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「さぁ、やってまいりました!クイズ”生徒会役員の100のコト”!!司会は、私、八神はやて!」
体育館中から、歓声がきこえる。
ステージには、いつの間に改造したのか、よくクイズ番組でみるようなボタンのついたテーブルが4つ並べてあった。
「解説は、その他生徒会メンバーでお送りします」
隣に座るフェイトさんが続けた。再びあがる歓声。
「では、解答者の紹介…」
一番右側の人物を、はやてさんが指す…どこから撮影しているのか、体育館のモニターに黒髪の女性がうつる
「皆さんご存知、プレシア・テスタロッサさん。大学部、遺伝子情報学の教授にして、我らが副会長、フェイト・テスタロッサと会計、アリシア・テスタロッサの実の母!」
にこやかに、プレシアさんが手を振る。
「二人目!」
プレシアさんの隣に座る人物がモニターにうつる
「中等部の保険医、シャマル!私の家の居候!!」
まだ、学園の関係者だ。問題は…
「次!」
オッドアイが、モニターにうつる。
「大人モードで参戦!高町ヴィヴィオ!」
歓声があがる…誰一人として、疑問を感じていない…
「そしてもう一人…」
最後の人物…
「風紀委員長にして、シン・アスカの疑似兄!アスラン・ザラ!!」
歓声…やっぱり、疑問の声はあがらない…これだけの人数がいて、ヴィヴィオとアスランの参戦を誰もおかしいとは思わないのか?
[生徒会顧問決定戦、クイズ生徒会役員の100のコト”]
少なくとも、入口の立て札には、そう書いてあったはずだろう?
~EP.2 生徒会顧問は誰?~
数日前
どうやら、あの時期は新学期早々でいつもより仕事が多かったらしい。いつもはあそこまで忙しくない、と後日はやてさんに聞いていた。アスランには悪いことしたかな、と思いつつ、それなりにゆったりとした時間を生徒会室で過ごしていると、唐突にはやてさんが口を開いた。
「さて、これでようやく生徒会役員も揃ったし、次は生徒会顧問を決めんとな」
「顧問?それって、学校が決めるんじゃないですか?」
「顧問の先生は新しく赴任してきた先生だったんだけどね、三日でノイローゼになって学校に来なくなっちゃったの」
デッキからカードを一枚引いて、なのはさんが言う。そういば、入学式前にも上級生は授業があったんだっけ…
「三日って…一体、何をしたんですか…」
「私達じゃないよ。配属されたクラスが悪かったね。三年の特別情報科クラスだったんだって」
「ああ、赤い流星群の…」
クラスのメンバーが全員同じ顔だったら、そりゃあノイローゼにもなるだろう…
「パワーボンド発動、フィールドのプロトサイバーと、手札のサイバードラゴン二体を融合。サイバー・エンド・ドラゴンを…」
「あ、奈落の落とし穴で…」
「…シン君の意地悪…」
「リバースカードくらい警戒しましょうよ…」
「そこで、や…」
バン、と机を叩いて、はやてさんが言う
「新しく、生徒会顧問を決めよう!」
「第一問、二年前、新聞部から流されたシン・アスカの交際相手は?」
こうなったら、プレシアさんかシャマルさんに勝ってもらうしかない…とはいえ…
「アインハルトさん!!」
ヴィヴィオがボタンを押し、解答する。やっぱり、こういう話なら生徒のほうが有利か…
「正解!では、本人に話を聞いてみましょう」
「話もなにも、あれ、事実無根の噂ですよ。二人で遊園地に行っただけじゃないですか」
「思いっきり根はあるやん…でも、まぁ信じとったけどね、私は」
当時、一番暴走してた人が何を…
「第二問、シンがテストでとった一番低い学年順位は?」
「86位だ!」
「正解!」
アスランが即答する。この順位を思い出すと、俺とアスランの差が見せつけられてるみたいで嫌なんだよな…というか…
「何で知ってるんですか、はやてさん!?」
「ん?私はシンのコトなら何でも知っとるんよ?」
笑顔で言われたけど…なんか、怖い…
「では、第三問、なのはちゃんが部屋に飾っとる、ぬいぐるみの名前を三つ答えよ」
「キュぅべえ、QB、インキュベーター!」
「駄目や」
というか、全部同じじゃないのか、シャマルさん?
