DESTINY小ネタ-05

1

某月某日 シンとレイはギルバートに呼び出しを受けていた。
そして、彼のデスクには2.5頭身ほどのフィギュアが複数並んでいる。

シン「議長……これってまさか…」
ギル「その通りだよ、シン。君達のねんどろいどで販売前に君達に見て貰おうと思ってだね。」
レイ「ギル…何故、そのような物を……?」
ギル「CEのイメージが凄く下がっている気がしてだね…イメージアップを図る事を兼ねて発売する事にした。」
シン「そりゃぁ、つい、数ヶ月前まで戦争をやっていたような世界に良い印象を持てというのが怪しい気が……」
レイ「それで主にバリエーションはどのようにするのですか?」
ギル「君達ミネルバ隊のザフトレッド3人にハイネ、キラ・ヤマト、アスラン、アスハ代表、ラクス・クラインの予定だよ。」
レイ「主要メンバーは粗方出ると言う訳ですか。」
シン「皮肉ですけど無難と言えば、無難ですね……所で議長。」
ギル「何だね?」
シン「ステラのねんどろいどはでますか?」
レイ「……(それをここで言うか、お前は。)」
ギル「ふむ、出来てはいるのだが、販売は検討中だ。」
シン「俺にお一つ譲っていただけませんか?後、出来れば俺とレイのも一つずつ。」
ギル「それ位なら構わんよ。」
レイ「ギル、私にも私とシンのねんどろいどを一つずつ貰いたいのですが…」
ギル「君もかね?……まぁ、良いとして置くが…」
レイ「他には何を予定しているつもりですか?」
ギル「シンとレイのFAITHバージョンや上の面々の私服やパイロットスーツバージョンにMSのねんどろいどを予定だ。
   ぷちシリーズの方ではシン&レイセットを予定している。まぁ、こちらは全て企画段階であるから先行で発売する売
   れ行き次第としか言えないがね……」
シン「まぁ、あの4人を入れれば、大丈夫だと思いますよ?あの人達は「正義の味方」なんですから」
レイ「(まだ引き摺って居るのか、お前は…)」



それから約数ヵ月後、全次元世界にて、種運命組のねんどろいどが販売された。
当初の予定とは大きく変わり、シンのねんどろいどのみが馬鹿売れし、何処へ行っても売り切れ状態になってしまう。
これには計画していたギルバートも困惑していたが、一番困惑していたのはシン自身である。



シン「何か予定が大きくずれたな…というか、何で俺のがここまで売れてるんだ?」
レイ「あぁ……」
ギル「シンのねんどろいどの注文数が製造が追いつかない程に来ている。因みにこれが売り上げ順位だ。」
レイ「言わずとも、シンのが1位で大きく離されて、私のが2位、ハイネのが3位で、キラ・ヤマトのが4位で他4人
   の売り上げ皆無の状態ですね。」
シン「本当にどうしてこうなった……予定だったらあの4人のが馬鹿売れする予定だったんじゃないんですか?」
レイ「物事は思い通りに行かないとは言うが、これは本当に予想外だ。」
ギル「だが、予定通り、売り上げが上々だから問題なく、予定した方の製造と販売ができそうだよ。」
レイ「(こちらも上の売り上げが正しいなら、シン関係のねんどろいどの売り上げとんでもない数値になっているのだろう
    な……今のうちにシン関係の方は全部一つずつギルに譲って貰おう…)」

2

視界が霞む、意識が遠のく。連合のMAの驚異的な制圧力の前に自軍は追い込まれシン自身の機体も崩壊寸前の状態だった。幾つか計器が破損しスパークを起こしている。
戦闘の合間に機体が負ったダメージは予想以上のもので、機体の中で弾けた電流もシンを痛めつけて来た。敵の動きさえ満足に捉えることができない。

―――ここで終わりなのか?

朦朧とした意識の中に浮かぶ諦め

―――まだ、一つとして守れていないのに

過去の、目の前に広がった家族の死という地獄

―――俺はこんなところで死んでしまうのか?

