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凍った鈍器「コードン」氏の小ネタ リリカル版-01

1

想いを寄せるも中々踏み出せない女
ある少女との約束を果たそうとする男

これから起こる出来事は偶然か必然か―――




「♪~~」
「ご機嫌だなヴィヴィオ」
「うん!シンお兄ちゃんだけじゃなくてなのはお姉ちゃんも一緒だから」
「あ、あはははは」
幸か不幸か、ヴィヴィオ同伴であるがシンとお出かけという歴史的一歩を踏み出したのだが……
(ふえ~~~~~ん聞いてないよ~~~~~)
と完全にパニックになっておりとてもこの状況を楽しむことができない。
折角の休日がこれでは祝福すべきか呆れるべきか……
「あ・・・・・・」
ヴィヴィオの見た光景、それは三人の夫婦と子の家族だ。
シンはあまり詳しい事情はわからないが、ヴィヴィオの出生に何かあることは察していた。
この世界に来る以前、出生以外に様々な特殊な経緯を持った人達と出会ったことも大きいだろう。
「……ねぇ、なのはお姉ちゃん」
「なぁに?」
「あのね、お姉ちゃんのことをママって呼んでいい?」
今は六課全員に懐いているが、当初はなのは以外にはまったく心を開かなかったのは、
どこか母親に似ていたからなのかもしれない。
「うん!いいよ」
だからこそ、なのははそう呼ばれること事態構わなかったのだが……
「じゃあお兄ちゃんはパパだね」
「ふえ!?」
「なっ!?」
とんでもない事を仰りましたよこのお嬢さん。
「ど、どどどどうしてそう呼ぶのかな?」
「だってママと仲のいい男の人のことを『パパ』って呼ぶんじゃないの?」
何とも子供らしい思考だ。
「え、え~とね……」
「そうだな、それで合ってるよ」
「シ、シン君ッ!?」
「わ~~~い!」
顔を真赤にするなのはに顔を近づけるシンに近づけ、そっと耳打ちをする。
(なのはさん、ヴィヴィオが親がいないことを気にしてることしってますよね?)
(う、うん。
 一応私も直に見てあげたりしてるし・・・・・・)
(でしたら暫くの間だけでも一緒に協力していただけませんか?)
(う~~、わかったよ・・・・・・)
パパ役がシンであるのが運がいいのか悪いのか・・・・・・
「ね~ね~たこ焼き食べた~い」
「ああ、わかったよ」
こうして見ればシンとヴィヴィオは十分に親子に見え、『良き父親』に見えるだろう。
だがその姿勢を『良き夫』に力を入れてほしいと願うなのはであった。

「すみません、たこ焼き一つください
「はいよ・・・・・・おぉ」
シンの注文を受けた捻り鉢巻の似合う店のオヤジが若干目を見開いた。
「いいねぇお嬢ちゃん、パパとママとお出かけかい?」
「うん!」
(なッ!!?)
少々若すぎるが、シン達は第三者から見れば十分に家族に見える。
さすがのシンも恋人を飛び越した『父親』として見られていると知ると途端に顔を赤くしてしまう。
言うまでもなくなのはも同じように赤くし、若干顔を俯かせる。
「あ、あの実は・・・・・・」
「あ~わかってるわかってるよ!まだ若いのに大変だろうけどがんばんなよ!」
「に、にゃ~~~~~」
完全にこちらの事を家族と認識しているのでおそらく正直に言っても信じてはもらえないだろう。
まあシン達ほどの歳でヴィヴィオ程の子供がいるのは大変どころではないが・・・・・・
「はいお待ち!
 熱いから火傷しないようにな」
「は~い」
「なあお父さん、あんたは確かに若いがんなもん関係ねぇ。
 男ならしっかり奥さんと娘さんを幸せにしてやんなよ」
「は、はい・・・・・・」
「あうあうあう……」
もう何を言っても無駄だろう。
そう悟った二人は料金を払い、この場を後にした。


