出題:2スレ目>>454
>>458
薄暗い洞窟。
外では激しく雨が降り続いている。
やっと落ち着いた場所で休めることを旅人は喜んだ。
崩れるように座り込んだ。
沢山歩いた。もう、一歩も歩けなかった。
旅人は疲れていた。
歩く事に疲れたのではない。旅をする事に疲れていた。
どこかに定住しよう。そう何度も考えたし、試してもみた。
だが、どこも長くとどまることは出来なかった。
しかし、そこの暮らしに馴染めなかった訳ではない。むしろ旅人は上手くやっていた。
旅人は目を閉じ、それまでの道のりを思い出していた。
干し肉を噛み締めながら、ゆっくりと、ゆっくりと。
……旅人は目を開けた。その表情に疲れは見られない。
気付けば雨音は聞こえなくなっている。
旅人は立ち上がり、外の様子を見て微笑んだ。
旅人は歩き続ける。
空が晴れ、大地が続いている限り。
何故なら、旅人は旅人だからだ。
最終更新:2010年02月13日 17:25