぁにハニー?」
P 「ああ、今度のラジオなんだけどな……」
(のヮの)「…………」
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(のヮの)「ごれがぐやじぐなぐでなにがぐやじいんでずがー?」
シン 「少しは落ち着けって。ほら、これで涙を」
(のヮの)(チーーーン!)
シン (……俺のハンカチが)
(のヮの)「(ズズッ)うぅ、どうして私じゃなくて美希が選ばれるんですか~」
シン (たしか、ラジオのオファーだっけ……)
春閣下 「逃がさないわ、私の……地 獄 か ら」
春閣下 「カッカッカッカ~! 跪け愚民どもよホホホホホ!」
春閣下 「お・す・わ・り」
春閣下 「千早ちゃんって実は寂しがりやだし、それにMだし!」
シン (……。問題多すぎだからなんじゃ)
春閣下 「何か考えました?」
シン 「いや、なんでも……」
(のヮの)「はぁ、またプロデューサーさんから遠ざかったような気がします……最近は歌も歌ってないし」
シン 「それは考えすぎだろ。ほら、真や千早にグラビアの仕事があんまり当てられないのと同じでさ」
(のヮの)「それって結局私に向いてないってことじゃ……はぁ」
シン (結構深刻だな……いつもの元気が全然ない)
(のヮの)「私、いったいどうしたらいいんだろ」
シン 「……自分にできることを、やるしかないんじゃないか?」
(のヮの)「え?」
シン 「ボイスレッスンなりダンスレッスンなりさ。少なくとも、こんなところで落ち込んでるよりはずっとマシだろ」
(のヮの)「シン君……」
シン 「っていうかこっちが調子狂うんだよ。だから早くいつも通りの能天気な春香に……」
(のヮの)「わかりました!」
シン 「うおっ!?」
(のヮの)「たしかにこれくらいでへこたれるなんて私らしくないですよね! うずくまって下を見るより胸を
張って上を見ないと!」
シン 「……うん、いつもの春香に戻ったな」
(のヮの)「はい! ありがとうシン君! それで相談なんですけど……練習、付き合ってくれませんか?」
シン 「え? 俺が?」
(のヮの)「はい。その、他に頼める人がいなくって」
シン 「まぁいいけどさ、何の練習するんだ」
(のヮの)「えっと……とりあえず、マッスルリベンジャーあたりを」
シン 「何 を す る 気 だ お 前 は」
(のヮの)「……泥棒猫超人抹殺?」
シン 「物騒なことを平然と言うな! っていうか俺に何をしろと!?」
(のヮの)「だって耐えられそうな人シン君以外思いつかないし」
シン 「俺に試す気だった!?」
――ガチャッ
P 「お、いたいた。おーい春香ー」
(のヮの)「ぷ、プロデューサーさん!? どどどどうしたんですか?」
P 「後で話そうと思ってたんだけど、来週の音楽番組で出番取れたから。久々に歌えるぞ」
(のヮの)「え……?」
P 「大変だったぞー。どこも千早やあずささんならって言ってなかなかこっちの頼み聞いてくれなくてな」
(のヮの)「そ、それって私のために……?」
P 「ん? あぁ」
(のヮの)「…………」
シン 「……よかったな、春香」
(のヮの)「――はい!」
シン 「あ、プロデューサー。春香がレッスンしたいみたいなんで、せっかくなんで付き合ってくれませんか?」
P 「え? そうなのか?」
(のヮの)「う、えっと、その……」
シン 「久しぶりの歌番組なら、やっぱり声の調子とかチェックした方がいいんじゃないですか?」
P 「それもそうか。春香、今日時間空いてるか?」
(のヮの)「ひゃ、ひゃい!」
P 「それじゃあ昼からレッスン場の予約取っておくな。あ、二人ともこれから昼飯でもどうだ?」
シン 「……魅力的なお誘いですけど、俺は謹んで辞退します」
P 「? まぁいいけど……春香はどうする?」
(のヮの)「い、行きます!」
P 「よし、じゃあ行こうか」
(のヮの)(……ありがとうございますシン君。いつかお菓子作ってごちそうしちゃいますね)
シン (いいって。ほら、プロデューサー行っちゃうぞ)
(のヮの)「(はい!)待ってくださいよぉプロデューサーさーん!」
シン 「まったく……さて、俺も昼飯を食べ、る……」
千早 「…………(ニコニコ)」
真 「…………(ニコニコ)」
シン 「……あの、お二人はいつからそこに?」
真 「ボクや千早にグラビアの仕事があんまり当てられないのと同じ、ってあたりかな。ね、千早?」
千早 「そうね、大体そのあたりだったわ」
シン 「お、怒っていらっしゃいますでしょうか?」
真 「いい感じで脳内物質が出てくるくらいには」
シン 「……謝罪と釈明の猶予は」
千早 「あると思う?」
シン 「――ですよねー」
二人 『アドレナリン・ブリッジーーー!!』
シン 「ギャァァァァァァァァァァァァ!?」
……全身の骨が粉砕される寸前までツープラトンをかけられたシンだったが、奇跡的に命に別状はなかった。
(のヮの)「あのそーらへーーーー、わたーしーはー(・3・)トブー」
そして春香の歌唱力も別状はなかった。