「おっすシン、今年もよろしくだぜ」
玄関の前でシンは目を白黒とさせてぼけっと突っ立っていた。
一月一日元日の昼前、アリスの手伝いやら里での新年の挨拶やらで疲れて一息ついていたら玄関からノックの音。
誰か挨拶にでも来たのか、それともチビッ子がお年玉でもねだりに来たのかと開けてみたら魔理沙―――おそらく魔理沙からの新年のあいさつ。
普段は窓から侵入してくる彼女にしては珍しく扉から、それもノック付きで普通に入ってきた。
だが、シンが面くらったのはそんなことではなく。
「お、おい、なんか言えよ、不安になってくるだろ」
「あ? ああ、悪い、あけましておめでとう魔理沙………魔理沙だよな?」
服装。普段の帽子をかぶった白と黒の魔法使いらしい服装ではなく正月らしい振袖。
彼女にしては珍しく行事を感じさせるその服装に思わず言葉を失ってしまった。
シンの言葉に案の定魔理沙はぷくぅっと頬を膨らませる。
「どういう意味だよそれは、私がこんな格好しちゃ悪いってのか?」
「あー、いや、すまん。そういうつもりじゃなかったんだけどな………」
「じゃどういうつもりだよ」
「新鮮だったからな、すこし驚いただけだよ………つーか珍しいな、お前がこういう行事に乗っかった服着るのって」
「不満か?」
「いや、似合ってるよ」
さらりと言われた言葉に魔理沙はならいいんだよと言いつつ嬉しそうに頬を染める。
やっぱりこの男から褒められると嬉しさでくすぐったくて仕方がない。
むず痒くて何ともいえず胸が苦しくなってしまうが、それは決して不快なものではなくて。
「アリスなら部屋で休んでるぞ、呼ぼうか?」
「あー、いやいいぜ。疲れてるんなら無理に呼ばなくても」
そう言いながら魔理沙はぼんやりと今日起きてからのことを思い出していた。
昨日は霊夢も早苗も正月の準備で忙しそうだったから一人で夜更かしして初日の出でも見ようかと思っていたのだが途中で寝落ち。
起きたらもうとっくに日が昇っていてこのまま寝正月でもいいかーと考えたのだが。
直後にシンの顔が脳裏をよぎり、同時に今日博麗神社で何が行われているのかに気付いて。
慌てて箪笥の奥にしまってあった振袖を引っ張り出して悪戦苦闘しながらどうにか着て今に至る。
要するに、今日、新年で魔理沙が初めて言葉を交わしたのが目の前にいるシン・アスカなのである。
そのことに気づいて嬉しさと気恥かしさで口元が緩んでしまいそうになるがどうにかこらえる。
まだこの振袖を着た目的を果たしてはいないのだ、このぐらいで満足しているわけにはいかない。
「それよりさ、シン。その、えーと。ああと………あ、あけましておめでとう!」
「あ、うん、おめでとう。今年もよろしく」
「えーと、だからさ、その、あの………あ、あけおめなんだぜ!」
「そうだな、もう三回目だぞ?」
「あう。だから、そのぅ………は、初詣。いかないか?」
言った。どうにか勇気を振り絞り誘えた。このために普段着ないような振袖に腕を通したのだ。
どきどきと心臓を鳴らしながらシンの返事を待つ、ほんの僅かなはずの時間がとても長く感じられて。
そんな魔理沙の心情を知る由もないシンは一瞬キョトンとした顔を浮かべたが。
「そう言えば行ってないな、初詣。昼飯にはまだ早いし………そうだな、じゃあ今から行くか」
「お、おう」
快諾するシンに魔理沙は身体をカチカチに緊張させてどうにか頷く。
と、シンが奥に向けて声を上げる。
「おーい、アリスー。魔理沙が初詣に行かないかーって」
まあ、魔理沙からしてみれば予想できていたことだしむしろ望むところである。
シンと二人きりで初詣だなんて心臓が止まりかねない、アリスがいてくれた方が心境的に楽だ。
しばらく沈黙が返ってきたが、やがてドタバタとアリスの部屋から音がして。
