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五十四 達士 ◆my7zURWM5氏のISネタ-01

1

天才。という存在がいる。
常人とは異なる感覚。
常人には出来ないこと。
常人には辿りつけすらしない領域に脚を踏み込める存在。
過去から現在、あるいは未来においてまで、類稀なその才能を持ってして世界を己の色に染め上げる狂気。
偉人という言葉で彩られ、狂人という恐怖で侵される。
否。
それはある意味では世界に対する侵略行為であり。
文字通り、天災と言っても過言ではないだろう。

束『それでね、それでね・・・もう、ちーちゃん!聞いてるの!?』
千冬「聞こえている」

織斑千冬は、電話越しに声をかけてくる声に、ため息をこらえて代わりに目を瞑る。
光がさえぎられ、暗い黒に視界が支配される。
それはまるで天を覆う暗雲を思わせた。

千冬(・・・ある意味、今のわたしの心境通り、か・・・)

だとするならばそれはあまりにも皮肉が利きすぎている。
突然の電話。
親友とは言え、世界を半ば支配しながら敵に回した張本人。
狂っているようで正常な、それでいてやはりどこか狂気に満ちたその親友。
ISという今の世界を覆す存在を確立した魔女。
しかもそれをたった一人で作り上げた文字通りの人外。
これまでに類を見ない、否、桁違いの能力を誇るISをたった一人で独占している彼女は、間違いなく世界を裏から支配していると言うのに他ならない。
そんな化け物である彼女のような存在と友誼を結んだのが自分の過ちだったのかもしれないが。
だからと言ってそれを否定するのもはばかられる程度には親しい間柄。

千冬(ようするに、こいつは嵐だな)

もしくは地震か、はたまた津波か。
いやいや、隕石そのものといったほうがいいのかもしれない。
要するに、天災なのだ。
可愛らしい外見に、ウサギの耳のような形をしたカチューシャをつけていようと。
いつもニコニコと、微笑みながら無垢な少女のように振舞おうと。
豊満な肉体を、その小さな背に有した無力な少女のように見えようとも。
事故でもなく、事件でもなく。
巻き込まれた被害者でもない。
単に、運が悪かっただけなのだと。
自身の心の中でそっと毒づき、思考が話からそれていることに気が付いた。

千冬「それで、なにかあったのか?まさか、今更世界を支配しようなどと想っているわけでもあるまい?」
束『あはははは!!なにそれちーちゃんおもしろーい!!世界征服なんてつまんないことをこの束さんがやるはずないじゃない!

  もーちーちゃんたらおちゃめさんだなー。あはははは』

けたけたという笑い声。
あるいはその稚児にも似た純粋な、あるいは不純な叫びにも似たそれに、思わず苦笑を浮かべる。
相変わらずのその思考に、変わらぬその声に。

千冬「ではなんだ?お見合いでもするのか?」

だから、その言葉はただの嫌がらせ。
彼女の思考を混乱させるための意味不明な言葉。
無論、天才たる彼女からすればこんなものはもしかしたらなんでもないのかもしれない。
言葉のキャッチボールというものを、手紙を弾道ミサイルでやり取りする親友からすれば、なんでもないことなのかもしれない。
だから、返される言葉に彼女が反応できなかったのはいたし方の無いことだろう。

束『ううん。あのね、あのね。わたし、好きな人が出来たの!!』

沈黙が、ながれた。
今、自分がどんな顔をしているのか理解できない。

束『それでね、それでね!その子すっごく可愛いの!!しかもね、目なんか真っ赤なんだよ!真っ赤!あれを見たらもうルビーとか石ころだよ!!』

言葉が、理解できない。
それともアレだろうか、これは新種の言語かなにかなのだろうか。

束『性格もね、なんていうか、普通なの!!そこらへんにいるみたいな子供なの!なのにね、なのにね。かっこいいの!!あのね、これがギャップ萌えって言うのかな?』

いや、確かに電話越しにいる親友は確かにそらで新しい言語を作ってしまいことなど造作もなくやってのけるだろう。
それこそ、お風呂に入っていたから鼻歌を歌うぐらいに片手間に。
それも誰にも解読できないような未知の暗号のようなものを。

束『しかもさー。ぶっきらぼうのくせして自分はちゃんとやってるみたいに思い込んでるんだよ?なんていうのかな。
  ケーキを目の前に置かれて自分は興味が無いって言う風に振舞っているつもりでたまにチラ見してる感じ。
  でも、ちゃんと他人のことを思ってくれてたりするんだよね。前なんか机に寝過ごしてた人に毛布かけてあげてたし!!
  もうね、子供なの!なのに時々男だなーって思わせるの!もうね!襲ってもいいのかと!!襲ってくれって言ってるのかと!!
  束さんはもう毎日葛藤の嵐なんですよ!!』

分らない。理解できない。落ち着け。
そう思い込みながら、思考だけはぐるぐると巡る。
最悪なことに、出口が見つからないのが自分でもわかっているのだが。
こいつが、恋?
天才のなかの天災。
世界なんて自分が好む存在以外消えてなくなれと笑いながら言うようなこいつが、恋?


