アットウィキロゴ

東方種子語18話(後編)

デスティニーが紫を追って飛び込んだ先は赤紫色の異空間だった、しかしその空間はすぐに途切れて終わり、辿り着いた先は民家の和室。
だが先程白玉楼に連れ込まれた時ほどの動揺はなく、ある程度の落ち着きを持って周囲を見渡すとどこか見覚えがあった。
『ここは………八雲紫の? 家? か? なんだってここに?』
そう、ここは八雲邸の中。とてもじゃないが戦闘には―――たとえそれが弾幕ごっこであったとしても―――向かない場所である。
だのに何故。デスティニーは考えるが先程の状況を鑑みればすぐに結論は出た。紫はデスティニーに結界ごと殴り飛ばされたのだ。
そんな状況で場所を選ぶ余裕があるだろうか。あった、とは言い切れない。何せ相手は八雲紫だ、もしもという可能性はある。
しかし彼女の身体能力はさほど高いとも思えない、それならば余裕がなかった可能性も決して低いものではないはずだ。
そう考えるデスティニーだったが、紫の姿を見失っていることに小さく舌打ちをした。

紫からロックは外れておらず捕捉は常に行っているが、それでも目視確認ができないのはあまりいい状況ではない。
不意の事故というものは往々にして起こり得る。それこそ八雲紫なのだ、何をしてくるかなどわかったものではない。
流石に列車を持ち出しはしないだろうが、その裏をかいてくるのかもしれないという考えは否定しきれない。
どうすべきか考えあぐねていたが、ひとまず左手に発生させていたパルマフィオキーナの光球を解除しなくてはならない。
ゲシュマイディッヒパンツァーを停止させると自然に光球を形成していた高密度の粒子が崩れて虚空へと溶けて行った。
エネルギーの消耗を考えれば非常に痛かったが、だからと言って形成を保っているわけにもいかない。
残ったエネルギーでどうすれば紫を追いつめられるのか、周囲の警戒を行いながら必死に考える。

そんなことを考えていたら、しゃっと乾いた木がすれる音を立てて正面の襖が開いた。そこには紫の姿が。
その表情には今まで浮かべていた妖しい微笑はなく、デスティニーに対する呆れと幾許かの非難があった。
「何というかまあ。やりすぎもいい所よ、だれが直すと思っているのかしら」
『だれがそうさせたっ、列車なんてもの持ち出すからでしょうに!』
どちらも間違いなく正論である。そのことは紫もデスティニーも理解はしているのだが、それでも納得いかないものはある。
その納得のいかなさを紫にぶつけようとデスティニーは言葉を重ねようとしたが、背後で襖が開く音を聞くと反射的に飛び退る。
直後、デスティニーが立っていた場所を光球が通過していった。その光景を見るがデスティニーは驚きはしない。
実際のところ、八雲紫がどれだけ途方もない存在なのかは霊夢から聞いて理解しているつもりだった。
しかし、列車を叩きつけようとしたことでその認識がどれだけ甘いものだったのかを痛感させられた。
正直悠長に会話することさえ馬鹿な行動だった、どれほど瑣末なことであろうと警戒を怠ってはならない。
それがデスティニーの八雲紫に対する判断である。強さのベクトルこそ違うが、間違いなく彼女はキラ・ヤマト同様の強者だ。

しゃっと音を立てて、今度は右手側の襖が開く。再び飛来する光球をデスティニーは少しだけ余裕を持って回避。
横切った光球をデスティニーは何の気なしにふと見た。球とは言うが少しだけ楕円形のそれの中心には棒状のものが。
しかし、その棒はただあったのではない、まるで生き物のように蠢いていた。或いは「ように」ではなく本当に生き物なのか。
棒。高速飛行。正体不明。子供のころ読んだ謎学本で見たある生物の名前が自然脳裏に浮かんだ。
『ロッズ? そういうもの、なのか?』
ロッズ、またはスカイフィッシュとも呼ばれるそれと非常に酷似―――実際に見たわけではないが―――していた。
それを操り、それとも通り道を作っただけなのかは判然としないが、それを攻撃に扱っている。
当たったところで大したダメージにはならないだろう、しかし紫の狙いは他にあることは明白だ。

確かにデスティニーの装甲は傷つかない、しかし生命体の温度を食うというロッズがデスティニーのエネルギーも食えるのだとしたら。
ロッズがどれだけエネルギーを食うのかは分からないが、下手をすれば物理的攻撃を食らうよりも不味いことになる可能性がある。
当たれない、デスティニーがそう判断すると同時に四方の襖が同時に開いた。
「飛光虫ネスト。いつもよりちょっとだけ違ったりするのだけれど、知ってたかしら?」
紫の誰に対して言っているのか分からない言葉と同時に襖の奥が発光し始め、その光の中から大量の飛光虫が飛来した。
四方からくる飛光虫に舌打ちをすると、スラスターを噴射し天井にぶつからんばかりの勢いで急上昇。
天井の梁を何本か折りながらも飛光虫を避けながらビームライフルを巣目掛けて連射した。
これで潰せるかどうかは自信がなかったが、飛光虫が放たれたビームに誘蛾灯に群がる羽虫の如く集まってきたのを見て舌打ちを打つ。
放たれたビームは巣には届きはしたが、飛光虫に熱を喰われて威力が相当減衰されていた。