「あけましておめでとうっ、魔理沙!」
「お、おう、今年もよろしくだぜ、アリス」
息を切らせてアリスが姿を現して挨拶をしてくる。
思わず少しのけ反りながらも魔理沙も挨拶を返した、後はアリスが着替えるのを待つだけだと思っていた。
のだが。アリスから返ってきた言葉は意外なもので。
「ごめんなさいね魔理沙、初詣はまだちょっと忙しくて行けないのよ」
「え、そうなのか? そりゃ残念だぜ」
「だからシンと一緒に行ってね?」
「そういうことなら仕方がな」
きっかり三秒固まり、アリスの言葉の意味が頭に浸透してくると。
「う、うぇい!? な、な、な、なんで」
「忙しいんなら仕方がないか、お前の分まで拝んでおくよ」
魔理沙の動揺に意外そうな目を向けながらもシンはあっさりと納得する。
だが魔理沙からしてみれば想定外もいいところだ、これではシンと二人っきりになってしまうではないか。
あれ、それっていいことなんだっけ悪いことなんだっけと葛藤する魔理沙を仕方がなさそうに苦笑しながらアリスはシンに耳打ちする。
「分かってると思うけど、魔理沙になんかしたらひどいからね」
「はいはい、よーく分かってますよアリスおぜうさまーっと」
「ちなみに何もしなくてもひどいからね」
「俺にどうしろというんだ!?」
そんなこんなでシンと魔理沙は博麗神社についたのだが。
「予想以上に多いな………流石正月だな、魔理沙」
「そ、そ、そ、そうだな。うん、流石は正月だぜ」
何がどう流石なのかは魔理沙にもよくはわかっていない。というより神社までどうやってたどり着いたのかも曖昧だ。
二人っきりでどこかに出かけるということがここまで緊張するものだとは思わなかった。
周囲にはたくさん人がいる、そのことは分かってはいるのだがどうしてもすぐ側にいるシンを強く意識してしまう。
「しっかし、振袖着てきたときには誰かと思ったよ」
「に、似合わなかったか?」
今更になって不安になってきた、シンはああは言ったが本当は自分に気を使ってくれたんじゃないかと思えてくる。
しかし、そんな魔理沙の不安が伝わったわけではないのだろうがシンは笑って首を振った。
「そんなことないって言ったろ、綺麗だと思うけど」
完全な不意打ちに思わず固まってしまった。前々からこういう不意打ちが上手い奴だとは思っていたが、ここまで不意を突かれるとは思わなかった。
立ち止まってしまった魔理沙にシンは不思議そうな顔を浮かべる。
「どうかしたのか?」
「…………な、なんでもないぜ。たださ、なんていうか」
「うん?」
「…………やっぱり、何でもないぜ。なんでもないんだけど、さっ」
心臓がばくばくいっているが、ここで言わなければきっと後悔するだろうという直感があった。
だから、勇気を出さなくては。
「あ、ありがとうな、褒めてくれて」
はにかみながらも、どうにか言えた。ただの感謝の言葉なのにどうしてこうも胸が高鳴ってしまうのか。
始末の悪いことにその胸の高鳴りも決して嫌なものではないと魔理沙は思っていて。
シンの言葉に動作に一喜一憂して、その全てが嬉しくてたまらない。
シンと会う前では考えられなかったことだ、そのこともまた嬉しくて。
魔理沙の言葉にシンはくすりと笑い、どういたしましてと返す。
シンからしてみれば見た感想をそのまま言っただけだ、それでここまで喜んでくれるとこちらまで嬉しくなってくる。
「ところで魔理沙、何お願いするのか決めてるか?」
「お願い………ま、まあ当然決めてるぜ、内緒だけど」
今ちょっと叶ってるけどな。そう小さな声で呟いた言葉はシンの耳には届くことはなかった。
「そっか。俺は………うーん、世界平和かな」
「また大きく出たな、いくらぐらい出すんだ?」
