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傷心の少年と天真爛漫な氷精-09

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幻想郷で多大な被害を出した【巨人異変】が終息して1ヶ月が過ぎた。
この異変によって出た死亡した人妖の数は約300人で、
そのうちの50人は烏天狗をはじめとする天狗であった。
射命丸文は今回の異変の全容を文々。新聞に掲載するべく今まで起こった異変をまとめていた。
今回の異変は今までに起こった異変と比べるとかなり異色でかつ被害が大きな異変であった。
文自身はその暴走した妖精や妖怪には遭遇していなかったが、
天狗までも少なからず死者が出ていた事に驚いた。
そのため文はこの異変の全容を文々。新聞に掲載することで
幻想郷に住む住人達に伝える為に取材をして回り、
全てとはいかないが今回の異変の情報を入手した。
しかし、この異変の情報の量があまりにも多く、
どこから手をつけようかと悩んだ文はまず事の始まりからまとめていくことにした。


傷心の少年と天真爛漫な氷精
~異変調査の旅エピローグ―射命丸文のレポート―~

【巨人異変】…それはとある外来人の来訪から
人里での戦いまでの一連の事件の事を指す、幻想郷史上最悪の被害を出した異変である。

事の始まりは幻想郷で発生した地震である。
この時の幻想郷の人々は今回の地震はどこぞの不良天人の仕業によるものだと思って
調べようとする者はいなかった。
だが1人の妖精が地震の震源に向かって鋼鉄の巨人…
後に人里のシンボルとなるデスティニーを発見し、
デスティニーの中にいた外来人を人里へ連れて帰ってきたのだという。

次にその外来人が教師となって1週間ほど経過した頃永遠亭にて2人組の男女が来訪し、
この時から永遠亭の医者兼薬剤師の八意永琳が狂いだしたという。
永遠亭の月兎の鈴仙・優曇華院・イナバに取材した際の彼女の証言によると
その2人組の男女が永琳と話をしている時、永遠亭の波長が大きく狂っていて
その中心にいた永琳はその影響をもろに受けてその2人組の男女の指示に従うようになり、
今回の異変の原因である薬品【γ-グリフェプタン】を粉末状にした物を調合、
その後鈴仙に渡し力の弱い妖精と妖怪が数多く生息する霧の湖にばら撒かせたのだという。
紅魔館の妖精メイドの暴走はこの時紅魔館では大型連休として妖精メイド達を
住処である霧の湖に返していた事が原因らしい。


続いて今回の異変のキーである【γ-グリフェプタン】は元々幻想郷や外の世界には存在していない物らしい。
こちらも鈴仙に取材した時にこっそり永琳の薬の内容を知る為に盗み見した際に
異世界で製薬されていた薬だとわかったらしい。
どうやら2人組の男女が永琳に渡したのだと思われる。
だが、薬の効果は即効性ではなかったらしいが、こちらは永琳が独自に改造して即効性でかつ、
少量で非常に高い効果を与えるという物になっていた。
また、この薬は力の弱い妖精や妖怪、人間に強く作用されるものだったという。
人里の人々がその薬を吸わなかったのは不幸中の幸いだろう。
尚、その調薬の材料や方法は永琳が元に戻った際に消えており、
現在ではその薬を再現する事は不可能らしい。

次は人里と紅魔館を結ぶ橋が鋼鉄の巨人に破壊されたという事件が発生した。
幸い紅魔館へ向かった人はいなかったが、その為に異変を認知するのが遅れたのであろう。
この事件の原因である巨人は次にまとめる妖精と妖怪による人里への襲撃事件にて
デスティニーに破壊され消滅している。

最後に今回の異変で最も大きな戦いだった妖精と妖怪による人里への襲撃事件である。
この時に出た双方の被害は
人里側の被害は、死者は公開処刑された男性1名、
負傷者は戦闘に参加した5名のうち4名が軽傷、1名が重傷であった。
対して妖精と妖怪側は妖怪の死者は10名弱、
負傷者は死亡した妖怪以外の妖精と妖怪全員が重傷であったという。
尚、今回の異変を解決に導いた外来人…シン・アスカはこれから取材に行く所存である。

文「これでよし…っと。それじゃあ行きますか!!」

大体の内容をまとめ終えた文は今回の異変の中心にいた人物…
シンへの取材をするために自宅から飛び立っていった。

30分後


文「すみませーん!」
シン「どちらさまですか?」
文「この前取材のアポイントを取らせていただいた射命丸です!!」
シン「ああ。あの時の。どうぞ入って下さい」
文「それではお邪魔します」