「セイクリッド・ハート、クリス、うさ吉」
「ダメや…仕方ないからヒント。商品名ではなく、なのはちゃんがつけとる”名前”です」
ヴィヴィオが押した
「シン君、シンにぃ、シンパパ!!」
「正解!!」
……隣に座るフェイトさん、その向こう側にいるなのはさんが、机に突っ伏していた
「なにやってんですか、アンタは…」
「他にも、シンお兄ちゃん、アスカ先輩、ご主人様、など…」
「はやてちゃん…ちょっと、頭冷やそうか?」
「顔真っ赤ななのはちゃんの方こそ、頭冷やしたほうがええんとちゃう?暑ぅないん?」
「……ぅうぅ」
折角復活したなのはさんが、また机に突っ伏した。
「第四問、今日のフェイトちゃんの下着の色は…」
「「「「黒!!」」」」
「正解!!」
「なんで知ってるの、はやて?というか、皆即答!?」
全員に一ポイント入った…
「第五問、アリシアちゃんが最近はまった趣味は?」
「アスカ家の盗撮!」
「正解!」
プレシアさんが解答…
「まぁ、盗撮、で充分やったんやけどな」
「はやて…あとでおぼえといてよね」
黒っぽいオーラがアリシアさんから滲み出てる…でも、ここで怒るべきは俺なんじゃ…
「で、これがその映像」
モニターに、黒髪の少女の前に料理を置く俺の映像…
「では、第六問、この女の子は誰でしょう?」
「ちょっと待ってください…知ってるんですか?昨日知り合ったばかりですよ!?」
結局、あのあともあんなクイズが続き、半分が終わったところで、プレシアさん10点、シャマルさん3点、ヴィヴィオ19点、アスラン21点という状況。
はやてさんが司会により、彼女に関する問題は申し訳程度に、当たり障りのないものが2、3問出されただけ。そして、俺の問題ばかりが出題されるという現状により、アスランとヴィヴィオの得点率だけが飛び抜けている。
このままでは、ヴィヴィオかアスランが顧問になってしまう… 幸い、残り半分は明日にまわされたので、俺は最終手段をとることにした。
教わった番号をコールする。と、やけに陽気な男の声が耳をうつ
『ちょりーっす!こちら、トレミー探偵事務所でっす♪』
「…あの…シン・アスカですけど…」
『………』
「……」
『…何故、携帯に掛けない?』
ああ、刹那さんか…本当に誰か分からなかった
「いや、今日は依頼だったんで事務所のほうに、と…」
『…そうか』
「………」
『………』
「………」
『………』
…沈黙が重い…
「今のは、聞かなかったこときしますから…」
『よし、依頼を聞こう』
レイ「では、次回予告を…」
ユーノ「ねえ…ちょっと…」
レイ「?どうかしましたか、設定上は図書委員長のユーノさん」
ユーノ「どうかした、じゃないよ!ここは出番の少ないキャラのコーナーだよ?なんで君がいるのさ?」
レイ「何を言ってるんですか?今回は俺の出番、なかったでしょう?」
ユーノ「そういうことを言えるキャラはここに居ちゃいけないの。ここは、今回も出番がなかった、ってキャラのコーナーなの!」
レイ「気にしないで下さい。俺は気にしません」
ユーノ「ちょっとは僕のことも気にかけてよ!」
レイ「では次回、~EP.3 先代生徒会長~ をお楽しみに! 」
2
マイクを持った司会者が、壇上に上がる。紫の髪に、片側だけ光るように器用に角度を調整された眼鏡。
「嘘やろ?なんで…」
「八神はやて、君の席はあそこだ」
体育館に入ってきた生徒会長に、告げる。指された席は、俺たちが座る解説者の席の、一番端。なのはさんの隣
「…なんのつもり、ですか?」
「依頼さ。探偵事務所へのね。」
「探偵の仕事?こんなことが?」
「確かに、これだけ見たらそうは思わないだろう。だが、安心するといい…ちゃんと、探偵らしい仕事も含まれている。さぁ、席につくんだ、当代生徒会長。まさか、この期に及んで司会は譲れない、とは言わないだろう?」
突然の特別ゲストに、体育館中から歓声があがっている。この状況で彼を壇上から引きずり落とすことは難しいだろう。
しぶしぶ、といった感じで、はやてさんが解説者の席につく。それを確認すると、満足そうに頷いて、男がマイクを通して声を出す
「久しぶりだ、高等部の諸君。僕を覚えているか?この、先代生徒会長、ティエリア・アーデを!!」
歓声が応える。