絶対的な力を前にしたことで浮かんだ恐怖
それらが心に浮かんだ時、シンに生まれた新たな意志は―――

「嫌だ……嫌だ……俺は、負けたくない、死にたくないィイイイ!」

「生」への渇望、生き抜くことへの果て無き欲望。強烈で鮮烈な思いはシンに眠る「SEED」を開放した。
限界を迎えていたはずの意識が澄み渡り、限界を突き抜けた意識はその空間がシンの手中にあるかのように、敵の位置、挙動を正確把握した。
敵の動きの先を読み、死角をとるように動くことで換装のタイミングをつかむと、シンはミネルバから送られてきたブラストシルエットを愛機―インパルス―に纏わせる。
こちらの動きに気付いたMAが熱線を放ってきたが、もう遅かった。むしろその挙動がシンに腹部をとらえさせる時間を作ってしまったといえるだろう。
頑強な敵MA唯一の弱点腹部に向けて、シンは引き金を引いた。

「ブラスト・ケルベロス・バーストォ!グォレンダァアア!!」

五条の閃光が敵MAを襲い、爆散させる。シンはSEED保有者特有の世界の深淵から生まれたような沈んだ目で、敵の消えた虚空を睨んでいた。



うん、俺がデュエル脳だっていうだけの話なんだ、ごめんね。

3


ラクス「デュランダル議長、私達はあなたの提示するデスティニープランを認めません。」
ギルバート「フフフフフフ…君達は何か勘違いをしていないかね?」
アスラン「勘違いだと?」
ギルバート「君達は自由がないと言いたいのであろう?私はいつ、「プランが定めた職業につかなければならない」と言ったかな?」
ラクス「そ、それは……」
ギルバート「君達はご両親から「人の話は最後まで聞きなさい」と教えられなかったのかな?」
カガリ「う……」
ギルバート「それにプランの目的は他にあるのだよ。」

シン「他の目的って何だろう?」
レイ「俺もこればかりは始めて聞いたが、一体……」
アスラン「では、遺伝子によって、全てを決めるというアレはどう説明するつもりだ!」
ギルバート「あぁ、世間上に発表したアレはただのついでだよ。」
キラアスラクカガ「「「「「「ついで!?」」」」」」
シン「あれがついでって……」
レイ「(きっとギルのことだ、きっと凄い目的に違いない。)」
ギルバート「本当の目的は私の愛しの息子、シンの為だよ。」
シン「え……?俺?」
アスラン「シンの為だと、一体どう言うことだ!」
ギルバート「そう、急かすと髪の毛が二十歳を迎えた頃には頭が丸裸になってしまうよ?」
アスラン「………」
ギルバート「では、お教えしよう。デスティニープランの本当の目的、それは……」
シン「……」
レイ「(ワクワク……ドキドキ……)」
ラクス「それは……」

ギルバート「デスティニープランの本当の目的、それは人種を超えて、シンの遺伝子とマッチする遺伝子を見つけるための物だ、手っ取り早く言えば、シンのお嫁さんを探そう計画…これがデスティニープランの本当の目的だ!!!」
シン「ななな……」
レイキラアスラクカガ「「「「「何だってーーーーー!!!!」」」」」
プラント全体『何だってーーーーーー!!!!!』
地球全体『何だってーーーーーー!!!!!』
CE以外の次元を超えた別世界の人々『何だってーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!』(「」の数がとんでもなく多いため、書ききれない。)

ギルバート「私は止むを得ず、彼を知り合いの夫婦に預けてしまい、父親らしい事をしてやれなかった。だからこそ、私はこの計画に私の命を賭けてでも、この計画は成功させなければならない!!!!」
レイ「ギル、そう言いますが、仮にシンと遺伝子が合う女性が複数居た場合はどうするんですか?」
ギルバート「その場合は、特別措置として、一夫多妻制でも導入するつもりだ。」
アスラン「ちょっと待てぇぇぇぇ、それなんか絶対おかしいぞ!!!」
キラ「(ハーレムか、いいなー。)」
レイ「もし、逆の場合は?」
ギルバート「メサイアを地球へ落とす。さぁ、行け!メサイア、忌わしき世界と共に!!と叫びながら。」
カガリ「そこまでするか!!」
ギルバート「当然さ、何なら地球に落ちなかったユニウス7を落としても構わないが?」
CE全住人「(ダメだ、この親馬鹿。早く何とかしないと……)」

