出題:2スレ目>>78
>>79
風が肌寒く感じ始めた九月の終わり、少女が一人、双眼鏡を片手に空を見ている。
時刻は宵の口、辺りが暗くなり始め、町の明かりが灯り始める時間だ。
少女は少し時期はずれの白いワンピースを着て、髪の毛を後頭部で一つにまとめた髪形をしている。
その髪をかぜが優しくなで、遠くに車のクラクションが聞こえた時、不意に声を掛けられた。
「何見てんだよ」
少年が一人、いつの間にか少女の背後に立っていた。
年齢は少女と同じか少し下に見える。
デニムのハーフパンツとくすんだ燈色のティーシャツを着て、ポケットに手を突っ込んでいる姿はいかにも生意気そうだ。
「UFOみてる」
そういって少女は双眼鏡越しに赤と群青の空を眺め始めた。
実を重くしたススキが風に揺れ、その音とともに時間がゆっくりと流れる。
少年は少女と同じ位置から空を眺めるが、何も見つからない、彼は少女が出任せを言っているように思えた。
「俺にも見せてくれよ」
「いいよ」
少女から双眼鏡を受け取り空を眺める。
辺りは暗くなり始め、星の光が少し強く見えた。
「どこだよ」
「よく見て、ほかの星よりはやくうごくの」
少年は目を凝らし、双眼鏡越しに広がる星空を眺めた。
五分ほどだろうか、本格的に夜風が少年の体温を奪い始めたときだった。
一つほかの星と違って少しずつ動いている輝きが目に入った。
「動いてる……」
「……それがUFO」
「UFO……」
少年は魅入られたようにその輝きが地平へ沈むまで見つめていた。
>>82
「UFO見つかった?」
空を眺めていると、隣席の女子が話し掛けてきた。
「いんや」
「だと思った。元気ないもんねえ」
彼女は苦笑を返した。
「あ、あれもしかしてそうじゃない?」
そう言って青空の一点を白い指で示す。空をジグザグに翔ける光があった。
「……明らかにポルタン星人の円盤だよ。ただのエイリアンクラフトだ」
科学が果てしなく発達し、異星人との交流が活発な現代、特に珍しくもない。
「そか。なかなかないみたいだねえ。未知との遭遇」
「こんな時代だしなあ」
世の中の全てが科学で片付られてしまうのだ。ワクワクがどこにもない。
溜め息をついたときだった。
「あれ? またなんか」
「え?」
彼女の何気ない声につられて顔を上げた俺は、飛行物体を見た。
既知となったどの宇宙人の文明にも類型のないデザイン。
無人機でも有り得ない四次元機動で、瞬く間に俺の視界から消えていった。
「おいおいあんなの、データにないぞ……!」
俺の頬は笑みに歪んでいただろう。
「すごい! やったね! あれ絶対UFOだよ!」
「ああ、ああ! この世界はまだまだ謎に満ちているんだな!」
好奇心が蘇った。
自分のことのように喜んでくれる彼女の手を取って小躍りする。
「こうしちゃいられない! あのUFOの正体を暴いてやる!」
俺はテンション最高で教室を飛び出していた。
「……また造るね。あなたのために勉強したこの科学力で」
真実を知るのは、五年ほど後、俺と彼女の結婚式の最中になる。
>>83
「UFO……いい船団。ヤらないか?」
艦長の号令によって地球防衛軍の攻撃が始まる。敵機の数は約二万五千。……地球側にとってかなりの脅威だ。
「いいのかい。ほいほい太陽系にまでに来てしまって」
しかし、地球には秘策がある。それは――対異星人最終決戦兵器、アベェンゲリオン。艦長自らこれを操縦する。
最終更新:2010年02月13日 17:20