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スパロボ単発-02

外宇宙を目指し、星の海を往くハイペリオン号
その居住区の一角、最近新たな入居者を迎えた一室から二人の女性と少年の声が聞こえる。

「わぉ、似合うじゃない」
「思った以上ね…後でエルマのカメラに保存しておこうかしら」
「ううっ…何でこんな事に」

はしゃいでいるメガネを掛けた女性はツグミ・タカクラ。
ハイペリオン号のメイン・オペレーターである。
なにやら品定めをするような視線で少年をジロジロと見ている女性はセレーナ・レシタール
複雑な経歴を持つハイペリオン号の…役職不明。
そして、先ほどからうなり声を上げて俯いているのがシン・アスカ。
ザフトレッドであり特務隊フェイス所属のスーパーエース、なのだが。
現在の身分は異世界からの漂流者である。

細かい経緯は省くが、MSと身一つでこの世界に放り出されたシンは当然のごとく着替えなどを持っていなかった。
いつまでもパイロットスーツのままでいさせるのはどうか、とクルーたちで話し合った末、ツグミが言った。

「私のコレクションの中から似合うのを着せるわ。大丈夫よ、シン君華奢だし童顔だから」

この発言にセレーナが面白がって同意し、残りの三人+αは代案が出せずに押し切られた。
その後、与えられた自室で待機していたシンの元に、大量の『コレクション』を抱えたヅクミとセレーナが強襲。
そして、今に至るというわけである。

「さあ、アイビスたちにも見せにいくわよ!」
「ええっ?!何でわざわざ?!」
「何て言うか…記念?」
「何の記念だよ!?」

文句を言いながら行く引きずられてシン。掴んでいるのが女性の為か抵抗は小さい。
そのシンの格好はジーンズにTシャツ、そしてジャケットである。
特におかしな服装ではないだろう。女物という一点を除けば。

「大体なんで宇宙船にこんな普通の服があるんだよ?!」
「♪~♪~それは私の趣味だからよ」

答えになって無い、というシンの心の叫びが届くはずもなく、ツグミはとても素敵な笑顔を浮かべ、セレーナと一緒にブリッジへ向かった。

その後行われた発表会はシンの心に多大なダメージを与えた。
スレイは笑いを堪えながら「くっ…良く…似合って…くく…いるぞ」と言い
エルマは「…素敵です……じゃなくて、僕は今一体なにをっ?!」と壊れかけ
そして「よく似合っていますよ」と言うイルイの悪意の無い一言はシンの男としてのプライドを完全に砕いた。

そんな中この船のキャプテンであるアイビスは何故か顔を赤くして、恥ずかしそうにシンの方を見ていた。
アイビスの様子がおかしいと思ったシンはとりあえず話かけてみた。

「あの…アイビスさん?」
「それ…地球にいた頃、私が着てた服…」

この一言でシンは失念していた一つの事実に気づいた。
女物の服を着る、という行為のみを嫌がっていたが、いま着ている服を誰かが着衣していた事があっても不思議では無い。
いやむしろその考えは当然の帰結だ。
そしてかつての服の使用者は酷く恥ずかしそうにシンの方を見ていた。

「…えっと…あの…スイマセン…」

シンも恥ずかしくなってきたのか、赤くなりつい謝ってしまった。


赤くなってモジモジしてる二人から少し離れた所でツグミたちはひそひそと話し合っていた。

「あらあら、初々しいわね」
「アイビス、顔真っ赤だよ」
「ツグミ、こうなる事を狙ってあの服にしたのか?」
「まさか。面白い反応してくれたら儲けもの、ぐらいにしか思ってなかったわ」

「所でエルマ君はさっき変なことを口走ってたわね~?そんな趣味があったなんて知らなかったわ」
「そ、それは…」
「愛しのスレイ姐さんに言いつけてあげましょうか?」
「や、やめてください~」

こうして新たな仲間を加え、更に賑やかになったチームTD。
少女たちの夢と少年の苦悩を乗せたハイペリオンは、今日も星の海を往く。





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最終更新:2008年09月23日 19:45
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