古泉一樹
北高1年9組(第9巻『分裂』より2年9組)の男子生徒であり、SOS団副団長(SOS団団員その4)。身長178cm。高校1年の5月という半端な時期に転入してきたことから、ハルヒに「謎の転校生」としてSOS団に勧誘された。いつも微笑を浮かべ穏和で爽やかな、しかしどこか胡散臭い物腰をしており、同級生に対しても常に敬語を使う。在籍している1年9組は、理数系の特別進学クラス。頭も運動神経もよく美形でもあり、女子生徒からの人気は高い様子。第3巻『退屈』収載「孤島症候群」でのゴージャスな夏休み合宿の企画立案の功績により、ハルヒから副団長に任命される。 その正体は3年前にハルヒの能力によって突如覚醒した超能力者で、その集団である組織・「機関」に所属している。ハルヒの精神状態の不安定が原因で発生する「閉鎖空間」への侵入と、その中で破壊活動を行なう「神人」を倒す能力をもつ。閉鎖空間と類似の異空間においても戦闘能力を発揮できることがあり、第3巻『退屈』収載の「ミステリックサイン」にてコンピ研部長の自宅に発生していた異空間に入った際、発揮できたのは本来の10分の1の力ではあったが、巨大な怪物カマドウマを難無く撃破している。但し超能力者と言っても上記以外の特殊能力はない為、通常時は普通の人間と変わりない。 職務に関連してハルヒの精神面に気を配っており、彼女の内心をそれとなく
キョンに伝えることもある。ハルヒを刺激することを避けるため基本的にイエスマンで、ハルヒには自分の意見をあまり言わずに曖昧な態度を取ることが多い。但し本人曰く、現在の性格や表情などは「ハルヒの願望」に沿った演技であるらしく、そうした演技を強いられる不満をキョンに漏らしたこともある[32]。また、意外にも字は乱暴と呼べるほど悪筆。 ボードゲームやカードゲームなどのアナログゲームが好きで、部室に持ち込んでは1人で詰め碁や詰めチェスなどをしているが、その割に弱く、キョンと勝負するといつも負けている。そのあまりの弱さ故、キョンに「わざと負けてるんじゃないか?」などと疑惑を抱かれている。またミステリーや陰謀ものの物語を好む一面もあり、それを活かしてハルヒが退屈しないよう「機関」でイベントを仕込む際にはシナリオを作る役割を果たしている。総じて、思考ゲーム・パズル的なもの全般を好んでいる模様。 物語の中では「解説役」のポジションにある。哲学や文学理論、自然科学など幅広い知識を持ち、長門の難解な説明も理解できる。その知識を利用して、自分たちの置かれている状況や問題解決のためのヒントを解説する役割を担っている。しかし、キョンには頭でっかちで回りくどい説明としか認識されていないようで、真面目に取り合ってもらえないことも少なくない。実際、古泉自身には限定的な力しかないこともあり、概念的には理解しているものの体験を伴っていないことが多い。その為か、実際に時空改変やタイムトラベルを体験したキョンを羨ましく思っている節がある(『陰謀』より)。それでも何か解決しなければならない問題が発生した時には、その知識と理解力、そして「機関」の力を活かしてキョン、長門と共に進んで解決策を講じようとする。 当初は「機関」の方針である「現状維持」に従って、
SOS団のメンバーに対して何事にもハルヒの機嫌を損ねない事が最優先といった態度を取り、一歩退いた所からハルヒらを観察していることが多かった。その為キョンとは険悪な雰囲気になることもあったが、現在では両者とも随分打ち解けた様子である。ハルヒについては「魅力的に思う」などの好意的な発言を多々残しており、彼女に関してはそれなりに好意を抱いている節がある[33]。物語が進むにつれ、徐々に気持ちの変化が見られるようになり、第5巻『暴走』収載の「雪山症候群」では、「長門が窮地に追い込まれ、それが「機関」にとって好都合な事なのだとしても、一度だけ「機関」を裏切ってキョンに味方する」と発言している。また、第7巻『陰謀』では「自分も初対面時には予想もできなかった程の好意をSOS団に抱いている」と述べ、さらに今や自分の所属団体は「機関」ではなく、SOS団の方なのではないかと考えるようになりつつあるとまで言っている。仲間を大切に思う一方で、未来人が現代に、宇宙人が地球に干渉していることを快く思っておらず、『驚愕』において朝比奈さん(大)や藤原、九曜に対し、キョンが見たこともないような怒りを露わにした。 当初は自分のことを「機関」の末端と語っていたが、橘京子によれば彼こそが「機関」の創設者にして、創設時から現在まで「機関」を統率してきたリーダーであるという(第10巻『驚愕(前)』より)。但し彼自身はそれを認める発言をしておらず、真相は不明。また朝比奈さん(大)によれば、僅かな言動から未来を推察してしまうその聡明さから、未来人の組織からは過去の人間たちの中でも上級の要注意人物として認識されており、昇進して禁則が緩くなっている筈の朝比奈さん(大)ですら、古泉の前だと禁則が厳しくなってしまうらしい(第11巻『驚愕(後)』)。ドラマCDではキョンがハルヒを説得させるためにあだ名を考えていた時、自身を「いっちゃん」と呼ぶ場面があったがキョンから断固却下された。
最終更新:2013年04月24日 16:42