1
シャル「日本の夏って暑いね、こう暑いと道頓堀から飛び込みたくなっちゃうよ」
鈴「衛生上よろしくないからやめた方がいいわよ」
ラウラ「む、二人とも。すまんがお兄様を見かけなかったか」
シャル「え?シン?そういえばみかけてないなぁ」
箒「シンならセシリアとあっち方面に向かっていったぞ」
ラウラ「あっち…?」
シャル「……っ!?ちょっと待ってあっちって確か人気の少ない荒地だったはずじゃ」
鈴「そんなところに二人は一体…」
シャル「こうしちゃいられないよ、早くいかないと!!」
ラウラ「くそ、セシリアの奴め。一夏狙いだと踏んでいたがまさかお兄様狙いだったとは…」
シャル「ボクとした事が…油断してたよ」
鈴「しかし、なんで学園に荒地なんか」
箒「土地を余らした結果みたいらしいぞ」
セシリア「シンさん…お上手ですのね」
シン「そんな事ないさ」
一夏「いやー、そうか?俺なんてもう腰が痛くて」
鈴「い、一夏!?」
シャル「しかも上手とか腰が痛いって」
箒「さ、三人で、だと!?」
ラウラ「お兄様!一体全体どこにいたのですか!」
三人娘「「「ちょっとお前は空気よめぇっ!!」」」
セシリア「あら、皆さんお揃いで」
箒「な、せ、セシリ…ア?」
そこには軍手をはきジャージに麦わら帽子をし土に汚れたセシリアがいた。
鈴「あ、あんた一体その恰好どうしたのよ」
シャル「しかもよく見るとそのジャージうちのじゃないよね、あずき色で三本線はいってるし」
セシリア「中学時代に着てたお古でして」
箒「しかも名札まで…なんで漢字表記なんだ?」
ラウラ「うう、私を除け者にして何をやっていたんだお兄様」
シン「ああ、悪い悪い。ちょっと畑耕してたんだ。この二人はその手伝い」
シャル「えっ、畑?」
シン「ああ、ほら俺寮で一人だろ?夏休みの間は寮の飯は止まるし金は少ないしでさ。
ちょっと先生に相談したら、学校側が特別にここにちょっとした農園作って良いって
言われてさ。まぁ、管理はこっちもちなんだけど」
一夏「で、俺は手伝いで来て。セシリアはなんか元からいた」
シン「いやぁ、農園の作り方の本読んでたらセシリアが話しかけて来てさ。なんか話してみたら
詳しくって」
セシリア「あら、シンさんこそ素人じゃない知識と手付きしてましたわ」
シン「両親がこっち関係の人で…完全に教われなかったけど」
シャル「へ、へー」
シン「あ、どうせならお前らもやっていくか。今イモの収穫をしてるんだ」
ラウラ「て、手伝っていいのか!お兄様!」←目を輝かして
セシリア「はぁ、やっぱりこの土の匂い…いいですわね」
鈴「(本当にこの子いいところのお嬢様なのかしら)」
この日取れたイモで作ったバタジャガがおいしかったそうでした。
おまけ
シャル「ほかにどんなの作ってるの?」
シン「んー?人参とか…なすとか…でも最近はなんかなー」
鈴「なにかあったの?」
シン「いや、なんかどっかから『もやし…もやしを育てなさい』とか
『花を育てなさい、そうねひまわりなんかどうかしら』とかいう声が聞こえる気が
して………」
鈴「疲れてるんじゃないの…あんた」
2
一夏「はぁ、暑い…」
シン「本当にな…(オーブでもこんな日そんなねぇぞ)」
千冬「コラ、男子!男のくせにへたれてだらしないぞ!」
シン「いや、でもこの暑さは尋常じゃないですよ」
ラウラ「お、お兄…様も、まだ、まだだなぁ…」
シン「うわぁぁ、ラウラ!お前そう言いながらふらついてんじゃないか!」
セシリア「ああ、ほら無理しないで。木陰で横になって水分取らせないと」
ラウラ「ま、まだまだぁ…。あれ、セシリアの胸が4つに…」
一夏「これは冗談じゃないレベルなんじゃないか」
シン「おれちょっと冷やすもの持ってくる」
セシリア「ちょっとゆっくりさせてから保健室にいかせましょう」
一夏「それにしてもセシリアは大丈夫そうだな、暑さ弱そうなのに」
セシリア「故郷では意外と昼間はこのように暑いんですわ。おかげで牧場とか菜園とかは
気を付けないと。まぁ夜は油断すれば寝冷えする事もありますが…」
一夏「(牧場…馬とかかな、にしても菜園かやっぱワイン用のブドウの自家栽培を見てたり
してんのかな。お嬢様だな)」
セシリア「(ああ、そういえばまだバタジャガを食べていませんわ。そろそろシンさんの畑
(注:学校で使用してない空地)で取れる頃合いですから、手伝いついでにお
すそわけしてもらいましょう)」
シャル「大変そうだね、手伝うよ」
シン「お前らも…なんか大丈夫そうだな」
シャル「こんな暑さに参ってたら甲子園球場なんかにいけないよ?」
鈴音「スタジアムの熱気はこんなもんじゃないわ」
箒「匂いがないだけまだ天国だな」
シン「お、おう。そうか…」
千冬「こんな程度でへばっていたら夏のアリアケは越せないからな」
山田「ボランティアで参加した時の戦場に比べれば…ですね」
最終更新:2014年02月02日 14:05