トーン
- サスティーンvol
- クリーン (CLN1、CLN2)
- クランチ (2種)
- ディストーション(4種)
- Pre EQ (Bass、1.6kHz、Treble)
- Master EQ (250Hz、500Hz、1kHz、2kHz、5Hz、Volume)
エフェクター、特殊機能
- アナログステレオ/モノラルコーラス(5段階の揺らぎ調整)
- アナログステレオディレイ(2種類のショートリバーブ、フィードバックが2に固定のディレイ)
- Master Bass Trim(マスターアウトの低域の増減)
- Master Treble Trim(マスターアウトの高域の増減)
- Master Left Vol
- Master Right Vol
- Low/High Out(アッテネーター)
- Midiによるプリセット保存、呼び出し、コピー機能(100種類)
インプット・アウトプット
- エフェクトループ
- Line In/Out
- AUX Input
- Phones Out
- Left/Right Speaker Out
- Midiスイッチインプット
スピーカー
- 2x6.5" Pyle Driver(切り離し可能)
出力
概要
SR&D社製のアンプ。SR&Dと言えば、ボストンのトム・ショルツが立ち上げた会社で、Rockmanサウンドはボストンサウンドの要と言われる。
このアンプはマルチプロセッサーのXPRをそのままコンボアンプにしたため、インターフェイスが極めて特殊。
まず、MIDI管理システムが搭載されている為、基本的な操作は押しボタンとLEDでの設定確認になっている。マスターアウトはスライドスイッチで構成されているが、これはライブなどの現場で微調整するためだと思われる(6.5インチのスピーカーで現場も何もないと思うけど。XPRをそのままアンプにしたから仕方ないのかもしれないが)。
Rockmanサウンドの要の一つ、コンプレッサーのサスティーンの調整から始まる時点でキワモノ感満載である。クリーン、歪共々サスティーンで音圧、音量、トーンの根幹を担ってるので、ここの設定で音の強弱が顕著に変わる。
クリーンは2種プリセットされており、1はキャビシミュを通した、トレブリーなクリーン。JC-120もトレブリーと言われているが(煌びやかという表現はここから来ている)、こちらは更に大まかに高域を強調してる感じ。良く言えば煌びやか、悪く言えば耳に突き刺さる感じ。2はキャビシミュを通してない、エレアコのようなサウンド。これとコーラスを組み合わせる人が多いです。
クランチは2種類共クリーン1に軽く歪を加えた感じ。ミドルが強くなり、トレブルが落とされた印象。
ディストーションは所謂ボストンサウンド。ミドルが強烈にブーストされたトーンです。各EQでトーン調整は出来るものの、特有の癖のあるサウンドは中々変えることが難しい感じ。通常のトランジスタアンプとは明らかに一線を画しており、エッジが徹底的に潰され、滑らかなディストーションになってます(巷で云われるバイオリントーン)。
設定によっては中高域が強いメタリックなサウンドも作れるが、やはりそれでも80年代のLAメタル〜90年代初頭のビーイング系の音になる。
コーラスはBBDを使用してるアナログコーラス。モノラルと位相合成ステレオの2種が選べる。揺れの設定がプリセットされており、揺れ無し〜他のコーラスでは12時設定くらいまでの揺れが選べる。あまりエグい掛け方は出来ない。まあ本来はギターを二重に聴かせる為の装置として付けられてるので、そこまで設定する必要が無い為だと思われる。
ディレイもアナログだが、フィードバックが1回のみ。左右合わせて2回。ショートディレイも弱く、アンビエンス的な役割と割り切ろう。
EQ設定はプリ段に3つ、ポストに5つグライコが付いてる。これもプリは±10dBで±5dBずつ、ポストは±12dBで±3dBずつ変更可能。視覚でEQ設定が認識出来るのはいいが、逆に言えばつまみとは違い微調整が不可能なので、細かな設定は出来ない。
このアンプ、他のキャビネットに出力する事を前提としてるのか、ラインアウトの他に左右のスピーカーアウトも付いている。なので付属のLRスピーカーを使わずにアンプヘッドとしても使える(同社のSuperheadのようなもの)。
このアンプは元々ヘッドホンアンプであるRockman(X100)をよりレコーディングorライブ用に拡張したXPRにアンプやスピーカーを足したものと考えると早い。
80~90年代初頭まではRockman系のラックエフェクター(Sustainor、Chorus、XPRなど)を使うアーティストが極めて多く、その頃のギターのトーンが似通ってるのはその為である。なのでこちらも上記に述べたような雰囲気が出てくるのである。
ちなみにRockmanの製品群は全てハンドメイドで製作されており、こちらのXP-100は全世界で500台程度しか無い。
Rockmanのトーンは他のエフェクターでは再現不可能と言われている為、これを手に入れてそのサウンドを堪能してみるのはいかが?
最終更新:2014年05月26日 23:22