アットウィキロゴ

稗田阿求編

「……? あぁ、申し訳ありません、集中していたもので気付きませんでした」

「何をしていたのか、ですか? 幻想郷縁起の改変ですね、一人、急ぎ載せる必要性がでましたので」

「えぇ、御察しの通りですよ、今回新たに載せる人はあの地霊殿の神に仕える、いえ、神を従えている人間、というべきでしょうか」

「何故つい最近完成した物を改変してまで載せる必要があるのか、ですか? そうですね、彼の行く末が未だに定まっていないからですよ」

「神を従えてその力を得ているとは言え彼は人間、人間のまま生を終えるのが普通ですが、もしかしたら新たなる神となるかもしれません」

「特に彼の戦闘能力に関する情報は異常です、もし、彼が地霊殿の鬼達を従え地上を目指すことがあれば幻想郷の勢力バランスは大きく変化するでしょうね」


「…嘘はいっていませんよ、とは言え確実な情報ともいえないものですが、私が知っている範囲だけでも、彼が交戦し、勝利を収めた面々の名は恐ろしい物ばかりですよ」

「えぇ、本当ですよ、まぁ、今回態々ご足労を願ったのはその面々に少し取材をしていただきたいからなのですが…対価ですか?」

「そうですね、この再編する幻想郷縁起に協力者として貴方の名前と、貴方の新聞は信頼に値し、購読してでも読む価値があるものだと言う『事実』を追記しましょう」

「…どうやら受け入てくださるみたいですね、取材する面々に関しての情報ですか? 安心してください、キチンと用意してますので」

「まずは紅魔館に住む狂気の吸血鬼、緋想の剣を抱く不良天人、今は天界に住まうという伊吹の鬼、後は白黒の普通の魔法使いでしょうか」


「…えぇ、驚きしかありませんよね、しかも噂話程度の情報も含めれば四季のフラワーマスターとも戦い勝利を得たとか…どこまでが事実か、気になるでしょう?」

「集めた情報はどうするか、ですか? 一通り取材が終わりましたらそのまま渡してくださって結構ですよ、此方でさらに情報を吟味いたしますので」

「私は其方の取材中に何をするのか、ですか? つい先日妖怪の山に住まう神の方とお話がつきまして彼の過去についての資料を見に行かせていただく予定ですね」


「それに同行したい? 申し訳ありませんが私一人だけだと念を押されていまして、どうしても見たいのでしたら許可を貰うしかないでしょうね」

「多分隠し撮りをしようとしてもばれると思いますよ? なんでも厳重に結界を張った先でその資料を見せる事になるので暫く里に帰れないと釘を刺されましたので」

「……わかりました、其方の取材の成果次第では何とか口を聞いてみましょう、間接的な許可が下りればある程度私の方から語れることもあるでしょうし」


「そうそう、その許可の判断をしているのは八坂之神ではなく洩矢之神ですので、もし迅速に取材が終わったのでしたら彼女にも取材をしてみては?」

「まぁとりあえずはそんな所ですね、彼が人里に住んでいてくれたのならばもっと話は簡単なのでしょうけど、此方で済む場所くらいは用意すると言ったのに」

「…え? どういう意味か、ですか? 言葉のままですよ、地霊殿から人里に越してくれないかと御願いしたのですが断られてしまっただけです」

「……何処でそんな話をしたのかですか? ……天狗の好奇心を甘く見すぎてましたね、わかりました、話します、ただし依頼した取材は完遂していただきますよ」

 