先代生徒会長、ティエリア・アーデ。生徒会長職をおりたあと、何を思ったか自分探しの旅にでて、どういう過程があったのか、”僕は人間だ!!”という境地にたどり着き…大学部への進学を取り消して、先代生徒会役員とともに探偵事務所をひらいた変わり者の生徒会長。
「では、クイズ”生徒会役員の100のコト”…残り五十問は、僕が担当しよう!」
~EP.3 先代生徒会長~
「第五十一問、八神はやてが所有している抱き枕カバー、キャラクターはシン・アスカだが、何種類の絵柄を、何枚ずつ作っているかこたえよ」
「12種類を、6枚ずつ!」
シャマルさんにようやく4点目が入った。
「ちょ、ちょっと待ちぃ!?なんでそんなん知っとるん?」
「これが、探偵の仕事さ…君の私生活を1日監視し、君に関する問題を残り五十問の中に、比較的、多い割合で入れてほしい、と」
そう、それが最終手段…はやてさんの問題を多く出題し、シャマルさんを勝たせる、という算段…
「そんな…一体、いつの間に…」
「僕自身が出ていけば流石に怪しいからね。僕はずっと事務所にいた…君が気づかないのも無理はない。だが…」
にやり、と笑みを浮かべる
「いるじゃないか…ここには、僕の目となる存在が…この街では、ありふれ過ぎていて、どこにいても違和感のない優秀な諜報員が…」
「…まさか…」
「昨日1日、やけに赤毛の男を見る、とは思わなかったか?いや、思わなかっただろうな…何しろ、そんなことはよくあることに過ぎないのだから…」
「…三年の…特別情報科、か…」
苦々しい表情をするはやてさんに、ティエリアさんが満足気に頷く
「せやかて…昨日1日だけで調べられる情報の量なんて、たかが知れとる!」
「僕は探偵…灰色の脳細胞の持ち主だぞ。ちょっとした痕跡から、君の醜態を暴くなんて朝飯前さ…例えば…」
眼鏡が、片側だけキランと光る
「第五十二問、八神はやてが、最も頻繁に行う一人芝居のシチュエーションは?」
「仲間の裏切りに加担したはやてちゃんを、シン君が必死に説得。愛の告白までして、取り戻すというシチュエーション!」
「正解だ!」
再び、シャマルさんの解答…それを受けて、はやてさんは顔を青くして震えていた…昨日は、姉弟シチュやったはず、という呟きがかすかに聞こえた
「そんな…プ、プライバシーの侵害や!?」
「少なくとも…君にはそれを糾弾する権利はない!」
バッサリと、ティエリアさんが切り捨てる
「さぁ、クイズを続けよう…第五十三問…」
「すまなかったね。どうやら、君の望む結果は得られなかったようで…」
「いえ、いいんですよ。俺も出来るだけのことはやったつもりだし、そっちもあんな無茶なことをやってのけてくれたんですから」
クイズの終了後、舞台裏での話…
「にしても、たった1日であんなに分かるものなんですか?」
「ああ、あれはハッタリだよ。さも知ってるかのように出題して、解答があがる度に八神の表情を読み取って正解か不正解かを宣言しただけさ。探偵じゃないボクには、灰色の脳細胞なんてないからね。というか、そんなハイカラな脳細胞、欲しいとも思わない。ボクは…そうだね、薔薇色の脳細胞、なんてどうかな」
茶化すように笑い、自身の髪の毛をいじくる。どうでもいいけど、薔薇色の脳細胞なんて言ったら、馬鹿っぽく感じるな
「ボクと同じ顔をしてるっていうのに…この髪型のセンスだけは受け付けないな」
探偵じゃない…そう、結局、昨日は依頼を受けてもらえなかった。なんでも、先客がいたらしく、その事件の解決のためにも海外へ行こう、というタイミングだったらしい。だから、ティエリアさんとは違って、そのまま大学部に進学したリジェネさんに、代わりを務めてもらったのだ。
「本当、いつバレるかとヒヤヒヤしましたよ」
「ははっ、バレっこないよ。何しろ、ボクは正真正銘の先代生徒会長だからね」
「…へ?」
クスクス、と笑う…きっとティエリアさんはこんな風に笑ったことは一度もないに違いない
「彼のあだ名、覚えてる?」
「えっと…確か、スパコン生徒会長、でしたっけ?」
的確な判断力とか、圧倒的な計算スピードとか、色々な要素が重なりあって出来た称号
「そう、でも、彼はそれが嫌だったらしい。完璧な自分を演じるのが、辛くなってきたんだね。で、生徒会長の任期を待ってその末に自分探しの旅にでた…と、思われてる」
