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出題:2スレ目>>512

>>515


A「いくら闇鍋だからって部屋入る前から真っ暗にしなくても……」

B「いらっしゃい。鍋出来てますよ」

C「これで全員ですか?」

D「そうみたいですね。最後の方が席に着いたら始めましょうか」

B「あ、鍋熱いから気をつけてくださいね。Cさん、手で案内お願いします」

C「えーと、あったあった。この手ですね、えーと」

A「A、です……」

C「Aさん。そのまま真っ直ぐ……はい、座って」

A「あ、あの……闇鍋って聞いて……」

D「はい。鶏の水炊きですね」

A「そうじゃなくて……みなさん、どちら様で? 初対面……ですよね?」

B「皆さんお互い初対面ですよ。だから『闇鍋』なんじゃないですか」

A「あぁ……そっちが『闇』なんだ……」

>>516

うちの実家では、正月三が日をいつも闇鍋で締め括る。
「それでは……闇鍋を始める」
厳めしい父の声。
すでに真っ暗闇だが、家族に緊張が走るのがわかる。
「第一陣、投入」
歳の順で具材をぶち込むのが、うちの不文律だ。
父の座っているあたりから、小さくキュキュと擦れる様な音が洩れる……白菜か。妥当だな。
続いて母の投入。……音が小さい。軽いものだろう。キノコ類で出汁をとるつもりかもしれない
兄、俺、妹と続く。
……不穏なものが投入される気配はなかった。
今年の闇鍋会は、無事に終わるかもしれない。
ほう、と溜息をつく。何しろ今までが散々な結果だったからな。
やがて、なにやら良い匂いも漂ってきた。
これはキノコか。やはりな、母さん。GJだ。
磯の匂いもする。妹がこっそり隠していた海老かもしれない。
おまけに、こうばしい匂いまで……あれ?


「母さん、つかぬ事を聞くけど。
 ……鍋にちゃんと水入れた?」


>>517

魔王の持つ闇の鍋を打ち破るには、神々に伝わる光の鍋を


>>518

Darkness pan

漆黒の暗闇。この白い壁紙の小部屋が、黒に染まっていく。
 部屋の中央には地獄の豪火。それは黒鉄の鍋底をじりじりと焼いてゆく――。
 舞台は整った。この背徳の儀式に参加する選ばれし者。
 各々の持ち寄りし原罪を鍋に投下し、浄化する。
 これを一巡。その後、この混沌たる世界を食らう。それだけがこの悪魔じみた儀式を終焉とする。
 一人が、それを口にする。ばたりと音を立てて、倒れる。やはり奴には時期尚早だったようだ。
 だが二人、三人とその消化器官を麻痺させる。今度の敵はいささか強力なようだ。ごくりと生唾を飲み込む。
 一口。否、断じて否。私はこれを認めない。すぐさま聖水を喉に流しこむも、遅い。
 私たちは事実上、全滅した。

>>519

久々に同級生同士で会う事になった。数年ぶりだろうか
落ち合う場所は、俺の一番の親友である玉城のマンションの一室
なんやら闇鍋パーティとやらを開くらしい。闇鍋パーティと聞いて、俺は一瞬不安を抱いたサ
けど、信頼のおけるあいつらの事だ。突拍子の無い食材は入れるだろうが、食えないものは入れないだろう

そうこう考えている内に、玉城の住んでいるマンションに着いた。結構高級そうだな
玉城の部屋に行くためにエレベーターに乗り込むと、級友であった高橋と霧島に会った
聞いた話だと職場が同じなほど仲が良いらしい。俺達はそれなりに昔話で盛り上がった
と、二人が俺と同じくスーパーの袋を持っているのに気づいた。何が入っているのかな

聞きたい所だがそれはマナー違反だ。俺は会話が途切れたと同時に口を閉めた
エレベーターが玉城の住んでいる部屋の階に到着した。先に高橋と霧島 を行かせ、俺も出る
三人で無言で歩き、玉城のいる部屋に着くと同時にインターフォンを押す

少し待つと浮かれた声の玉城がドアを開けて出てきた。どことなく顔が酔っている気がする
言われるがまま、俺と高橋と霧島は玉城の部屋に入った
案内されたリビングにはしきられたコタツ、その上に出汁を張られた鍋と、数本のビール、それに――
あれ? なんで誰もいないんだ?
俺が玉城に聞いた話だと、昔のクラスメイトがあと数人、確か女友達が揃っているはずなのだが
ふと気づくと高橋と霧島がコタツに座っていた。つっ立っててもしょうがない為、俺もその場に座る
数秒後、玉城がやって来た。チャッカマンを持ってきたようだ。4人でコタツを囲む

「……男同士ってのも寂しい物だな、え?」
ビールを口に運び、俺はニヤケ顔で3人にそう言った

「あぁ、男同士は寂しいなぁ、ホントに」
玉城が口惜しそうにそう返した。他二人は……なんだ? 妙に顔色が悪い

「けど、ひさびさに揃ったけど、俺たちってほんとに女運無かったよなぁ」
玉城が俺に続いてビールに口をつけながら、しみじみと続けた。まぁ確かに
……いや、俺はお前らの事は笑えないんだよな。けっこう自分で言うのもなんだがもてちゃったし
今日来るはずだった女友達も、お前らというより俺の友達なんだよな

「そう暗くなるなよ、玉城。女なんてガンバりゃすぐできるさ」
ビールを喉に流し込んで、俺は笑いながらそう返した。そう、それが真理だ
「結局最終的に決まるのは心よ、顔じゃない、こ・こ・ろ」
わざと茶目っ気ぽく言ったが……ううむ、滑ってやがる。てかなんで高橋も霧島もそんな暗いんだ?
そうだ、さっそく食材を見せてやろう。この日の為にわざわざ取り寄せて買ってきた高級牛肉だ

