「ふむ、私となのはが出ている間にな」
「はい。シンさんの料理とってもおいしくて同じ男として憧れちゃうな~」
「ははは、そこまで言うなら是非私も食べてみたかったが」
本日の業務が一通り終わり、現在エリオとシグナムが以前シンのカレー料理の時の話をしている。
内心その場にいなかったことを非常に後悔し、ライバルであるなのはもそれを知ればさぞ残念がるであろうと思っていた。
「そういえばギンガさん勝負に負けたということで何かお返しをするって言ってました」」
「…ほう、そのようなことが」
その後、いくらか言葉を交わしシグナムは二人と別れた。
そしてすぐになのはへ念話を送る。
(なのは、緊急事態が発生したぞ!)
変わってしまった日常 リリカル版 4
変わる切欠には大きすぎる
「♪~♪~」
鼻歌を歌いながらギンガはシンの元へと向かっていた。
以前のお詫びということで、彼女はプレゼントを渡すためにシンの部屋へと向かっている。
そしてギンガから離れた地点よりずっと彼女を尾行する影が二人。
「な、何だかすごく楽しそうですね」
「う~む、もしやギンガは既にシンと私達以上に親しいのでは?」
「ええ!?」
現在なのはとシグナムは尾行というあまりほめられた行動ではないことをしている。
彼女たちは他にライバル視するなら比較的付き合いやすいであろうスバルとティアナだと睨んでいたのだ。
そのため可能な限り、職権濫用にならない範囲でシンとの接触を二人で防いでいたのだ。
だが現実にはギンガは内心世話の掛かる弟という考えなのだろうが接触する回数は多く、仕事の付き合い、
他の者も入るがプライベートでもそれなりの付き合いがある。
実はなのは、シグナム両名共まだ恥ずかしさからまだシンとプライベートで一緒にいるというのがまったくもって無いのだ。
故に今回のギンガのことを知り、非常に穏やかではいられないのだ。
「く!地盤を固めるのに専念しすぎた報いか…」
「どど、どうしますかシグナムさん!?」
「さすがにこの後のことはどうする事も出来ん。ならせめて明日にでも行動せねば…!」
「ふぇぇ!どどどうすれば…」
「ええい!覚悟を決めろなのは!!」
先日と打って変わり何とも頼りない二人。
正直これでは勝負にならないと思うが、
「あれ、ギンガさんどうしたんですか?」
「えへへ~、実はシン君に渡したいものがありまして」
遂にギンガがシンと出会ってしまった!
瞬時になのはとシグナム両名は身を隠し、様子をうかがう
無粋な真似だけは絶対にしないのは美徳と同時に大きすぎる弱点でもあるのがこの二人だ。
「じゃじゃ~ん!ギンガお姉さんから手作りマフラー!」
質素ながらも非常に丁寧に作られた真紅のマフラーだ。
下手な店の商品よりもずっと良品と感じられる。
「す、すごい…!」
「ん~実は色々作りたかったんだけどね、これが今の私の精一杯」
受け取ってくださいと言いながらシンの首にマフラーをかけるギンガ。
「わぁ~、ありがとうございますギンガさん!」
まるで純粋な子供のように、満面な笑顔でシンは答えた。
「…なのは、私達はどうやら真の敵と出会ったようだな」
「そうですねシグナムさん。これはもう恥ずかしがってる場合じゃないですね」
「ああ、どうやら私達も本格的に動かねばならんな」
「はい。私達のこの恋…」
『成就させ、打倒ギンガ・ナカジマ!!』
今この時、二人の恋する戦乙女が真の団結をした!
かつてない強大な敵に果たしてなのは、シグナムは!?
待て!次回!!
「ふふ、あんなに喜んでもらえるなんて作ってよかった」
ギンガはベットの中で先ほどのシンの喜びように非常に満足していた。
「でも今まで家族以外、それもお父さん以外で男の人にあげるなん…」
ギンガはその事実に少しフリーズする。
そして世間一般で女性が手作りの贈り物をすることを冷静に考える。
もうおわかりだろう―――
―――恋人―――
「な、ななななななんて物渡してるのよ私!?
ででででででも私とシン君はまだそんな―――
って『まだ』って何よー!?」
居ても立っても居られず上半身を起こし必死に落ち着かせようと顔を両手で隠す。
だが既に赤くなった顔同様彼女の思考は止まらない。
「そ、それに私今までこ、恋なんてしたことないし、シン君って意外に料理が出来て仕事もすごいし…
初恋の人と結婚は小さい頃の夢だったけど…」
―――
純白のウェディングドレスを纏うギンガ。
見つめる先にはシン。
徐々に互いに近づき、そして…
―――
「うわぁーー何考えてるのよ私のバカバカバカーーー!!」
顔どころか体全体を真っ赤っ赤にし、必死に頭の中の妄想を追い出そうとポカポカと頭を叩くギンガ。
果たして彼女は眠ることはできるのであろうか…?
最終更新:2011年02月15日 16:02