人間などではなく、もはや自然災害レベルの彼女が、恋?
あぁ、そういえばどこかのドラマで地球がある一人の少年と恋に落ちたとかいうやつがあった気がする。
いかに堅物と呼ばれているような自分でも、世間で話題になるテレビくらいは見る。
それを言ったら同僚に「織斑さんも冗談を言うんですね」などという言葉で返されたのは酷く遺憾ではあったが・・・今は関係ない。
確か地球の意志が擬人化されたような女が、どこぞの少年と出合い、時にぶつかりあい、時に協力し合い
お互いが徐々に徐々に知り合っていきながら認め合い、求め合っていくという物語。
しかし、地球の寿命は人から見れば無限にある。
その上、少年の側にはクラスメイトの少女が現れ三人の三角関係へと勃発。
やがてお互いの意識がずれ始め、あわや破局かというところで、結局は地球の意識であった少女の体が最早持たないと言う展開になり、三角関係は自然消滅した。
その後は、十年後に結婚した少年とクラスメイトの子供として生まれ変わるというトンでも展開を博したドラマだったが・・・
結局自分は何を考えたかったのかすら分らなくなってしまっている。
だから、千冬は長い沈黙の後に一言呟いた。

千冬「・・・・・・・・・・・・・・・すまん。よく聞き取れなかった」
束『えー。ちーちゃんひどーい』
千冬「いや、その、すまない。少しばかり動揺してしまってな」

普段の彼女からはありえないほどの弱弱しい声。
それもある意味仕方ないだろう。
電話越しの相手に、まさか『恋愛感情(そんなもの)』が在るなどとは露ほどにも信じられなかったのだから。
そんな彼女の心境を察したのだろうか、束は声を尖らせた。

束『むー!ちーちゃんはわたしがそんなに恋愛感情なんて持ってないと想ってたの!?そりゃ、箒ちゃんといっくんとちーちゃん以外の人間なんて
  死のうが生きていようが何していようが気にならないけど。あ、でもやっぱりうっとおしいから全員消えないかな、今すぐ。
  くらいには想ってるし、それは今でも変わらないけどさ。
  わたしだって好きな異性(ひと)くらいできるよー』
千冬「・・・それが信じられないというのだ・・・」

なにせ、相手は世界なんてどうでもいいと断言するような狂人だ。
しかも性質の悪いことにそれをやろうと思えば可能としてしまえるところが最悪の災厄たる由縁だ。
そんな彼女の口から恋などという甘酸っぱくも青春を匂わせるような言葉が出てくること自体がありえないのだ。
告白してしまえば、千冬は先ほどからこれは夢か幻ではないのかと想っているくらいに。

束『ま、いーけどねー。私は気にしないし、ちーちゃんだって、ブラコンだし』
千冬「いやまて、なぜそこでわたしがブラコンということになる」
束『そういう私はシスコンだー!!』
千冬「いい加減にしろ!!」
束『ひゃわ!!ちーちゃんが怒ったー!うわー!ひどいよー!!』

ミシリ。
というオトが聞こえた。


自分の耳のすぐ側から、何かを思わず握りつぶそうとして自重したようなその音に。
千冬は大きく息を吸い込む。
冷えた夜の空気が胸の中一杯に広がり、熱くなった心を冷やしてくれているように感じる。
落ち着けと自分の心の中で瞬時に数十回は繰り返してから息を吐いた。
白い息がまるで上記のようだと感じながら、言葉をつむぐ。

千冬「・・・それで、好きな人が出来たから、という理由でこんな夜更けに電話か?」
束『うん。割とそれだけ』
千冬「・・・だったら、もう少しTPOをわきまえろ。今何時だとおもっている」
束『んとね、グリニッジ天文台時間で・・・』
千冬「日本では夜中の3時だ。いい加減にしておけ」
束『でもさ、でもさ、この束さんが恋心だよ?一目ぼれだよ?ありえないでしょ?』
千冬「・・・自覚はあったのか」
束『ふふふ・・・束さんはなんでも知っている・・・』

だったら一々こちらの揚げ足を取るなと心の中でぼやきながら

束『その男の子はね、ISが使えるの』
千冬「・・・なんだと?」

今、こいつはなんと言った?