文はシンに上がってもいいと言われ、長屋の中へ入ると
様々な書物が置かれていた。

シン「粗茶ですけどどうぞ」
文「これはご丁寧にありがとうございます」
シン「それで要件とは何でしょうか?」
文「今回の異変の首謀者を知っているのは貴方のみだと言われまして」
シン「成程。俺も全部知っているわけではないですけどそれでよろしいのなら構いませんよ」
文「ありがとうございます」

出してもらったお茶を一口飲んだ文は早速本題に入り、
シンは自分が知る限りのことを話し始めた。


シンの話によると今回の首謀者2人は元々このような異変を起こすような人物ではなかったらしい。
しかし、シンのいた世界で起こったある事件が彼らを狂わせたのだという。
その事件とはキラ・ヤマトという人物が謎の失踪をした事が原因らしい。
この時キラという人物と同行していたのが彼…シンであり、シンはキラが駆るフリーダムが
巨大な目玉のような者が多数ある空間に飲み込まれ、消息を絶ったのだという。
さらにこの事件を契機に彼らの重鎮が次々と死亡または離れていき、しかもそのすべてにシンが立ち会っていた為に
シンが殺したのだと彼らは推測し、復讐の為に色々とあえて戦争が起きるように工作をした。
まずはシンが所属していたミネルバクルーを騙し討ちにして精神に致命的なダメージを負ったシンに対して
下手人はガルナハンにいるテロリストと偽り、シンにガルナハンの人々を全て殺させた。
実はガルナハンはラクス達クライン派に対して反発的な態度を取っていたため、体の良い生贄にされたのである。
続いて地球連合の基地にいる者が全てテロリストの為抹殺しろと命令し、シンはその任務を確実に成功させた。
次にテロリストとはまったく無縁の地である筈のディオキアの人々をすべてテロリストだと仕立て上げてその住人を全てシンに殺させた。
最後の仕上げとしてシンが今までやってきた事を社会へ公開し、シンを平和の敵だと謳い上げて抹殺しようとしたらしい。
シンも戦争を終わらせられると考えて遂行していたが、最後の作戦でアスランとラクスに全ての真実を聞いたシンは激昂し、
激闘の末に彼らを討ち取った。
しかし、自分が幻想郷にきた方法と同じ方法で幻想郷へ侵入した2人は
シンがこの幻想郷の住人と友好になっていく様を目撃し、この幻想郷を破壊する手始めとして
彼らが【人修羅】と呼ばれていたシンを殺すためい用意していた
【γ-グリフェプタン】を洗脳に成功した永遠亭の永琳に量産させ、
それを散布させて力の弱い妖精と妖怪を狂わせ、効果が切れた所に表れて洗脳し、その戦力を使って
人里を占領しようとしていたらしい。


シン「っと…これが俺の知るあの異変の情報です」
文「態々時間を割いていただいてありがとうございます」
シン「いえいえ。自分の知っている情報で
   今回の異変の真実を広めてもらえるのなら安いものですよ」
文「そう言っていただけると助かります。
  あと…もうひとつ取材したい事があるのですがよろしいですか?」

文はシンの提供してくれた情報をメモにまとめ終えると
個人的に気なった事があったためシンに尋ねた。

シン「?別に構いませんよ」
文「あの最終決戦の時に八雲紫に心臓を撃たれた筈ですが、なぜ生還できたのですか?」
シン「ああ。それは…」

文が気になった事とはシンの生還である。
シンへ取材する前日に取材した八雲紫の話では
紫は自身の能力や弾幕が通用しないと分かっていた紫はスキマを使って
彼を殺せるC.Eの世界の拳銃を手に入れ、
その銃を使って今回の異変を持ちこんだシンを殺害しようとしたらしい。
しかし、シンは彼女の持つ拳銃に心臓を撃たれても生還した。
シンは文にそう質問されると部屋に飾ってあった欠けた氷の花を文に見せた。

文「これは?」
シン「チルノが最後の戦いの前に俺にくれたお守りです。この花が銃弾に当たって軌道を僅かにそらしてくれて俺は助かったんです」
文「なるほど…」
シン「本当に俺はチルノに助けられてばかりですよ…」
文「そうなのですか?」
シン「ええ。もし出会う順番が違ったら俺があいつらになっていたかもしれませんからね…」

シンは自嘲気に話し、文はそれを静かに聞いていた。
2人の雰囲気がしんみりしてきた所で彼女達がやってきた。

チルノ「シン兄~いる~?」
霊夢「お邪魔するわよ~」
大妖精「チルノちゃん。霊夢さん。勝手に上がっちゃだめですよ!」
シン「ああちょっと待っててくれ。すみません文さん。少し待ってもらってもいいですか?」
文「あ、はい。構いませんよ」

