ザフトを退役し、行方不明となったシン。
しかし奥さんを連れてひょっこり帰ってきた彼はオーブにて花屋「フラワーショップASUKA」を営んでいた。
そんな彼の緑髪できれいなお姉さんで素敵なお嫁さんは―――
幽香「なによなにじろじろ見てるのよいつまで見てるのようっとおし、って、何よそのカメラ―――!」
アルティメットサビシガリヤクリーチャーだったのです、って、あ、ちょ、ま、ひでぶっ!
シン「なにやってるのキラさん、何かボロ雑巾ですよ?」
キラ「うん、君の奥さんにぼこぼこにされちゃって」
シン「へーそうなんですかー」
キラ「わあ超他人事ー。まあそれはともかく………めちゃくちゃ興奮したよ」
シン「幽香さんちょっと包丁持ってきて、トドメ刺すから」
幽香「い、いや流石に刃傷沙汰はまずいわよ!?」
シン「大丈夫ですよ、キラさんなら刺されたって死なないし」
キラ「やだ、やめてよね………流石に死ぬはずだから………多分、恐らく、きっと………死ぬよね?」
シン「俺に聞かれても。それより、来たんならなんか買っていってくださいよ」
キラ「うん、それじゃあラフレシアくださいな」
シン「ジャングルに生えてるらしいですよ、そしてそのまま帰ってくるな」
キラ「じゃあ野に咲く名も無い花を」
シン「道端探せよ、人の手を煩わせるな」
キラ「応対はちゃんとすべきじゃない?」
シン「じゃあまともな注文しろよアンタって人は!?」
幽香「いい加減営業妨害で叩きだすわよ!?」
キラ「仲のいい夫婦だね」
幽香「ふ、ふう………はっ、冗談じゃないわよ、私とこいつが仲良く見えるなんて目が腐ってるんじゃないの?」
シン「幽香さん、反応しない。反応したら弄られますよ」
キラ「慣れたもんだねー………(ピキュリリリンむっ!? ちょっとごめん、隠れさせてね!」
シン「は!? ちょ、アンタ何勝手に家まで上がり込んで」
アスラン「どうかしたのか、騒がしいな」
シン「うわびっくりした!? いきなり現れないでくださいよアスラン」
アスラン「何かひっかかる言い方だな……まあいいさ。それより、キラは来ていないか?」
シン「………さー。来てませんねー」
幽香「いいの、言わなくて(ボソボソ」
シン「言っちゃったら余計面倒臭いですよ(ボソボソ」
アスラン「どうかしたか?」
シン「いえいえ何も。それより何か買っていってくれません? 家の家計を助けると思って」
アスラン「そのつもりはない。無いが、元々花は買うつもりだったからな。薔薇をたのむ」
シン「薔薇ですね、プレゼントですか?」
アスラン「ああ、キラに渡そうと思ってな」
シン「………………………………………………ヘエ」
幽香「はい、リボン取ってきたわよ、ってどうしたのよ固まっちゃって」
シン「あ、いえ、ちょっと……どっちだ、どっちの意味だ? いやどっちでもロクでもないけど」
アスラン「どうかしたのか?」
シン「いえ………はい、どうぞ。20万ドルです」
アスラン「はいはい、20ドルな」
シン「ええっと……ちょっとアスラン、29万9950ドル足りませんよ」
アスラン「ヘァアアア!? 無茶苦茶言うな!?」
シン「家の家計を助けると思って」
アスラン「俺の家計が助からないじゃないか!?」
シン「何ちょっとうまいこと言ったなって顔してるんですか、どうかと思いますよ」
幽香「それぐらいにしなさいよシン。これじゃせっかくのかねづrお客さんが帰っちゃうでしょ」
シン「それもそうですね、じゃあ有り金全部置いてけよ」
アスラン「くっ、今20ドルしか持ち合わせが無いんだ!」
シン「時化てますねー。じゃあそれで勘弁してあげますよ」
アスラン「じゃあ勘弁されてやるよ……それにしても、なかなかツーカーな関係じゃないか、いい夫婦関係だな」
幽香「は、はぁ!? べ、別に通じ合ってるとか、そんなことあるわけないでしょ!? さっさとリボン持ってきた方がはかどるだけよ」
