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出題:5スレ目>>746


>>749

 子供の頃の私の遊び場といえば、もっぱら倉庫だった。
それほど大きくはなかったし、子供が興味をしめしそうな
物など一切置いていなかった。
箱詰めされた衣類や食器、頂いたお歳暮などが整然と並ぶ、
今にして思えば面白みがない倉庫であったが、それでも当時の私には
十分面白かったらしく、暇さえあれば倉庫に篭っていた。
子供であれば誰しもが経験する、「秘密基地ごっこ」のような感覚
だったのかもしれない。

 遊ぶと言っても、ダンボールをひっくり返す訳でもなく、
跳ね回ったりする訳でもなく、漫画を読んだり窓から外を眺めたり、
家から持ち込んだジュースとお菓子をこっそり食べたり、
我ながら暗い遊びをしていた。

 そんなある日、私は倉庫の奥にまだ見たことのない棚があることに気が付いた。
今の私の身長でも、台がないと届かないような高さだったが、
好奇心でいっぱいの子供にとっては障害と言える高さではなかった。
隣の棚やダンボールを足場にしてよじ登ったそこにあったのは、一体の奇妙な
置物であった。素焼きのような、人形というよりは土偶に近いそれは、
男性の姿をしていた。髪飾りや、大きな丸いものがついた首飾り、腰布から、
現代の人物で無い事は当時の私にも分かったが、何を意味するものなのかまでは
分かるはずもなかった。不気味さを感じた私は、逃げるように倉庫を出た。

 台所に駆け込むと、私は倉庫で見た奇妙な人形の事を母に話した。
倉庫で遊んでいることは両親には秘密にしており、話せば怒られる事は
分かってはいたが、当時の私にとっては、怒られる怖さよりも、
人形の不気味さの方が勝っていた。
 必死に説明し、人形の素性を尋ねる私を見て、意外にも母は笑って言った。
「あれは倉庫の守り神よ」
「神様? あれが?」
 色々訊ねても、それ以上の事は教えてもらえなかった。ただ、父には黙っているように、
倉庫は危険だから気をつけるようにと注意されただけだった。

 "守り神"を発見してから、私は倉庫では遊ばなくなった。あの人形に見張られているかと
思うと、何となく居心地が悪かったし、不気味だった。進級し、勉強が忙しくなると、
いつしか"守り神"の事はすっかり忘れてしまった。

 その日、私は数年ぶりに実家を訪れていた。結婚し、住まいを別にしてからは
あまり実家に帰ることもなかったが、倉庫を立て替えるという事で、掃除要員として
召集がかかったのだ。溜まりに溜まった荷物を仕分けていくうちに、私は
"守り神"を発見した。手が片方壊れていたり、埃をかぶって白っぽくなっていたが、
間違いなくそれは当時私が見つけた"守り神"だった。
 ふと、私は"守り神"の真相を知りたくなった。当時は教えてもらえなかったが、
大人になった今なら教えてくれるに違いない。私は"守り神"を持って父の所に行った。
「なぁ。これ何?」
何気なく聴いた私の声に、父が振り向く」
「ん? それは……そっそれは何でもないっ!」
予想外の反応だった。当然、ますます興味が湧く。
「なんでもない反応じゃないだろ。教えてよ」
「うるさいっ! 欲しけりゃやる!」
そう言うと、父は倉庫を出て行ってしまった。
驚きやら怒りやらで呆然としている私の後ろから笑い声が聞こえてきた。母だった。
私から受け取った人形を拭きながら、母は"守り神"の真相を話してくれた。

 元々その"守り神"は父が作ったものだった。会社の文化祭に出展するため、当時
習い始めたばかりの陶芸で何か作ろうと思った父だったが、湯のみや皿では芸がない。
そこで、誰もがあっと驚く何かを作ろうと考えたのだ。そして出来上がったのがあの
"守り神"だった。父に陶芸を教えていた先生からもお褒めの言葉をもらい、
自信満々で出品した父だったが、評判は予想以上に悪かった。笑われたり馬鹿にされたり
と言った事はなかったものの、「不気味だ」と社内で話題になり、ある日ついに撤去命令が
下った。作品は会社の玄関に飾られていたが、お客様から不気味だとの苦情があったらしい。
がっくりと肩を落として帰宅した父は、着替えもせずにすぐさま倉庫に入り、"守り神"を
一番奥の手の届かない所にしまうと、夕食もとらずに寝てしまったらしい。

「じゃ、なんで母さんがそのこと知ってんだよ」
「本人から聞き出したの。20年もかかってね」
「20年?!」
あっさりと母は言った。20年も黙っている父の頑固さと、それを聞き出した母のしつこさに
呆れていた私だったが、ある重要な事に気が付いた。
「待てよ、じゃ俺がこの人形の事聞いたとき、母さんは何なのか分かってなかったって事か?」
「うん。だって、あんたに聞かれたのって、父さんがこれしまった次の日だったし」
再びあきれた私に"守り神"を渡してきた。
「それ、もらったんでしょ? 大事にしなさいよ」
そういうと母は立ち上がり、荷物を持って倉庫の外に出て行ってしまった。

 手元に残った"守り神"を見る。もう不気味な感じはしない。何がテーマの作品かは分からないが、
今度は私が20年かけて父から聞き出す事にしよう。置き場所はもう決めてある。
私のマンションの一室。物置と化している小さな部屋。その一番奥、一番高いところに置こう。
私の子供がこれを見つけたとき、どう感じるだろう。今から楽しみだ。
思いもよらぬ収穫に口元をほころばせながら、私は倉庫の整理を続けた。

>>752



>>765

人形「さっきから何やってるの?」

 男「2ch見てるんだよ。つっても分かんねぇか」

人形「ば、馬鹿にして……・。分かるわよそれくらい!」

 男「へぇ。ちなみに何?」

人形「え? そ、そんな事、何であんたに言わなきゃいけないのよ」

 男「人間素直が一番だぞ」

人形「ちょ、ちょっと忘れちゃっただけよ! 人間、説明しなさい!」

 男「へぇへぇ。2chってのは――」


人形「つまり、この『きーぼーど』で文字を打てば、大勢の人間にそれが見えるの?」

  男「あー、まぁそんな感じだ。何か書いてみるか?」

人形「『れす』には番号がつくのね。……これ、この『すれ』はもうちょっとで800行きそうね」

  男「おいおい、まさか初カキコでキリ番ゲットかよ」

人形「キリの良い数字ってなんかいいじゃない。よーし」

  男「早く打たないと取られちゃうぜ」

人形「うるさいっ! えーと、8……0……0……げ……と……出来た!」

 男「書けたら、この『送信』ボタンな」

人形「『送信』っと……あれ? 『アクセス規制中です!!』だって。何よこれ?」

 男「俺書かないからなー。そうか、規制されてんのか」

人形「質問に答えなさいよ、このっ!」

 男「痛って! 蹴るなののやろ! 要するに、俺の家からは書き込めないってことだ」

人形「そんな……800は?」

 男「ほら、もう取られちゃったぜ。金糸雀のAA使ってるやつ」

人形「金糸雀……そいつが私の『800げっと』を邪魔したのね……! 許せない……」

 男「おーい? そいつは関係ないぞ。そうじゃなくてプロバイダが……まぁいいか」

人形「金糸雀、いつか見てらっしゃい! 必ずこの私が貴女から800を奪い返して見せるわ!」

>>826

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最終更新:2010年02月13日 17:37