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出題:2スレ目>>112

>>115

ポール・バーグ。1980年、ノーベル化学賞受賞。
しかし彼の歩んだ道のりは決して平坦なものではなかった。
彼の影には、常にその名誉を嫌う反バーグ派が……。

「なにこれ?」
「いや、ちょっとひねってみようかと……」
「この人のこと知ってるの?」
「全然。」
「……」


>>116

最近、帰り道で委員長と一緒になることが多い。
 委員長といっても、実際に何かの委員長になっている訳ではない。
 容姿や行動が委員長っぽい。それだけの理由で彼女はそう呼ばれている。
「なあ、委員長」
 話す事は無いが、とりあえずいつものように話しかけた。
 クラスメイトと帰り道が一緒になっているのに、無言というのも気まずいしな。
「その呼ばれ方、好きじゃないんだけど」
 彼女は不機嫌そうに言った。
 好きじゃないと言われても、他になんて呼べばいいんだかわからない。
 なにせ、クラスメイトだけでなく、担任まで彼女の事をそう呼んでいるのだから。
「委員長って料理とかする人?」
 気にせず言葉を続けた。話題は毎回適当。
 何故そんな事を聞くのかと言いたげな顔をしている彼女をからかってやろうと思い、言った。
「俺、ハンバーグ好きなんだよね。作ってよ」
 さて、どんな反応をするかな。

「……じゃあ、家来る? 作るけど」

「へっ?」
 間抜けな声が出てしまった。
 ……委員長め。委員長なのに、切り返してくるとは生意気な。
 委員長と呼んだ事への報復か、からかった事への反撃かはわからないが、
 してやったりという顔は気に入らないな。

「……じゃあ、遠慮なくお邪魔させてもらうわ」

「へっ?」
 反撃成功。
 委員長、口開いてるぞ。それに足も止まってる。
「ほらほら、急ごうぜ」
 彼女の手を握り、少し早足で歩き出した。
「ちょっ、ちょっと!?」
 抗議の声を無視しつつ、どんどん歩を進める。
 さすがに女の子の手を握るなんて照れくさいが、夕日が顔の火照りを隠してくれるだろう。
 それにしても委員長の手、冷たくて気持ち良いな。これなら美味しいハンバーグが作れそうだ。

「私の家、逆方向なんだけど!」

 逆方向? なら、なんで委員長はこっちに来てたんだ?

 ……まあ、いいか。

 ハンバーグ、楽しみだ。


>>135

 私にとって、ハンバーグは最も思い出深い料理だ。
裕福な家庭ではなかったものの、たまに母はハンバーグを作ってくれた。
母の作るハンバーグ以外を食べる機会などなかったが、それでも、母の
作るハンバーグは、レストランで一流シェフが作るそれを凌駕しているとさえ
感じていた。
 そんな母も、今ではすっかり年老いてしまった。それでも、私が実家に帰った
時には、必ずハンバーグを作ってくれる。物忘れが激しくなった母だが、
ハンバーグの味だけは変わらなかった。作り方はしっかり覚えているようなので、
レシピを教えてもらおうとした事があったが、断られてしまった。
「お前の奥さんに教えてやるよ。だから早く良い人見つけな」
何度尋ねてもこう切り返されてしまう。よほど教えたくないのかとも思ったが、
私が自分で料理を覚えたら、結婚する気がなくなってしまうとでも思ったのかもしれない。

 そんな母も、去年この世を去った。
死ぬ直前、私は母に妻となる女性を紹介した。何も言わず、笑顔で涙を流す母を見て、
私はやっと親孝行が出来たのかも知れないと感じた。
 母が死に、遺品の整理をしている時、私と妻は遺書を見つけた。私が使い古したノートの
残りページに書かれた、一見落書きにも見えるそれは、確かに私と妻に宛てたものだった。
体には気をつけるように。奥さんにわがままを言わず、仲良くするように。孫が出来たら、
一緒にお墓参りに来るように――
箇条書きで綴られた遺書を、私と妻は涙で濡らした。

 涙を拭き、遺品整理に戻ろうとした私を、妻が引きとめた。次のページに、なにやらレシピが
書かれていると言うのだ。何のレシピかは書かれていなかったが、私は妻に、このレシピ通りに
料理を作るようお願いした。何が出来るのか、私には予想が付いていた。

 夕食に並んだ料理は、はたして私の予想通り、ハンバーグであった。母がよく作ってくれた事を
語ると、妻の目に涙が浮かんだ。我が事のように悲しんでくれる妻を見て、私は彼女を大切にしようと、
改めて誓った。
「さぁ。冷めないうちに食べよう」
 私の言葉に、妻は涙を拭きながら言った。
「そうね。美味しそうないわしのつみれが冷めてしまうわ」

 その日、私は初めてつみれとハンバーグの違いを知った。

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最終更新:2010年02月13日 17:21