なお、オヤジの声はどうも近辺にいた者達にも聞こえていたようで、シン達に生暖かい目を送っていたことを記しておく。
日常の歴史がまた、1ページ・・・・・・





























最初は事態を理解したとき、さすがに途方にくれてしまった。
聞いた内容と異なる『この世界』で何が起こるかわからない以上、迂闊な行動は出来ない。
だが唯一見つけた僅かな可能性
『元いた世界』での『ある人物』は完全なイレギュラーだった。
だが、名前や姿だけだとしても何らかの『異変』が起こる可能性がある。
もしもシンとなのはが正常な状態であったら背後より見つめているこの少女に気づいたかもしれない。
白いブラウスの上に赤いワンピースに白の胸リボン、
緑の帽子をかぶった14・5歳ほどの少女だ。
「少々、いえかなり期待させてもらいますよ、シン・アスカさん」
シンの背中を見る彼女の瞳孔が細くなり、まるで獲物を狙う猫のようだった……

2

6話後日談

「もう大変だよ・・・・・・
 親子だって言われたら悪乗りして『あなた』って言った時のシン君の真赤な顔がってそこから延々と聞かされるし・・・」
うんざりとした表情で言うフェイトはそれだけなのはから惚気を聞かされたと容易に想像できる。
「あいつが恋ねぇ・・・・・・」
ヴィータ自身なのはとの付き合いは長いが、聞く限りでも予想以上に変わってしまったようだ。
「ま、いいんじゃねぇの?
 一応仕事はちゃんとやってるし、今のうちに相手が見つかってよかったじゃねぇか」
後半で言ったことは冗談ではない。
なのはは勿論だが、フェイト、はやてらは管理局を代表とする程の知名度が高い。
それによって求愛率が高いかといえばそうではない。
確かに人気は非常に高いが、それが逆にネックであり『高嶺の花』状態にしてしまっている。
一般局員では立場等でわざわざ苦労するより、容易な同じ一般局員の女性を選んでしまう。
逆に位の高い局員でも、なのはらの後ろ盾は強力であり、迂闊に近づけば手痛いしっぺ返しを喰う。
このような評価があるため、二十代を過ぎても一人身だと思っていたのだ。
おまけにある記事の内容もあったために・・・・・・
「まあ、そうだよね……」
フェイトもシンとなのはが恋仲になるのは構わないが、今まで魔法一筋に生きていた為少々実感がわかないようだ。
「それよりギンガ見なかったか?
 昨日から見てねぇんだけど」





「うえ~~んもう終りよ~~何もかもお終いよ~~~」
「どうするのよこれ?」
「どうしよ?」
昨日からこの調子だ。
困ったことに自分の部屋に戻らず一夜を過してしまったのだから迷惑極まりない。
「あ~もうギン姉、このままでいいの?」
「そ、そんなこと言われても・・・・・・」
「だからってこのままだとシン君が取られるどころか距離とられちゃうんだよ!」
「うぅ・・・・・・」
(どっちが姉なんだか)
心に大きな傷を負ったギンガ!
彼女は立ち直り、シンとの愛を掴むことが出来るのか!?
待て、次回―――!!






「♪~♪~」
高町なのは、彼女はまさに我が世の春を謳歌していると言わんばかりの幸せであった。
恋人とは行かないが、十分に仲を進展させたといっていい。
何よりフェイトにも言ったことだが、御世辞(?)に合わせて『あなた』と言ったときの反応。
(ヴィヴィオがいたのもあるけど、否定してくれなかったしね)
これだけで嬉しさのあまり笑顔を浮べ続けてしまう。
(ん?)
休息室のテーブルの上に新聞が折りたたまれた状態で置かれてある。
管理局内新聞
読んで字の如く局内の様々な内容が掲載されているのだが、一つ、
とても、非常に、魅力的で、無視できない項目が書かれている。
『管理局ベストカップル』
(ベストカップル!?しかも・・・・・・!)
高町なのは
確かに自分の名前が書かれてある!!
(う、嘘!?何で何で!?もしかしてシン君とヴィヴィオと一緒にいたところ見られちゃったのかな!?)
丁度相手側の名前は折られているため見ることは出来ないがこれは確実であろう。
(や~んどうしようどうしよう♡)
もはや約束された恋愛成就。
ならばその決定的事実をこの目に焼き付けるまでだ。
(それ~~~~!)
新聞を両手で掴み取り、高々と天に掲げ―――








高町なのは×フェイト・T・ハラオウン







(・・・・・・え?)
今、彼女の中の常識(願望・妄想)が脆く崩れ去った。
(だ、だっカップルだし、同じ女の子だし、こんなのありえないし・・・・・・)
この日、高町なのはは再起動するのに非常に長い時間を要したと記しておく。

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最終更新:2012年12月07日 09:20
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