シン 「やよいっ!」
やよい「はいっ!」
シン 「財布は!?」
やよい「ありますっ!」
シン 「買い物リストは!?」
やよい「持ってますっ!」
シン 「今日のプランは!?」
やよい「シンさんがお野菜コーナー、私は卵のところに真っ先に行きますっ!」
シン 「その後はリストにあるものを順次回収、店内をさりげなく回りつつ特売の告知が始まったらすぐに
駆けつけられる位置で待機するように!」
やよい「りょーかいですっ!」
シン 「時計を合わせるぞ! 3、2、1!」
やよい「合わせましたっ!」
シン 「目指せ!」
やよい「焼肉!」
シン 「節約!」
やよい「バンザイ!」
シン 「ガンホー!」
やよい「がんほー!」
シン 「ラック(幸運)を!」
やよい「ぷらっく(勇気)を!」
シン 「いくぞ!」
やよい「はいっ!」
○九○○、並み居る歴戦の雄(主婦)をかき分けてシンとやよいはスーパーへと飛び込んでいった。
――30分後、公園にて。
シン 「う~ん、缶詰を確保できなかったのは痛かったな」
やよい「でもでも、他のものは全部買えたからじゅーぶんですよ~」
シン 「やよいがいいって言うんなら俺はいいけど……どうして今日は一緒に特売に行ってほしいなんて
言い出したんだ? 俺も助かったからいいけど」
やよい「……最近お仕事が忙しいから、弟たちの世話の世話があんまりできなかったんです。だから、
せめて夕ご飯だけでも奮発してあげようかなーって」
シン 「そっか、それで俺に手伝ってほしかったんだな」
やよい「はい……あの、ひょっとして迷惑でしたか? 私シンさんの事情とか何も考えずに頼んじゃって」
シン 「あのなぁ、そんなに遠慮するなって。確かに用事があるときもあるけどさ、今日みたいに暇な日なら
いつでも飛んでいくって。むしろなんでも言ってくれ」
やよい「シンさん……えへへ」
シン 「ん? なんだよいきなり笑い出して」
やよい「ちょっとだけ、弟たちの気持ちがわかっちゃいました」
シン 「?」
やよい「そうだっ! シンさんお昼ご飯ウチで食べませんか?」
シン 「やよいの家で? 気持ちは嬉しいけどいいよ、せっかくの休日に俺がいちゃ余計だろ?」
やよい「そんなことないです! 弟たちも喜びますし、今日手伝ってくれたお礼です!」
シン 「でもなぁ……」
やよい「ダメ……ですか?」
シン 「あぁそんな顔するなって……わかった、今日はお邪魔させてもらうよ」
やよい「ホントですか!? うっうー! それじゃあ腕によりをかけて作っちゃいますっ!」
その後、やよいの家を訪れたシンはやよいの父親に「この日のために取っておいた赤飯だ! 遠慮なく食ってくれ!」と泣きながら
茶碗を差し出された。
やよいにどういう意味なのか聞いても分からなかったが、とにかくやよいの手料理は久しい温かさがあってとても美味しかった。
最終更新:2008年10月25日 00:28