1
ここは幻想郷…。幻想となったものが最後に行き着く場所…。
この地はたまに異変が起こったりするが基本的に平和な所である。
そして穏やかな日々が続いていたある日、人里付近で大きな地響きが起こった。
人里の人々はどこぞの天人が地震を起こしたのだと思って何事もなかったかのように平穏な日々を送っていた。
大妖精「チルノちゃん!だめだって危ないよ~!!」
チルノ「大丈夫大丈夫!なんたってあたいはさいきょーだからね!」
そんななか、寺子屋に来ている氷の妖精チルノは自分の友人である
大妖精の制止を聞かずに地響きが起こった場所に探検しに行った。
チルノは途中で邪魔をする妖精を蹴散らしながら地響きの中心へたどりついた。
チルノ「で、でか~!!!」
チルノが見た物とは鉄でできた巨人であった。
チルノ「すげえすげえ!」
チルノは目を輝かせながら倒れた巨人の周りを飛んでいるとチルノは腹の部分にぽっかり穴が開いていることに気がつき、気になったチルノが腹の空洞の中に入ってみると変わった服を着た少年が椅子で寝ている事に気がついた。
チルノ「お~い!!今は昼だよー!!」
チルノは少年を起こそうと声を掛けるが少年は一向に起きる気配がない。
チルノ「こんなところで寝てると風邪ひくぞー!!」
なかなか起きない少年にイラついたチルノは大きく息を吸って
チルノ「起きろー!!!!」
??「うう…」
森全体に響くような大声で少年にどなった。
少し喉が痛かったチルノだが大きな声をかけたおかげか眠っていた少年が目を覚ました。
チルノ「ぜぇぜぇ…。やっと起きた…」
??「ここは…?」
起きた少年がやっとのことで絞り出して自分の疑問を言葉にする。
しかし、
チルノ「あたいチルノ!お兄さんは誰?」
チルノはそんなことを答えるより先に少年へ自己紹介をした。
少年も思わずチルノのペースに飲まれて自己紹介をした。
シン「俺はシン。シン・アスカ…」
これが幻想郷の氷精と傷ついた少年との出会いであった…。
2
目を覚ますと目の前には死んだ自分の妹と同じくらいの少女が目の前にいた。
いきなりのことで戸惑うシン。そんなシンに対してチルノは
チルノ「あたいチルノ!お兄さんは誰?」
満面の笑みで自分の名前を名乗ってシンの名前を聞いてきた。
チルノの笑顔に思わず妹のマユを思い出し、思わず頬を緩め、
自分の名前を名乗った。
シン「俺はシン。シン・アスカ…」
傷心の少年と天真爛漫な氷精
~いきなりの初戦闘~
チルノ「へえ~お兄さんってそのウチュウって所から来たんだ」
チルノはここに来るまでに拾った木の実を食べながらシンを人里まで案内していた。
寺子屋で
「外来人にあったらまず人里まで案内してあげなさい」
と寺子屋の先生に言われた事を覚えていたからである。
シンもこのままここにいたら危険だと感じ鉄の巨人…
デスティニーにパスワードを掛けてハッチを閉め、
チルノに人里と呼ばれるところに案内をしてもらっていた。
シン「ああ。ちょっと宇宙の方で喧嘩みたいな事がおこっててその喧嘩を止めに行っていたんだ」
シンは道中自分がしていた事をチルノに分かりやすいように説明をしていた。
無論その喧嘩というのはシンの故郷で多発している紛争のことで、シンはその紛争の鎮圧に向かっていたのである。
純粋な子供に戦争の事を教えたくないと思ったシンが考えた末に思いついた説明だった。
チルノ「ふーん。となるとお兄さんっていい人なんだね!」
シン「そっか。ありがとな」
チルノ「えへへ~」
チルノはシンの説明を聞いて目を輝かせながらそう言った。
シンは純粋な子供に対して騙している様で心を痛めながらもチルノの頭をなでた。
チルノは頭をなでられたことに喜んだ。
妖怪AB「ヒャッハー!!久々の人肉だー!!」
そんな話をしながら森を進んでいたシンとチルノだが
茂みからいきなり妖怪が襲いかかってきた。
チルノ「うわ!?」
いきなりの攻撃チルノはすんでの所で妖怪の爪をかわすことに成功する。
シン「!危ない!!」
しかし、もう一体の妖怪がチルノに襲いかかり、シンはチルノを庇って
木に叩きつけられた。
シン「カハッ!」
チルノ「お兄さん!大丈夫!?」
シンは苦悶の浮かべ、チルノはそんなシンを心配そうに見た。
しかし、シンは木に叩きつけられた痛みに耐えながら2体の妖怪に接近して
ありったけの力を込めて2体の妖怪を蹴り倒した。
妖怪AB「イテッ!テメエ一体何しやが…」
蹴り倒された痛みで顔を歪めた2体の妖怪がシンに文句を言おうとしたが
シンの眼からはとてつもない殺気に満ちており、妖怪でもこんな殺気を
持つものはそうそう居なかったため2体の妖怪は
妖怪AB「ヒィッ!!し、失礼しましたー!!!」
恐怖に駆られ、そのまま逃げて行った。
シン「ハアッハァッ!」
シンは荒い息遣いをしながら場の安全を確認するとそこには俯いたチルノがいた。
シン「(しまった…。こんな子供がいる前であんな事をするなんて…)」
