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趣意書

総人・人環自治会趣意書


文責 総人・人環自治会準備会

 自治をしましょう。そして自治をするために、自治会をつくりましょう。以下自治と、自治会について、何故、何がいいのか書きます。

はじめに

 私たちが身近に「自治会」という言葉に接しており馴染みがあるため、「自治会」と書きますが、別にほかの名前でもいいし実際にある他の自治会と似たような組織でなくてもいいでしょう。
 「自治会」という名称には様々な先入観が付着しており、それらは事実であったり誤解であったり大事だったりそうじゃなかったりするけれど、どうかそういったものを頭から一度追いやって、以下の文章を読んで、考えてみてください。

1.自治について

自治とは 既にある総人の「自治」 そして自治の効用

 自治とは……自ら治めること……自分(達)のことを自分(達)ですること。言葉にするとそれだけのことです。
 なぜ自治か。自分のことは自分でやる方が、自分でやるからこそ、気持ちいい生活が送れるからです。
 そしてその実例は意外と身近に存在します。
 総人合宿やオープンキャンパスです。
 合宿を例にとってみますと、総人では毎年新入生に向けて合宿を開催していますが、そこでは企画・運営はすべて学生の手によってなされています。かつて合宿に参加する側が、今度は運営をする。そうするからこそ反省が効果的にいかされて合宿は毎年より良いものになっていき、また合宿をどのようにすべきか学生同士で議論を行うことによって企画する側の「総人について」、「大学について」の考えも深まるでしょう。これが例えば外部企業に委託されていたなら、そこまでは行かずとも学部によって運営されていたなら、どうか。より意義のある合宿が出来上がるでしょうか。企画、運営の議論の場は学生が行う場合と比べて遠ざかり、私たちの考えは届きにくくなりますし、そもそも「参加者」は新入生に限られ、それ以外の人間が考える機会などは失われます。残るのはみんなと仲良くなれた、気がした、例年通りの、楽しい、総人合宿の思い出だけ……?そんなの私たちは嫌です。
 この構図は、概ねそのまま大学について、世界について、当てはまることだと思いませんか。当事者が議論に参加すること、それは「自治」であり、またそれがいい感じの生活を作るために有効な手段となり得るわけです。

2.自治会について

 「自治会」があるだけで何か勝手によくなるなんてことはありません。当然。実際に、人が、何かしないといけないわけですが。さて何をするのか。以下、考えられる機能を具体的に述べます。

・機能とその効果

 自分たちの生活をよくするためには自分たちで考え、実践していくのが一番いいと書きました。今話しているのは「総合人間学部、人間・環境学研究科」の「自治会」なわけですから、特にその学部、研究科に関わる生活をいい感じにしていくための機能をもつでしょう。さてそれは何か……。

1.考える場としての機能

 まずは何がいいのか、どうすればいいのか考えなければなりません。それは例えば学生、院生だけに限らず、教職員も含めた議論の場が必要となることもあり得るでしょう。そのような場を設定する、または場そのものとして働くという役割がまずあります。

2.実際に実行する主体としての機能

 1.のために、あるいはその議論を受けて、実際に何かを実行に移す必要があります。
 例えばすでに行われている事として合宿やオープンキャンパス。
 例えば自主ゼミや勉強会、交流会等の企画、または援助。
 文学部自治会を考えると、教室の貸し出しをしたり自主ゼミに対して資金援助を行ったりしています。教室は文学部生に限らず、学内外だれにでも貸し出しています。また、自主ゼミに対して単位を認定するという愉快な制度が70年代ごろ京大にはあったそうです。これは農学部自治会の要請によって生まれました。
 工夫の余地、面白い企画はおそらく数限りなくあります。それを、前述したように、学生のために、学生が企画、運営するのが最も効果的だと考えます。
 総合人間学部では学部の理念上様々な分野を学ぶことができ、各学生の研究内容は多岐にわたります。さらに学問に限らず、各人様々な活動を行っていたりします。それらの人間が交流することによって学部の特色がよりいかされるという意義が考えられます。

3.「場」あるいは「場所」としての機能

 まず議論の場として、その内容を蓄積する場として、そもそもそれを実現するための「場所」という機能をもちます。
 何か問題が起きた時や、何か企画するとき、どう考えるか、どう行動するか等々人と話し合いたいとき。人が集まる場所があれば、実際にその場所を使って会議をしたり、ビラを書いたり、なんやかんやできます。具体的には人々が集まり、話し、学ぶ言葉通りの意味での「場所」ができるということです(もっと具体的に言えば「部屋」です)。「場所」というのは非常に大切です。人が集まることのできる場所があって初めて、そこに人が集まります。本来なら出会わなかったであろう人々が集まり、本来無かった話が生まれ、考えが生まれます。
 また、ある事柄について議論が行われたり様々な企画が開催されたりしたとき、その資料を蓄積し、後世に伝える場としての機能も持ちます。それによってその後の議論が深まり、また何か企画するとき等に参考にすることができます。