恐らく長射程砲でも結果はそう変わらないだろう、巣の破壊はできないことはないが効率が悪すぎる。
ビームでは巣を潰すことはできない。やるとしたら直接叩くのが一番。ならばアロンダイトで?
いや、アロンダイトを叩きこむよりも飛光虫がデスティニー自身に群がるほうが早いだろう。
そうなってしまっては例えエクストリームブラストを解除していてもエネルギーを喰い尽されてしまうことは目に見えている。

やるとしたらアロンダイトのような「線」ではなく「面」でだ。デスティニーにはそういったことができる兵装はない。
そう、デスティニー「自身」には、だ。やるべきことを決め、ふと何気なく床を見下ろすとデスティニーは絶句した。
なにしろ、床に襖がごく普通に存在していたのだから。当然だが天井に飛び立つ前はそんなことはなかった。
紫の手によるものかと考えるが、直後鳴り響くアラート音に戸惑いの声をあげてしまう。

「反応多数、八方より来ます」
デスティニーの言葉通り、八方から飛光虫が飛来する。前後左右上下、述べ付く間もなくデスティニーに向かってきた。
気づけば天井にすら襖が存在していた。室内は最早白玉楼に出る前にいた赤黒い空間、それと同様の非現実的で悪趣味な空間と化していた。
ウイングバインダーから紫色のコロイド粒子をまき散らしながらデスティニーは最大機動で狭い、いや、狭かった室内を飛び回る。
十畳ほどだった室内はいつの間にか倍か乗かと見まごうばかりの広さとなっている。
(本当に何でもありだな、いや、今は!)
天井の梁に手をかけ、そのまま力任せに引き抜く。両端がメキメキと音を立てて折れてしまい少し短くなってしまった。
それでもデスティニーの全長よりは長くアロンダイトよりも太い、今はこれで十分、足りなければもっといいのを取ればいい。

床にあった襖めがけて梁を振り下ろす、天井を擦り周りの畳も弾け飛び襖は木切れと紙にまでバラバラになった。
だが巣こそ破壊できたが巣から逃げ出してきた飛光虫に当たってしまいエネルギーがさらに減少してしまう。
やはり梁程度では長さが足りないのか、そう考えもっと長く太いものはないか周りを見渡す。
畳? 面としては申し分ないがやはり短いし強度も心もとない。柱? 悪くはないが梁と大差ないだろう。襖? 論外。
何ならば使えるか、飛び回る飛光虫を必死に避けながら見極める。使えるとしたら柱だろう、ただしもっと強度がいる。
もっと太く長いものはあるか。あった、今まで見たどの柱や梁よりも太いものが。
この屋敷の中央付近―――本当に屋敷の中にいるのかすらももう判然としなくなっているが―――に存在していた。
稼働時間はもう五分を切っている、迷っている時間はない。機体を掠めた飛光虫に肝を冷やしながらもその柱に手をかける。
腕部パワーシリンダーの力を込めていく、決して急に力を込めない。そんなことをしたら先程の梁のように中途半端に折れてしまう。
力任せではある、力任せで強引なやり方ではあるがその力の調整は繊細極まるものだ。

焦るなと自分に言い聞かせながら飛来する飛光虫をCIWSで迎撃しつつ柱に加える力を増していく。
そうしていくうちにめり、めりと木が折れていく音を響かせながら、その太い柱が縦から半分に裂けて引っこ抜かれた。
引っこ抜いた柱を両手で抱える。何故か紫が引き攣った顔を浮かべていたが知ったことではない。
柱を抜こうとする間に飛光虫に何度か接触してしまった、大半はCIWSで叩き落としたがやはり全てとはいかない。
「残り時間三分です、これより三十秒ごとにカウントを行います」
律儀なことだと思うが、しかし今はそれがありがたい。ここまで時間が切羽詰まっていると一々確認する時間さえも惜しい。
もう三分を切ってしまった、三分間で紫を下せるのかという不安が心によぎる。