このギルバートの発言直後に次元の裂け目がCEの各地で発生したのは別の話とする。


4



「例え何度花が吹き飛ばされても…僕たちはまた、花を植えるよ」
「あ………ああ……」

草花が吹き飛ばされ、無残な光景となった慰霊碑の前。
茶髪に紫の瞳を持った少年と、黒髪に紅い瞳の少年が握手を交わしている。

「それが、俺達の戦いだな」

青い(額辺りから何か危うさを感じる)髪と翠の瞳の少年が歩み出て、二人に問いかける。
その後ろには、桃色の髪の少女と、赤髪の姉妹が立っていた。

茶髪の少年が、青髪の少年の言葉に強く頷く。紅い瞳の少年は、それを呆然とそれを見つめていた。

「一緒に、戦おう」
「………はい」

紅い瞳の少年―――シン・アスカは、その瞳から涙を流す。
シン・アスカ、キラ・ヤマト、アスラン・ザラ。
“種”を持つ3人の少年が、手を取り合った瞬間だった。



「――――で、何で俺たちはこんなことをやってるんだろうな」
「言わないでよアスラン。シンにああ言った僕もわからないんだから」
「キラさん、アスラン!なにやってるんですか、早くそれ運んで下さい!」

花の種や苗を籠で大量に運びながら、シンは愚痴っている二人に声を掛ける。
以前は白かったその肌の色は、今では心なしか小麦色になっている。

「確かに僕は花を植えるって言ったよ?でもまさかそのままの意味で捉えるなんて」
「まあ……それであそこまでやる気を出すシンもシンだけどな」

あの慰霊碑での握手の後、シンの提案によりプラント/地球間合同で新たな木々や草花を植える大規模な植林計画が始まった。
それにまず二人は驚いた。何故シンがそんなことを始めるかも分からなかったし、参加メンバーに自分達も入っていたのだ。
ちなみに補足しておくと、ホーク姉妹や元ミネルバクルーも参加していたりする。
訳の分からない二人は理由をシンに問いただしてみると、

「え?だってキラさんでしょ、花植えるって言ったの。自分の発言には責任持って下さい」

という答えが返ってきた。言いだしっぺなんだからちゃんと参加しろとも。
慌てたキラを諫めつつ、アスランはラクスやカガリになんとかしてもらおうとした。
しかし、

「あら、シンの言う通りですわよ?それに素敵な試みだと思いますわ」
「そうだな。こちらとしても出来る限り助力する。ユウナも賛成しているしな」

と二人共シンを支持していた。
しかもラクスは「議長になっていなければ私も参加したかったのですが……」と悔しがっていた。
また聞いた話だと、久々に燃えてきたとかいってこの計画に合わせた曲を作詞中だとかなんとか。
ていうか作詞自分でやっていたのか、と元婚約者ながらアスランは軽く衝撃を受けたりしていたりする。
その辺は風の噂に過ぎないため、真偽の程は定かではないのだが。

そんなこんなで計画は始動し、地球軍から選出されたメンバーと共に地球の各地を飛び回っている。
最初はすぐ失敗に終わると思われたこの計画も、特に大した衝突も起きず、各地住民にも大歓迎された。
ナチュラルとコーディネイターの合同ということもあり、両者間の確執を和らげる要素となっているかもしれない。
……たまに「ここにはこの花を植えるんだよ!」「ふざけんなこっちのに決まってんだろ!」とかいう争いもあるのだが。

「何度も言わせるな!さっさとそれこっちに運んで下さい!!」
「「は、はいっ!!」

怒り気味なシンの怒鳴り声にビビりながら、二人は作業に戻った。

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最終更新:2017年03月09日 22:11
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