<ある日の風景~ホワイトデー・パニック~>
シン 「――ふと思ったんですけど、逆チョコはあっても逆ホワイトデーって聞かないですよね」
P 「シン君、男は女性に貢ぐ生き物なんだよ」
シン 「いやな悟りですね……」
P 「君もプロデューサーになれば嫌でも分かるよ。で、何を贈るんだい?」
シン 「まぁ菓子とかいろいろ詰めて。みんなには申し訳ないけどまとめて渡すつもりです」
P 「うん、まぁ無難だろうね」
シン 「プロデューサーは何を?」
P 「……時計」
シン 「は?」
P 「時計を二つ。ほらこれ」
シン 「うわ、めちゃくちゃ高そうなのじゃないですか!」
P 「だって春香が「3倍返しでお願いしますね!」って……」
シン 「うわぁ……あれ? じゃあなんで二つ?」
P 「あぁ、ここまでのだと一つも二つも変わらないだろうから美希の分も一緒に買ったんだ」
シン (それまた変に話がこじれるんじゃ……)
P 「それじゃ行こうか」
シン 「そうですね、もうみんな仕事終わって帰ってるかな」
――ドドドドドドド……
二人 『え?』
はるかさんs『はるかっかーーーーーーーーー!!』
二人 『ギャアアアアアアアアアアアアア……!?』
シン 「だ、誰がはるかさんに水を……?」
P 「まぁ大体予想はつくんだが、大丈夫かいシン君?」
シン 「なんとか……あぁっ!?」
P 「ど、どうかしたのか?」
シン 「みんなに渡すお菓子を奪われました……」
P 「あー……さっき轢かれた時にか」
シン 「俺追いかけます! プロデューサーは先に行っててください!」
P 「気を付けてなー。さて、とりあえずみんなにシン君のこと説明をしておくか、な……」
何気なく地面に向けたプロデューサーの目線の先には、無数の足に踏みつぶされた腕時計が一つ。
P 「の……ノォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォウ!?」
小鳥 「――ふっふっふっ、これはおもしろいことになりそうだわ」
ぴよぴよ「ぴっ?」
小鳥 「この状況をもっとおもしろおかしくするために! 出でよ、ことりん☆ネットワーク!」
ぴよぴよ「…………?」
小鳥 「……ぴよぴよ、私の携帯を持ってきて」
ぴよぴよ「ぴ、ぴっ!」(サッ)
小鳥 「ありがとう。本文作成! 一斉送信!」
――シン君のホワイトデーのおかえしがはるかさんに奪取された模様! 一つしかないみたいだから
欲しい人は急いだ方がいいかも!?
シン 「――どこ行ったんだあいつら。あんだけいる癖にホントすばしっこ……ん?」
伊織 「うぇっ!? な、なんでアンタがここにいるのよ!?」
いお 「モッ!」
やよい「はわっ!? シンさん!?」
やよ 「うっうー」
シン 「伊織にやよいか。いやな、ちょっとはるかさんを探してるんだけど」
やよい「えっと、それはその……」
伊織 「べ、別にアンタが何を取られたのかなんて興味はないけど。じゃあ私たちは行くわね」
いお 「キー」
シン 「あぁ……ん? ちょっとまて、なんで俺が何か取られたって知ってるんだ?」
伊織 「ふぇっ!?」
いお 「モッ!?」
シン 「?」
伊織 「な、なんとなくよなんとなく! そんなことどうだって……あっ!」
はるかさん「かっかー」
やよい「い、いました! はるかさんですっ!」
やよ 「うっうー!」
シン 「けど、一匹だけか? とにかく捕まえて……」
伊織 「いお!」
いお 「モッ!」
――ヒィィィィィン……スバァッ!!
シン 「うおわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
はるかさん「かっかーーーーーー!?」
伊織 「ちっ、外したわね。追いかけるわよ!」
いお 「キー!」
やよい「ま、まってよ伊織ちゃーーーん!」
やよ 「うっうー!」
シン 「お、屋内でハイメガキ○ノンを撃つなーーー! っていないし!? なんなんだいったい……」
シン 「また手がかりがなくなったな、どこに行ったんだか。お?」
千早 「あっ……シン」
ちひゃー「くっ」
シン 「今度は千早か、もう仕事は終わったはずだろ? なんでこんなとこウロウロしてるんだ?」
千早 「それは……なんとなくよ」
シン (さっきの伊織たちといいどうしたんだ……?)