いや、考えるな。どの道不利なのは承知していたことではないか。不安を感じないことなどできはしない。
生憎まだまだ生きているのだ、不安ぐらい感じる。同時にその不安に負けるものかという気概もまた。
大切なのは不安に取り込まれないこと。不安としっかりと向き合い付き合うことだ。
目をそらしてしまっては嘗ての二の舞だ、決して自分自身の弱さから逃げずに立ち向かわなくてはならない。
『う、お、おぁあああアアアッ!!』
デスティニーは叫びながら柱を横薙ぎに振り払った。同時に溜まってきた熱をウイングバインダーから排出する。
ドス黒く赤いコロイド粒子を翼からまき散らし、頭部廃熱機構から野獣の如き方向を響かせながら柱に更に力を込める。
振るわれる柱が襖を引き裂き、室内の柱をへし折りながら飛光虫ネストを押しつぶしていく。
轟音を轟かせながら柱を振りぬくと殆どの飛光虫ネストが破壊されて中に潜んでいた飛光虫も霧散してしまった。

だがまだだ、天井と床にまだ飛光虫ネストは残っている。それらを叩き潰すべく柱を勢いよく持ち上げた。
そうして持ち上げた柱は天井を擦り崩していく、だがそれに構うことなく床目掛けて振り下ろした。
叩きつけられた柱によって畳が吹き飛び藺草が舞い飛ぶ中で、飛光虫ネストの大半とその中にいた飛光虫が叩き潰されていく。
だが―――破壊されていくのは飛光虫ネストだけではない。デスティニーは気づいていない、自分が引っこ抜いた柱が何なのか。
それは家屋を支える大黒柱と呼ばれるものであった。その柱が抜けたのなら後は家屋は自重によって崩れだしていく。
紫の顔が引きつったのもデスティニーが大黒柱を抜いてしまったからだ。
いくら起こった事実すらも曖昧にできるとはいえここまで派手にやられては曖昧にしきれない可能性もある。

どうする、どうすべきか。焦れる頭でそう考えていた紫だったが、次の瞬間背後から現れた者を見て意外そうに眉をあげた。
金の髪、そして帽子から僅かにのぞく狐耳。藍である。呼んだ覚えはないが、危機を察知して駆けつけたのだろう。
スキマから姿を現した藍は大黒柱を床に叩きつけているデスティニーの姿を見るや即座に駆けた。
そして迷うことも無くデスティニーを殴りつける。こと純粋な戦闘能力で言えば間違いなく藍は紫よりも上だ。
しかし、いくら奇襲とはいえ避けられるのではという紫の懸念とは反対に、デスティニーはあっさりと殴り飛ばされた。
本当に呆気ないぐらいだった、回避行動に移ろうとすらしていなかった。その意味を考えながら紫は藍に声をかけた。
「んー。来いと言った覚えはないのだけれど、藍?」
「不要でしたか?」
咎めるかのような口調の紫に、しかし藍は悪びれることも無く言ってのける。確かに不要だとは言っていない。
むしろ最高のタイミングだった、大黒柱を引っこ抜いたデスティニーに面食らってあのままでは攻撃を受けていた可能性がある。

実に主人思いないい式だと、よくやってきてくれたと抱きしめて頭を撫でまわしながら言ってやりたかったが、生憎その暇はないらしい。
藍に殴り飛ばされたデスティニーは即座に立ちあがり藍を睨みつける。
常人ならそれだけで竦み上がりそうなほどの凶悪極まりないデスティニーの面持ちだったが、しかし藍は動じることはない。
「ふ、ん。なんだ砕けてなかったのか、面白くもない」
当然だと怒鳴りつけてやりたかったがそれこそ藍の思うつぼだろうということぐらい分かっている。
はらわたは煮えくり返っているが、それでも頭は冷静なままだ。突然の増援にどうすべきか必死に考える。

だが―――実のところ、この状況でとる最善手は考えるまでもない。
デスティニーの性能は知り尽くしている、況やエクストリームブラストの性能も、また。
知りつくすということは長所だけではない、その短所、欠点もまた、しっかりと理解しているということだ。
エクストリームブラストは極限まで一対一という状況に特化させてある。では、それ以外ではどうなのか?
決まっている、全く対応できないのだ。使い勝手が落ちる、などという生易しいレベルではない、戦いにすらならない。
そもそもエクストリームブラストの強さを支えているものはマルチロックオンをただ一機にかけることによる強力なロック能力だ。
それがあるからこそパイロットはエクストリームブラストの加速力に対応できている。

だが、逆にいえばその一機以外にはロックオンが出来ないのだ。
おかげでその一機には高精度な解析を行えるがそれ以外の機体はモニター上ではただの画像に成り果てる。
一直線に向かってくる列車だったからこそ受け止めることができたものの、複雑な動きをする相手はまず捕捉できない。
たった一機にロックを集中させなければその事態は防げる、しかしそれではエクストリームブラストの長所を削る行為だ。
パワーシリンダーで増大したデスティニーの全てを一機にぶつけるからこそのエクストリームブラストである。
それを分散させるぐらいならエクストリームブラストは最初から使うべきではない。
元々極端なまでに状況を選ぶ形態だ、だからこそ確信をもって言える、もしも複数を相手取ったのならば。

