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隔離涼子

だだっ広いリビングの全面ガラス張りの窓から、シンは外を眺めた。
漆黒の空間に浮かぶ、無数の銀河。楕円銀河、レンズ状銀河、渦巻銀河。
様々な形の大宇宙の神秘がちりばめられている。

「……いつ見ても、非常識な景色だな」

シンは溜息をつき、リビング中央の脚の低いテーブルに戻った。
そもそもの始まりから非常識まみれだった。メサイアでアスランに堕とされ、
目覚めてみたらいきなりこの得たいの知れないリビングに寝かされていたのだ。
そして、同じく部屋に閉じこめられていた人物と情報を交換し、
打開策が見つからないまま今に至る、というわけだ。

「天国とか地獄ってわけじゃないよなぁ。確信は持てないけど」

既にこの部屋に来て一週間、同じような事を考え続けていた。
そんな益もない行為にふけっていると、バスルームに通じるドアが開いた。

「シンくん?私の衣服って何処にしまってあったかしら?」

朝倉涼子――シンと同じく、この部屋に閉じこめられているもう一人の人物である。
腰に届く艶やかな黒髪、丁寧で穏やかな物腰の美少女であり、対有機生命体コンタクト用
ヒューマノイド・インターフェース、通称TFEI端末である。平たく言えば宇宙人。
ちなみにシンは、その説明に半信半疑である。

「ああ、それなら――って、何て格好してるんだよ!」

涼子のほうを振り向いたシンは慌てて顔を逸らした。
バスルームから出てきた涼子は短いタオルで体を覆っていただけだった。
火照って上気した肌、健康的な太股、タオルに締め付けられた豊かな乳房、湿気を含み肌に張り付いた黒髪。
視界に入ったのは1秒か2秒ほどとはいえ、シンにとっては刺激が強すぎたようだ。

「ねえ、どこかしら?」

どこか楽しげな声に、シンは顔を背けたまま指で場所を指し示した。
そして、そのまま立ち上がり、

「お、俺はあっちの部屋に行ってるから」

と、顔を赤くしたままリビングの襖を開けて、隣の和室に逃げてしまった。
涼子はキョトンとした後、クスクス笑いながら言った。

「私の寝室だって忘れてるのかしら」

涼子は後でどうやってシンをからかうか考えながら、楽しげにバスルームに戻っていった。






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最終更新:2008年09月23日 20:55
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