「55円。ご縁がありますようにってさ」
「そんなはした金で叶うのか、世界平和?」
「っていうより、55円でこき使ってやるの、神様をな」
悪戯っぽく笑うシンに思わず魔理沙もつられて笑ってしまう。
55円でこき使われる神様という構図も、そんなことを思いつくシンもなんだかおかしかった。
「お前って、神様信じてるんだか信じてないんだか分かんないな」
「神様に祈って上手くいったら信じる、上手くいかなかったら信じない」
「適当だなあ」
「そんなもんだろ、普通に生きてればその程度だよ」
霊夢と早苗には悪いけどな、と続けてもう一度、今度は屈託なく笑った。
その笑顔に魔理沙は一瞬見惚れるが、すぐに赤くなって目をそらしてしまう。
「と、そろそろか。それじゃ、世界が平和でありますように、っと」
お金を放り投げて賽銭箱に入れると紐を引っ張り鈴を鳴らして手を叩く。
しばらく目を瞑っていたが気がすんだのか目を開けて参拝客の列から抜け出した。
もう参拝が終わってシンの顔を見ていた魔理沙もシンを追うようにして列を抜ける。
「さて、どうする魔理沙、お守りでも買って帰るか?」
「それもいいんだけど、ちょっと疲れたぜ。中入ろうぜ中」
「中って、神社の中か? 流石に不味い気が」
するからやめた方がいい、と言おうとしたのだがそれよりも早く魔理沙は神社の裏に回ろうとしていて。
ため息を一つついて魔理沙の後を追う、中で休むためではなく彼女を止めるために。
「へっへ、思った通り誰もいないな。広々としてこりゃいいや」
ごろん、とだらしなく横になった魔理沙にシンは肩をすくめる。
勝手知ったる他人の家と言わんばかりに上がりこんだ彼女を何度か止めようとはしたのだが。
「罰あたりもいいところだな、というか霊夢に後で怒られるぞ?」
「いいのいいの、ただ休むだけだからばれないって」
「そういう問題じゃないだろ、全く」
そう言いながらもシンもその広さには心惹かれるものがある。
この広い和室に大の字で寝転んだら気持ちいいだろうなという微妙な誘惑を断ち切って縁側に腰掛ける。
「少し休んだら出るぞ、ばれたら霊夢からそりゃもうえらいことされるからな」
「あー、それは確かに………よっし、じゃもう行くぜ」
「早いな、いいのか?」
「十分休んだし平気! じゃ、後はお守り買って………そっからどうする?」
「里で何か入れるか、屋台ならやってそうだしな」
頷き立ち上がる、しかしその振袖は少し乱れてしまっていて。
魔理沙もそのことに気付いたのかしまったと言いたげな顔を浮かべている。
「着つけは一人でできたんだろ?」
「全部脱がないと流石に………」
やれやれと肩をすくめて縁側から立ち上がる。
せっかくの正月なのだからとアリスが上海人形達に振袖を着つける手伝いをしていた。
人形と人間というサイズの違いはあるが、少々乱れた程度ならばシン一人でも直せると判断。
「動くなよ、これ以上崩れると直せないから」
「直せるのか?」
「アリスの手伝いぐらいだけど、まあ何とかなるだろ」
言うが早いか帯に手を伸ばそうとする。シンからしてみればそうしなければ直せないのだから当然なのだが、焦ったのは魔理沙だ。
肌が見えてしまうのではないのかと気が気でない。
「え、えーと。見ちゃやだぜ?」
「………出来るだけ、見えないようにはするよ」
しばらくは外の喧噪に交じって衣擦れの音が聞こえるだけだったが、沈黙に耐えきれず二人とも視線が泳いでしまう。
そう、二人ともだ。魔理沙だけではなくシンもなんとなくの居心地の悪さを感じていた。
その理由は視線を下ろせばすぐに目に入る魔理沙のうなじ。
魔理沙が見ないでと言わなければ気にも留めなかったそれに気を抜くと視線が吸い込まれそうになってしまう。
(何考えてるんだよ、俺は!)