理論上、エクストリームブラストを発動させたデスティニーはメビウス三機をもってすれば「絶対に」落とせる機体となる。

無論現実にはそうそう上手くはいかないだろうが、その確信は誤差が起こりこそすれどまず外れないだろう。
それほどまでにエクストリームブラストは一対一という状況に極限まで特化させているのだから。
一対一という限定された状況、それ以外の状況を全て捨てているのだから。
(デスティニー、解除の準備をしておけ)
だから、この状況における最善手はエクストリームブラストを解除すること。
正直無ければ無いできついのだが、だからと言ってこのままずるずると発動させていては確実に負ける。
そういう形態だ、圧倒的な力で粉砕するか数の優位で削り殺されるか。そのどちらしか勝敗はない。
エクストリームブラストを解除する、しかしだからと言って何の考えも無く解除はしない。
もし無計画に解除したのならそれは紫にエクストリームブラストの欠点を知らせることにも繋がりかねない。
少なくともあの賢者なら確実に気づくだろう、いや、下手をすればもうすでに気づいている可能性すらある。

ひとまず傍らに手放していた柱を紫目掛けて投げつけ、柱が轟音を立てて床に激突したと同時に紫からロックを切る。
普段ならば時間がかかったと感じる間もなくロックを切り替えられるのだが、何分量が量だ。
マルチロックオンで増加した分のロックを外すのに一、二秒ほどかかってしまう。
そこから更に藍にロックを切り替えるのに同じぐらいかかるため、結果的に三秒から四秒ほど隙が出来てしまう。
完全に無防備というわけではないが、それでもどうしたってロックをかけている時と同じようには動けない。
段階的に切り替えていくのならばある程度隙は軽減できるのだが、代わりに時間が余計にかかってしまう。
それに動きも十全というわけにはいかない、多重にロックをかけているからこそエクストリームブラストはまともに動けるのだ。
中途半端にロックをかけたところで無いも同じ、それどころか複数の敵機を捕捉した状態ではまっすぐ飛ぶことさえ怪しい。
完全に制御できるのはそれこそ人外の化け物だろう、それほどまでに尖った性能に仕上げているのだから。
だからこそのロックを完全に外してからの再ロックだ、結果的にはそのほうが早くつく。

紫からロックは外れた、それならばと叩きつけられた柱によって舞い上がる藺草と木切れのなか仄見える藍にロックを行う。
だが、藍が動き始めているのにも関わらずロックがかかりきらない、床を蹴った藍がもう目の前にいるというのに。
まるで映画の背景で動いている通行人のように存在感を薄く感じる藍の、掌打を放つ動きに合わせて腕を上げる。
しかしその上げた腕をすり抜けるように藍は掌打をデスティニーの顔面目掛けて無造作に叩きつけた。
『が、はぁッ!?』
ただ無造作に突き出したかのような掌打は、しかしデスティニーを呆気なく吹き飛ばし地面に叩き伏せた。
それでも止まらずに一回転させるほどの威力。ダウンサイジングされているとはいえMSという金属の塊であるにもかかわらず、だ。
MSの姿だったからこそ吹き飛ばされるだけで済んだものの、生身だったのなら頭が破裂していてもおかしくない。
最低でも首はもげ落ちていたことだろう、とはいえその程度が出来る妖怪などこの幻想郷ではそう珍しいことではない。
むしろ力だけで言うのならば藍以上などごろごろしている、しかし問題はそこではない。

その程度が出来る妖怪が紫のサポートを行うということ自体が問題なのだ。
そもそも紫の弱点とは紫自身の戦闘能力はさほど高くないことだ、そこに付け入る隙があった。
境界を操る程度の能力を発揮させなければ、発揮させる暇を与えなければデスティニーでも十分勝ち得る。
だが、藍が直接戦闘を行うことでその隙は完全に潰されてしまう。藍自体の戦闘能力は然程高いわけではない。
少なくとも鬼や天狗、吸血鬼などと言った大妖怪ほど戦闘を得意とはできないだろう。
決して低いわけではないが、むしろ計略や搦め手で活きるタイプなのだろうとデスティニーは考えている。
しかし然程ではなくとも紫の隙を潰せる程度の実力はあるのだ、むしろ彼女がいるからこそ紫の戦闘能力は完成する。

(分かり切ってはいたけど…………きつい、なっ!)
そんなことは分かっていたのだ、デスティニーの性能を最大限に引き出せば八雲紫には勝てると判断したその時から。
境界を操る程度の能力は確かに強力極まりないが、しかしそれも発動できなければ意味がない。
発動する機会を与えないほどの苛烈さで速攻を仕掛ければ八雲紫は呆気ないほどに倒すことができる。
だが、そんなデスティニーでさえ気付けるようなことを、妖怪の賢者と呼ばれるような存在が気付けないものなのか。
答えは当然否、気付いているからこそ八雲藍を式神として運用しているのだろう。
狐、というより獣の妖怪変化は尻尾が多いほど強力であるという話を霊夢から聞いたことがある。
藍の尻尾の数は確認した限りでは九本。純粋な身体能力はまだしも、妖力がどれ程のものなのかなど想像もつかない。
その力で完全に紫のサポートを行うことに徹すれば八雲紫に対して存在していた勝ちの目は殆ど無くなる。

