リリカル乙女達のバレンタインは女としてのプライドが納得いかない結果となったが
東方の乙女たちはどうしたのか?
残念ながら当日はシンを含む七名で『血のバレンタイン』の犠牲者達のため、
比較的外と繋がりやすくなっている『無縁塚』において供養のため終えている。
そのためイベントと言えるのはそれくらいで終わっており、リリカル世界の地球に来た日が
『ホワイトデー』であったのは偶然であった。
side:乙女(嫁)達
翠屋で寛いでいた最中、突如爆音が響く。
音の方角へ視線を向けると『ナイトキャップ(?)を付けた髑髏雲』が出ている。
正直数えるのも馬鹿らしい何度も見た光景だ。
鈴仙「今度は何したんだろ?」
パチュリー「ギンガ達の邪魔でしょ」
咲夜「『こちら』の、もしくは私達のシン様に手を出したのでは?」
早苗「…それすっごく笑えないんですけど」
アリス「さ、早苗お願いだから握りしめてるカップ割らないでね」
輝夜「まあ、シンに手を出したら私達が直々に『躾』をするまでね」
鈴仙「でしたら私の眼で狂わせるまでです姫様」
パチュリー「必要ないと思うけど?」
鈴仙「何で?」
パチュリー「…これ以上手を付けられなくする気?」
全員『それは嫌』
早苗「でもホワイトデーかぁ、私達も何かした方がいいのでしょうか?」
アリス「別にいいじゃない。そういうイベントをしなくても十分幸せだし」
咲夜「そうですね。それにシン様と二人で過ごせる日もありますし」
咲夜の発言の通り、彼女達はシンと二人きりで過す時がある。
それが旅行でもあり、食事でもあり、数えればきりがない。
一夫多妻で落ち着くもやはり愛する人と二人でいたい故に、
この場の六人が何らかの勝負を行い勝者に夫を独り占めにする権利を得るのだ。
なお、万が一故意に抜け駆けした場合制裁が加えられるのだが、幸いなことに『故意』には至っていない。
なんとも『女難世界のシン』が見たら月までブッ飛ぶ衝撃的な生活を送っている『日常世界東方版のシン』はというと…
東方シン「えーと、ただいま」
翠屋のドアから一つの本を片手に入ってきた。
咲夜「お帰りなさいませシン様」
シン「ああ、一応買う物は買ってきたんだけど…」
買ってきた本、それは『旅行パンフレット』
『とある異変』によりある程度次元を超えられるようになって以降、
回数をこなせば慣れるもので今ではこのように旅行にまで行く余裕まであるのだ。
アリス「何か問題でもあったの?」
シン「いや、これなんだけど」
もう片方に持っていた物、何かのチケットをテーブルの上に置いた。
鈴仙「え~と何々、温泉旅館一泊二日ペアチケット!?」
ガタッ!と全員が席を立ちチケットへ群る
早苗「た、確かに本物です…!」
輝夜「でもこれどうしたの?」
シン「このパンフレットを買ったら、『一万人目のお客様記念』って渡されたんだ」
アリス「す、すごい幸運ね……」
咲夜「ええ、ですが何よりも重要なことが一つ……」
パチュリー「そうね、これで誰がシンと一緒に……」
『二人っきりで行くのか!!!!!!』
『勝負よッ!!!!!!』
side:守護者
プチホテル・パールピアリ
海沿いにあるこのホテルで五名の女性がティータイムを楽しんでいた
紫「ふふふ、今頃チケット争奪でさぞ白熱してるのでしょうね」
幽々子「あーあ、どうせならみんなで行かせてあげたかったのにぃ…」
レミリア「そう言うな幽々子、時に二人きりにさせねば息も詰まるだろう」
諏訪子「そーそー、適度な距離を保たないと倦怠期にでもなったらえらいことになるよ」
幽々子「まあ確かに全員が喧嘩しようものなら本気で私達が止めに入らないとねぇ~」
紫「ちょっと洒落にならないこと言わないでよ幽々子」
諏訪子「まあそうならないようにするのも私達の『仕事』みたいなものだしねぇ~」
レミリア「ふ、違いない。『今回』のように私達が『たまたま』シンに景品が渡るようにするまでさ」
そう、前回(リリカル版ホワイトデー)に言っていた仕事とはシン達を二人っきりの時間を過ごせるよう調整することなのだ。
事実今回のチケットも可能な限り客を調整していたのだ。
諏訪子「ところで永琳どうしたの?さっきからずーっと黙っちゃって」
永琳「……さっき私達四馬鹿を吹き飛ばしましたよね」
幽々子「そうねぇ、正直もう半ば日課になってるのが悲しいわね」
紫「それがどうかして?」
永琳「ん、考えすぎだと思うのですが……」
「吹き飛ばした方向がチケットの旅館方面かもしれません」
変わってしまった日常EX ホワイトデー東方版(上)
山中にある大きな旅館
我々にわかる表現をすれば『無印時代』のなのは達が訪れた地だ。
そこへサイドカー付のバイクが駐車場へ停止する。
運転していたライダーがヘルメットを外すと真紅の瞳と黒髪、シン・アスカである。
シン「結構いいところだな」
?「ええ、本当に」
サイドカーに乗っていた女性、腰にまで届く美しい黒髪の持ち主
蓬莱山輝夜である
―――前日―――
今回の勝負の内容は六人全員のポーカー
既に終盤、互いのカードを見せるのみだ
鈴仙「……ノーペア」クラブ5, ハート8, ダイヤ7, スペード2,9
パチュリー「ワンペアよ」クラブ・ハート9, 9, ダイヤA, 8, スペード5
アリス「同じよ、ワンペア」クラブ3, 6, ハート1, スペード7, J
咲夜「スリーカードです」クラブ・ダイヤ・スペード,4 クラブ7,2
早苗「勝ちました!!ロイヤルストレートフラッシュ!!!」クラブ10,J,Q,K,赤ジョーカー
鈴仙「うわ、凄い運……」
パチュリー「悔しいけど、負けは負けよ」
アリス「残念だけど、おめでとう早苗」
咲夜「思い出話、期待してるわよ」
輝夜「あーあ残念、ストレートよ」
鈴仙「わ、確かにそうです」
パチュリー「むきゅー」
咲夜「完敗ですね」
アリス「ん、早苗どうかしたの?」
早苗「……参りました」
輝夜「えっ!?ど、どうして?」黒ジョーカー, クラブA, ダイヤJ, スペードQ, ハートK
輝夜「本当にどうして私に譲ったのかしら?」
シン「何か意味でもあったんじゃないのか?」
もしその場に『リリカル世界のシン』がいれば納得したかもしれない。
輝夜「まあそれより、姫からの命令です。エスコートをお願いします、貴方」
シン「畏まりました、俺だけの姫様」
シンの左腕に両手を回し、旅館へと足を進める二人
まさにカップルか新婚と呼ぶに相応しい
だが、そんな幸せいっぱいの二人を遠くから見詰める四人の影……
どうするどうなるホワイトデー!?
最終更新:2011年04月12日 13:19