作者:1スレ目>>448


銭形「むわてぇ~ルパ~ン!」

ルパン「し~つこいねえとっつぁんもよ」
銭形「ワシから逃げられると思ったら大間違いだぞぉう!」
ルパン「たまにゃあお休みしてもいいんでないの?」
銭形「そんなわけにいくかバッカモ~ン!」
ルパン「そうだよなぁ」

ルパン「……真紅、しっかりつかまってろよ!」

真紅「なんなの!? あの下品な男は!」

ルパン「お~いおい、下品って言い方は良くないと思うぜ?」

真紅「それにルパン。何故貴方は追われているの? 教えて頂戴」

ルパン「そりゃあ俺が……」

真紅「貴方が?」

ルパン「泥棒だからさ」

チャ~ラッチャラ~♪チャ~ラ~ラ~♪

真紅「きゃあっ!?」
ルパン「喋るなよ! 舌ぁ噛むぞ!」

銭形「むわてルパン! 逃げるな~!」

ルパン「待てって言われて、待つわきゃないでしょうが!」

チャ~ラッチャラ~♪チャッチャラッチャ~♪

ルパン「まずい! 道が途切れてやがる!」
真紅「……どうやら、鬼ごっこはおしまいのようね」

銭形「ぬふふふふ! どうやらお前も年貢の納め時らしいな!」

ルパン「……」

ルパン「そいつぁどうかな?」

ブルルルルルンッ!

チャラララ~♪チャ~ララ~ラ~♪

銭形「速度を上げただとぉう!?」

真紅「どうするつもり!?」

ルパン「……」

チャララ~ラ…ルパ~ンザサ~ド♪

ルパン「そりゃあ……」

ルパン「とぶに決まってるだろ?」

真紅「とぶ、って……」

ルパ~ンザサ~~~ド♪

ブルルルルンッ!

真紅「きゃああああっ!?」

ルパン「ひゃっほーーい!」

チャララッ、チャラッ、チャラッ、チャッチャラッチャン♪

(タイプライターの音で文字が流れると思いねえ)

ル・パ・ン・三・世・外・伝

真・紅・の・薔・薇・乙・女

チャララ~ン♪

「ルパン三世 真紅の薔薇乙女」

チャランチャランチャランチャンチャンチャン♪

真紅「全く、信じられないわ!」

ルパン「おいおい、そ~んなに怒るなってぇ真紅」

真紅「いいえ、言わせてもらうわ!」

ルパン「へいへい。なんでございますか?」

真紅「いい? 私は誇り高きローゼンメイデン第五ドールの真紅。
   本来なら、貴方のような野蛮な人間にネジを巻かれるような存在ではないの」

ルパン「野蛮な人間だって? こんな紳士を捕まえて」

真紅「ルパン。貴方、泥棒なのでしょう?」

ルパン「ああ、そうだぜ。天下の大泥棒、ルパン三世たぁ俺のことさ」

真紅「泥棒なんて……汚らわしい」

ルパン「そりゃないぜ真紅~。そもそもよ~お、
    俺が博物館からお前さんを盗み出さなかったら、今ここで俺とおしゃべるする事も無かったんだぜ?」

真紅「泥棒にネジを巻かれる位なら、眠っていた方がマシだわ」

ルパン「あらら! そりゃちょっと言いすぎなんじゃない?」

真紅「いいえ。これでも言い足りない位よ」

ルパン「……へいへい、悪ぅござんしたね」

真紅「それに貴方の言葉遣い。それで本当に紳士のつもりかしら?」
ルパン「喋りかたってなぁ、この喋り方かい?」
真紅「そうよ。粗野で下品ね」
ルパン「……」

ルパン「これは失礼しました真紅お嬢様」

真紅「えっ?」
ルパン「私めの言葉遣いがお気に召しませんようでしたので」
真紅「……貴方、私を馬鹿にしているの?」
ルパン「お、お~いおい! 俺がせっ……っかく丁寧に喋ってるってのによ」
真紅「そうね。悪かったわ」
ルパン「それじゃあ……」

真紅「今さら口調を変えられても、気味が悪いだけだもの」

ルパン「……」

ルパン(気味が悪いのはな真紅、お前さんの方だぜ)

ルパン(誰かが操ってる様子もねえのに、人形が動いて喋ってやがるなんてな)

真紅「聞いているの?」

ルパン「あ、はいはい! 勿論聞いてますよ~!」

ルパン(……しかし、どうやら噂は本当だったみたいだな)

ルパン(人形愛好家の間ではまことしやかにささやかれている噂……)

ルパン(……ローゼンメイデン)

ルパン(なんでもその昔、ローゼンっていう人形師が作ったってぇ代物らしいが、
   どうやって動いてるのかサ~ッパリわからねえ)

ルパン(その原理がわかればいいが……)

真紅「ルパン。今すぐ泥棒なんてやめなさい」

ルパン「はぁ」

ルパン(わからねえなら、ただ口うるさいだけで一銭の価値もねえ)

ルパン(なぁ~んで俺はあん時ネジを巻いちまったんだろうな、トホホ)

真紅「はぁ、ではないわ。いい? 泥棒からは足を洗うのよ」

ルパン「……はぁ」

ルパン「なあ真紅、ちょっとばかし質問してもいいかい?」
真紅「何?」
ルパン「お前さんが動いてる原理を知りたいんだがよ、
    教えてもらっちゃったりなんかしてくれるかな?」
真紅「そんな事を聞いてどうするつもり?」
ルパン「いや、なに。ただの興味本位ってやつさ」
真紅「……そうね。隠すことでもないし、
   貴方は下品だけれど、“一応”私のネジを巻いたのだもの」
ルパン「……へいへい、わぁってますよお嬢様」

真紅「私が動いているのは……ローザミスティカがあるからよ」

ルパン「ローザミスティカ? なんだいそいつぁ」

真紅「そうね、貴方達人間で言えば魂にあたる部分とでも思えば良いわ」

ルパン「……なるほど」

ルパン(人形に魂だって?)