――タッタッタッ……
シン 「ん?」
真 「――うーん、ここにもいないなぁ」
雪歩 「ま、真ちゃん……ちょっとまって」
まこちー「やー」
ゆきぽ「…………」(←ちょっと疲れてる)
シン 「真に雪歩まで……みんなどうしたんだ?」
真 「えっ、シン!? あー、えっと、そのー」
雪歩 「ほ、ホワイトデーのプレゼントのことなんて知らないですぅ!」
千早 「は、萩原さん!?」
シン 「あれ? なんで雪歩がそのことを知って……あぁ、そっか。プロデューサーから聞いたんだ」
雪歩 「ふえぇっ!? あ、いえその、そうなんです!」
真 「そ、そうそう! プロデューサーから聞いたんだよ。ねぇ千早?」
千早 「え、えぇ……」
三匹 『(ジー)』
真 「(のヮの)」
千早 「(の_の)」
雪歩 「(>_<)」
シン 「? まぁそれなら話が早いな。四人で手分けして探せばすぐに……」
――ガサガサ。
はるかさん「かっか!」
シン 「って言ってるそばから出てきた……」
真 「いたっ! 行くよまこちー!」
まこちー「まきょー!」
雪歩 「あ……わ、私たちも急ごう!」
ゆきぽ「っ!(コクッ)」
千早 「ちひゃー!」
ちひゃー「くっ!」
三人 『待てーーーーーーーーーーーー!!!』
はるかさん「アハハハハハハハハハハ!」
――ドドドドドドドドドドドドドドド……!!
シン 「…………あれ?」(ポツン)
シン 「参ったな、っていうかなんで俺だけ置いてかれたんだ……?」
あずさ「あら~? シン君もはるかさんを探してるんですか~?」
みうらさん「あらあら」
シン 「あずささんまで……よく迷いませんでしたね?」
あずさ「はい~。金のシャチホコのあるお城を見かけたくらいです~」
シン 「よかったですね(国内収まったという意味で)」
あずさ「それにしても、あれだけいるのにはるかさんはどこに行ったのかしら?」
シン 「暗いとこが好きみたいですからね。物陰とかを探すのがいいと思います」
あずさ「物陰……ということは、このあたりがいいかもしれないわね~」
シン 「じゃあ俺はこっちを探しますから……ん?」
――ガサガサ。
シン 「この音は……そこかっ!」(ガシッ!)
ちっちゃん「…………」
シン 「…………あれ?」
ちっちゃん「……きゅ~~~(パタン)」
シン 「うわあっ! だ、大丈夫か!?」
律子 「――で、頭を掴んだら気絶したわけね」
シン 「すいません……」
ちっちゃん「もー……」
律子 「いいのよ、どっちにも非はないし。それにしても本当にどこに隠れてるのやら」
あずさ「困りました~」
みうらさん「あら~」
シン 「俺、もう少し遠くまで行ってみます。ここはお願いします」
あずさ「わかりました~」
律子 「見つけたら連絡するわね。それにしても、つくづく妙な騒ぎに巻き込まれるわねシンは」
シン 「好きでやってるんじゃないですよ! じゃあまた後で!」
あずさ「うふふ、見ていて飽きないですね~」
律子 「飽きないだけならいいんですけどね……それじゃ、私たちも頑張りますか」
あずさ「はい~」
みうらさん「あらあら」
ちっちゃん「めっ!」
はるかさん「かっか!」
二人 『…………あ』
はるかさん「?」
律子 「いたーーー!? って驚いてる場合じゃないわ、捕まえて!」
ちっちゃん「もー!」(がしっ!)
みうらさん「あらあら」(がしっ!)
はるかさん「かっか!?」
あずさ「捕まえました~」
律子 「ようやく情報源が手に入ったわけね。それで、他のはどこにいるの?」
ちっちゃん「……めっ?」
はるかさん「ヴぁ~い」
ちっちゃん「めっ」
律子 「え? もう元に戻った?」
あずさ「それじゃあ、お菓子はいったいどこに……?」
シン 「はぁ、結局見つからなかったな」
千早 「まさか何も持ってない相手をずっと追いかけてたなんて……」
やよい「あうう~、私疲れました~」
雪歩 「わ、私もですぅ……」
伊織 「シン、お茶淹れてきて。光速で」
シン 「鬼かお前は!?」
あずさ「それにしても、お菓子はどこに消えたんでしょう~?」
律子 「はるかさんは食べてないそうだし、どこかに落としたんでしょうね」
真 「残念だなぁ。こんなに身体動かしたから余計に甘いものが欲しくなってきたよ」
シン 「……もっと俺が気を付けてればこんなことにならなかったんだよな。みんな、ゴメン」
あずさ「ふふ、いいですよ~そんなことは」
シン 「でも……」
真 「そうそう、なんか探検みたいで楽しかったし」
千早 「確かに、最近は仕事ばかりでこういうことも少なくなったから……たまには、こういうのも」
やよい「えへへ、くたくたですけど私もちょっと楽しかったです! ね、伊織ちゃん!」
