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夜向性 ◆pLz4u.wgPs-外典 エピローグ

言葉がシンと同じ高校に通いだしてから数日後。
この日、徐々に慣れて来た日本での生活に一つの変化が起こる。

ティアナ「転校生の桂 言葉さんね。ちょっと着いて来てくれる?」
言葉  「え、は、はい」

始まりは、シンの知り合いを名乗る女性から放課後に呼び出されたことだった。


題名未定 外典 『 裁かれるべき正義 』 エピローグ


ティアナ「連れてきましたよ、八神先輩」
はやて「ああ、ごくろうさんティア」
ルナマリア「ふ~ん、話には聞いてたけどこの子がねぇ」
ステラ「・・・・・・」
言葉 「あの、私に何か?」
はやて「単刀直入に聞くけど、言葉さんはシンのことが好きやろ」
言葉「え・・・」

思いがけず図星を突かれて赤くなる言葉。
だが、質問の意味を考えてすぐに青くなった。
言葉(そう言えば、この人達もシン君のことが・・・)
前の学校で痴情のもつれから虐めを受けていた彼女にとって、
彼を好きな女の子たちに呼び出されることはすなわち“そういうこと”だっだ。

言葉「わ、私は―――」

帰ってきた日本で再び虐めに遭うのではないかという恐怖が、言葉の脚を震わせる。
それでも彼女は、はやて達の目を見てはっきりと言いきった。

言葉「私は、シン君のことが・・・好き、です」

しかし、はやて達の反応は言葉の考えていたものとは全く違っていた。
泣きそうになっている言葉の瞳の先で、はやての顔は優しそうに微笑んでいた。

はやて「うん。なら、私たちは今日から同じ志を持つ『同志』やな。私は八神はやて。
    卒業までそんなに時間もないけどよろしゅうな、言葉ちゃん」
ティアナ「同志って・・・普通に『友達』でいいじゃないですか。ああ、わたしはティアナ・ランスター。
     ティアでいいわよ、親しい連中はそう呼んでるし」
言葉「・・・・・・え」
ステラ「ステラはステラ・ルーシェだから、ステラって呼んでね」
ルナ「ルナマリア・ホーク。あいつの幼馴染よ。言っとくけど、
   私はただあなたと『友達』になりたかっただけでシンを狙ってるわけじゃないから。
   そこんとこ、間違えないでね」
言葉「あ、はい。・・・え?」

予想もしなかった言葉を次々と浴びせかけられて、一瞬頭が真っ白になる言葉。

言葉「あの、これって・・・」
ルナ「何? 虐められるとでも思ったのかしら?」
言葉「い、いえ、そんな!」
ルナ「いいのよ。恋をするのに同盟を組むなんて私も聞いたことなかったし」
ティアナ「仕方がないでしょ。あいつにはそもそも『女の子は恋の相手』っていう価値観が欠けてるんだから」
言葉「でも、それでいいんですか。だって、最後には誰かが諦めることになるんですよ」
はやて「もちろん、恋愛は戦争だっていう人もおるよ。せやけど、シンは誰かが誰かを嵌めたり裏切ったりっていうのを一番嫌う子なんよ」
ルナ「アピールは皆平等に。それなら、シンが誰を選んでもきっぱり諦めて相手を祝福できるでしょ」
ステラ「・・・?」
ルナ「まあ、ステラはよくわかってないし、そんなにうまくいくとも思えないんだけどね」

ティアナ「ほんと。中には諦めきれなくて、入りたての大学をいきなり一年休学して教育実習生として戻ってきた人もいましたし」
はやて「まぁ、中にはスポーツ推薦を取るためだけにインターハイを昇りつめた単純馬鹿もおったけどな」
ティアナ「・・・ちょっと、屋上行きましょうか」
はやて 「かまわんへんよ。久しぶりにぷっつんきたわ」

言葉「あの、出ていっちゃいましたよ」
ルナ「放っておきなさい。ああ見えて仲いいんだから。そんなことより・・・」
言葉「あ・・・」
ルナ「はい、握手。わかんないことがあったり、困ったりしたら遠慮なく頼りなさいよ。こう見えて、結構顔が広いんだから」
ステラ「言葉とルナと私、これで仲良しだね」

言葉「・・・・・・」
ルナ「ん、どうかした?」
言葉「・・・・・・」ぽろぽろ
ルナ「え! え! 何で泣くの!? 私、なんか変なこといった!?」
ステラ「もしかして、ステラのせい?」
言葉「ち、違うんです。こんな風に、受け入れられたのは初めてで、どうしたらいいか・・・」
ルナ(よっぽどひどく扱われてきたのねこの子。さて、あいつならこんな時どうするかしら)

ステラ「・・・名前を呼ぶんだって」
言葉「え?」
ステラ「シンが昔、好きだった女の子から教えてもらったの。友達になるには、相手の名前を呼べばいいって。
    だから、私の名前を呼んで」
ルナ「・・・うん、よろしくね、言葉ちゃん」
言葉「ぐすっ・・・これ、から、よろしくお願いします。ルナ・・・さん、ステラさん」
ステラ「うん、こちらこそ。言葉ちゃん」

  • 次の日 お昼休み
言葉「それが、サンドイッチはうまく作れるんですけど、他は全然うまくできないんです」
ティア「そんなの気にすることないわよ」
はやて「そうやな。ティアナはジャンクフードオンリーやし」
ティア「それでも胸は貴方より大きいですけどね」
はやて「ふん、ティアナは子供やな。胸で女の魅力が決まるわけないやないか。ね、言葉ちゃ・・・」
言葉 「・・・え~と」←並び立つ者のいないオリンポス山
ステラ「・・・むね?」←これまたすさまじいエベレスト山
ルナ 「人それぞれじゃないんですか」←なにげに隠れたマウナケア山
はやて「・・・・・・」←どこにでもありそうな一般の山
ティア「へぇ~(にやにや)」←成長して富士山到達
はやて「・・・うう」

シン「言葉のやつ、もうみんなと仲良くなってるのか。転校してきたばかりなのに、すごいな女の子同士って」
カミーユ「そうだな。レイはともかく、お前が俺やロランと打ち解けるのはかなりの時間がかかった。彼女達は立派だよ」
レイ「恐らく、お互いに何か共感するものがあったんだろう」
ロラン「ああ、なるほど。そうかもしれませんね」
シン「共感するもの、か。趣味が同じだったとかか?」
レイ・カミ-ユ・ロラン(駄目だ、こいつは)

はやて「どれだけ胸が大きくても、それをシンが好きかどうかは別問題や!」
ティアナ「なら聞いてみましょうか! 答えはわかりきってますけどね」
言葉 「わ、私だって大きさなら負けません!」
ステラ「む、よくわからないけどステラもいく!」
ルナ 「はいはい、頑張って聞いてきなさい」

ロラン「・・・どうしたんですか、シン。顔色が悪いみたいですけど」
シン「いや、なんか悪い予感が」

後に、この集まりは特殊戦闘集団『桃園の誓い』としてシンを陰ながら支え続けていくことになるのだが、
事あるごとに人数が増えていく羽目になるとはこの時の彼女たちは知る由もなかった。

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最終更新:2011年01月22日 09:25
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