そんな風な目で見るのは魔理沙に失礼極まりないこと。それに霖之助もいい気分はしないだろう。
口調こそ素っ気ないが、彼にとって魔理沙がどれだけ大切な妹分かぐらいシンにだってわかる。
そんな魔理沙に、そういう目を向けるなどどうかしている。どうかしているとは思うのだが。
帽子もかぶらずいつもとまるで違う衣装の彼女は、とても可愛らしくて。
「いや違うから」
「うぇ、な、なにが!?」
「あ、いや、何でもないよ」
可愛らしい、というのはまるで人形のような、である。まかり間違っても魔理沙を一人の女性として意識したということではない。
断じてない、ないったらない。特に根拠はないが絶対にないのだ。
その証拠に魔理沙に「かわいいね」と言うことぐらいなんてことは。
(ない。けどまあ、わざわざ言うことではないよな、うん)
人それをヘタレと言う。もっともヘタレ云々は魔理沙にも言えることなのだが。
後ろを見ればシンの苦悩の顔を見ることができるというのに、肝心な魔理沙はと言うと。
(どどどどどど、どうしよ、なんかシンの息が聞こえるー!?)
テンパったまま固まっていた。ヘタレなことこの上ない。
しばらくはそうやってヘタレ二人は黙っていたが、沈黙に耐えきれずシンは大きく視線を動かして外を見た。
別に気不味くない疲れただけ疲れただけとヘタレ全開な言い訳を心の中でしながら。
何とはなしに外を眺めていた、その時だ。
キラがいた。心底嬉しそうな満面の笑顔を浮かべて外に。
「…………え?」
が、一瞬瞬きをした瞬間にどこかに消えてしまった。
気のせいなのか、と思うが見間違いとも思えない。
じっくりと見ていたら魔理沙がどうかしたのかと聞いてきた。
「いや、いまキラさんが」
「キラ? いないじゃないか」
きょとんとした顔で魔理沙に言われ、やはり見間違いだったのかと首を傾げる。
一瞬のことだったし、そう言われると自分の勘違いだったような気もしてくる。
「ま、あの人がいたらいたで声ぐらいかけるか」
そして余計なちょっかいも。それがないということはやはり見間違いか。
そう結論付けて振袖の帯を改めて締め直す。
「よし、出来たぞ」
「おう、さんきゅ。で、これからどうするんだっけ?」
「おいおい………お守りを買って、いったん何か食うんだろ。それから守矢神社に行くのもいいかもな」
「早苗んとこか。そだな、行ってもいいなー。でもまずはご飯だぜ」
話がまとまり二人はどこで食べようかと相談しながら靴を履き直す。
靴をはいて立ち上がり、シンは謝罪の意味を込めて神社の中にぺこりと一礼を。
早く早くとせかす魔理沙に苦笑しながら表に出てお守りを販売している列に並ぶ。
さほど並んでおらず、これならすぐにでも買えるな、アリスの分も買おうかと思いぼんやりと列を見ていた。
その先を何となく見ていると、巫女服を着て手伝っている見知った顔を見つけた。
向こうもこちらに気付いたのか、おやという表情を浮かべる。お守りを買っていった参拝客が列から外れていきシン達の晩になり。
「あれ、デスティニーじゃないか、あけおめだぜ」
「うむ。久しぶりだね、ご主人に魔理沙」
「霊夢に地霊殿から引っ張り出されて手伝わされてるのか、デスティニー」
「まあそんなところだね、霊夢はご主人も駆りだそうとしていたらしいがね」
が、とはどういうことなのか。くい、と顎でしゃくるようにしながらシンの背後を指差す。
何かと思い見てみれば、本殿の中で破魔矢やらなにやらを参拝客に手渡している霊夢の姿、そしてその隣で手伝っているのは。
「キラさん?」
「何故かは知らないが、先ほど急に来て手伝うと言いだしてね。何を企んでいるのか」
「企むとかは知らないけど、珍しいな、あの人が働くとは」
「お前らひどいな? いや私もそう思うけど」