つまるところ、デスティニーはエクストリームブラストを以てすれば八雲紫という「個」には問題なく勝てる。
しかし式神までフルに活用した、境界に潜む妖怪という「存在」にはどうやったって勝てないということ。
分かり切っていたことでは、あるのだが。
(ロック………かかった!? ならさっ!)
藍にロックが切り替わったのを確認すると立ち上がりながら宙へ飛びあがり、長射程砲を構える。
ビームライフルは使わない、下手に使ったところでエネルギー切れが近づくだけだ。
少しでも射角を広げるために長射程砲をウェポンラックから取り外し、右手を砲身に沿える。
天井にぶつからんばかりの勢いで上昇を続けながら最大出力で撃つ、弾道は安定しないが構わない。

しかし放たれた閃光を藍はデスティニーとの距離を詰めながら回避する、だがデスティニーに動揺はない。
砲身の冷却期間を待つことなく更に長射程砲を撃つ、今度もまた出力を最大にしてだ。
どの道一発で仕留められるとは思っていない、出力をMAXにしたうえでの連射、藍をやれるとしたらこれしかない。
だが長射程砲に係る負担は尋常なものではない、当然の如くアラートが鳴り響いた。
(デスティニー、出力の調整頼むっ、砲身が焼け付くぎりぎりまで絞ってくれ!)
出来るなら最大出力で撃ち続けたいがまだ長射程砲を潰すわけにはいかない、多少出力を下げて少しでも多く撃つ。
たん、たんとリズムを刻み地面を跳ねるように動く藍目掛けて撃ち込んでいくが僅かに掠めただけ、再び距離を詰められてしまう。

舌打ちをして藍を右手で殴りつけようとしたが、それよりも早く長射程砲に衝撃が走った。
何が起きたのかと見れば、長射程砲に天井から落ちてきた墓石が叩きつけられている。
紫の仕業かと理解するのと同時に、腹部装甲にまるでMSが全力で体当たりしたかのような衝撃が叩き込まれる。
藍が放った全力の掌打が吸い込まれるように撃ち込まれてしまい、デスティニーはまたも吹き飛ばされてしまう。
先程軽く叩きつけたものとは違い、VPS装甲ではなく通常の装甲だったのなら装甲ごと容易くブチ抜かれていたことだろう。
吹き飛ばされるデスティニーの背後に赤黒い異空間が広がる、再びスキマの中へと送り込まれてしまった。
広がる異空間の中に存在していた岩塊に叩きつけられ、岩塊が砕け視界が遮られてしまう。
だが、好機だ。エクストリームブラストを解除するのに今以上のチャンスが再び回ってくるとは思うべきではない。
視界が遮られているのは向こうも同じ、確実とは言い難いが今はこれで十分。

(デスティニー、エクストリームブラスの解除を! 今する!)
そう告げると同時にデスティニーの装甲の色が漆黒からトリコロールカラーへと変わり、テールスタビライザーも腰部にマウントされる。
同時に機体各部のパワーシリンダーも展開していた装甲も赤かったカメラアイも元へと戻り、その姿は元のデスティニーのものだ。
最後にウイングバインダーから放出されていたドス黒くも赤いコロイド粒子の放出が停止しウイングバインダーを閉じた。
『ふ、ぅ? 戻った……戻った、か、ならっ、デスティニー、状況ッ!』
「エネルギーの残量がキツイ、フェイズシフトダウンも見えるぞ!」
デスティニーの口調も元に戻っているが、しかし今はそれどころではない。
ハイパーデュートリオンでフェイズシフトダウンが起こり得るというのは相当芳しくない。
だから無茶は効かないのだが、しかし相手はその無茶をしなければ到底敵いそうにないほどで。

「ほう? 成程な、そういう形態か。いや、まったく浅はかと言うべきか滑稽と言うべきか」
「あらあら藍、そんな言い方はよくないわよ。一対一以外の状況を捨てる、実に素敵な小賢しさだわ」
デスティニーを追ってスキマの中へと入ってきた藍と紫は、元の姿に戻ったデスティニーを見るなりそう評した。
それは、エクストリームブラストの欠点を理解できたからこそなのだろう。
そしてその欠点を即座に理解できるだけの知能を持っているということの証左でもある。
藍と紫の脅威はそこにある、ただ力が強いだけ強力な能力を持っているだけならどうとでもなる。
重要なのはその力と能力を最大限に発揮できる知恵を持っているか否か、だ。
二人ともそのどちらも持ち合わせている、それならばどうする、どうすればいい。