束『わたしが作り上げた私自身。ISのコアへと接続して、その力を引き出すことが出来るの。
  あ、一応断っておくけど、その子は正真正銘男の子だよ。そりゃ、束さんは箒ちゃんみたいに可愛い女の子とか
  ちーちゃんみたいにかっこいい女の人とかも大好きだけど、ちゃーんと私はノーマルだからね!!』
千冬「そんなことはどうでもいい。お前、今男でIS操縦が出来ると?」
束『多分、ね・・・どうしてかはわたしにもわかんないんだけどね。『あの子』がいうには、間違いないみたいだよ
  実際にこの前打ち鉄を起動させてたし』
千冬「馬鹿な・・・」

今の世界は女尊男卑の世界である。
その原因は、この電話越しの相手が作り上げたISにあった。
ISは、女性にしか使用することは出来ない。
原因は不明だし、どういう理屈なのかも一切分かっていないが、少なくともその結果だけがあり、事実そうなっている。
そして何より、そのISはこれまでの兵器とは一線を画す戦闘能力を秘めているのだ。
今現在、もし男と女が戦争になったのなら、男は三日ともたないといわれているほどに、それはあまりにも歴然とした戦力差といえよう。
それを、ISを男が扱えるなどと・・・

千冬「だれだ?」
束『にゅふふ・・・気になる?ちーちゃん』
千冬「当たり前だろう。事と次第によっては戦争になるぞ」
束『うーん?まぁ、いいんじゃないかな?しばらくすれば、もう一人増えるんだし・・・』


千冬「なに?どういうことだ?」
束『それは秘密~・・・あーん!ちーちゃん怒っちゃだめーーーー!!』

電話を切ろうとした気配を察したのか、とりあえず謝罪だけは受け取ろう。
だから、彼女は意地の悪い質問をした。

千冬「怒られたくなかったらさっさと教えろ。まったく、お前は自慢したいのかかまって欲しいのかわからんな」
束『多分、両方だと想うな』
千冬「自覚症状があるぶん余計性質がわるい」
束『あは』

電話越しでも分る、満面の笑みを思い浮かべて、こちらも思わず微笑を浮かべる。
あぁ、やはり自分たちは親友なのだと。

束『じゃあ、あとでちーちゃんの携帯にデータを送っておくね。あんまり可愛いからっておそっちゃだめだぞー?』
千冬「正直、お前が惚れた相手というのには興味はあるが・・・同じくらいお前が惚れたという時点で既に地雷だろうとしか考えられん」
束『むー!!ちーちゃん酷い!!わたしが好きになるんだもん!!ちゃんとしてるもん!!』
千冬「どうだかな」
束『だってだって!!箒ちゃんもちーちゃんもいっくんも!全員素敵な人だもん!!だからあの子だって素敵だもん!!』

それを言われると言い返せない。
自分はまだしも、可愛い弟と、あまりにも気負いすぎる妹分だ。
これで言い返しては彼らすらも中傷しているようなものなのだから。

千冬「そうだな。じゃあ、せめて名前と年齢くらいは教えてくれ」
束『いいよ。あのねー』

だから、彼女は知らなかった。
いかに卓越した技量を持とうとも、いかに優秀な頭脳を持とうとも。
所詮人の身である彼女には未来を見通すことなどできるはずもなく。
この先、彼女の人生すら狂わせる一つの出会いが、この瞬間に確定したことなど。

束『その人の名前は、シン・アスカっていってね』

ましてや、天災といわれる天才ですら己の中に引きずり込んだ存在が、ただの一人も逃さぬと望むなどと。

束『今年で14歳になる、ぴっちぴちの中学生!!』

彼女に分るはずも、なかったのだ。
だから、彼女が言うべき言葉は決まっていて。

千冬「・・・十四歳って・・・お前、幾らなんでも犯罪じゃないのか?」
束『ちーちゃん酷い!?』

その言葉が、ブーメランになって帰ってくるのは、それからしばらく時を置いてからのことである。

2

IS×ですてぃに~
あるいは夏休みに投下される腐り堕ちた果実

セシリア「ここが、一夏さんのお宅ですの?」
鈴「そうだよ。にしても、あんまり変わってないなー」

箒「おい」

ラウラ「ここが教官と一夏の家か、胸が熱くなるな」
シャル「もう、ラウラ落ち着いて」

箒「こら」

シャル「あ、セシリアお土産持ってきたの?」
セシリア「えぇまぁ一応、市販のケーキですがおいしいと評判でして・・・でも、やっぱりこういうのは手作りのほうが」
鈴「なにあんた、殺人願望でもあるの?」
セシリア「な!?す、鈴さん?それは一体どういうことですの!?」
鈴「え?なに?説明しなきゃわかんないの?」
ラウラ「うむ、あんなのを持って行っては宣戦布告同時攻撃をかますようなものだからな」
シャル「あはは・・・あ、それって駅前に新しく出来たお店のやつ?」
セシリア「えぇ、おいしいと評判でしたから・・・って、なにわざとらしく話を逸らすんですの!?」

