<黄昏時の寺子屋にて>
妹紅「慧音ー、いるかー?」
シン「――妹紅?」
妹紅「げ」
シン「……会って第一声がそれかよ」
妹紅「あー……悪い悪い。で、慧音は?」
シン「今は出てるよ。明日の授業に使う資料を借りに行くって」
妹紅「ってことは稗田のところか。まいったなぁ」
シン「何か用でもあったのか?」
妹紅「ないといえばない……んだけどできればいてほしかったというかなんというか」
シン「? まぁすぐに戻ってくると思うから待ってるか? 茶くらいは出すけど」
妹紅「居候が勝手に茶を淹れていいのか?」
シン「相手が妹紅なら、慧音は許すだろ」
妹紅「……違いない」
妹紅「……手慣れてるなぁ」
シン「そりゃどうも。こっちに来てからいろいろやるようになったしな」
妹紅「人里にも慣れたかい?」
シン「それなりには。慧音の知り合いってだけでよくしてくれるとこもあるし」
妹紅「子供たちにいろいろ教えてると聞いたけど」
シン「あぁ、簡単なサバイバル技術とか。どれくらい役に立つかは分からないけど」
妹紅「たしかに。小手先の技術だけじゃ人里離れて妖怪に襲われたらどうしようもない」
シン「だよなぁ」
妹紅「いいじゃないか。物に限らず学ぶというのは良い刺激になる。慧音みたいに堅苦しいだけじゃ息が詰まる」
シン「……そっか。ありがとな」
妹紅「なっ!? なんでそこで礼を言う!?」
シン「いや、ひょっとして気をつかってくれたのかと」
妹紅「一般論だろこんなのは! いいから茶! 菓子! おかわり!」
シン「はいはい」
妹紅「……遅いな」
シン「だなぁ。あいつもついてるから変なことに巻き込まれたわけじゃないだろうけど」
妹紅「ちょっと心配だ。探してくる」
シン「待てって」
妹紅「だけど!」
??「あの……」
シン「落ちつけ。外ならともかく里の中だぞ?」
妹紅「妖怪が里を襲うことだってある! それに気付けばあいつは真っ先に飛び出すに決まってるじゃないか!」
??「おいお前たち……」
シン「慧音だってそこいらの妖怪にやられるほど弱くないだろ」
妹紅「でも何が起こるか分からないじゃないか! ここはそういうところだろう!?」
??「おい!」
シ・妹『え?』
慧音「……心配してくれるのは嬉しいが、ここまで無視されるとその気持ちも半減してしまうぞ」
妹紅「あ、う……」
シン「ほら、無事だったろ?」
運命「で、我が主殿は何をしていたので?」
シン「へ? 何をって……」
運命「あぁそうですか、妹紅殿と逢引の最中でしたか。これはとんだ失礼を」
妹紅「ああああ逢引!?」
シン「どうしてそういうことを言うかなお前は!?」
運命「しかし今しがた妹紅殿の肩を抱いて……」
シン「それは妹紅を止めるためで!」
運命「えぇ、そんなことだろうと思ってました」
シン(こ、こいつ……!)
慧音「はぁ……まぁいい。シン、デスティニーと一緒にこれを私の部屋まで運んでくれないか? 私はそろそろ夕餉の準備をするから」
シン「あぁ、わかった」
運命「主殿? もっと妹紅とキャッキャウフフしたりイチャイチャチュッチュしないでよろしいのですか?」
シン「お前もう頼むから黙れ!」
慧音「……で? 私に何か用か?」
妹紅「あー……いや、もういいや。今日は帰る」
慧音「もうこんな時間だ。夕餉を食べていくといい。一人分増えたところで大した変わりはないさ」
妹紅「…………じゃあ、食べる」
慧音「シンたちと一緒にな」
妹紅「けけけけーねぇ!?」
慧音「ふふっ、あはははははは!」
妹紅「笑うなぁ!」
――結局、4人で卓を囲んだ夕飯となった。
最終更新:2011年01月22日 07:40