こいつら喜ぶんだろうなぁ。そう思いながら袋に手を伸ばした

「肉ならいらないぜ」
え? 瞬間、パチンと電気が切れた
おいおい、何も入れてないのになんで真っ暗にするん・・・・・・だ・・・・・・?
背中に、冷たい感触が突き刺さり、同時に、息が詰まるほどの激痛が走る

電気の暗闇じゃなく、視界が暗くなっていく
立ってられなくなり、俺はそのまま突っ伏した。横目でぼんやりと、そびえる玉城が見える
「ど……どうして・・・・・・こんな……」

俺が呼吸も絶えそうになりながらそう聞くと、玉城は言った
「むかついてたんだよ、餓鬼の頃からずっと、お前のその上から目線が」
「俺は…・・・そんなつもりじゃ・・・・・・」


「は~い、お邪魔しまーす!」
「あれぇ? 佐藤君真だ来てないの? つまんなーい」
「佐藤君来てないなら帰ろうかな、あたし達」

「おっと、待ってくれ君たち。佐藤なら今来るからさ、そうだろ、高橋、霧島?」
「そ、そうそう。ちょっと遅くなるってさ」
「う、うん」

「そっかー。じゃ、待ってようかな」
「おう、んじゃーちょっと作戦会議! 高橋、霧島、ちょっと外来い、外」

「・・・・・・もう少し細かく斬った方が良かったな」
「大丈夫じゃね? 闇鍋だからばれないっしょ」
「だな、闇鍋だもんな」

>>520

「闇鍋」
「……だから何?」
 女は相手をするのは面倒だと言わんばかりに短く返し、手元の雑誌に目を戻した。
 男が唐突におかしな事を言うのは日常茶飯事だったので、さして気にもとめなかった。
 それでも反応を返してしまうのは、女が律儀な性格だからだろう。
「なあ、闇鍋ってどんな料理なんだ?」
「知らないの?」
 顔を向けずに女は問い返した。
 話題を振っておきながら知らないとは。
 しかし、闇鍋の事を知らない人間というのも珍しいと女は思った。
「知らねえ。美味いのか?」
 男は好奇心の塊だった。
「そうね。あんたの頭の中みたいな味がするんじゃない?」
 何が入っているかわからない。
 それも、ロクなものじゃない可能性が高い。
 そういう意味で皮肉ってみたのだが……。

「なる程。じゃあ、お前の味がするって事か! 俺の頭の中はお前の事でいっぱいだからな!」

 そもそも、闇鍋を知らない人間に皮肉が通じるわけがなかったのだ。

「……そう」

 女はそう返す事しか出来なかった。

 全く、闇鍋は何が入っているかわからないものだ。


>>522

おはようございました。
暗闇の中、枕もとの目覚まし時計に手を伸ばす。
「1時過ぎか……」
どうやらまた昼夜を逆転させてしまったようだ。

暫くの間自分の駄目人間っぷりを自分で罵ってみるも、腹から聞こえる大きな音を機に無理やり思考停止を試みる。
そういや丸一日、何も食べてないのか俺は。
母親はご飯を作ってくれているだろうか。
とりあえず居間へと出てみよう。
そしてベッドから立ち上がりながら再度考える。
親不孝者だなあ、俺は。
どうやら自己嫌悪と言う物は簡単には止められないらしい。

その日の夕食は鍋だったらしい。
テーブルの上に書置き、そして冷蔵庫の中には土鍋が入っていた。
隣の部屋で寝ているのを起こすのは忍びない。
そう考え電気は付けずに完食した。
暗闇の中で食べる水炊きは塩辛かった。

>>523

※ただいまこのスレが闇鍋と化しています

>>530

「戴きます」
既に各々が持ち寄った具材は土の鍋へと投入され、
青白く揺れる携帯コンロの炎だけが光源となった室内で私は呟いた。
「いただきます」
私の声に続くように三人が重奏を呈す。
一人が合掌するとき、他の者も必ず合掌をするように我が家では躾ているからである。

「御先にどうぞ」
「じゃあ、僕から食べようかな」
息子の声だ。
若い者からの序列で口にすることは、言うまでもなく我が家のシキタリとなっている。
「うわぁ、肉が入ってる!」
当たりを引き当てたのだろう、すぐさま歓喜の声が轟いていた。
尤も……どれを引いても当たりなのだから当然なのだけれど。
「えっと、次はあたしの番よねっ!」
沸々とした期待に満ちた娘の声と共に、鍋を箸で掻き混ぜる音が聴こえてくる。
大方、獲物を探しているのだろう。
安心していいよ、今日は全てが当たりなのだから。
そんなに焦らなくとも御代わりの御飯が無くなる訳でもないし、
いつものように空腹に耐える必要も無いのだから。
「美味しいっ」
それは良かったね、と声を掛けてあげた。
ともなれば残っているのは私と夫の二人だけ。
「さぁ、あなた」
「……ああ」
やや遅れての暗い返答。
その顔色が窺えなくとも、彼が今どのような表情を浮かべているのかくらいは手に取るように解る。
もう十年も付き添った人なのだから。
「それでは頂くよ」
硬く目を閉じ、覚悟を決めたように口の中へと放り込んでいた……はずだ。

さて、これで残るはあと一人。
最後の最後は私の番。
「戴きます」
覚悟を決めるようにもう一度呟いてみる。
もちろん、声が返ってくることは無いだろう。
三人ともが当たりを引いたのだから。
私も、すぐに後に続かなくては。
「……美味しい」
唯一の光源すらも闇色に溶けていくのを感じながら、
私は久方ぶりに口に出来た人間らしい晩餐の味を噛み締めていた。

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最終更新:2010年02月13日 17:27