箒「だから・・・」

ラウラ「まぁいい。そのケーキは私達からのお土産ということでいいな」
鈴「だね、私も食べてみたかったし」
シャル「ぼくはチーズケーキがいいな」
セシリア「な!?なんですのこのアウェー感。まぁ、かまいませんけど、割り勘ですわよ?その場合」

箒「人の話を」

鈴「別にいいよ、そんくらい。ていうか、やっぱり買ってきたほうがよかったかな・・・」
シャル「ぼくもあんまりこのあたりに詳しくなかったから、お土産とか変えなかったし・・・」
ラウラ「ふん、嫁の家に帰るのに一々お土産を買っていくなど逆に恩着せがましいというものだ」
セシリア「いえ、そこはきちんとしたほうがいいでしょう。ご実家でしたら礼節をもって」
ラウラ「なに!?そういうものなのか?」
鈴「あー・・・でもさ、なんていうか今更じゃない?学校でいつも会ってるし」
シャル「まぁ、しかも今いるのは一夏とシンだけらしいしね」
セシリア「で、ですが、やはりこういうのは形式として・・・」
鈴「なんてーか、あんたって要領悪いのかいいのかわかんないよね、相変わらず」
ラウラ「うむ、ドヤ顔で特攻して、塹壕だと思って隠れたらそこが実は大砲の試射で今まさに撃たれまくるくらいだな」
シャル「いや、それは分りづらいかと・・・」
セシリア「あ、あなたたち・・・黙って聞いていれば・・・!!」

箒「聞けーーー!!」

セシリア「な、なんですの?箒さん、いきなり叫びだして」
シャル「ビックリした」


鈴「そうだよ、ご近所迷惑でしょ。てか、なにあんたイラついてんのよ?」
ラウラ「ふむ・・・あの日か?」
箒「な!?」
セシリア「ラウラさん、幾らなんでも年頃の子女が言うべき台詞ではありませんわよ?」
ラウラ「そうなのか?」
シャル「うん、あんまりよくはない、かな?」
鈴「ていうか、あんたちゃんとわかってんの?」
ラウラ「うむ、前に教官がイラついておられた時にそのようにおっしゃっていたからな。
    あの教官ですら不機嫌になられていたのだから箒程度では致し方なかろう。意味はよく分らないが」
セシリア「・・・軍隊って、そういうところは大雑把なのですわね」
ラウラ「ふむ、そういうものなのか・・・ん?どうした篠之野やはりあの日だったのか?」
箒「それは先週終わった!!」
鈴「あんたは・・・」
セシリア「あまり、そういうことも大きな声で言うべきではないと思いますが・・・」
箒「~~~~~ッ!!」
シャル「あ、あはははは・・・そ、それはそうと。なんでいきなり大声出したの?」
鈴「しかも自爆付き」
箒「う、うるさい!!・・・こほん、貴様らは一体なんでここに来ているのだ!?ここは一夏の家だぞ!!」
鈴「だから来たんじゃない」
セシリア「夏休みに友人の家に遊びに行くのになにか不都合がありまして?」
シャル「ぼくもそうだよ?あんまりこういうのしたこと無いからよく分らないけど・・・」
ラウラ「たまの休みを利用して嫁の家に行くのになんの不都合がある?」
箒「だ、だとしても・・・なんで今日なのだ!!」

セシリア「ぶっちゃけ箒さんが抜け駆けしようとしていらしたので」
シャル「同じく、かな?」
ラウラ「嫁の貞操を守るのは私の役目だ」
鈴「あ、ちなみにソースは一夏からね。ていうか、あんたって意外とあざといわよね」