キラもこちらに気付いたのかキラッ☆とポーズをとって挨拶をしてくる。
「いらっ★」
「正月早々喧嘩はやめい。ふーん、相変わらず何考えてるのかよう分からんな」
「いつものことだがね。さっきもどこかに行っていたし………それで、お守り。買っていくのだろう?」
「おう、そうだったそうだった、どれにするかな………アリスにはどれがいいと思う、魔理沙?」
そう言われ魔理沙は少し考え込む。勉強関係でもいいのだろうが、アリスは何となくそう言ったものに頼るイメージがない。
色恋沙汰も、まあないだろう。とするとやはりここは無難に。
「やっぱり家内安全とかがいいんじゃないか、それか健康祈願とか」
「出産祈願があるけど」
「刃物持ち出されていいんなら買ってけば? 知らんぜ私は」
「ソダネ………んじゃ家内安全でいいか」
「ならばご主人は健康祈願を買っておきたまえ、身体が資本だろう?」
そうだな、と頷きデスティニーの手からお守りを受け取る。
魔理沙もどれにしようかなと考えていたら、デスティニーがお守りを差し出してきて。
「恋愛成就。これじゃないかね?」
小声でそっと魔理沙に囁いてきた。その顔は悪戯っぽく笑っていて。
デスティニーの気持ちは実のところありがたい、こういった神頼みにも縋りたい心境ではある。
ある、のだが。
「ごめん、せっかくだけどいいよ」
断った。それが意外だったのかデスティニーにしては珍しくぱちくりと目を白黒させている。
一瞬そうしていたが、シンが怪訝な顔を浮かべたのに気付くと軽く咳払いをした。
「………いいのかね?」
「うん。まあなんていうか、願ってばっかりじゃ駄目かなあ、とか、そういう、なんていうか」
後半はしどろもどろになりながらだったが、それでもお守りには頼らないという意思。
そんな魔理沙をデスティニーはしばらく見ていたが、彼女が何を思ってお守りを断ったのかに気付くと静かに微笑んだ。
「なるほど、ね。そういうことか………相変わらず乙女だね、君は」
「いや、別にそんなんじゃなくてだな」
「そんな乙女な君に、はい、お揃い」
健康祈願のお守り。これぐらいはいいだろう、と唇を持ち上げるデスティニーに魔理沙は何度か頷く。
神様には頼らないつもりだが、それでもお揃いというのは何かうれしいものだ。
「へへぇ、ありがとなデスティニー」
「そろそろ詰まってきているな、すまないが」
言われて後ろを向くと列が中々に長くなっていた、後ろに並んでいた人に頭を下げて二人は列から外れる。
健康祈願のお守りをしばらく眺めていた魔理沙だったが、シンの興味深そうな視線を感じて首をかしげた。
「なんだぜ?」
「いや、元気なお前らしいなって。それじゃ、ご飯か。俺が奢ってやるよ」
「お、太っ腹だな。んじゃあ、高級キノコ料理を」
「ベニテングダケとかでいいか?」
冗談交じりに反しながら里に続く階段へと向かう。
と、ふと思い出したようにシンが魔理沙に訪ねてきた。
「そういやさ、お前は何を願ったんだ? 俺だけ言うってのは不公平だろ」
「うぇ? あ、いやー、それは、えーと………ひ、秘密だぜ」
「なんかずるくないかー」
「高級キノコ料理をあきらめてやるからそれで勘弁してくれい」
やれやれ、と肩を竦められたが、とてもじゃないがシンに言うわけにはいかない。
もし言ってしまったら、気づかれてしまったら心臓が爆発する自信がある。
(言えるわけないぜ、あんな――――)
シンに、自分からアプローチできますように。
願いではない、誰かからの手助けではなく自分でどうにかしたい。そんな決意を込めたことを祈っていた。
気恥かしくなりながらも何となく思う。
今年も、いい年でありますようにと――――
278 :シンの嫁774人目:2013/01/14(月) 23:54:23 ID:VE2VqMa.
