真実の伝言

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嗚呼…昨日のことのように憶えています──
それは冬の朝──
呼び声は温かく手を握り諦め──
天使(Angel)の金管(らっぱ)を聴きました…

ありふれた人生だったと…我ながらに憶います
それでも…アナタを産めたことは『私の誇り』でした……

嗚呼…昨日のことのように憶えています──
寒い冬の朝──
産声は高らかに天を掴み取り──
橙色(Orange)の光を射しました…

ついてない人生だったと…我ながらに憶います
それでも…アナタと出逢えたことは『最高の幸運』でした……

嗚呼…どんな苦難が訪れても…諦めず勇敢に立ち向かいなさい…
愚かな母の最期の願いです…アナタは──
『しあわせにおなりなさい』

「…ごめんなさい」 「…さようなら」
生まれて来る朝 死んで行く夜 君が生きている 現在(いま)
「…ごめんなさい」 「…ありがどう」
十一文字の《伝言》(Message) 幻想物語(Roman) 『第五の地平線』

「嗚呼…其処にロマンは在るのだろうか?」

アナタを産んだのが…誰であれ…
本質は変わらない…何一つ…
アナタが望まれて産まれて来たこと…
それさえ忘れなければ…いつか繋がれると──

嗚呼…傍で歩みを見守れないのが…無念ですが…どうか…凛と往きなさい
愚かな母の唯一の願いです…アナタは──
『しあわせにおなりなさい』

アナタが今生きている──それが『私が生きた物語の証(Roman)』
この地平線(せかい)愛してくれるなら──それが『私の幸福(Bonheur)』
──それが『私の物語の意味(Roman)』

「其処にロマンは在るのかしら?」

生まれて来る意味 死んで行く意味 君が生きている 現在(いま)
十一文字の《伝言》(Message) 幻想物語(Roman) 『第五の地平線』

ふたつの風車は 廻り続けるだろう
愛する者と再び 繋げ時間(とき)まで
生と死の荒野を流離う人形は 廻り行く夜 どんな詩を灯しただろうか?

そして…地平線を統べる銀色の光…今…幾つの朝が訪れる──

「嗚呼…其処にロマンは在るのだろうか?」

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最終更新:2009年03月13日 16:38