舌打ちをするも両肩にあるフラッシュエッジを握り、スラスターを吹かして一気に接近。
そして射程圏内に入ると同時に抜刀、抜き払ったビーム刃で藍を切りつけようとした。
だが切りつけるよりも早く藍の尻尾が器用に蠢き、デスティニーの手を打つ。
金毛の尻尾はその見た目に反して鋼の如き固さであり、フラッシュエッジを叩き落とした。
ならばと距離を取ろうとするがそれよりも早く藍が距離をさらに詰めて掌打を連続でデスティニーの腹に打ち込む。
一発一発がまるで戦車の主砲を思わせる威力、それが連続で叩きこまれるのだから堪らない。
『ぐ、おぁッ!?』
あまりの衝撃に意識を手放しそうになるが、それだけはするものかと必死にこらえ、CIWSを藍目掛けて撃つ。
それは殆ど無意識の行動ではあったが、だからこそ予測しきれなかったのだろう、堪らずに藍が後ずさった。
その機を逃すものかとデスティニーはスラスターを吹かしながら岩塊を蹴って藍から距離をとる。

だが、CIWSで隙が出来たのは藍だけである、依然として紫は健在だ。
決して失念していたわけではないが、それでも完全に対処しきることはエクストリームブラストでなくとも難しい。
藍に意識を配りながらも、紫から投げつけられた標識を避けたが背後から衝撃が。
墓石である、地面から落下した墓石が凄まじい速度でデスティニーにぶつけられていた。
この程度でVPS装甲には傷一つ付かない、しかしその衝撃で機体のバランスを崩してしまう。
そして、そんな隙を藍は見逃しはしない。岩塊を蹴ってデスティニーに肉薄しようとしていた。
『う、おおおおオオッ!?』
ビームライフルを連射して接近を阻止しようとするが当たらない。避けられてしまう。
めくら射ちではなくきちんと狙ったうえで撃っているにもかかわらず、藍の反応速度がそれを上回っていた。

完全に距離を詰めた藍に頭を掴まれ、そのままの勢いですぐ傍にあった岩塊に叩きつけられた。
顔を掴んだまま、衝撃で苦悶の声を漏らすデスティニーを更に何度も何度も岩塊に叩きつける。
ダメージとしては大したことはない、この程度ではVPS装甲に傷はつかない。
しかし、例えダメージが大したことがないのだとしても、いや、大したことがないからこそ屈辱で心が砕けそうになってしまう。
頭が怒りで煮えたぎりそうになるが、感情のままに動けばどうなるかなど、それこそメサイア攻防戦の時から分かり切っている。
必死に肩のフラッシュエッジを抜いて藍を切りつけようとした。しかし藍はあっさりとデスティニーを手放し距離を置く。
結果フラッシュエッジは空振り、勢い良く振りぬいたデスティニーは僅かに態勢を崩してしまう。
その態勢を崩したデスティニーの顎先に、藍のレールガンを思わせる速さと重さを持つ回し蹴りが叩きこまれた。
吹き飛ばされ、そのまま倒れ伏すところだったが、それよりも早く藍がデスティニーのブレードアンテナを掴み引き起こす。

そして引き起こしたデスティニーの上半身に、握りしめた拳を雨霰と降らせていく。
回し蹴りに比べればまだマシな威力だが、それでも下手なMSに殴られるよりも遥かに強烈だ。
VPS装甲に傷はつかなくとも、内部のフレームが歪み電装系がイカレていくのがはっきり分かる分装甲が損傷するより恐ろしかった。
このままでは上半身のフレームをガタガタにされかねない、しかしそれ以上に現実的な問題が目の前にある。
(くぅっ、デスティニー、エネルギーどうなってるっ!?)
(余分なものは切って装甲に回してる、だが長くは持たないぞ!)
そこまでしなくてはならないほど切羽詰まっているということ、しかし藍から抜け出せる目算も立てられない。
つまるところ、完全なまでに「詰み」である。よしんば藍をどうにかできても紫に勝てるとは到底考えられない。

ここまでである。ここまでであるのだが、それでもどうしたって悔しみがある。自分が負けるから、ではない。
自分の腕など大したものではない、一山いくらで十把一絡げにしてしまえる程度の腕でしかないと思っている。
それ以上に申し訳が立たないのがデスティニーに対してだ。本当によくやってくれているのに不甲斐ない。
デスティニーが負けるというのがどうしても悔しさが募ってしまう。まだ何かできるのではないかと模索せざるを得ない。
何かあるか、何かないのか。そうやって必死に知恵を絞っていると一つ、多少無茶な手を思いついた。
(馬鹿なことは考えないようにね、御主人)
しかしその考えは読まれていたのか、釘を刺すかのようにデスティニーに言われてしまった。
馬鹿なこと、確かにそうなのかもしれない。だが、一番勝算があって生存の目も小さくない手だ。
迷っている暇はない、躊躇している間にも状況は流れる。思いついたそれが、自分にできる最善のはずだ。

