Weiß ~幻想への誘い~
小鳥達の歌 窓に映る木洩れ日 今日という日の始まり
森と水に囲まれ寄り添って生きる小さな村の日常
朝露に靴を濡らしながら 少女は森の奥へ進む…
静かに霧に包まれし湖には
忌むべき呪いの伝承(つたえ)
「水汲み(しごと)が済んだらまっすぐにお帰り」と
叔母(はは)はいつも繰り返す……
急にたら(とじ)こめた深い霧に 少女は振り向き息をのむ…
向こう岸に霞んで佇む人影
遠き日に亡くしたはずの父親(じじ)の姿
手を伸ばして届くならもう一度会いたい
またあの頃のように優しく名を呼んで…
宵闇の中ひとり森へと向かうは
幻影(まぼろし)に囚われた無垢な白い花
最終更新:2009年03月13日 19:57