伊織 「わ、私に振るんじゃないわよ! それはちょっとは、ほんのちょーーーっとだけ楽しかったけど」
シン 「みんな……」
律子 「今さらそんなこと気にする仲でもないでしょ? ほら、しゃんとしなさい!」
シン 「――ありがとう」
律子 「とりあえず、久々にみんなでお茶でも飲みましょうか。人数分のお茶はあったはずだし……」
――ガチャリ。
亜美 「あれ→? みんな揃ってどったの?」
真美 「今日集まる日だったっけ?」
こあみ「とかー」
こまみ「ちー」
美希 「ハニーもいないの。何かあったの?」
あふぅ「あふぅ……」
シン 「あぁ、三人ともおかえり……って、それって!?」
亜美 「うん! なんかテーブルに置いてたからちょっといただきまちた→!」
真美 「すんごい量のチョコとかクッキーが入っててもうビックリドッキリだったよ→!」
美希 「なかなかおいしかったの。おにぎり二級はあげてもいいって思うな」
シン 「お、お……」
三人 『お?』
シン 「お前らぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
――何はともあれ、結局全員でシンの作ったお菓子を食べることになった。
小鳥 「……なんていう無難なオチ。認めない! 私は認めないわ! もっと殺伐としたふいんき(なぜか(ry)
を楽しみたかったのに!」
ぴよぴよ「ぴっ!?」
小鳥 「かくなるうえは今からでもみんなを引っかき回して……」
シン 「――へぇ、てっきりプロデューサーから話が回ったと思ったけど、みんなが出てきたのは小鳥さんの
せいだったんですか」
小鳥 「ピヨ?」
シン 「最後に何か言いたいことはありますか?」
小鳥 「……わ、私を倒すと世界中の原発が暴走して地球が大変なことに」
シン 「アンタって人はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
――めでたしめでたし(一人と一匹を除く)。
P 「う~ん……」
シン 「まだ迷ってるんですか?」
P 「なんか悪い気がしてね、どっちかには渡せないし」
春香 「何をですか?」
P 「いっ!?」
シン 「うわっ!? 春香!?」
春香 「うわぁ……すごいキレイな腕時計ですね」
P 「あ、これは、その……」
シン (……プロデューサー、これは春香に渡した方がいいんじゃないですか?)
P (でも、なぁ?)
シン (ここで誤魔化して美希に渡してもすぐにバレますって。そっちの方がマズイですよ)
P (……そうだな、よし)
P 「春香、これバレンタインのお返しに……」
春香 「へっ!? あっ、ひょっとしてあのとき3倍返しって言ったの本気で?」
P 「あぁ」
春香 「そんな……私冗談のつもりだったのに」
P 「冗談でも、春香は頑張って作ってくれたからな。その気持ちへのお返しだよ」
春香 「プロデューサーさん……」
シン (ひとまずは、これで大丈夫かな……ん?)
春香 (∑d(のヮの)GJ!)
シン (バレてるし!?)
――ガチャッ。
美希 「あ、ここにいたんだハニー! あれ? 春香、その時計って……」
シン (ヤバッ!? なんでこんなタイミングで)
P 「……美希、悪い。美希へのお返しを用意できなかったんだ」
美希 「え?」
P 「言い訳はしない、俺が悪かったんだ。本当にゴメン」
美希 「ハニー、ひどいよ……」
シン (こ、これって俺のせいか? なんとかフォローしないと!)
シン 「美希! プロデューサーは……」
美希 「そんなに悪いって思ってるなら、今すぐ最高のおにぎりを作ってほしいな」
P 「え……?」
美希 「それで許してあげるの」
P 「美希……わかった、すぐに作るよ」
美希 「愛情3倍でお願いするの!」
P 「愛情かどうかは分からないけど、とにかく感謝の気持ちをこめて握ろうかな」
美希 「それじゃあお米炊いてくるね!」
P 「おいおい、それじゃ俺のプレゼントにならないじゃないか。待てって美希!」
――バタン!
春香 「…………」
シン 「…………あのー、春香さん?」
春閣下「――悔しくないですよ? 悔しくなんかないですよ? でもなんだろうこの気持ち、まるで試合に勝っ
て勝負に負けたような妙な惨めさがあるんですよ? なんでだろ? ツインズのセンターも奪い返し
たのになんでこんな気持ちになるんだろ? なるんだろ……」(ガックンガックンガックン)
シン 「はるはるはる春香さん!? なんなんなんなんで俺を揺さぶるぶるぶるぶる……!?」
千早 「シン? みんなが呼んでるけど何かあった……は、春香!? なんでシンをメトロノームみたいに揺ら
してるの!? それも凄いスピードで!」
――めでたしで終われなかった人、追加二名。
最終更新:2009年03月30日 12:23