(………デスティニー、俺の合図で機体を戻す)
返ってきた言葉はなくただ沈黙だけ。だが呆れているだけではないのだろう、もしそうなら確実に二言以上皮肉が返ってくる。
デスティニーもその判断が最良だということに気付いているということだ、沈黙はその無茶に納得がいかないからだろう。
本当によくやってくれる。ならばその信頼に応えなくてはならない。大した腕はない自分だが、せめて相棒からの信頼にだけは応えたい。
「………ふ、む」
デスティニーに拳打を振るっていた藍が不思議そうな声を上げた。何かが変わった、わけではない。
しかしそれでも感じる違和感。根拠のないただの勘ではある、しかしそれを無視するほど藍は愚かではない。
勘とはどこともしれない虚空から突如現れるものではなく、己の全てから告げられる何らかの予兆である。
つまり藍自身の何かがデスティニーに何らかの変化があったと感じ取っているのだ。

油断、など最初からしていない。紫の式としてそのような恥ずべき思考などするはずもない。
だが警戒を強める必要があるのかもしれない、この男の人間性は矮小だが戦士としては多少は評価できる。
もし隙を作ってしまったのなら見逃さないだろう、必死な人間とはそういうものだということは藍は知っている。
この状況でならば何が出来るのか、しようとするのか。デスティニーに拳打を振るいながら考える。
まずは離脱しなくてはどうにもならないだろう、それならばどうやって抜け出すのか。
藍自身は力を緩めるつもりはないし、これから先も緩めるつもりはない。
だったらデスティニーがやろうとすることは藍の力を緩めることだろう。
しかしどうやって。そう考えながらデスティニーに拳を叩きつけようとした、その刹那。

(む?)
デスティニーの頭部を握っていた掌から伝わる感触が変化、金属の硬質な感触から生身の柔らかい感触へ。
シン・アスカの姿に戻ったのだと理解するのと腹に拳を叩きつけるのは同時だった。
直撃すまいとシンは身体を捩るがそれでも藍の拳の速さに僅かに間に合わず皮膚を掠める。
ただそれだけで、ただ拳が引っ掛かっただけで肉の裂ける音とともに内臓が腹からまろび出た。

「ふ――――うううううぅぅ!?」
痛み以上に、体の内側から引っ張られるような感触、そして体内にある喪失感に耐え切れずにシンは悲痛な呻き声をあげた。
紅魔館でも内臓がはみ出たが、やはりこんなおぞましい感触には到底慣れそうにはない。
だが呻いてばかりもいられない、この程度のダメージは想定内だ。無傷で済むとは初めから思っていない。
正直腹をブチ抜かれる可能性も考えていたのだから、内臓が出るぐらいなら御の字だ。

それに、考えていた「無茶」も「馬鹿なこと」もこれからなのだからへこたれているわけにはいかない。
腰に携えていたナイフを抜き払う、しかしその切っ先は藍には向いていない。
どの道こんなもので藍にダメージを与えられるとは思っていない、それ以前に当てることすらままならないだろう。
紫になら尚のことだ、そもそも離れているし例え近づいてきたとしても藍以上に当てるのは困難。
このナイフは藍を攻撃するものではない、無論紫でもない。では何に向けるのか。

―――決まっている。藍でもなく紫でもない。それならばここにいる者は、後は一人しかいない。
自分自身の喉元にナイフを当てて、訝しむような目の藍と一瞬視線が交差し。思い切りよくナイフを引いて自分の喉をかき切った。
びちゃり、と藍の顔に真っ赤な鮮血がかかる、ドス黒さなど全くない鮮やかさは動脈から流れる何よりの証だ。
怯んでくれれば、もし叶うのなら目潰しにでもなればいい、そう考えていたシンは知る由もない。
式にとって水は大敵だ、もし大量にかかってしまったのなら式が剥がれてしまう。
無論それは水に限った話だ、血を水と混同するものはそうそうはいないだろう。
しかし例えそうなのだとしても濡れることに慣れているわけではない、それは藍だって同じことだ。
ちょっとやそっとの水では式が剥がれることはないとはいえ、完全に虚を突かれた形で血を浴びせられては堪らない。
ほんの僅かであるが機能不全を起こしてしまい、シンを掴む腕から力が抜けた。