アスラン「まるで俺とキラみたいだな」
シン「アスラン、ちょっと歯ぁ食いしばれ」
アスラン「何怒ってるんだよお前は。じゃあな、またその内寄らせてもらうよ………おかしいな、確かにキラの匂いがしたのに(ブツブツ」
シン「……………………キラさん、もういいですよ」
キラ「……………………ねえ、シン。あの薔薇、どっちの意味だと思う?」
シン「アイラブユーかアイアムガチホモか。どっちなんでしょうねえ」
幽香「最悪の二択ね………ああ、そうそう。ちょっとリボン切らしちゃったからとってくるわね」
シン「ええ、お願いします。忙しくなったら呼びますね」
キラ「奥さんに敬語か、よそよそしいってわけじゃないんだろうけど」
シン「いけませんか?」
キラ「ってことも無いけどね、たまには呼び捨てにしてもいいんじゃない? まあ君らしいとは思うけど、ね」
シン「はあ…………あの、キラさん」
キラ「ん?」
シン「何も言わないんですね、俺がザフトから逃げ出したこと」
キラ「………その表現は適切じゃないね、君はちゃんとした手続きをして退役した、勝手に逃げ出したわけじゃない」
シン「勝手ですよ、これからが大事な時期だってのにザフトを辞めたりするののどこが勝手じゃないっていうんですか」
キラ「君が決めたことだろ、勝手かどうかなんて言ったって仕方のないことだと思うけどね」
シン「………だけど、そんなのただの言葉ですよ。それで納得できるもんじゃない、大体俺にとっても過去を放っておくようなことで」
キラ「それで? だったらどうだっていうのさ、自分は幸せになっちゃいけないんだとでも言うつもり?」
シン「…………たくさん、殺してきましたよ。たくさん不幸にしました」
キラ「それでちゃんと幸せになってる奴なんてごまんといるさ、珍しくもなんともない」
シン「けど……だけど」
キラ「いい加減にしなよ、だったら何? 今。「今」幸せになってる君の奥さんは誰が幸せにしたのさ」
シン「…………………」
キラ「君だろう? ザフトを辞めて―――逃げて、平穏を求めた君だ、君なんだ。君じゃなかったら、誰が彼女を幸せに出来たっていうんだ」
シン「………俺じゃない、誰かですよ」
キラ「そうだね、そうかもしれないね。だけど、今幸せにしているのは紛れもなく君だろ、そこは動かない」
シン「………ザフトにいれば、軍にいれば、戦えない人達を守れたかもしれないんだ」
キラ「だったらなんだってのさ。欲しいもの全てを選択できる魔法の選択肢なんてあるわけないじゃない、いつだって理不尽で不条理な選択で、優しくない答えばっかりだ」
シン「………なにが、言いたいんです?」
キラ「だから。本当に貴重なんだよ、優しい答えは。君が手にしているものはなんだい、冷たいかい? 優しくないかい?」
シン「………暖かくて、優しいです」
キラ「なら手放しちゃいけない。絶対に、何があってもだ」
シン「………………離しませんよ、アンタに言われなくったって」
キラ「ん。離さないで。そこは分かってるみたいでよかったよ」
シン「ふ、ん。だけどね、キラさん。それでも俺は、今苦しんでる人がいるってことも、重いとは思うんだよ」
キラ「なら君にできることをやっていきなよ、戦う以外の道でね。あるかどうかまでは知らないけど」
シン「………ええ、そうしますよ。花屋の店主に出来る範囲で、どうにかしていきます」
キラ「そうしなよ………ねえ、シン。君は逃げたって言うけれど、僕は悪いことじゃないと思うよ」
シン「そうですか? よくないことだと思いますけど」
キラ「君は選んだんだよ、逃げるって道を。本当によくないのは、戦うことも逃げることもしないで、何も選ばずに、ただ流されることじゃないかな」
シン「………まるで、自分がそうだって言いたげですね?」
