許してください

許してください


2017年12月15日 16時58分49秒NEW !
テーマ:不倫バレまで
夫だけが一人で盛り上がってるわけがない。
賢い彼女のこと、証拠に残るLINEでは本音を隠して、
夫と会ったときにだけヨロシクやっているに違いない。

私は自分のスマホから彼女に連絡を取りました。

LINE
私   "私"です。覚えてるかな?
彼女  ご無沙汰してます!お元気でしたか?
私   うん、ありがとう。
     急で申し訳ないんだけど、渡したいものがあるの。
     近々会える?
彼女  渡したいものですか?
     "私"さんさえ宜しければ今日にでもお伺いします。
私   カフェとかのほうがいいかな。
彼女  わかりました。

そうして近所のカフェで会う約束を取りつけました。
夫が持ち帰ったあなたの服とネックレスを返さなくちゃね。

鞄の中にはボイスレコーダーを忍ばせておきました。
不倫の証拠をつかんでも慰謝料請求なんてしない。
私はただ、今まで当然だった穏かな日々を取り戻したいだけ。
…夫の心と一緒に。。

『大きな声は出さないように冷静に…』
ゆったりとしたカフェの空間が緊張を和らげてくれました。

約束の時間から10分。
彼女から「○○(カフェ近くの公園)にいます。」とLINE。
どういうこと?
疑問に思いながらも、すぐ近くなのでお店を後にしました。

彼女  お久しぶりです。
     すみません。カフェでというお話だったのに。
私   うん。まぁ、いいんだけど…。
彼女  では"私"さんが渡したいものというのを。
私   あ…はい。(紙袋を手渡す)
彼女  はい、確かに。
     大丈夫です。今回のことは黙っていますから。
私   え…「今回のこと」って何?「黙ってるから」って何?
     それじゃあ、まるでこっちが!
彼女  だってそうですよね?
     "夫"さんからしつこく言い寄られて困ってるんです。
     その上にこうして私のものを盗んだりして。
私   ちょっと待って!
     私が夫の代わりに謝りに来たとでも思ってるの!?
彼女  違うんですか?
私   何なの…呆れた。あのね。
彼女  "私"さん。
私   なーに?どうぞ。
彼女  "私"さん。

貧血のような、ふっと意識が遠のく感覚がしました。
倒れたわけではなかった、そう記憶しています。

次に気が付いたとき、私は警察官に囲まれていました。
「落ち着かれましたか?」と心配そうに私を見つめるその人達。

今起きたかのようにぼんやりとした頭で思い出したのは、
彼女にすがって許しを請う自分の姿でした。
「許してください!本当にごめんなさい!」
どうして私が。。

次の日もその次の日も、
私は言葉にできない恐怖に支配されていました。
紹介された心療内科での診断はパニック障害とのこと。
突然不安になったり、心拍数が上がったり、体が震えたり。
それは私がパニック障害だから?
あの日突然意識が遠のいたのも、私がパニック障害だから?

何か大事なことがはぐらかされたような感覚がしました。


最終更新:2018年02月01日 13:26