なるほど…それで”僕は人間だ”、か…
「でもね、彼がもったのは半年だけだったんだよ。残りの半年は、ボクが生徒会長を請け負った」
…当時は中等部にいた俺は、その頃のことは分からないけど…本当に、誰も気づかなかったのだろうか…
「だから、殆どの人は知らないけど、先代生徒会長はボク。ティエリアは先々代だね」
そう言うと、背を向けてリジェネさんは大学部の敷地の方へ向かった
「何か困ったことがあったら、次からも遠慮なく言ってくれていいよ。最も、その時も力になってあげるかどうかは、保証しないけど」
最後に、そう残して…
「で?そこまでして、結局、勝ち残ったのはヴィヴィオだった、と?」
「ああ、シャマルさんも頑張ってくれたんだけどな…」
「ふ…明日から、我が校の生徒会は小学四年生に膝をつくことになるのか…」
「止めてくれよ、そういう言い方…」
「気にするな。俺は気にしない」
帰り道…生徒会の仕事も終え、真っ暗になっていた帰り道を、待っていてくれたらしいレイと共に歩く。
「しかし、中々面白かったな…お前のことは大抵知ってることばかりだったが、あの生徒会メンバーがああまで狼狽える姿を見れるとは…」
「ああ、正直、あんな可愛いはやてさんは初めてだったな…顔を真っ赤にして、涙目になってさ」
「っバカ!そういうことを言うと…」
「シーン!!」
慌てたようなレイの声を遮って、叫びとともに見知った顔が飛びついてくる
「っはやてさん!?一体、何処から!?」
「可愛いって、可愛いって…んふふ~、もっかい言うてぇな」
パッと、胸に押し付けられていたはやてさんの顔が上がる…目があった
「…っ!?」
その笑顔に…真っ赤に染まっているであろう自身の顔を必死に背ける
「い、言いませんよ…そんか恥ずかしいこと!」
「ええやん!言うてよ…シィ~ン!」
「しつこいですよ…それに、さっきの台詞は撤回です」
「ええ!?なんでや!?」
「なんでって、それは…」
言葉が詰まる…言えない、というか、言えるわけがない…ついさっき、アレは二番目になったから、などと…
さっき…俺に向けてくれた笑顔が…俺の目には、今までのどんな表情よりも、可愛く映ったから、などと…
アレルヤ「次回予告!」
ハレルヤ「っつー訳で、俺たちの番だ…しっかし…」
アレルヤ「ん?どうしたんだい?ハレルヤ?」
ハレルヤ「俺たち、別に出番は少なくねーだろ?」
アレルヤ「…まぁ、出番自体は、ね。そんなことより、早く終わらせない?これ、はたから見たら僕の一人芝居にしか見えないから、恥ずかしいんだよ」
ハレルヤ「まぁ、主人格はてめえの方だし、俺の方は気が楽なんだけどな…好き勝手しても、困るのはそっちのほうだ」
アレルヤ「ちょっ!止めてよ…君、そんなこと言って、この前依頼人のかつらをとって遊んでたじゃないか…あれ、あとで大変だったんだからね」
ハレルヤ「あーーー、あれは傑作だったなぁ…」
アレルヤ「傑作じゃないよ!?」
ハレルヤ「んだよ…てめえだって頭ン中でしっかり爆笑してたじゃねーか」
アレルヤ「いや、アレは…」
ハレルヤ「しかも、マリーが笑い転げるの見て、可愛いとか…ああ、そうだ…折角だから、マリーとの新婚生活でも赤裸々に騙るかぁ?」
アレルヤ「止めてくれ…語るが騙るってなってる時点で怪しいよ!」
ハレルヤ「ハハハ、まぁ、心配すんな…全年齢で放送禁止用語連発しねー程度には、俺は常識人だよ」
アレルヤ「…君の中では依頼人の尊厳よりもそっちのほうが大事なのかい?」
ハレルヤ「あたりめーだろ!他人の恥より、自分の恥のほうがでけーんだよ!」
アレルヤ「ねえ、ちょっと待って…一体、どこまで語るつもりだったの?」
ハレルヤ「ん?そりゃあ、あることないこと、色々と…」
アレルヤ「やっぱり騙るんじゃないか!もういいよ!」
ハレルヤ「お、おい…んなに怒んなよ。ってか、予告は!?……くそ!仕方ねーな…次回、[生徒会書記、シン・アスカ~EP.4 ゴールデンウィーク~]お楽しみに!!」
ハレルヤ「ほら、アレルヤ…プリンやるから、機嫌直せって!」
アレルヤ「それ、僕のお金で買ったよね!」
ハレルヤ「しかたねーだろ!俺とてめえは、二心同体なんだから!」
アレルヤ「………ま、いっか」
最終更新:2012年07月03日 09:41