4.学生の意見の窓口としての機能

 今まで私たちの一部は「京都大学学生有志」として活動を続けてきましたが、その中で提出した抗議書、要求書等はすべて無視されました。しかし一方で複数の学部自治会の連名で提出された要求状には大学から正式な返答がありましたし、また理学部自治会の要求によって公開説明会が開かれたりもしました。このように大学から公認をもらい、継続的に活動してきた組織があると意見を大学に主張するとき大きな力になります。
 それには公認団体であるかどうかという違いももちろんあるでしょう。(公認団体でなければ意見を聞かない、すなわちある「主張」を、その内容以外の部分で判断し無視したり受け取ったりすることは、おかしなことですし認められることではありませんが。)しかしそれに加えて、あるいはそれ以上に、彼ら自治会が長年大学に対し学部の声として主張をし、交渉をし、活動を行ってきたという経緯があるからこそ彼らの主張が受け取られたという背景もあります。
 「自治会」として活動し、継続することで、一人の学生やその時その時でできた有志では伝わりにくい意見、要求を大学に伝えやすくなります。

5.力の差を埋める機能

 また、学生が一人で何か主張しても、それが聞き入れられるのは困難です。学生一人に対して、大学という組織はあまりに巨大すぎます。しかし同じ意見を持った者同士が集まることで、あるいは大勢が議論の末に一つの主張にまとまることで、巨大な何かに対して渡り合うことができるようになります。自治会というものは、内部に向いた活動としての「自治」、すなわち「自分のことを自分で決める」働きに加え、外部に向けた「自治」すなわち強い力を持った「何か」に対して、単体では弱いものが集まることによって自分たちの権利を、ひいては「自治」そのものを守る、という働きもあるのです。
 これは、自治会をはじめとする組織が力を持つしくみの一つです。

6.交渉によって得た「約束」を引き継いでいく機能

 何か問題が起きた時に有志が集まり、活動し、例えば大学に何か要求をのませたとします。しかしその約束は彼らが卒業していなくなった後に覚えている者はいなくなってしまうかもしれません。
 自治会という組織が継続して存在することで、一度とりつけた「約束」を引き継ぎ、反故にされることのないようにいわば監視しつづけることができます。また、新たな議論が発生したときなどでも、積み重ねてきた約束を前提として議論を行うことができます。これは非常に大切なことです。
 「京都大学学生有志」が「一方的な決定をしないこと」を今回大学に認めさせたとしても、それが学生の間で引き継がれなければ大学はまた同じようなことをしてくるかもしれません。そうなればただ少し日程がずれたというだけのことで何の問題も解決してはいないことになってしまいます。継続した団体が存在し、活動を続けることで、このような事態を防ぐことができます。

・構成

1. 構成員

 総人・人環を「自治」するので、構成員は総人・人環の全学生です。
 また雑務、会議の招集等の役割としてなんらかの形で常任の委員会は必要です。ただし意思決定のプロセスをどうするか、その委員会にどこまでの権限を持たせるのかは、議論の必要があります。

2. 学生総会

 自治会の最高意志決定機関です。自治会の運営方針を決めたり、規約の改正をしたり、委員会委員の選任・不信任等を行う時に開かれます。

3. 委員会

 日常的な業務を行うための委員会を設置し、普段はその会において方針や活動内容を議論することになります。

4.予算

 今のところは強制的に自治会費を徴収するのではなく、カンパによって運営していこうと考えています。加えて現在総人合宿で行っているように、必要に応じて学部に予算を請求する可能性もあります。

 その他細かい内容については規約(案)をご覧ください。

・予測される困難・問題点

1.怠惰、無関心による消滅

 中心となって活動する人間すらいなくなれば、いくら「自治会」が存在していようとその組織は消滅します。事実、かつて総合人間学部自治会は存在しましたが担う人がいなくなり、自然消滅しました。

2.政治団体とのかかわり

 過去に法学部自治会では、活動する人間が減り、政治団体によって自治会が乗っ取られてしまうような事態が起きています。そうなったとき、自治会の活動が実質、一部の人間によって決められた政治的主張を行うものに終始していまい、「自治」が行われなくなっていました。学生生活の向上を目指すという自治会の目標に沿って運営できるような組織体系、構成員の高い意識が求められます。

さいごに

 大学生活たったの四年間です。よくわからないまま一年が過ぎ、よくわかってきたら就職活動が始まるそうです。そんな短い期間しかないのに「自治」とやらをする。わざわざみんなで話し合って時間をかけて、いつかは卒業するものを良くしていこうとする。
 遅いでしょう。しんどくて面倒でしょう。しかし早いから、楽だから、すごくいいのか。どうせ死ぬんです。急いでもたかが知れてますよ。ちょっと遅くても、そのときを、自分で何とかして、良くしていけるように、「自治」するのはどうでしょうか。「自治」の魅力も、なかなかどうして、捨てがたいものです。
最終更新:2013年02月16日 19:23