キラ「まさか。僕は選んだよ、戦う道を。よかったのかどうかは今でも分からないけど、それでも選んじゃった道だし、ね」
シン「そう、ですか。そう……ですか。俺は、アンタよりははっきりしてますよ」
キラ「何が?」
シン「この道を選んでよかったって思います、幽香さんがいて、花をみんなに分け与えられて、平凡で、平穏だから」
キラ「そっか……そっか。じゃあ、僕もしっかり守らなくちゃね、君はともかくオーブを、このお店をさ」
シン「俺はついでですかよ………まあいいですけど」
キラ「そうそう、ついでついで………じゃ、そろそろ帰るよ」
シン「はいよ、次は何か買っていってくださいねー」
キラ「気が向いたらね………ねえ、シン」
シン「まだなんか用ですか?」
キラ「君は―――今、幸せかい?」
シン「不幸そうに見えます?」
キラ「質問に質問で返すもんじゃないよ」
シン「ははっ、確かに。ええ、幸せですよ、すごく。とっても」
幽香「ごめんなさい、ちょっとリボンの在庫が無くなってたわ……って、どうしたの、随分嬉しそうじゃない」
シン「………ものすごく」
キラ「そりゃ何より………じゃ、僕はこれで退散しようかな」
シン「あいよ。それじゃあまたその内」
幽香「何話してたの?」
シン「んー? お互い相変わらずだなって。しかし切れてましたか、リボン」
幽香「ええ、何色かはまだあるんだけど。どうする、買いに行く?」
シン「うーん……もう割りと遅いですしね。それに明日は定休日だし………いいかな、明日買い足せば」
幽香「そうね、お客さんもそんな来ないし?」
シン「言わないでくれ…………たまには、か(ボソッ」
幽香「うふふ、だってその通りじゃない(ギュッって、え?」
幽香(え、なに、なんでいきなり手を握って、あ、でもやっぱりこの人の掌あったか……じゃなくて!)
幽香「………なに、よ。どうかしたの?」
シン「………いえ、別に」
幽香「ふうん……………」
シン「……………………幽香」
幽香「―――えっ?」
幽香(今、この人私のこと呼び捨てで―――?)
シン「さん」
幽香「何よ」
幽香(このヘタレ!)
シン「あー、いえ、その………呼びたかっただけ、です」
幽香「ふう、ん………ふうん」
シン「え、ええ」
幽香「シン」
シン「は、はい?」
幽香「呼びたかっただけ、よ」
シン「………………はい」
幽香「シン」
シン「はい」
幽香「シン」
シン「はい」
幽香「あなた」
シン「は、ぅえっ!?」
幽香「………(顔真っ赤」
シン「………………幽香」
幽香「………………はい」
シン「…………幽香」
幽香「…………はい」
シン「幽香」
幽香「は、んむっ?」
シン「……っ、――――っ、はっ、すい、ません、つい」
幽香「………………別に、謝ること、ない」
シン「………はい」
幽香「…………………嬉し、かったし」
シン「………そういう発言はやめて下さいね、続きしたくなるから」
キラ「お店に財布忘れちゃったんだけど………」
シン「…………」
幽香「…………」
キラ「超 入 り づ ら い 。なんなのあの空間………というか新婚じゃないはずなのに、なんであんな桃色空間を作り出せるの?」
キラ「うーん、どうしようかな………仕方が無い、しばらく待ってから突入すれば」
アスラン「や っ ぱ り こ こ に い た ん だ な 、 キ ラ 」
キラ「グッバイマイ財布!!!(脱兎」
アスラン「待つんだキラ、どうしていきなり走り出すんだ!?」
キラ「イヤアアァァァァアアアア全力疾走に何で微笑しながら着いてこれるのォォォオオオオ!?」
アスラン「あ、もしかしてつかまえてごらんなさーい的な恋人ごっこのつもりか、なんか照れるな………」
キラ「僕の側に近寄るなあああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」
最終更新:2011年10月24日 03:44