ルパン(……こいつぁすんげえお宝の匂いがするじゃあねえか)

ルパン(俺ぁてっきりコイツが何かの仕掛けで動いてると思ってたが、
    軽く調べてみただけじゃその仕掛けがサッパリわからなかった)

ルパン(それもそのはずだぜ。さっきの言葉を信じるとするなら、
    コイツは、真紅は“魂”でもって動いてるっていうんだからな)

ルパン(……つまり、ローゼンは……)

ルパン(……)

ルパン(……魂を……“命”を創り出す事に成功してたってぇ事だ)

ルパン(人形師ローゼン。あんたは本当はただの人形作り屋じゃなかった)

ルパン(……優秀な、それもとっびっきり優秀な錬金術師だったってぇ訳だ)

ルパン「……」
真紅「? どうしたのルパン。突然黙り込んで」
ルパン「ん? あ、アハハハハハ! 別になんでもねぇさ!」
真紅「そう。それならいいのだけれど」
ルパン「……」

ルパン「……なんでも、な」

ルパン「……なぁ、もう一つだけ質問してもいいかい?」
真紅「今日はもう休みたいのだけど」
ルパン「そこをなんとか! おねがい!」
真紅「……まあいいわ。何かしら?」
ルパン「サァ~ンキュ~真紅! さぁっすが、話がわかる!」
真紅「おだてても無駄よ。質問は一つだけにして頂戴」
ルパン「ああ、一つだけで十分さ」
真紅「何が聞きたいの?」
ルパン「……」

ルパン「……なぁに、お前さん“達”が作られた目的ってぇのが知りたくてな」

真紅「私達が作られた目的?」
ルパン「そうさ。何の目的もなしに、こ~んなカワイコちゃん達に
    魂をわけあたえる奴なんているとは思えないんでね」

真紅「……そうね。話しておこうかしら」

ルパン「……」

ルパン(どうやら、アイツは寝たみたいだな)

ルパン(しっかし、人形とはいえカバンを寝床にするたぁ変わってるぜ)

ルパン「……」

ルパン「……究極の少女、アリス……か」

ルパン(第五ドールって言うから他にも魂を持った人形、ローゼンメイデンがいるとは思ってたが、
   ……そんなもんが目的だったとはね)

ルパン(それにどうやら、真紅達ローゼンメイデンも
    ローザミスティカの作り方がわからねぇみたいだしよ)

ルパン「……やれやれ」

ルパン(……取り出し方は、アリスゲームで敗れた時)

ルパン(ローザミスティカを奪われたドールは抜け殻になる、ねぇ……)

ルパン「……」

ルパン「こいつぁ、面倒なヤマ引き当てちまったみたいだな」

翌朝

ルパン「すぴぃ~っ……ぷひゅるるるる……」
真紅「起きなさいルパン。何時だと思っているの?」
ルパン「くかぁ~~~っ……ひゅぅぅぅ……」
真紅「起きなさい。真っ当な人間は、既に起きている時間よ」
ルパン「……ん」
真紅「起きた?」

ルパン「……ヌフフフ……不二子ちゅわぁ~ん……」

がしっ!

真紅「!? は、離しなさい!」
ルパン「むちゅぅ~……」
真紅「……くっ!」

ゴスッ!

ルパン「んげっ!?」

真紅「起きたかしら?」
ルパン「……ぬ、ぬわぁ~にすんでぇこんな朝っぱらから!」
真紅「ルパン」
ルパン「……あんだよ?」

真紅「紅茶を煎れて頂戴」

ルパン「……ほれよ」
真紅「ありがとう」
ルパン「へいへい、ど~いたしまして」
真紅「何か言いたげね」
ルパン「いんやぁ、べ~つになんでもございませんよ、ええ」
真紅「ならその不機嫌顔はやめなさい。見ていて気持ちの良いものではないから」
ルパン「……けっ!」
真紅「……コク……コク…………あら」
ルパン「なんだい? 俺の煎れた紅茶じゃあ駄目だったかな?」

真紅「……美味しいわ」ホワッ

ルパン「……」
真紅「? 何? そんなにジロジロ見て」
ルパン「……いいや、ちょっとばかし見とれてただけさ」
真紅「そ、そう」

ルパン「いや~、怒った顔以外も出来るんだなぁ」

真紅「っ! それは貴方が怒らせるような事をするからでしょう!?」

ルパン(それにしても驚いたな)

ルパン(紅茶を楽しむってこたぁ、味覚も嗅覚もあるって事だ)

ルパン(今までの行動を見るに、五感は全てもってるな)

真紅「何か考え事でもしているようね」
ルパン「あ、アハハハハ、ハ!……なぁ~んでわかったのかな?」
真紅「勘よ」
ルパン「……」

ルパン(勘ときたか。どうやら、第六感までそなえてるらしい)

ルパン(知れば知るほどこいつがすげぇもんだってのがわかる)

ルパン「……」

ルパン(人形師ローゼン。あんたが求めた究極の少女ってなぁなんだ?)

ルパン(こんなすげえ“命”を作り出して、戦わせて……)

ルパン(……求めるようなもんなのか?)

真紅「……ルパン、貴方は考え事する癖があるようね」

ルパンザサ~~~……(コケリン)ありっ?

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最終更新:2010年02月13日 17:42