落ち着け俺、今は状況の把握に努めるんだ。戦争は終わった、あの洗脳じみた握手から我に返り俺は除隊した。
軍人として生きることを辞め、ニートは勘弁だったし青春をしてみたかったので大学生になった。
この辺りにはいけ好かないがあの凸ハゲはカガリに根回ししてもらったので割とすんなり入学が決定。
ルナとは戦後の喧騒の中会えないまま別れ、住む所が決まってから手紙でも出すつもりだ。
無機質なメールでは無く、きちんと自分の字で、いまの自分を伝えたかった。
ザフト時代の貯金を使って一人暮らしには少々間取りの広い1DKのを借りて引越しは昨日完了。
片付けを終えてから墓参りと近況報告を兼ねて慰霊碑へ行った。
(ちなみにアカデミーの頃から金はほとんど使わなかったから貯金はかなりの額が貯まっていた)
慰霊碑の前で帰らない過去と、最近逝った戦友を想い涙し、落ち込む自分を励ましながら帰宅。
扉を開けた瞬間「お帰り!」っと声が聞こえ、怪訝に思いながら部屋に入るとマユが居た。
ここで絶叫しなかった俺は凄い、口は魚の用にパクパクしたが。
よし、俺の記憶に間違いは無い。多少説明的だったが気にするな、俺は気にしない
「なぁ、マユ……」
ふわふわ浮いているやや半透明気味のマユらしきなにかに問いかける。
「なに、お兄ちゃん?」
普通に答えが返ってきたことに驚いた
「なんで死んだはずのマユが俺には見えて、会話してるんだ?」
そう、まずは現状の確認だ。状況を理解しなければ戦場では生き残れない、先の戦争では頭に
血が上ったせいで、あのハゲにボコられた。
「お兄ちゃんがいつまでも私に未練タラタラだからだよ」
どこか嬉しそうな表情でマユらしき何かが答えた。
表情や仕草は確かに遠い記憶の中のマユにそっくりだ、だがまだ断定は出来ない。
「恋人にフラレたみたいなニュアンスで言うな……俺の脳はどうなってるんだ?この科学全盛時代に
まさか幽霊とかは有り得ない、仮にも元軍人。軍人は徹底したリアリストで……」
「そのまさかの幽霊だよ」
俺の声を遮って自称マユの幽霊は話し出す。
「まぁ信じられないのは分かるよ、あたしも自分が幽霊になって帰ってきました!なんて言われたって
信じられないし。でも愛する兄に信じて貰うために、誰も知らない、知られたくないって思ってる
お兄ちゃんの過去の秘密をこれから暴露します」
2時間後、俺は彼女を自称マユの幽霊からきっちりとマユの幽霊と認めた。いや、認めざる終えなかった。
そして俺の心は大破した……これからどうするか?とボロボロに(精神的に)なりながら聞くと
マユは懐かしい笑顔に喜びを混ぜて答えた
「妹が兄と暮らすのは当然でしょ!よろしくね、お兄ちゃん!!」
眩しい笑顔を見て俺の顔も思わずほころぶ。そしてある考えが頭をよぎった
「ってかこの設定だとステラも復活すんじゃね?そうなると3人同居?(人かどうかは名無し個人で判断汁!)
ルナとの事もあるしどうしよ……」
マユに再び会えた事に喜びを感じつつ、ちょっと不謹慎な考えを持ってしまった。
「ブツブツと一人でなに言ってるのよ!お兄ちゃん!!」
いつの間にか口に出していたのか、鳩尾にアカデミー格闘教官もビックリな衝撃を感じ、次第にブラックアウトする
意識でかろうじて声を絞り出す
「マユ……ローリング・ソバットはまずいだろ、常識的に考えて……」
逞しくなったマユの成長を喜びつつ俺は意識を手放した。
最終更新:2008年07月15日 18:00