シンはシンの長屋の玄関にいるチルノ達を向かいに行き、
チルノがシンに何かを自慢している様に見せてシンがチルノの頭をなで、
チルノが満足げな笑みを浮かべ、霊夢もチルノを褒め、大妖精もシンに何かを見せて
シンに褒めてもらいながら頭をなでられ、嬉しそうな表情をしていた。

文「(この光景はなかなか見られない光景ですね…ちょっと写真を取らせてもらいましょう)」

文は失礼だと分かっていながらもその光景を見ていた。
そしてこの光景を残したいと思い、文はカメラのシャッターを
こっそりと切りその光景を写真に収めた。

文「(まるでシンさんと霊夢さんが世話焼きな親で
  大ちゃんがよくできた長女でチルノちゃんが元気いっぱいな次女みたいですね…)」

目の前に映る温かい家族の光景こそが多数の犠牲者を生んだ
【巨人異変】の終息の象徴だと…そう文は思っていた…。


オマケ シンを撃った紫のその後(異変終了から1日後)

紫「まさか弾幕とスキマが通用しないから拳銃を使う羽目になるなんてね…」

紫は1人持っている拳銃を見ながら呟いた。
一度シンに対して弾幕を撃って始末しようとしたりやスキマを使って
元の世界に返そうとしたりしたがシンに宿る憑依神達の力のせいで
スキマも弾幕も通用しなかったのである。
そして、紫はなにか慣れない拳銃を使ってどっと疲れを感じて
うっかり呟いた言葉が紫にとって命取りとなった。
紫「でも霊夢には悪いけどこれで全てに決着がついたわ」
霊夢「へえ?何の決着ですって?」
紫「この異変を持ちこんだ者に対して…ってえ!?霊夢何でここに!?」
霊夢「あら?わたしだけじゃないわよ?ねえみんな」
大妖精「私もいますよ?」
レミリア「ついでに私もいるわよ?」
紫「妖精に紅魔館の主まで…私に何の用かしら?」
霊夢「何って?お礼参りよ」
大妖精「チルノちゃんがシンさんに上げていたお守りのおかげで一命を取り留めました」
レミリア「彼が紅魔館から出ていく直前にこっそり彼の運命をほんの少し変えたけど
     ここまで効果が出たなんてね…」
紫「そ、そう?じゃあその殺気を抑えてくれないかしら?」
鬼巫女「だ~め♪アンタがシンを殺そうとした罪は消えないわ♪」
DIE妖精「さあ…」
聖帝レミリア「覚悟はできたかしら?」
鬼巫女「フルボッコにするけどいいわよね?答えは聞かないけどね♪」
紫「ちょっ…おま…」
霊夢「博麗!!無情苦悶拳!!!」
DIE妖精「シュトゥルム・ウント・ドランク!!」
聖帝レミリア「南斗鳳凰拳奥義!!天翔十字鳳!!」
紫「うわらば!!!」ピチューン
3人「しばらくそこで反省していなさい(いてください)!!」

チルノの証言でシンを撃った犯人が紫だと特定した霊夢達の必殺技をまともに受けてピチュらされた。
紫としては幻想郷の害を持ちこんでしまった処理をしようとしいただけにある意味理不尽なものだった。
まあ死にはしなかっただけよかったのだろう。

紫「何で私がこんなめに~…」
藍「何やってるんですか紫様…」
橙「紫様~早くしないとご飯が無くなりますよ~」
紫「誰か私の心配をしてくれる人はいないのかしら…」

倒れている紫に対して冷たい言葉を投げた紫の式の藍とその式である橙を見た紫が
さめざめと泣いている所に八雲亭のもう1人の住人である青年が紫に手を差し出した。
キラ・ヤマト…彼は紫の開いたスキマによって幻想郷に来訪し、
直接的ではないが今回の異変のキーだった人物である。

キラ「紫さん。大丈夫ですか?」
紫「キ~ラ~…私の心配をしてくれるのはあなただけよ~…」
キラ「でもこれでもうシンには手を出さないと約束してくれますか?」
紫「ええ…。もうあのコンボは勘弁よ…」
キラ「そうしていただけるとありがたいです…歩けますか?」
紫「身体のあちこちが痛いけどなんとか…」
キラ「じゃあ行きましょう…」
紫「ええ…」
キラ「(シン…君はもう自分の過去と決着をつけて
   自分の進む未来が見えたんだね…だから僕は君を応援しているよ…)」

キラが差し出した手を取って紫はキラに支えられながら八雲亭へ帰って行ったのであった…。

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最終更新:2011年06月07日 11:15
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