メサイヤ戦からこっちの世界に飛ばされて半年が経つ。
未練なんてこれっぽっちも無かった。 家族を失い、守る約束した少女の最後を看取り、デスティニーは大破しインパルスも月面に落ちた…
激突する二機の間に割って入ったのだ。 爆発は確認しなかったが、自分も裏切り者もあの一瞬では、機体制御など出来ようはずもなかった。
それに自分は、その瞬間に光に包まれたがアスランのサーベルは、確実にインパルスを捕らえたろう。
言い訳だな、と思う。 あの瞬間、確かに自分はデスティニーの力をインパルスに叩き込んだろう……
守るための力、簒奪者を薙ぎ払う力を。 ―――ルナの乗るインパルスに
世界に否定された。 力は真っ向から叩き伏せられ理想は打ち砕かれた。
目指す秩序も無くなり、帰るべき母艦を失い、守りたいと願った人をまたも失った。
あそこに自分に居場所は無い。
自分がそう確信した時、憎しみはあったけれどそれ以上に願ったのは平和
あの世界が穏やかになるために、自分は必要無いだろう。居れば必ず復讐に奔るだろうから……
だから管理局に拾われて、状況を把握した後「元の世界に帰りたいか?」と問われたときに首を横に振った
六課の部隊長である、はやてに拾われてからは楽しかった。
ただ生きているだけの自分に、仕事と日々の楽しさと喧騒、なにより居場所をくれた。
セクハラ気味のスキンシップや、たまに朝起床するとなぜか目の前でスヤスヤと寝ているのは意味不明だけど……
叩き出した後で理由を聞いてみれば
「傷ついた旦那に寄り添うのは 妻 として当然やろ?」
頭が痛くなるから辞めて下さい、つかヴォルケンズも暴走止めろよ……
ニコニコと笑いながら、威圧感丸出しで非番の日に、買い物の付き添いを頼んでくるなのは隊長。
「デー・・・ゲフンゲフンッ! 隊長と隊員の親睦を深めるための一環なの」
それならなぜレイジングハートが、セットアップ状態で砲口が自分に?
柔らかい微笑を浮かべて「うんうん♪」「そうだね♪」と、話を聞いてくれるフェイト隊長。
話をするのは楽しいけど、やたらと強い酒で潰そうとしないで下さい。
「既成事実さえあればあとはシンが責任取るだけだからw」
軍人で体を鍛えておいてよかったと心底実感する。 普段は便乗ばかりなのに、コップの中身は便乗せずにウィスキーと見せかけて
ウーロン茶は汚いのでは?
そんな毎日がバカバカしい程に、煩くて楽しくて愛おしい。
失ってしまったモノは取り戻せず、過ぎた日々は帰らなくて哀しいけれど、今の自分は昔より笑えてる。
柔らかく笑う人達に囲まれて。自分の頬も柔らかく
憎悪に染まって怒らずに、暖かく怒る人達に囲まれて、自分の怒声も暖かく……
最終更新:2008年08月01日 18:12