何故力が緩んだのか、そんなことを考える余裕などない。体内から失われていく血液、もう時間がない。
刻一刻とは言うが、本当に一秒ごとに意識が遠のいていくのが分かる、今すぐに傷を塞ぐ、いや、肉体を「作り替える」必要がある。
だから、叫んだ。ごぼごぼと喉から溢れ出る血に溺れそうになりながらも、肉体を作り替える方法を。己の相棒の名を。
「―――デ、ズ…………ディ、ニ゛ィィィィィッ!!」
叫びに対する返事はなく、返事の代わりとばかりにデスティニーの兵装がシンの身体に突き立てられていく。
アロンダイトが、フラッシュエッジが、長射程砲が、ビームライフルが、光波盾の発振機が、CIWSが、次々にシンの身体を引き裂いていく。
引き裂かれた皮膚は鋼となり、切り裂かれた肉は駆動及び電装系となり、撃ち抜かれた骨はフレームとなる。
そして感覚器官と脳はセンサーと処理装置となり、シンは再びデスティニーへと姿を変えた。
だがその装甲からは色が失われていた、度重なる破損によってエネルギーが大幅に減少してしまっている。
本来ならばVPS装甲への通電は問題がないはずだった、いくら破損がひどいとはいえそれぐらいのエネルギーは残っていた。
しかし今のフェイズシフトダウンを起こしていることにデスティニーは不満はない。

むしろVPS装甲に通電する必要はないと言うつもりだったのだ、わざわざ言わずともやってくれていることに感謝しているぐらい。
そう、余分なエネルギーはカット、装甲に回すはずのエネルギー、その分を全てパルマフィオキーナに回す。
ゲシュマイディッヒパンツァーによる粒子の循環はすでに完了している、自分の考えを理解してくれて本当にありがたい限りだ。
掌の中で循環を繰り返し、粒子が球状となったパルマフィオキーナのビーム、後はそれを紫に叩きつけてやるだけ。
その両足で駆けながら全てのスラスターを開く。紫を捕捉し、岩塊を強く蹴り跳躍、そして紫目掛けて一直線に飛翔する。
『パルマフィオキーナぁ、これでぇ………』
後先など一切考えず、ただ只管の最高速に機体が軋む、肉体が押し潰されるような錯覚に襲われる。
だがそれでも構うことなく、一秒でも早くパルマフィオキーナを叩きつけるためにさらに加速。
驚いた顔の紫と視線があった、だがもう射程圏だ、紫が腕を上げるよりもデスティニーがパルマフィオキーナを撃ち込むほうが早く。




『砕、け、ろォッ!!』




叫び。魂からの叫びと共に――――「背中から」衝撃が走った。同時に感じる熱、そこから生じる激痛。
藍が何かできるとは思えないのに、何が。必死で考えるけれどそれよりも意識が暗闇に落ちていくほうが先で。
意識を手放す直前、すれ違った無傷の紫と目があって。そのまま、痛みで意識を失った。





紫は遥か彼方に飛んで行き、岩塊に当たってきりもみしながら跳ね飛ばされるデスティニーを険しい顔で見ていた。
デスティニーがパルマフィオキーナを叩きつける直前、自分の目の前からデスティニーの背後にスキマを繋げた。
つまるところ、デスティニーは自分自身にパルマフィオキーナを撃ったのだ。
もしも通常の早さだったならスキマが開いていることに気付いただろうが、あれだけの速度では何が起きたのかもわからなかっただろう。
岩塊に何度も叩きつけられながら吹き飛んでいたデスティニーがようやく止まった。
がくんがくんと四肢を痙攣させる動きに意志は感じられない。恐らく痛みで意識を失っていると判断。
動力が完全に落ちたのか、やがてその痙攣も停止する。回収して表に出してやればいいだろう。
デスティニー、というよりもシンの実力を計るための戦闘、紫は今までの経緯を思い出していた。
そして何かあったとしても十分に御しきれる、最悪殺処分も決して困難ではないと結論付ける。

―――幻想郷は全てを受け入れる。だが、幻想郷の住人は全てを受け入れられるわけではない。
少なくともこの幻想郷を管理している紫には幻想郷を訪れた者に対して危険を推し量る義務がある、そう紫は思っていた。
あの程度ならば問題はない、そんなことより今は破壊された白玉楼と自宅を何とかするのが先だ。
特に白玉楼は幽々子がお冠になっていることは明白、早急に境界を操る程度の能力で破壊された事実を曖昧にする必要があるはずだ。
自宅もそうだが、恐らくそれだけで完全に元には戻せないだろう。曖昧にしきるには流石にあの被害は大きすぎる。
ある程度は直接修復を行う必要があるかもしれない、面倒ではあるがまあ概ね自分の責任なので我慢せねば。
そう考えて藍に労いの言葉をかけようとして握っていた手を開き―――何の気なしに、掌を見た。
汗でじっとりと湿る掌を。パルマフィオキーナが撃ち込まれそうになるその一瞬でかいた冷や汗。
スキマを背後に繋げるなどと言う優雅さの欠片もない返し方をした理由が、シン・アスカの努力の証がその掌の中に詰まっていた―――

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2017年02月11日 21:59
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。