今、ハルヒクロスやったらジョジョネタだらけになるんだろうな。
「ハルヒ、お前の次に吐くセリフは"遅かったじゃない、何してたのよ"だ!」
「遅かったじゃない、何してたのよ…ハッ!?」
「テメーはこの小泉一樹が直々にブチのめす」(オセロ)
みたいな感じで。
おまけ・1
「どうにか少しはけたわね………にしてもキラ、あんたが手伝うとは意外だったわ」
「僕がやらなけりゃシンに頼むつもりだったんでしょ?」
「まあね。それがなんだっての?」
「クックックーン、そういう主人公フラグが立ちそうなことをシンにやらすわけにはいかないね、なぜなら主人公はこの僕だから!」
「ふーん」
「何その反応、冷たいね。興奮するよ」
「シンは関係なかったんだ。私はてっきり」
「シンと魔理沙がいい雰囲気だったからそれを壊すのもどうかなーって思って代わりに手伝いをかって出たのかと思ってたけど」
「もももももちろんさあそそんなわけあるわけわけわけ」
「そっかー、違うのかー。私の勘って案外大したことないわね。そう思わないキラ?」
「ソウデスネ、トッテモソウオモイマスデス」
「…………」
「…………」
「あんたは本当にシンのことが好きなのね、若干ウザい程に」
「違うよ!? これはその、そういうアレじゃないよ!?」
「はいはいじゃあそういうことにしとくからチャキチャキ働きなさいな、ほら、参拝客が来たでしょ」
「本当に違うからね、そういうことじゃないんだからね、違うからね!?」
「いいから働け」
「うう………で、どこに」
「あけましておめでとう、キラ(CV.石田彰)」
「あばよ涙!!!」
「よろしく勇気(CV.石田)」
「うあああああああああああ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
「今年もよろしく(CV.石(ry)」
「はい、よろしくー。キラ、手を止めない」
おまけ・2
「…………なんか今、ツッコまなきゃいけないことがあったような」
「気のせいだろ。そんなことよりあけおめだぜ、早苗」
「いえいえ、こちらこそ今年もよろしくですよ。わざわざ来てくれてありがとうございます」
「なんもなんも。忙しそうだな、いいこと………なのかな。俺にはちょっとよく分からないけど」
「参拝客に妖怪さんが混じってるのが気になりますけどね」
「博麗神社でもそうだったし、幻想郷ではそんなもんだぜ?」
「はあ、なるほど。やはり幻想郷では常識にとらわれてはいけないのですね」
「ブン投げていいわけじゃないと思うけどな。そう言えば諏訪子さんはどうしたんだ、なんか見てないけど」
「諏訪子様なら神奈子様にコキ使われてますよ? なんでも」
「ヒャッハーーーーー男と女はれいぽうだーーーーーーーーーー!!!」
「オンバシラステーク!!」
「メメタァ!?」
「………理由は全く存じ上げないのですが、ええ全く」
「そっかー分かんないならしょうがないなー。にしても、結構見た顔がいるな」
「お、ホントだ。大妖精にうどんげに妹紅に幽香に、ほかにも色々いるぜ、ってどうした早苗、頭抱えて?」
「い、いえ、なんでも。ただなんていうか、地雷原でスキップしてる気分というかなんというか」
「よく分かんないこと言うな、ちょっと俺挨拶してくるよ」
「あ、じゃあ私も行くぜ、直接会う手間が省けたな」
(危機感ーーー!! もっとNTR的な危機感持って下さいよ魔理沙さーーーん!! 危機感の原因の一人が言うのもあれですけどーーーー!!!)
最終更新:2013年04月20日 20:02