今日も休暇を取りなのははある場所へと向かっていた。
正直今まで有休が溜まっていただけに非常にありがたかったが、
旧友達からは信じられない物を見る目をされてしまった。
(うう、でもしょうがないもん…)
恋を自覚して告白やデート、といった行動には移さなかった。
それも当然、何故なら高町なのはは恋愛初心者同然なのだから。
今まで異性を僅かなりにも意識したことさえなかったことに気づいた時、あまりの人生に半泣
き状態だったが…
(それでも、今日から私は全力全開で…!)
ついた場所は本屋。
まずは形から、外見、つまりファッション雑誌を買いに来たのだ!
高町なのはの外見評価は非常に高いが、デート用ファッションなど考えたことすらないのだ。
だからこそ自身の信念でもある「基本」を学ぶために来たのだ。
(え~と……あった!)
見つけた雑誌はおしゃれ初心者専門誌
ちょうど最後の一冊だ。
(これを読んでシン君と…えへへ)
と考えながら手を伸ばすも、
ちょうど同じ雑誌を取ろうとした誰かの手と当たってしまった。
「「あ、すみま…」」
謝ろうと相手の顔を見た瞬間、互いの時は止まってしまった。
別に見るに堪えない顔というわけではない。むしろ逆に上の上と言って過言ではない美人だ。
服の上からでもわかる大きな胸、モデルのようなスラッとした体、キッとした目、ポニーテー
ルでまとめた綺麗なピンクの長髪。
ここまで言えばわかるだろう、彼女こそなのはの親友フェイトのライバル…
「シ、シグナムさん!?」
「なっ!?高町!?」
偶然にも同じ日に有休を取ったライトニング副隊長シグナムその人だったのだ!
変わってしまった日常 リリカル版 2
意外なライバル!その名はシグナム!!
しばらく互いに固まっていたが、なのはは再起動した瞬間シグナムが手に取ろうとした雑誌を
見る。
間違いなく自分と同じ初心者用ファッション雑誌だ。
仮に別の種類の雑誌を目的にしていたとしてもここはファッション誌のみだ。
「…シグナムさん、何でこんなものを?」
「うっ!いや、それはだな…」
あからさまに動揺し、目を泳がせる。
怪しい…
「そ、それはヴィータもそろそろこういった物も必要かと思ってな」
「…ふ~ん」
「わ、わかってくれたか?ではすまぬが高町、ヴィータはお前の友人なのだから譲っては…」
「それ、ヴィータちゃん用の服ないですよ」
「ぐ!?」
そう、これは明らかになのはやシグナムといった身長用なのだ。
逆にヴィータレベル用の雑誌は幾つか離れた場所にある。
「シグナムさんがそれを読んでどうするんです?」
「それはだな…」
「…シン君とのデート用ですか?」
「なぁ!?」
勘で言ってみたが図星だったらしい。
証拠に顔が瞬時に赤に変わる。
「な、ならば高町!お前はどうなのだ!」
「え、え~と…」
逆に切り返され同じく目を泳がせるなのは。
(ま、まさか高町も…!?)
ちらりと雑誌に目を向ける。
残りは一つ、もし取らねば高町が買っていく、その後御洒落をした高町とアスカが…
「ふん!」
そうはさせん!と言わんばかりに雑誌を手に取る
「ああ!な、何するんですか!?」
意図に気づいたなのはもシグナムの反対の部分を掴み取る。
「な、何をする離せ高町!こ、これはお前には必要ないだろう」
「離しません!それだったらシグナムさんが離してください!どうせ戦うことしか頭にないん
ですからレヴァンテインとでもデートしてください!」
「何だと!?訓練マニアの貴様にだけは言われたくなどない!!」
「ふん!どうせその大きな胸を使ってシン君を誘惑しようと考えてるんでしょ!!」
「ななな何を言うかー!」
普段の威厳はどこ吹く風、完全にシグナムは真っ赤になってしまい目までも漫画のようにぐる
ぐると円を描いている。
あまりの低レベル喧嘩に少ないながらもいた客も完全に離れていたが、男の取りあいに関する
と知って誰も店から出て行こうとしない。
最も勝者に対する賞品がファッション雑誌(初心者用)という何ともしまらない景品だが
…ビリ
「「あ!!」」
だが紙である以上両サイドから引っ張られては見事半分に破れてしまうのも当たり前のことだ
った。
「…御客様」
「す、すみません!」
「すまぬ、今料金を払うので…」
「いえいえ、料金は結構です。それより…」
す、店員が出入り口を指差し、
「出てけ」
と見事な営業スマイルで言い放った。
「すみませんシグナムさん…」
「いや、こっちもすまなかった…」
追い出された二人は昨日なのはが来た公園のベンチに腰かけていた
「え~と、その、ちょっと意外でした。」
「言うな、自分でも自覚しているつもりだ。それに私にも言えることだ」
「あ、あはは」
会話が止まってしまい、何とも居づらい空気となってしまう。
「…よくわからないですけど、いつの間にか好きになってました」
「…そうか。
私は、きっかけはあったが、同じようにいつの間にかだな…」
「…くす、似た者同士ですね。
同じ人を好きなるなんて」
「フフ、そうだな」
二人とも互いに笑いだした。
同じ人を好きになり、同じ本を取りあいになり、そして似たような理由で好きになった。
何ともおかしい話ではないか。
「さて、高町」
「何です?」
一転、二人とも真剣な顔に変わる
「負けぬぞ、私は」
「私こそ!」
「フ、期待してるぞ高町。いや…」
「なのは」
「!はい!シグナムさん!!」
これは、互いにライバルと認めた二人の恋の戦いのほんの始まり…
「…とりあえず、二人で何か探そうか」
「そ、そうですね」
何とも不安な始まりであるが…
「あのなのはちゃんが二日連続で有休…!?
しかもあのシグナムもやと…!?」
普段まったく休みをとらないなのはが連続で有休など信じられない出来事だ。
しかもシグナムもだ。
「…まさか、何か想像を絶する災厄が来るというん?」
何とも失礼なことを考えている八神はやて。
今日も世界は平和のようです。
「シン君、はい夜食」
「ぎ、ギンガさん何もそこまで…」
「これくらいはしてあげないと気が済まないの。ね?」
「はぁ…いただきます。
あ、おいし」
「えっへん。ギンガお姉さん特製の夜食のお味はいいようですね?」
「は、はい!すごくおいしいです」
「ふふふ、このギンガお姉さんはそんじょそこらの人には負けませんよ。
無論男の人は勿論シン君にだって負けません。」
「む、じゃあそこまで言うなら今度作りますから覚悟してください」
「ならば受けて立ちましょう!シン君の料理を!」
こちらは進んでるのか進んでないのかはてさて…?
最終更新:2011年01月22日 07:04