シンは自分の行動の迂闊さを後悔しながらチルノに近づいて声を掛けようとしたらいきなりチルノが顔を上げた。
チルノ「お兄さん強い!!妖怪2体をやっつけちゃうなんて!」
シン「あ、ああ…ありがとな」
チルノの目は輝いておりシンはそんなチルノに気押されながらも返事をした。
そんなシンを見ながらチルノは何かを思いついたらしく目を輝かせながらシンに言った。
チルノ「ねえねえ!これからお兄さんの事を『シン兄』って言い?」
シン「いぃ!?」
チルノ「ダメ?」
シンはチルノの発言に驚きを隠せないがチルノの表情が
妹のマユに似ていたため断るに断れず
シン「ああ。いいぞ」
チルノの頭をなでながら自分をそう呼ぶ事を許した。
チルノ「やったあ!これからよろしくね!シン兄!」
シンが自分の言った呼び方で呼んでいいと言われて喜ぶチルノ。
一方、シンは喜ぶチルノを見ながら新しい妹ができたような
錯覚にとらわれながら思わず頬を緩めたのだった。
シン「俺もあいつみたいに…?(ガクガクブルブル」
チルノ「どうしたのシン兄?」
シン「いや。もしかしたら俺もあいつみたいになると考えてしまって…(ガクガクブルブル」
チルノ「大丈夫だよ!シン兄はあたいが守るから!!」
シン「そ、そうか。ありがとなチルノ(ナデナデ」
チルノ「えへへ~」
シン「それじゃあ家に帰るか!」
チルノ「うん!」
四馬鹿「「「「ジー…」」」」
四馬鹿「「「「あれ?なんか差をつけられてない?」」」」
本編には四馬鹿は出ません。
3
チルノは目の前の光景に驚いていた。
普通の人間だったと思ったら2体の妖怪を退けたのだから。
チルノは妖精としては別格の力を持つがそれでも妖怪に届くことはない。
だからチルノはシンの強さに憧れてシンに
チルノ「ねえねえ!これからお兄さんの事を『シン兄』っていい?」
と聞いた。
本当なら駄目かもしれないと思ったがシンはチルノにそう呼ぶ事を許した。
チルノは自分でもよくわからないがシンが自分の言った事を許してくれた事がとても嬉しかった。
チルノ「やったあ!これからよろしくね!シン兄!」
傷心の少年と天真爛漫な氷精
~人里~
なんとか2体の妖怪を退けたシンとチルノは無事に人里に辿り着いた。
しかし、着いた時は既に夜でこの時間に人の家へ入る事を躊躇した。
が、チルノは何の躊躇もなく寺子屋の扉を叩いた。
チルノ「けーねせんせー!今いるー!?」
シン「ちょ、チルノ今は夜だぞ!?」
シンは遠慮なく寺子屋の扉を叩くチルノにツッコミを入れるがチルノは聞いておらず
チルノ「けーねせんせー!!」
と夜中に大声を上げていた。
シンは冷や冷やしながらチルノを止めようとしたがいきなり寺子屋の扉が開いた。
慧音「こんな夜中になんのようだチルノ?」
寺子屋から出てきたのは人里で唯一の教師である上白沢慧音であった。
慧音はこんな時間にやってきたチルノに呆れながら見るとシンの姿に気がついた。
慧音「む?見かけない顔だな?」
シン「シン・アスカです。チルノの話だと俺は外来人になるそうです」
慧音「ふむ。礼儀正し奴だな。私は上白沢慧音。ここで教師をしている」
シンは慧音に自己紹介した。
慧音はシンの礼儀正しさに感心しつつ、自己紹介をした。
慧音「今日はもう遅い。とりあえず私の家で一泊しなさい」
シン「え?いいんですか?」
慧音は今は夜中の為シンにここで一泊する事をすすめた。
シンはいきなり押しかけてきた自分が一泊させてもらうことに躊躇いを持ったが
慧音「なに、気にする事は無い。遠慮なく泊っていってくれ」
シン「じゃあ、お邪魔します」
慧音は遠慮することはないと言われ、シンはこの寺子屋で一泊することした。
チルノ「じゃあ、あたいとはここでお別れだね」
慧音「待てチルノ」
チルノ「ふえ?」
シンを寺子屋まで案内する事が目的だったチルノは
シンと別れようとするが慧音に呼び止められた。
チルノ「どーしたの?先生」
慧音「先程シンにも言ったが今日はもう遅い。だからチルノも泊っていきなさい」
チルノ「う、うん」
慧音に客間へ案内してもらった後シンとチルノは一夜を過ごした。
翌朝
慧音「おはよう2人とも」
シン「おはようございます」
チルノ「おはよー!」
慧音「うむ。朝から元気でよろしい!
私は寺子屋の準備があるから2人で朝食を食べていてくれ」
シン「はい」
チルノ「はーい!!」
朝の挨拶も慧音は寺子屋の準備の為に資料を取りに行き、
シンとチルノは慧音がつくっておいた朝食を食べた。
チルノ「そういえばシン兄はどうするの?」
シン「とりあえず今日は慧音さんの授業を見せてもらう予定だけど…」
朝食を食べ終わった後、チルノはシンにこれからどうするのかを尋ね、
シンは寺子屋の授業を見学させてもらうことと答えた。
チルノ「じゃあ今日もシン兄と一緒だね!」
シン「ああ。そうだな。今日もよろしくな」
チルノ「うん!」
シンはチルノの頭をなで、チルノは満面の笑みを浮かべたのだった。
最終更新:2011年06月07日 10:00