箒「んな!?」

セシリア「大体、こちらにはシンさんもいらっしゃるとか・・・それで行かないはずがありませんわ」
鈴「ま、男性二人目の適正者でかつどこの国にも所属していなくて、馬鹿みたいに強くて、しかもあの篠之野博士とも個人的なつながりをもつ・・・
  そんな超重要人物好き勝手にはさせられないわよね。というか、よく学校から出れたわねあいつ」
シャル「なんでも、一夏も帰るから警備の都合上分散させたくなかったらしいよ?」
ラウラ「もっとも、一夏は日本政府が保護しているとはいえ、アスカの保護権はかなりもめたらしい。おかげで多国籍軍まで出る始末だ」
箒「そ、そうなのか・・・」
セシリア「箒さん・・・貴方もその超重要人物の一人ですのよ?そこのところ自覚なさいませ」
箒「う、うるさい!!」
鈴「ていうか・・・あんたもさ、一体どっち目当てで来てるの?」
箒「どっち、だと?」
鈴「そうよ。一夏と、あの馬鹿と、一体どっちが目当てかって聞いてるの」
箒「ふぇえ!?」
シャル「あ、それぼくも気になる」
セシリア「私も、気にならないといえば嘘ですわね」
ラウラ「一夏は私のものだ」
箒「な、ななな何を言って!?」
鈴「大体さ~あんた以外はどっちが目的か分かってるじゃない?なのにあんたときたら・・・」
セシリア「目線の先には一夏さんがいるのに、一緒にいる時間はシンさんのほうが長い・・・まさに矛盾ですわね」


箒「シ・・・あ、アスカとは一時期ルームメイトだったのだ。仕方ないだろうが!!」
シャル「それにしたって・・・ねぇ」
ラウラ「うむ、はっきりしてもらいたい」
箒「だから、それは・・・だ、第一貴様らこそどっちが」

セシリア「シンさん」
鈴「一夏一択」
シャル「一夏だよ、勿論ね」
ラウラ「当然、一夏は私の嫁だ」

箒「な!?き、貴様ら公衆の面前で・・・は、恥をしれ!!」
鈴「ほーら、そうやってすぐにごまかすし」
箒「ご、ごまかしてない!!」
セシリア「・・・まぁいいでしょう。すでに私には貴女のお姉さまと先生という強力すぎるライバルがいらっしゃいますし」
シャル「あ、あと最近シンを見る目が怪しいのが他にも何人かいるよ?」
箒「な!?ま、まだいたのか!?」
セシリア「シャルロットさん、その話詳しく」
鈴「ていうか、もういい加減に中に入ろうよ。暑くって暑くって」
ラウラ「うむ、この国の夏はかなり湿気が強いと聞いていたがここまでとはな」
鈴「つーわけで、インターフォンぽちっとな!!」
箒「だから人の話をきけーーーー!!」



千冬「・・・あの、馬鹿どもは・・・」
一夏「どうしたんだ千冬姉。頭抱えて、なんかあったのか?」
千冬「いや、なんでもない。ところで、アスカはどうした。まだ眠っているのか?」
シン「・・・今、おきましたよ・・・」
千冬「だらけているぞアスカ。夏休みとは言え自己を律しろ」
シン「んなこと言われましてもね・・・俺は殆ど朝方に帰ってきたんですよ?」
一夏「帰ってきたって・・・どっか行ってたのか?」
シン「・・・千冬さん」
千冬「かまわん。どうせこれからもあれには巻き込まれるだろうしな」
一夏「おいおい、二人とも何を言って」
シン「束のところだ」
一夏「へ?」
シン「昨日の深夜あたりに呼び出されてな・・・なんでも、夢に俺が出たとか何とか言ってたが」
一夏「マジかよ」
シン「んで、いきなり『久しぶりに里帰りだね!!しぃちゃん!!きゃ、これってなんか新婚っぽいよね!!』とか言い出して後は拉致だ」
一夏「相変わらずその場の勢いなんだな、あの人は・・・」
シン「おかげでこっちはそれに付き合わされて殆ど徹夜だ・・・ふぁ~・・・」
千冬「貴様はまだましだ。突然監視網からロストされたからこっちは大変だったんだぞ?もう少しで戦争になるくらいだったんだからな」
シン「そういうのはあの馬鹿女に言ってください・・・聞けばですけど」
千冬「言うだけ無駄だな・・・」
一夏「なんか、二人とも悟ってるなぁ・・・」

この後、チャイムに気がついたシンが、そのままの格好で迎えに出た。
が・・・その格好とは

眠っている間に腹まで見えてしまうほど着崩された長襦袢。
肌は白く、キメ細やかで、殆ど肉が付いていないそれはまるで芸術品のよう
中でも特に鎖骨に至っては最早神さえ殺す絶品といえる。
裾も大きく開いているために白磁の細い太ももが目に眩しく・・・
言ってしまえば花魁の危うい妖しさ。

その格好に悩殺された長い金髪の少女と、黒髪お下げの女子(プライバシーの保護のため実名は省く)が至福の内に倒れたのだが・・・
それはまた別のお話。

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最終更新:2012年12月07日 10:22
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