「私と彼が出会ったのは妖怪の山に向かう途中ですね、洩矢之神が彼に関する資料を持っていると聞いてお願いに向かっていた時です」

「流石に私一人で向かってはいませんよ、護衛も連れて、先に八坂之神に話を通して河童や天狗達に襲われない様にしていただきましたし」


「ただ、そのですね、あの時は不幸が重なったといいますか、知性が余りない野良の妖怪に私は襲われそうになったわけです、護衛はどうしたのか、ですか?」

「えっと、ですね、護衛の人は…その、そのとき近くにはいなかったわけですよ、…えぇ、ちょっと花を摘みに……わかってくれたようで何よりです」


「それでですね、私の身体能力はご存知の通り非常に低いわけですので、どれだけ全力で逃げようとしても妖怪から逃げ切れるわけがありません」

「護衛の人たちも異変に気付いたのか此方に駆け寄ろうとしていたようですが、獣道に足を取られて思うように進めないようで、妖怪の方が先に私を捉えようとした時です」


「急に光が一筋走ったかと思うと、妖怪はその場で絶命していました、よく見ると胸に、恐らく心臓部分辺りでしょうが、大きな穴が貫通していました」

「それで何が起こったのかとその場で座り込んでいた私の前に彼が降りてきた訳です、たしか…あった、之ですね、この姿のまま私の目の前に降りてきたんです」


「この姿に見覚えがある? そういえば彼は地霊殿の神の、デスティニーの力とかいっていましたね、何でもモビルスーツと言う物の姿を模した鎧を身に纏っているとか」

「あぁ、そういうことですか、貴女はその地霊殿の神本体を見たことがあると、できたらその写真を一枚くらい後でいただけますか? 重要な資料になりますので」


「先にお話の続きですか? 別にたいした事はないですよ、ちょうど守矢神社からの帰りだという彼も護衛に加わってくれたので行きの安全が更に確保されたくらいです」

「そして私が人里に住まないかと言った経緯についてですが、簡単な事ですよ、それから二週間ほどして用事で人里に来ていたらしい彼を屋敷に招いて言っただけですので」

 

「……何故態々屋敷に招いてまで人里に住むように誘ったか、ですか? ……そうですね、貴女の新聞を見るとかなり敵は多いようですので誤魔化さずに行きましょう」

「一目ぼれです、長い転生人生を振り返っても稀に見るくらいの、なぜかですって? そんなの簡単じゃないですか」

「もう絶体絶命で死ぬしかないと半ば覚悟していたその時に助けられたんですよ? しかもたったの一撃で敵を討ち、私に怪我一つ所か恐怖心を与える事もなく」

「しかも、その後空から光る翼をはためかせながら、どこか禍々しくも凛々しい姿で降りてきて、その後にとても優しい声で私に怪我がないか尋ねてくるんですよ?」

「えぇ、もう白馬の王子様ですよ、プリンセスを護るナイト様ですよ、病弱な女性を護る為に血濡れになることを厭わぬ勇敢なる戦士様ですよ、ドキッとするでしょう?」

「寧ろこのシチュエーションで少しでもビビっと来なければ枯れてます、枯れ果ててるとしか言えませんよ、私はまだ若いんです、ビビっとくるのが普通じゃないですか!!」

「……まぁ、そういうわけでして人里に、この稗田の家に住まないかと御願いしたのですが、地霊殿に家族がいるからと断られてしまいました」

「誤解しないように、家族と言っても異性関係での家族ではなく一般的な意味での家族のようですから、えぇ、まだ彼の隣は空いているという事実は確りとしています」


「…とりあえず、私から聞きたい事は之くらいでいいでしょうか? でしたらご依頼している取材の方をよろしく御願いいたしますね」

「あ、後依頼した取材に関しての内容を渡してくれる時は一切の検閲無しで御願いしますね? 将来の敵候補に関する情報は幾らあっても損はしませんから」

「非力な人間だと侮らないでくださいね、恋愛は力でするものではありません、経験と知識が全てものをいう世界ですので… では本日はお引取りを」

 

「……射命丸文さん、彼の真実に迫り続けている貴女が敵にならない事を祈りますよ、敵になったら、折角の天狗のお友達がいなくなっちゃいますから」




次へ進む
一覧へ

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2009年04月03日 01:14
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。